著者
篠野 志郎
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.63, no.506, pp.191-195, 1998
被引用文献数
1 1

In the research of the Byzantine city, the planning idea of the city, which is generally vague in spite of the development of urban culture in the Byzantine Empire, would have reflected into its image; it might be alluded unconsciously in the contemporary description. This paper based on this consideration deals with the symbolized concept of Constantinople by examining the descriptions of Patria written in the 10th century, which is by accident involved in the documents of Kodinos as Περι Κτισματον τηζ Κωυσταυτινουπολεωζ. As the result, Constantinople seems to have been recognized as a religious city without amusement by the contemporaries.
著者
張 守祥 shou Xiang Zhang
出版者
学習院大学人文科学研究所
雑誌
人文 (ISSN:18817920)
巻号頁・発行日
no.10, pp.51-68, 2012-03-28

かつて日本の実質的な支配地であった「満洲国」における日中両民族間の言語接触を対象とした研究は今日までほとんど存在しない。当時の言語接触の実態はどのようなものだったのか。また、それはどのような特徴を持っていたのか。これらは不明な部分が多く、言語接触の観点からも非常に興味深い課題である。本研究では、軍事郵便絵葉書を資料として、「満洲国」の接触言語の使用状況、語彙、音韻、文法のジャンル毎に考察し、満洲国における言語接触の実態と特徴を明らかにしようとするものである。考察した結果、語彙の引用、人称代名詞を中心とする「デー」の拡大使用、音韻上の変化特徴、助動詞としてのアル、助詞、準体助詞、形式名詞の省略など、ピジンの特徴に当てはまるものもあれば、当てはまらないものもある。21 世紀になった現在、「満洲国」時代の経験者の多くは他界している。この意味で、本研究は当時の言語接触の一側面を把握するには役立つものだろう。
著者
笠岡 誠一 中島 滋
出版者
文教大学女子短期大学部
雑誌
研究紀要 = Annual Reports of Studies (ISSN:03855309)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.13-15, 2000-12-01

我が国において、干物は保存性の高い食品として古くから利用されてきた。また近年では、その独特のうま味とテクスチャーから、日常食品としても好まれている。このうま味の一因として、乾燥工程における水分量の減少により、魚肉中の呈味成分が濃縮されることがあげられる。また呈味成分の中で遊離アミノ酸および核酸は、タンパク質および核酸分解酵素の働きにより分解生成物が生成されれば、濃縮される以上に濃度が高くなることが考えられた。分解酵素の作用に関する研究は、酵素活性が強いことが知られている貝類に関する報告と、白色筋のミンチのみを原料とした著者らの報告以外はほとんど行われていない。本研究は、日常的に食する干物の呈味性を、分解酵素の作用により高めることを目的としている。今回は、アジ干物製造工程における水分量変化と遊離アミノ酸量変化を測定し、タンパク質分解酵素の働きを検討した。また、製造工程における脂質量変化と呈味との関連についても検討した。
著者
堀尾 福子 池田 徳典 石黒 貴子 瀬尾 量 内田 友二
出版者
一般社団法人 日本薬学教育学会
雑誌
薬学教育 (ISSN:24324124)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.2021-041, 2022 (Released:2022-03-02)
参考文献数
18

感染症によるパンデミックを収束または制御する手段として期待されるワクチン及びその接種では,ワクチン接種希望者へ安定的かつ速やかに供給と接種を提供できる体制を構築することが重要である.その課題の一つとして接種の打ち手の確保がある.欧米では薬剤師もワクチン接種の打ち手となっているように,今後日本でも薬剤師が貢献できる可能性が期待される.このような背景により,学部4年生を対象とした上腕筋肉注射シミュレータを用いた実習を実施し,その効果を検証した.実習前と比較し実習後では,筋肉注射の知識・技術のどちらも向上しており,かつ高い満足度が得られた.さらに,学生の自信獲得にも繋がっており,自己効力感が育まれたと考えられた.また,「今後役に立つ」「学んでおくべき」と考える学生が実習後では増加し,学生の意識にも変化をもたらした.これらの結果より,学部教育における筋肉注射実習は有用な実習であると考えられる.
著者
本多 健二 佐藤 誠
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.56, pp.5-8, 2013-12-02

画像処理における基本処理に,対象の境界検出がある.本稿では,境界検出手法の一つである零交差線による境界検出について検討する.画素(x,y)の濃度値f(x,y)に対して,勾配を∇f,ヘッセ行列をHとしたとき,幾何学的な対象の境界を表す零交差線としては,ラプラシアン法で用いられるtrH,また,Canny法で用いられる(∇f,H∇f)の零交差線の2つが考えられるが,本稿では特に(∇f,H∇f)について検討する.(∇f,H∇f)の零交差線は,幾何学的には,曲線f(x,y)の変曲点,すなわち,画像の極大点から湧き出し,極小点へと流れ込む流線の変曲点を求めることと等しい.通常,ディジタル画像処理において(∇f,H∇f)を処理する場合には,微分を差分に置き換えた局所オペレータを用いる方法が使われる.本稿では,(∇f,H∇f)の幾何学的意味に戻り,実際に極大点から極小点へと流れる流線を定義し,流線に沿って変曲点を解析することにより,濃淡画像の零交差線を検出する手法について検討する.そして,従来の差分による手法との間に結果の差異があるかを実験的に確認する.
著者
藤木 泉
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement
巻号頁・発行日
vol.37, pp.54-55, 2021

<p>マガーク効果によって音声言語の音韻知覚が視覚情報によって変化する現象が見られる。例えば、baの音声にgaの口の動きを合成するとda (融合反応)やga (<tt>視覚反応</tt>)<tt>などのように知覚される現象である。本研究では、この現象を私が制作した動画においても再現できるのかを検証した。高校生</tt>5<tt>人の</tt>ba<tt>、</tt>pa<tt>、</tt>ma<tt>、の音声に、それぞれ一致した口の動きと、矛盾した口の動きの映像</tt>(ga<tt>、</tt>ka<tt>、</tt>na)<tt>を合わせた。撮影は</tt>iPhone8<tt>の内蔵カメラ、編集はスマートフォンの動画編集アプリ</tt>InShot<tt>と</tt>VivaVideo<tt>のいずれも無料版を使用した。高校生</tt>25<tt>人</tt>(<tt>健常者 </tt>24<tt>名、聴覚障碍者 </tt>1<tt>名</tt>)<tt>に</tt>6<tt>つの動画の聞こえ方とその明瞭度</tt>(<tt>どの程度はっきりと聞こえたか</tt>)<tt>を評価してもらった。一致刺激に対して矛盾刺激の方がいずれも正答率</tt>(<tt>正答とは聴覚情報を回答すること</tt>)<tt>が低かったため、マガーク効果は再現されたと思われる。また、矛盾刺激に対して一致刺激の方がいずれも明瞭度が高いと回答した人が多かった。誤答については視覚情報に寄るか聴覚情報に寄るかで個人差があり、後者の方が多く見られた。これは視覚情報よりも聴覚情報に日本人は依存しやすいという先行研究に一致する。動画を制作する際にそれぞれ重視する感覚の情報を弱めれば、融合反応が多く見られると考える。加えて、同様の手法を用いて、</tt>ba<tt>、</tt>pa<tt>、</tt>ma<tt>の音声に</tt>ra<tt>、</tt>sa<tt>、</tt>ya<tt>の映像を合わせた動画を制作した。高校生</tt>17<tt>人</tt>(<tt>健常者 </tt>16<tt>名、聴覚障碍者 </tt>1<tt>名</tt>)<tt>に聞こえ方と明瞭度を</tt>4<tt>段階で評価してもらった。</tt>2<tt>つの実験を通して健常者と聴覚障碍者の回答を比較した。聴覚障碍者の方が視覚情報に依存しやすく、これは読唇と日常的に口元に注視する習慣が影響していると考えられる。</tt></p>
著者
山田 学
出版者
獣医疫学会
雑誌
獣医疫学雑誌 (ISSN:13432583)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.68-70, 2019-07-20 (Released:2020-01-10)

2 0 0 0 OA [枕草子] 5巻

著者
清少納言 [著]
巻号頁・発行日
vol.[1], 1600
著者
浅沼 和典
出版者
明治大学政経資料センター
雑誌
資料センターニュース
巻号頁・発行日
vol.45, pp.25-28, 1988-12-20

イギリスに滞在していた昨年6月に総選挙が行われた。この選挙の最大の興味は、言うまでもなく、サッチャー首相の保守党が3連勝するか、それとも、労働党が79年以来の連敗に終止符を打てるかにあった。結果は、周知のように保守党の勝利。新聞やテレビがサッチャーの「ハット・トリック」とさわぎ立てていた。いよいよ第3次サッチャー政権のもとでイギリスはどのような生きざまを見せるか。果して活力を取りもどせるか。内外から熱い視線が向けられている。かつて世界最高の工業水準、経済力を持ち、多数の植民地をかかえて7つの海を支配したイギリス。それだけにまた世界での最高の威信と重責をあわせ担ったイギリス。それはまさに、天空を双肩に背負ったギリシア神話の巨人タイタンの姿だった。
著者
浦 康一 橋場 功
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.4, pp.253-260, 1991-04-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
22

選択性除草剤として,フェノキシプロピオン酸エステルあるいはピリジルオキシプロピオン酸エステルが知られている。著者らはフェノキシあるいはピリジルオキシに代わって縮合ヘテロ環を幅広く検討する中,キノキザリン類の中に細葉雑草の除草に卓効のある,有望な化合物群を見いだした。その中で,キザロホップェチル(コード No. NC-302 )は特に強い効力を持ち,茎葉処理型除草剤として企業化された。その工業化に際し,キノキザリン環部の合成は大きな課題の一つであったが,汎用な原料から合成できる簡単な方法を見いだした。また,キザロホヅプェチルは不斉炭素を持ち,光学異性体が存在するが,その有効成分は(R)-(+)体であり,ラセミ体にくらべて2倍の効果を持つ。(0)0(+)体の製造は,分割法ではなく,光学活性な原料を使いラセミ化させない方法で行っている。また,(R)-(+)体は,ラセミ体とは異なり結晶型が二つ存在する。この分測晶析法が発見され,(R)一(+)体の工業化が可能となった。本論文では,特に光学活性キザロホップエチルと,その重要な中間体である2-(4ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸エチルの製造法について,詳しく述べる。
著者
山中 咲耶 吉田 俊和
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.141-149, 2014 (Released:2014-03-18)
参考文献数
19
被引用文献数
2

本研究では,他者の面前におけるパフォーマンスの抑制メカニズムについて認知的,感情的側面に着目して検討した。本研究で想定したメカニズムは,課題遂行中に目標とする水準を達成できていないと認知することによって,感情体験が上昇する結果,さらなるパフォーマンスの悪化が生じる,というものである。実験の結果,課題遂行時に自己の成績が目標よりも劣っていると認知した遂行者は,認知後の成績が低下し,自己報告による感情得点が高くなった。一方,自己の成績が目標よりも優れていると認知したものは,成績の変化は見られず,感情得点は低下した。以上の結果より,本研究で想定したパフォーマンスの抑制メカニズムは概ね支持された。なお,行動指標と主観的に報告された感情指標の変化傾向が概ね一致した一方で,生理指標は時間推移に沿った変化しか示されなかった。生理指標の変化傾向が,失敗数,感情指標と一致しなかったことより,生理的覚醒が直接的にパフォーマンスを抑制するわけでなく,状況へのネガティブな認知と感情体験の上昇がパフォーマンスに影響する可能性が示唆された。
著者
木村 淳
出版者
Societas Neurologica Japonica
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.792-797, 2008-11-01
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

日本神経学会は1960年に設立されましたが,当時神経学を学べる施設は,東大,新潟大,九大などに限られていました.僕は,のちに京大総長を務められた平沢興先生の錐体外路系に関する解剖講義に憧れてこの道を志し,インターン修了後すぐ渡米しましたが,1)神経系が人体のもっとも重要な,人間が人間たるゆえんである脳の機能を主要な対象としていること,2)複雑難解にもかかわらず理路整然とした学問で,解剖学の知識に基づいて病巣の局在が可能であること,3)新しい領域で,将来への展望が明るいことなどにも強く魅かれました.半世紀近くを経た今も思いは同じですが,これに加えて分子生物学をはじめとする神経科学分野の目覚しい発展により,病態の確立のみならず以前は対症療法に甘んじていた多くの疾患にも新しい治療法が続々と開発され,4)患者の治る神経内科,が神経学の新たな魅力となり,これは僕達のスローガンでもあります.神経学の国内外の進歩にともない,この分野を目指す若い先生方への期待は日増しに大きくなってきました.わが国の神経学は僕がアイオワ滞在中に飛躍的な発展を遂げ,これに貢献された多くの先達が新しい世代に求めるところは,先生方の個人的な経験を踏まえ,千差万別かと思います.この機会に日米で神経学を学んだ者の一人として,僕の次世代への期待を纏めますと,1)国際的な視野で仕事をする,2)診断に役立つ新しい技術を開発する,3)臨床に直結する基礎研究を展開する,そしてそのすべてを集結して4)患者の治る神経内科をめざすことです.いずれも実現可能な目標ですが,いうはやすく,おこなうは難しの部類です.とくに,実力に見合った国際的な評価を確立するのはわれわれがもっとも不得手とするところで,僕自身の体験でも,海外の学会活動で欧米の学者と互角にわたり合うのはかなり難しく,常に意識的な努力が必要と実感しています.国際学会での論争で,実力は伯仲しているのにいつもこちらに分が悪いのは,主に発表態度の差によるものと考えられます.我が国は儒教の影響もあり,古くから「知るを知らざるとなすは尚なり」の考えが根強く,10を知って1を語るのが良いとされます.その逆にアメリカ人は,幼稚園での「Show And Tell」を手始めに,中学校で習う「Five Paragraph Essay」で鍛え上げられ,1を知って10を語る輩が多いようです.また,日本人は完璧主義ですから,とちっても平気な欧米人とはちがいアドリブの発表が苦手です.英語でも上手く話せなければ,我は黙して語らずと達観している人もありますが,外国語ですからBrokenでも当たり前です.僕の国際性の定義は,1)実力をつけて,あとは対等と自信をもつ,2)知ってることはどんどんいう,3)失敗しても愛嬌と思って気にしない,4)英語は意味がわかればよいので,あえて流暢に喋ろうとしない,ことです.若い先生方がこれからの国際舞台でますます活躍されることを願って止みません.<br>
著者
伊藤 華子
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.548, pp.157-160, 2008-02-25

ミクシィ登録は紹介制/複数の認証で安全性UP/マイミクさんと交流開始/交流範囲を広げよう
著者
高山 卓美
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.102, no.3, pp.172-186, 2007-03-15
参考文献数
26

マルコポー口の「東方見聞録」は, 13世紀末の25年間にわたるシルクロード周辺地域を含む元朝中国や南海諸島でつくられていた酒とその飲酒風俗を現在に伝える貴重な資料である。<BR>著者は, 同書に記録された酒の種類や製法, 地域などの情報から, ユーラシア大陸における酒文化圏の形成を次の類型から説明した。(1) ユーラシア大陸ワイン街道, (2) 米酒文化圏, (3) 乳酒文化圏, (4) 椰子酒文化圏, これらの酒文化圏をマルコポー口の旅行地図上に印した,「酒文化圏マップ」(Fig.1) は, 著者の独創史料である。

2 0 0 0 OA 悪童研究

著者
日本学童会 編
出版者
南北社
巻号頁・発行日
1916