著者
荻原 啓文 浅見 正人 加茂 智彦 湯口 聡 旭 竜馬 対馬 栄輝
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11981, (Released:2021-05-08)
参考文献数
30

【目的】YouTube で公開された脳卒中のリハビリテーション関連の動画の質を評価することとした。【方法】2021 年1 月にYouTube を使用して,脳卒中とリハビリテーションのキーワードから動画検索を行った。Journal of the American Medical Association Score(以下,JAMAS)と日本語版DISCERN を用いて,抽出されたYouTube 動画の質を評価した。【結果】JAMAS 合計は2.5 点,引用文献や情報源に関する記載を示すAttribution は平均0.2 点と低かった。DISCERN 合計は32.8 点,治療の情報源,リスク,選択肢に関する項目の平均点は2.0 点未満であった。【結論】YouTube における脳卒中のリハビリテーション関連の動画は全体的に低品質であった。多くの動画が,情報源や治療の選択肢,リスクに関する情報を提供できていないことが明らかになった。
著者
西川 豪 野々木 宏 森 典子 松尾 陽子 清水 史郎 小田 敏子 土井 修 神原 啓文
出版者
日本循環制御医学会
雑誌
循環制御 (ISSN:03891844)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.88-95, 2012

ワイヤレス12誘導心電図伝送「富士山(ふじやま)」を開発し,プレホスピタルから専門病院への伝送の有用性を検討するため実証実験を行った.<BR>方法:小型心電計からBluetooth方式でスマートフォンへ心電図データを送信,画像ファイルを伝送するシステムを用い心電図を走行車両から伝送,さらに各種施設から病院専門医へ伝送し,伝送前後の比較を行った.<BR>結果:伝送前後の心電図は変化なく,伝送時間も7~95秒(中央値23秒)で遅延はなかった.院外伝送24例では家電からのノイズ1例以外は質の高い伝送が得られた.ワイヤレス12誘導心電図は小型,軽量で様々な医療現場での活用が期待される.
著者
里内 美津子 若林 茂 大隈 一裕 藤原 啓子 松岡 瑛
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.31-37, 1993 (Released:2010-04-30)
参考文献数
18
被引用文献数
18 26 25

難消化性デキストリン (PF) の便通に及ぼす影響について検討する目的で, PF摂取後の糞便重量, 糞便水分量, 排便状態, 便性状, 胃腸症状等について調べた。1) PF10~60g摂取後の便性状は大半がバナナ状~半練状であり, 下痢発症のED50値は2.4g/kg体重と推定された。また, 臨床上問題となるような胃腸症状は認められなかった。2) PF35g/日, 5日の連続摂取で, 糞便重量, 排便回数の増加が認められたが, 糞便水分含有率は変化がみられなかった。3) PF5~10g/日, 5日の連続摂取で, 排便状態の改善が認められた。
著者
杉山 果穂 小笠原 啓介 永吉 実武
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2018年春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.218-221, 2018 (Released:2018-05-31)

今日の日本国内において、コーヒーは嗜好品飲料として消費量を年々増加させている。全日本コーヒー協会 (2017)によると、日本国内の18~24歳の1人当たりのコーヒー飲用杯数は、一週間あたり5-6杯で、全年齢数の約11杯と比較すると少なく、この年代層にはコーヒーが比較的に親しまれていないのではないかと考えられる。そこで、本研究ではコーヒー飲料を含む20種類の嗜好品飲料から想起するイメージ感の相違を調査し、多次元尺度構成法を用いた認知マップを作成することにより、18~24歳の若者層が嗜好品飲料のなかでコーヒー飲料をどのように位置付けているのかを分析する。
著者
加茂 智彦 荻原 啓文 田中 亮造 遠藤 まゆみ 角田 玲子 伏木 宏彰
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.242-249, 2019 (Released:2019-08-20)
参考文献数
34
被引用文献数
2

【目的】本研究では日本におけるめまい症に対する理学療法士による個別リハビリの効果を検証した。【方法】本研究は,後ろ向きのコホート研究である。対象はめまい患者20 例とした。介入群には個別リハを週1 回,1 回40 分,4 週間実施に加え,自宅における自主的な前庭リハビリを指導した。対照群には自主トレのみを指導した。測定項目はDizziness Handicap Inventory(以下,DHI),Dynamic Gait Index(以下,DGI),Functional Gait Assessment(以下,FGA)とした。【結果】介入前後の変化率はDHI_Emotional,DHI_Total,DGI,FGA において介入群とコントロール群間に有意差が認められた。【結論】本研究の結果より,理学療法士による個別リハビリはめまい患者におけるバランス・歩行能力,めまいに関連した日常生活活動を改善させることが明らかとなった。
著者
影山 洋子 山下 毅 本間 優 田中 千裕 中村 綾 冨田 美穂 寺田 奈美 毛利 恭子 小原 啓子 近藤 修二 船津 和夫 中村 治雄 水野 杏一
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.462-467, 2016 (Released:2016-12-26)
参考文献数
10

目的:インスリン抵抗性の診断は糖尿病発症予防のためにも早期発見が重要である.しかし,診断の基本となるインスリンが健診項目に入っている企業は少ない.そこで多くの企業の健診項目にあるTG/HDL-C比を利用して日本人におけるTG/HDL-C比がインスリン抵抗性の指標となり得るか,またその指標が10年間の糖尿病発症に関与しているかretrospectiveに検討した.方法:TG/HDL-C比を四分位し,男女別にhomeostasis model assessment-insulin resistance(HOMA-IR)と比較した.また,10年間における糖尿病の発症率をTG/HDL-C比高値群と非高値群で比較した.結果:男女ともにTG/HDL-C比が高くなるに従いHOMA-IRは増加していた.四分位による75パーセンタイルは男性が2.6,女性が1.4で,それ以上を高値群,未満を非高値群とすると,高値群は非高値群に比べてインスリン抵抗性を有していた割合が高かった.10年間の追跡による糖尿病発症では,男女ともに2001年時にTG/HDL-C比高値群が非高値群より2倍以上糖尿病を発症していた.結論:TG/HDL-C比はインスリン抵抗性を反映しており,鋭敏な糖尿病発症の予測因子となり得る.TG/HDL-C比としてみることで簡便でわかりやすいインスリン抵抗性の指標として使用できる可能性がある.
著者
荻原 啓文 浅見 正人 加茂 智彦 湯口 聡 旭 竜馬 対馬 栄輝
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.440-445, 2021 (Released:2021-08-20)
参考文献数
30

【目的】YouTube で公開された脳卒中のリハビリテーション関連の動画の質を評価することとした。【方法】2021 年1 月にYouTube を使用して,脳卒中とリハビリテーションのキーワードから動画検索を行った。Journal of the American Medical Association Score(以下,JAMAS)と日本語版DISCERN を用いて,抽出されたYouTube 動画の質を評価した。【結果】JAMAS 合計は2.5 点,引用文献や情報源に関する記載を示すAttribution は平均0.2 点と低かった。DISCERN 合計は32.8 点,治療の情報源,リスク,選択肢に関する項目の平均点は2.0 点未満であった。【結論】YouTube における脳卒中のリハビリテーション関連の動画は全体的に低品質であった。多くの動画が,情報源や治療の選択肢,リスクに関する情報を提供できていないことが明らかになった。
著者
水原 啓太 入戸野 宏
出版者
心理学評論刊行会
雑誌
心理学評論 (ISSN:03861058)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.189-203, 2021 (Released:2022-11-01)
参考文献数
115

Respiratory phases are associated with the performance on various cognitive tasks. This paper reviews behavioral and psychophysiological studies that compared the effects of inhalation and exhalation phases on perception and cognition. First, previous findings are summarized, based on psychological functions such as simple motor reaction, attention, and memory. Second, four methodical difficulties inherent in conducting such studies are discussed: choice of respiratory route (i.e., nasal vs. oral), manner of breathing (i.e., spontaneous vs. controlled), instruction on how to breathe, and manipulation of the timing of stimulus presentation. Finally, several research questions are raised to understand the relationship between respiratory phases and psychological functions.
著者
藤原 啓次 林 正樹 山中 昇
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.39-42, 2009 (Released:2010-06-01)
参考文献数
11
被引用文献数
3

掌蹠膿疱症 (Palmo-plantar pustulosis: PPP) は病巣疾患として, 耳鼻咽喉科医, 皮膚科医とも, その認識は非常に高い. 実際, 扁摘効果はアンケート法により80-90%と報告されていたが, 客観的な評価法であるPPPスコアを用いて評価してみると, 91%というさらに高い効果が得られることが判明した. 残念ながら, 術前の病巣診断法についてはエビデンスとなるものはないことから, PPPに対する扁桃摘出術 (扁摘) の適応は皮膚科医が確定診断している中等症以上のPPPであり, 扁桃誘発検査は参考項目とされている. しかし, 扁摘実施率についてみてみると, PPP症例は扁桃誘発検査の結果により, 扁摘実施が判断されていることから, この扁摘適応基準を皮膚科医にも広める必要があると考えた.
著者
藤原 啓次 酒井 章博 保富 宗城 山中 昇
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.97, no.7, pp.599-604, 2004-07-01 (Released:2011-10-07)
参考文献数
15
被引用文献数
2 3

We clinically studied the effectiveness of nasal nebulizer therapy with cefmenoxime hydrochloride (CMX) and nasal drops of povidone iodine for acute rhinosinusitis in children. We evaluated the results using the standard for new antibiotics of the Japanese Society of Chemotherapy. The subjects were 50 children with acute rhinosinusitis. By the standard for total evaluation, consisting of clinical and bacteriological study, the cure rate of the CMX nebulizer group was 68%, that of the group using nasal drops of povidone iodine was 23.1%, and that of the controls was 38.5%. The cure rate with nasal drops of povidone iodine was not higher than that with CMX nebulizer therapy. However, with the nasal drops of povidone iodine, in 2 of 3 cases, PISP (penicillin intermediately resistant S. pneumoniae) disappeared and in 2 of 2 cases, MRSA (methicillin-resistant S. aureus) disappeared. The nasal drops of povidone iodine were found to be effective for drug-resistant organisms such as PISP and MRSA.
著者
水原 啓太 武藤 拓之 入戸野 宏
出版者
日本認知心理学会
雑誌
認知心理学研究 (ISSN:13487264)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.25-31, 2019-02-28 (Released:2019-03-21)
参考文献数
21

人は自分が意思決定したタイミングを正確に知覚できない.Bear & Bloom(2016)は,画面上に五つの白い円を提示し,実験参加者に任意の円を選ばせた.しばらくして一つの円(標的刺激)を赤色に変化させ,参加者にその円を選んでいたかどうかを尋ねた.その結果,色の変化までの時間(遅延時間)が短いと,標的刺激を選択していたと回答する割合が高かった.これは,実際には色の変化が選択に影響を与えたにもかかわらず,変化前に選択していたと錯覚したことを意味する.本研究では,遅延時間が25~50 msのときに同様の効果が認められたが,さらに短い17 msでは認められなかった.この知見は,意思決定のタイミングについてのポストディクションを支持する新たな証拠である.また,色の変化までに円の選択が間に合ったという報告は,遅延時間が167 ms以下のときに実際よりも多くなることが示された.この結果は,遅延時間が短いときに,意思決定についての意識が後付け的に生じることを示唆している.
著者
荻原 啓文 加茂 智彦 田中 亮造 加藤 巧 遠藤 まゆみ 角田 玲子 伏木 宏彰
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.108-116, 2021 (Released:2021-02-19)
参考文献数
40

【目的】右小脳・脳幹梗塞による中枢性めまいと両側前庭障害を合併した症例に対する前庭リハビリテーションの効果を検討した。【方法】症例は40 歳代男性,めまい・ふらつきの改善を目的として当院を受診した。頭頸部の運動を伴う身体運動によってめまいやふらつきが生じ仕事復帰が困難な状況であった。理学療法士による前庭リハビリテーションと運動指導を実施した。【結果】Dizziness Handicap Inventory (DHI)_Functional,Dynamic Gait Index (DGI),Functional Gait Assessment (FGA) に改善が認められた。【結論】脳血管障害から中枢性めまいを呈した症例に対する前庭リハビリテーションは歩行能力やバランス能力,ADL の改善に有効な可能性があることが示唆された。
著者
中野 由章 久野 靖 佐久間 拓也 谷 聖一 筧 捷彦 村井 純 植原 啓介 中山 泰一 伊藤 一成 角田 博保 鈴木 貢 辰己 丈夫 永松 礼夫 西田 知博 松永 賢次 山崎 浩二
雑誌
第57回プログラミング・シンポジウム予稿集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.155-169, 2016-01-08

わが国の初等中等教育における情報教育は多くの問題を抱えているが,その中に「どのような評価を行うのがよいかの合意がない」「大学入学試験において情報の内容が出題されることが少ない」という点が挙げられる.筆者らは情報入試研究会として2012 年からこの問題に取り組み,シンポジウムなどを通じて各大学に情報の出題を促すとともに,望ましい情報入試の問題について探究し,公開模擬試験を通じてデータを収集してきた.本発表では,情報入試研究会の活動について紹介するとともに,作題に関する考え方,公開模擬試験で使用した問題や試験結果について紹介し,望ましい情報入試のあり方について議論する.
著者
金澤 綾子 内田 貴之 相原 啓二 蒲地 正幸
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.19-23, 2020-01-01 (Released:2020-01-01)
参考文献数
10

症例は77歳,女性。腰椎固定術後,入院中にショックとなりICUに入室した。入室時は心拍数50 /minの高度徐脈,血圧測定不能の状態であった。採血上,イオン化マグネシウム(iMg2+)2.34 mmol/Lの高マグネシウム(Mg)血症を認め,これがショックの原因と考えられたことから,緊急血液透析を導入した。血中Mg濃度の低下とともに徐脈は改善し,ICU入室3日目にはショックを離脱した。本症例においてはICU入室25日前より麻痺性イレウスの診断で酸化Mg製剤の内服が開始された経緯があったが,血中Mg濃度は徐々に上昇したのではなく,ICU入室当日に急激に上昇していた。この急激な濃度上昇は,イレウスに伴って腸管粘膜からのMg吸収が亢進したためと推測された。酸化Mg製剤の投与に際しては,腸管からの吸収促進の病態がある場合には慎重に行う必要がある。
著者
安部 達也 鉢呂 芳一 小原 啓 稲垣 光裕 菱山 豊平 國本 正雄 村上 雅則
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.72, no.10, pp.600-608, 2019 (Released:2019-11-15)
参考文献数
18
被引用文献数
2

新規下剤には排便回数の増加のみならず,腹痛や腹部膨満感,排便困難といった便秘の諸症状に対する効果も期待される.急性便秘とは異なり,慢性便秘の場合は長期間使用しても耐性や依存性,偽メラノーシスが生じないことも求められる.2012年に処方箋医薬品としては実に30年振りとなるルビプロストンが発売され,2019年のラクツロース経口ゼリーまで合計6種の新規下剤が登場した.慢性便秘症診療ガイドライン2017において最も推奨されている下剤は,浸透圧性下剤と上皮機能変容薬の2種類であり,新規下剤6剤のうち4剤がその2種類に含まれている.前治療がない場合は一般的には浸透圧性下剤が第一選択薬となり,効果がない場合は上皮機能変容薬やエロビキシバットへの変更を検討する.新薬同士の選択は,便秘の病態や重症度,予測される副作用を考慮して行うが,個々の患者との相性は実際に投与してみないと分からないこともある.