著者
金本 郁男 井上 裕 守内 匡 山田 佳枝 居村 久子 佐藤 眞治
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.96-101, 2010 (Released:2010-04-26)
参考文献数
15
被引用文献数
1

野菜サラダ(キャベツ,オリーブ油,酢)と米飯の摂取順序を変えた時に食後の血糖値とインスリン値のプロファイルがどのように変化するのかを確認するため,10名の健常成人において試験を行った.その結果,米飯摂取後に野菜サラダを摂取した場合と比較して,米飯摂取前に野菜サラダを摂取した場合には,食後20, 30, 45分での血糖上昇値(ΔC)は有意に低下し(p<0.01),最高血糖値(ΔCmax)に到達する時間は約40分遅延した(p<0.01).ΔCmaxは平均21%低下し,食後0∼120分までの血糖値上昇曲線下面積は,平均39%低下した.血清インスリン値は血糖値とパラレルに推移し,食後のインスリン分泌が節約できる可能性が示唆された.以上より,野菜サラダは米飯よりも先に摂取するほうが食後の血糖上昇を抑制するために有効であることが示された.

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著者
太田 省一
出版者
関東社会学会
雑誌
年報社会学論集 (ISSN:09194363)
巻号頁・発行日
vol.1992, no.5, pp.73-84, 1992-06-05 (Released:2010-04-21)
参考文献数
25

Historically eugenics was not always an instrument to promote racism, such as in Nazism. In the early twentieth-century Western societies population problem was one of the most important issues. In that context eugenics played a specific role in developing social intervention in individual life or reproduction. This essay tries to trace such a historical role of eugenics through the analysis of the ‘police’ of feeble-mindedness as an example.
著者
坪内逍遥, 渥美清太郎 編
出版者
春陽堂
巻号頁・発行日
vol.第1巻, 1921
著者
奥中 康人 オクナカ ヤスト
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.17, pp.65-86, 2017-03-31

ラッパは、幕末に日本に入ってきた最初の西洋楽器のひとつであるにもかかわらず、これまでほとんど研究されていない。本稿は、長野県内の消防組(消防団)に関する文献からラッパについての諸記録を整理、提示することによって、その普及と変容を明らかにすることを目的としている。軍隊の道具として幕末期に導入されたラッパは、明治後期になって各地の消防組でも用いられるようになった。長野県でも、おおよそ一九〇〇年以降に広く普及し、演習や儀式等で用いられた。第二次世界大戦後には音楽を演奏するラッパ隊として再編成され、教本の刊行やラッパ吹奏大会の開催によって演奏技術が向上し、標準化が促されたことを、文献調査から明らかにした。
著者
湯澤 哲夫 久保田 純 近藤 淳子 堂免 一成 廣瀬 千秋
出版者
The Surface Science Society of Japan
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.15, no.6, pp.359-363, 1994-08-10 (Released:2009-08-07)
参考文献数
23

Coadsorption-induced recombination of surface hydroxyl species (OD(a)) on Ni (110) was verified by infrared reflection absorption spectroscopy (IRAS) and temperature programmed desorption (TPD). The O-D stretching mode of the surface hydroxyl species appeared at 2650 cm-1 at 173 K on D2O/ONi (110) surface. The hydroxyl species were thermally recombined and desorbed as D2O from the Ni (110) surface at 350 K. The recombination of the OD species to water (2731 and 2567 cm-1), was also observed at a lower temperature (117 K) when CO was coadsorbed. This OD recombination induced by CO adsorption is considered to result from a strong effect of coadsorbed CO, which lowers the reaction temperature from 350 to 117 K.
著者
雨宮 俊彦 光田 愛 宮原 朋子
出版者
関西大学
雑誌
関西大学社会学部紀要 (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.167-200, 2008-03
被引用文献数
1

Williams (1976)は、英語における異種感覚モダリティー間の修飾表現の歴史的変化を分析し、触覚や味覚、嗅覚などの低次の感覚モダリティーの形容詞は、初めは同じ感覚モダリティーの名詞を修飾するが、後の時代になるとしばしば色や音などのような高次の感覚モダリティーの名詞を形容するようになることを示した。これは、異種感覚モダリティー間の修飾表現における方向性仮説とよばれる。Williamsの研究をうけて、日本語の用例のより詳しい調査や理解可能性の調査が行われた。全体として、方向性仮説は支持されている。しかし、高次、低次といった考えは粗いもので、研究者の間には用いるデータの種類や結果の解釈の食い違いが存在する。我々は、日本語における異種感覚モダリティー間修飾表現の方向性仮説の妥当性を、心理学的な理解可能性評定とグーグルを用いた検索による頻度調査により検討した。5つの名詞(色、音、匂い、味覚、触覚)と55の感覚形容詞からなる220の異種感覚モダリティー間の修飾表現が用いられた。全体として理解可能性と使用頻度は良い対応を示した(r=0.64, p<0.01)。データをより詳しく調べると次の二つの傾向が顕著だった。(1)触覚から他の感覚への一方向的な転移。(2)感覚のグループ化(味覚-嗅覚、視覚-触覚)。一方向性仮説との関連でこれらの二つの傾向の含意が議論された。
著者
松田 修
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.238-243, 2013 (Released:2013-10-30)
参考文献数
9
被引用文献数
1
著者
松本 恭攝
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュータ = Nikkei computer (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.888, pp.32-35, 2015-06-11

インターネットで印刷を受託する「印刷eコマース」運営のラクスル。自らは印刷機を持たず、中小印刷工場の空き時間を使うという事業モデルで注目を集める。創業者の松本社長は、非効率な業界構造と資金に乏しい中小企業の集客活動を、インターネットの力で改…
著者
佐々木 邦明 西山 明博
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.67_I_189-67_I_195, 2011

本研究は,交通環境の変化を個人の主観的指標によって計測可能であるかを実証するものである.今回は中山間地に位置する2つの集落を対象に2009年に意識調査を含む生活意識調査を行い,その約2年後に再度同様の生活意識調査を行った.この2年間で,一つの集落ではデマンドバスの走行が開始され,他方は食料品店が閉店するなどの生活・交通環境等の変化があった.結果からはデマンドバスが走行を始めた集落では有意に主観的な生活満足度が向上した.また,個人の交通環境により主観的評価である移動手段に対する不満や,生活行動の断念が多くなる傾向も明らかになった.ただし生活満足度は個人の変化による影響が小さいことも示され,生活満足度は個人の変化による影響の小さな評価指標として活用できる可能性が示された.
著者
沖 大幹 芳村 圭 キム ヒョンジュン ゴドク タン 瀬戸 心太 鼎 信次郎 沈 彦俊
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会研究発表会要旨集
巻号頁・発行日
vol.20, pp.61-61, 2007

地下水、土壌水分、積雪水量などの陸水貯留量の変化は陸域水収支の特に季節変化を考える際には非常に重要である。最新のデータに基づき3種類の独立の手法で推定された大河川の総陸水貯留量の季節変化を相互比較し、それらの間の対応を検討した結果を報告する。