著者
三輪 哲二
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.36, no.11, pp.798-802, 1981-11-05

2次元イジング模型の2点相関函数は, サイン・ゴルドン(sine-Gordon)方程式の特殊解となる. この特殊解はパンルヴェ超越函数と呼ばれる新種の特殊函数である. パンルヴェ超越函数とは何か. 本稿は, クライン・ゴルドン(Klein-Gordon)方程式の分岐した解を, 場の量子論を使って構成するという点から, これを解説したい.
著者
高士 将典
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.574-583, 2005-08-01 (Released:2011-03-18)
参考文献数
17
被引用文献数
1

【はじめに】われわれは、鍼灸医療の役割として1) 西洋医学各科との連携治療、2) 未病に対する治療、3) 緩和ケアの3つを実践してきた。今回、川崎市立井田病院かわさき総合ケアセンター・緩和ケア病棟 (以下PCUと略す) において「緩和ケアにおける鍼灸医療を実践する前段階の試み」として東洋医学的「証」に基づいた温熱療法を行った。【対象】1999年6月から2001年3月までに、PCUに入院したがん患者74名を対象症例とした。その内訳は、男性36例女性38例で、平均年齢63.9±11.8歳であった。【方法】治療は、電子温灸器CS-2000 (以下電灸器と略す) を用いた。治療の実際は、弁証によって選択した配穴の指示に従い担当看護師が施行した。【結果】全症例74例の治療結果は、有効以上が51.3% (38例) であった。「痛み」を訴える対象例が多く58例で、その治療効果は、有効以上が55.2% (32例) であった。有効以上を示した表現は、「ドーンとした鈍い痛み」が多く「重いだるい痛み」「ズキーンと重い痛み」「脹った痛み」「刺す痛み」の順であった。【考察】電灸器治療に期待される痛みは、1) 鎮痛剤でコントロールできない痛み、2) 担がん状態 (がんによる2次的なもの) や闘病生活による痛み、3) がんに関係ない痛みと推測される。またこれらの痛みは鈍い痛み (表現しづらい痛み) と考えられる。またデータ的には現れないが、患者との一定空間時間の共有からスピリチュアル的なケアも行なえることや患者とのコミュニケーションから、いままで語らなかった話しを聞くことができケアに役立つ情報を看護師および医師にフィードバックできる、チーム医療としての一つの役割もあることが考えられた。【まとめ】今回緩和ケアに参加することで、全人的苦痛の一つである身体的苦痛 (痛みや他の症状) のケアに貢献できることが示唆された。その中でも痛みに対して有用な結果が得られた。
著者
北川 真希 田 啓樹 村國 穣 小風 暁 末木 博彦
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.81, no.4, pp.325-332, 2021 (Released:2021-10-27)
参考文献数
20

鶏眼と胼胝は皮膚科領域で頻度の高い疾患であり,その臨床的特徴から区別されるが,同一の病態に基づく一連の疾患として扱われる.2008年から2018年の10年間にむらくに皮フ科を受診し,足底の鶏眼・胼胝と診断された患者2,133例を対象とし,診療録情報をもとに鶏眼・胼胝患者の年齢,性別,発生部位,発生数を中心に統計学的解析を加え,鶏眼・胼胝の疫学的事項につき共通点,相違点を明示することを目的とした.さらに生活習慣に関する問診事項から患者背景,発症誘因を検討した.その結果,以下の事実が明らかになった.鶏眼病変と胼胝病変はともに年齢層を問わず単発例より多発例が多い.鶏眼と胼胝を合わせた全体の男女比は1:2.1と女性に多い.対象者全体の34.4%に鶏眼と胼胝が合併し,合併例では鶏眼と胼胝が別部位に生じる症例より同一部位に混在する症例が多い.患者の年齢分布を鶏眼と胼胝で比較すると,男女を合算したピークはともに30歳代であった.男性の鶏眼は,高齢者では足底外側に,若年者では中間足趾に好発する(χ二乗検定事後解析,p<0.001).女性の鶏眼は,高齢者では中間足趾に,若年者では足底外側に好発する(χ二乗検定事後解析,p<0.001).女性の胼胝は,若年者の胼胝は第2, 第3中足骨関節部に多く発症する(χ二乗検定事後解析,p<0.001).ハイヒール使用群は非使用群と比較し第2, 第3中足骨関節部で有意に胼胝を多発する(χ二乗検定事後解析,p<0.001).以上より鶏眼と胼胝の好発部位は年齢層,性別により異なるため,属性別に発症のリスク因子を解析し,それぞれの再発予防策を検討する必要があると考えた.
著者
板橋 孝幸 岩本 廣美 河本 大地
出版者
奈良教育大学
雑誌
奈良教育大学紀要. 人文・社会科学 = Bulletin of Nara University of Education. 奈良教育大学 編 (ISSN:05472393)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.1-19, 2019-11

This paper shows the significance and problems of small schools laying both elementary and junior high schools in remote rural areas by arranging the cases of Ishigaki City and Taketomi Town in Okinawa Prefecture. In these schools, efforts have been made in school management and local area learning so that children can recognize their growth while considering the connection between elementary and junior high schools, by looking at the entire nine years of learning.

2 0 0 0 OA 俊頼髄脳

著者
源俊頼
出版者

源俊頼(1055?-1129以前没)による歌学書。藤原忠実(1078-1162)の命により、その娘・高陽院泰子(1095-1156)の教育のために著された。天永2年(1111)から永久2年(1114)頃の成立と考えられている。伝本は藤原定家(1162-1241)による書写本系統と顕昭(1130?-1211生存)による書写本系統の2系統に分類される。当該本は江戸時代書写の末流写本ながら定家本の本文を伝える伝本として重視されてきたが、近年、冷泉家時雨亭文庫の蔵書の中から当該写本の祖本にあたる嘉禎3年(1237)書写の写本(重要文化財)が発見された。歌語の解釈や歌人の逸話を多く記し、後代の歌学書に与えた影響も大きい。また、『今昔物語集』に収められた一部の説話の出典とも考えられている。(海野圭介)(2020.2)
著者
佐藤 幹夫
出版者
Japanese Society of Farm Work Research
雑誌
農作業研究 (ISSN:03891763)
巻号頁・発行日
vol.1969, no.7, pp.86-90, 1969-03-25 (Released:2010-02-09)
参考文献数
5