著者
小林 芳規 佐藤 利行 佐々木 勇 沼本 克明 月本 雅幸 鈴木 恵 原 卓志 山本 真吾 山本 秀人 青木 毅 本田 義央
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

醍醐寺蔵宋版一切経6,102帖に書き入れられた角筆情報を加えた目録出版を期し,その精査を基に,日本に伝来した宋版一切経の角筆点の発掘と東アジア言語文化の交流と影響関係を考察することを目的とする本研究は,2010~2012年に7回の現地調査を行い,書誌事項と共に角筆点の有無を再調査し,新たに521帖を加え約8割に角筆書き入れ帖を認めた。又,神奈川県称名寺蔵宋版一切経からも角筆点を認め,新羅写経の角筆仮名の解読を進めた。
著者
下條 昌彦
出版者
岡山理科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究では,無限次元力学系の理論や方程式の対称性に基づく漸近解析の手法により,爆発現象と界面運動に関連した非線形問題に取り組んだ.具体的には,以下の成果を得た.(1)半線形熱方程式の爆発点の位置を空間非一様性で制御するための詳細な条件を得た.(2)藤田型放物型方程式を複素化して得られる流体方程式の解の挙動を解明した.(3)曲率運動方程式の自由境界問題の解の挙動を「拡張交点数理論」を用いて完全分類し,解の凸性や漸近挙動の解析を行った.
著者
丸尾 亜喜代 小松 万喜子
出版者
岐阜大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

不妊治療を終結し子どもを持たない人生を築いていく女性の主観的幸福感を促進する支援を明らかにする目的で,当事者及び看護職を対象として調査を行った結果,治療後の過程には治療中の対応が深く影響し,治療終結期の支援では,カップルとして捉えた支援の充実,終結後の生き方のモデル提示,終結後の心身の継続支援の保証と強化の重要性が明らかになった。また,不妊の理解と夫婦2人の人生を肯定する社会への提言が求められた。看護職によるケアでは,終結時期を査定し意思を確認し,決断を困難にする要因に関する情報提供と説明を行い,自身で決断に向かえるように支援する必要性が示唆された。
著者
樋口 保成 中屋敷 厚 中西 康剛 佐々木 武 高山 信毅 高野 恭一
出版者
神戸大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

本研究の主要な成果は大別して3つの部分に分かれる。その第一は相転移モデルの代数解析的、確率論的研究の部分であり、第二は超幾何微分方程式系の幾何学的、解析的な研究、そして第三は結び目の理論の研究の部分である。これらの三つの部分はゆるやかだが互いに影響を及ぼしあっており、特に本研究では代数的手法がその相互をつなぐ主要要素となった様に思われる。まとめて見ると予定以上に豊かな成果を得ることができた。以下、主要な成果のみを列挙する。第一の部分ではXXZ模型及び8頂点模型の一点相関関数の形を求めることに成功した(中屋敷)。また、二次元イジング模型におけるパーコレーションの相ダイアグラムを定性的な意味では完全に決定することができた(樋口)。一方、超幾何微分方程式系の研究では、E(3,6)の局所解を構成し、そのモノドロ〓郡の形算に成功した(佐々木、高山)。また、ガウスの超幾何関数のゲルファントによる多変数への拡張を合流型について行ない、最も基本的な性質を調べている。(高野)この多変数型の超幾何関数については、記億をもつランダム・ウォークの再帰性を調べるときにも現われることが最近わかった。これは新しいタイプの超幾何関数に対するアプローチになるようであり、今後ますます研究を深める必要が有ると思われる。最後の結び目の理論の研究においては、どんな結び目でも絡み数が偶数である平凡な結び目で偶数回ひねることを有限回行なえば平凡にできるという結果を含む一般的な結果を得ている(中西)。以上の数学的成果の他にも、重要な成果の一つとして、これらの計算の一部を支える計算環論の種々のアルゴリズムを組み込んだプログラム言語Kanを開発した(高山)ことを挙げたい。このソフトはインターネット上で公開している。
著者
安藤 真美
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

数種の果実類について氷温貯蔵を実施し,その品質の貯蔵中の変化について検討した。その結果,特定の果実において官能評価の向上,特に甘味の改善効果が認められた。一般的な糖類においては量的な変化が認められないことから,甘味を強調するための相乗効果を有する物質の増加が推察された。
著者
福島 登志夫
出版者
国立天文台
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

地球の形状軸方向ベクトルの空間的運動の周期成分である章動について、剛体地球の章動理論としてRDANを採用し、SOSモデルによる非剛体効果を考慮して1979年から200年までのVLBI観測データに基づいて、新しい非剛体地球の章動理論SF2001(Shirai and Fukushima 2001)を構築した。副産物として、地球の力学的扁平率など重要な地球物理パラメータを従来にない高精度で推定することができた。惑星歳差について、DE405に代表される最新の数値天体暦から、その永年成分を高精度で抽出するため、ペリオドグラムによる周波数推定技術と、周波数をも未知数とする非線形最小2乗法を組み合わせ、内在周波数の数を0から1つずつ増やす逐次的手法を組み入れることにより、高精度の非線形調和解析法を編み出した(Harada and Fukushima 2003)。これを、DE405から得られる地球・月重心の軌道角運動量ベクトルの方向角2成分について実施し、有意な周期成分をすべて除去することにより、最終抽出物として時間の2次関数の形にまで凝縮することに成功した(Harada and Fukushima 2004)。これは、DE405が表現している現代の最新運動理論から得られた最新の惑星歳差公式(HF2004)である。最後に、一般歳差をVLBI観測データから推定するために、SF2001章動理論を用いて観測量から周期成分を差し引き、さらにHF2004惑星歳差公式の寄与分を考慮して、一般歳差をVLBI観測データから精密に推定することに成功し、最終的に日月歳差の最新推定値を求めた(Fukushima 2003)。副産物として、平均黄道傾角の精密な推定値を得ることができた。
著者
足立 匡 小池 洋二 渡邊 功雄
出版者
上智大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

鉄系、銅系超伝導体におけるスピン相関と超伝導の関連を明らかにするために、不純物を置換した鉄系Fe1-y(Co,Ni,Zn)ySe0.3Te0.7(Fe系)と銅系電子型Pr1.3-xLa0.7CexCuO4+d(Pr系)の高品質単結晶を用いてミュオンスピン緩和測定を行った。その結果、Fe系では不純物によるスピン相関の著しい発達を見出し、超伝導電子対の形成には軌道のゆらぎが効いている可能性が高く、スピン相関の効果は弱いと結論した。一方、Pr系では、低温で超伝導と短距離磁気秩序が共存することを見出し銅系ではスピン相関が電子対の形成に効いていると結論した。
著者
許 秀美
出版者
大谷大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

本研究は、日本国立国会図書館に所蔵されている「朝鮮筆記」という写本に収録された、かな書き朝鮮語語彙に着目し、同時期に編纂されたその他のかな書き朝鮮語語彙集と比較しつつ、ハングル表記の復元および音韻論的検討をおこなったものである。さらに「朝鮮筆記」が合綴されている「加模西葛杜加国風説考」をはじめとする10種類の資料について文献学的検討をおこない、それぞれの底本を明かにした。
著者
吉田 康行
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

グランジュッテはクラシックバレエの基本的な跳躍動作の一つとして知られている.グランジュッテの最後には片脚での着地が必要となる.しかし,グランジュッテはこれまでバイオメカニクスの研究対象にはなってこなかった.本研究は着地動作におけるダンス技能を考察するために研究計画を立てた.そして,運動学と運動力学のデータを解析に使用した.グランジュッテのダンス技能は着地後にブレーキ力を制御する方略に現れることが明らかとなった.
著者
岩崎 英哉 中野 圭介 鵜川 始陽
出版者
電気通信大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は,サーバ側で実用的な性能で動作する サーバサイドJavaScript処理系を開発することにより,煩雑な Web アプリケーション開発のコストを大きく低減させることを目指し,以下の成果を得た.(1) プログラムの実行情報を利用した最適化を行い実行速度を向上させるJavaScript処理系を構築した.(2) JavaScriptプログラムとC言語で記述されたプログラムとの連携を可能とする機構を構築した.(3) イベント駆動方式サーバのための並列JavaScript処理系を設計し実装した.(4) JavaScriptプログラムの安全な実行の基礎となる型システムを構築した.
著者
尾上 弘晃 岩瀬 英治
出版者
慶應義塾大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究の目的は,自然界の生物の持つ皮膚の色や模様の変化機構を模した,柔軟で伸縮可能な表示装置を構築する手法を提案することである.その目標のために,まず電場応答性のPAMPSゲルを利用した色素型ディスプレイを開発した.3 x 3のドットマトリックスアレイをPAMPSゲルと電極配線を用いて構築し,ゲルの屈曲を利用することで表示の切り替えに成功した.また,構造色による表示装置の開発のために,複数種類のフォトニックコロイド結晶をPDMSシート内にマイクロパターニングする「Channel-Cut Method」を開発を行った.2種類の発色を示すシートの構築に成功し理論式通りの反射波長ピークを確認した.
著者
中村 正明
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

近年、分数量子ホール効果を理解するための新たなアプローチとして、系にトーラスの境界条件を課して1次元格子模型に焼き直し、さらにトーラスが細い極限を起点とすることで相互作用を簡略化する方法が提案されている。この方法を用いて、分数量子ホール効果と1次元量子スピン系におけるハルデン問題との関連を論じた。また、分数量子ホール状態を記述する厳密基底状態を持つ模型を提唱し、さらに波動関数を行列積表示するという画期的な提案を行った。これらのほかに多層グラフェンにおける層間電気伝導の特性について議論し、また3体相互作用のある量子スピン系においてダイマー状態が出現することを厳密に示した。
著者
秋山 賢輔
出版者
神奈川県産業技術センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は鉄シリサイド半導体の禁制帯幅が0.80eV以下と狭いこと、及び光吸収係数が1eVで1E+5 /cm以上であることに着目し助触媒として金(Au)を担持した光化学ダイオードを作製し、光触媒効果としての水半分解による水素発生を検討した。その結果、シリコン表面に金を導入し共晶反応による表面構造改質させた後に、有機金属気層成長(MOCVD)法で合成した鉄シリサイド半導体の結晶欠陥密度の低減をフォトルミネッセンス発光特性より確認した。さらに表面に鉄シリサイド微粒子をシリコン粉末表面に合成しその光触媒特性を評価した結果、紫外光、及び可視光照射下における水の半分解に起因した水素発生を確認した。
著者
枝川 明敬
出版者
東京芸術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

グローバル化が進んでいく中, 地域活性化のため, 従来のような産業立地のみならず地域の文化活動が, 地域の創造活力を高め, これら地域の文化活動こそが, 地域の活性化の源となると言われ初めている. そこで, 地域の文化活動を調査しそれが地域活性化につながっているか検証を行った. 経済的な波及効果では, 初期投資に比べ約倍程度の効果が見られる反面, 活2.5性化の中心となる創造的な職種の集積は欧米ほど見られなかった.
著者
渡辺 新一 池上 貞子 小林 二男
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

1.中国語に翻訳された日本文学の目録(1919年〜1949年:単行本編)の作成従来の漢訳日本語書籍の目録は主なものでも幾つもあるが、そのいずれも、日本語の原題名を明示せず、ただ原作者と訳者と漢訳名と訳出の時期を記したものがほとんどであった。当研究は、原題名を調査して明示することによって、日本文学のいかなる作品が漢訳されたのかを初めて具体的に提示した。以前のカード化に変わる各種のソフトの発展は目録作成という作業を簡素化させてきてはいるものの、こうした目録の作成は訳本の内容から原文の題名を確定するという膨大な手間を必要とした。そのため、こうした作業につきものとはいえ、調査の行き届かなかったものや思わぬ勘違いなどがあると思われる。またさらに、雑誌類に訳出された日本文学の作品目録も一定程度手をつけており、今後同じく原題名を調査して、今回の成果と併せて近い将来公表したいと考える。2.中国語訳に関する論文研究分担者の各自の問題意識に従って、以下の論文をまとめた。・池上貞子「翻訳の可能性と限界をめぐる一考察-川端康成著・唐月梅訳「古都」を中心に」・小林二男「中国における日本文学受容の一形態-周作人の「日本近三十年小説之発達」と相馬御風の「明治文学講話」「現代日本文学講話」をめぐって」・渡辺新一「<吾輩は猫である>はどう漢訳されているか」これらはいずれも、翻訳という作業が異文化を跨いでおこなわれる刺激にみちた行為であることを共通の前提とした当研究の偽らぬ成果の一部といえ、各自の論文の指し示す方向性と問題意識は今後さらに深めていくことが求められている。
著者
細谷 千博 有賀 貞 山本 満 小此木 政夫 緒方 貞子 宮里 政玄
出版者
国際大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1984

三年計画の最後に当るため、各分担者とも分担課題について研究のまとめに努力した。細谷千博は全般的概観を試みるとともに、吉田茂首相の1954年外遊の目的、当時の吉田の対外政策構想についても論文を準備した。有賀貞はアメリカのアジア政策の概観を準備するとともに、アメリカの保守派の対外政策観におけるアジアの地位について考察する論文を用意し、報告した。五十嵐武士は9月より米国に出張中であるが、ニクソン・ドクトリンについての論文を作成中である。小此木政夫は1980年代の朝鮮半島をめぐる国際関係について報告し、とくに金日成暗殺誤報問題を分析した。また緒方貞子は対中国交正常化に関する比較研究について研究を進めるとともに、ワシントンでの実地調査に基づいてレーガン政権の対外政策決定過程の特色について報告し、政権上層部は穏健派だが、中堅層以下には教条的保守派が進出している等の事実を明らかにした。渡辺昭夫は防衛費1%枠問題を国際的文脈と国内政治の文脈で検討した報告を行なった。山本満は日米とアジアNICSとの投資貿易関係について分析する論文をまとめたが、さらに新資料により、最近の状況に触れた論文を作成中である。黒柳米司は、アセアン諸国の政治動向を分析し、それが日米両国の利害とどのようにかかわっているかを論じる論文をまとめつつある。宮里政玄は、ベトナム戦争が日本の世論にどのような影響を及ぼしたかを分析した論文をすでにまとめている。草野厚は海外出張中であるが、牛肉問題をめぐる日米豪の関係をそれぞれの国内政治をからませて考察する論文を準備している。3月の最後の研究会では、研究成果の刊行準備について協議し、昭和63年度に刊行することを目標とすることになった。
著者
大田 友一 亀田 能成 北原 格
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

監視カメラの映像を加工して歩行者が持つ携帯型情報端末に提示することにより、死角領域を可視化する技術を開発した。このため、1)携帯型情報端末の位置・姿勢推定技術、2)監視カメラ映像を歩行者の視点に変換し違和感なく整合させるための幾何的整合技術と光学的整合技術、3)可視化した映像の重畳方式、4)視点ナビゲーション技術、5)監視カメラ映像にたまたま写り込んでいる人物のプライバシを保護するため技術、に関する研究開発を行った。
著者
小野 正嗣
出版者
明治学院大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

コンゴ出身の振付家フォスタン・リニエキュラの舞台作品『ベレニスと訣別するために』と『Cargo』を分析し、植民地支配、とりわけ言語支配が、被植民者の人々の現在のアイデンティティ形成に深い影響を及ぼしていることを明らかにした。また、レバノン出身のフランス語圏作家アミン・マアルーフの著作の詳細な読解から、この作家の文明論的考察が、今日の世界、とりわけ西洋とアラブ世界の対立を理解する上できわめて有効であることを明らかになった。
著者
神庭 信幸 荒木 臣紀 土屋 裕子 和田 浩 塚田 全彦
出版者
独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2008

センサーサブシステム、データ管理サブシステム、分析サブシステム、意思決定サブシステム、最適化管理サブシステムを備えた臨床支援システムが完成し、合わせて既存のデータベースであるプロトDBとの接続も完了した。これによって、文化財の保全に向けた実空間での活動と、その結果をデータとして確認・分析・評価・判断する情報空間とが高度に統合された包括的保存システムが構築され、文化財に及ぶ様々なリスクの軽減に対して有効であることが確認された。