著者
藤原 啓子 松岡 瑛
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.361-368, 1995 (Released:2010-04-30)
参考文献数
15
被引用文献数
3 10

馬鈴薯でんぷん由来の低粘性水溶性食物繊維である難消化性デキストリン (PF-L: 食物繊維含有率55%, PF-C: 同92%) の耐糖能改善効果をラット, 健常成人並びにインスリン非依存型糖尿病 (NIDDM) 患者において評価した。1) Sprague-Dawley 系雄ラットのショ糖1.5g/kg体重経口投与後の血糖値上昇は, PF-L (340μl/kg体重) 並びにPF-C (0.15g/kg体重) 存在下では非存在下に比べ有意に低下した。2) 健常成人8例を対象とした経口糖負荷試験において, PF-L 40ml (食物繊維量16g) はトレーランG75負荷により血糖値上昇並びにインスリン分泌を有意に低下させた。3) 30kcal/kg体重の食事制限を3か月以上施行し, 状態の安定しているNIDDM患者5例を対象にPF-Cを3か月間投与 (30g/日) し, 試験食 (459kcal) 負荷試験により耐糖能の変化を観察した。その結果, 3か月目では5例中4例で開始前に比べ耐糖能の改善が認められた。残り1例についても2か月目までは改善がみられた。
著者
原 啓志 大江 礼三郎
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, pp.477-483, 1980

亜麻, ケナフ, 広葉樹材をクラフト法, 中性亜硫酸塩法でパルプ化し, 得られたパルプをPFIミル, ランペンミルを使用して叩解を行った。<BR>叩解による炉水性の低下の割合は, ケナフパノレプが最も大きく, 広葉樹材パルプ, 亜麻パルプの順であった。全般的にケナフパルプが最も濾水性が低く, 広葉樹材パルプ, 亜麻パルプの順であった。<BR>パルプ化法による影響では, 中性亜硫酸塩パルプは, 低い濾水性を示し, クラフトパルプが叩解され難かった。<BR>繊維の種類では, ケナフパルフ.が最も叩解され易く, 膨潤もし易い。<BR>叩解によるパルプ中のリグニン, ヘミセルロースの溶出は, ほとんど見られなかった。このため叩解による紙質の変化は, 主としてパルプ繊維の構造変化によるものと推察された。
著者
須原 啓一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス
巻号頁・発行日
vol.112, no.370, pp.1-6, 2012-12-14

アーク放電を含む電気回路の電圧電流計算には、アーク電圧電流特性が欠かせない。アーク電圧電流特性は、アーク長・アーク電流・アーク電圧の三つの関係を示すものであり、その関係は実測によって求められる。実測方法には、大別して(1)固定電極のアークを利用する方法、(2)開離電極のアークを利用する方法、がある。筆者は、(2)の方法、しかもインダクタンスを含む回路を遮断するときの開離アークを利用し、実行している。この方法によってアーク電圧電流特性を求めると、開離アークの電圧電流計算に応用するに際して、他の方法にはない有利なことがいくつかある。ここでは、この測定方法の特徴を説明し、測定例を示す。
著者
渡邉 美乃里 須原 啓一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.466, pp.33-36, 2009-02-27

電気接点における、アークによる電流遮断を解析するためには、アーク電圧電流特性とアーク消滅特性が重要になる。アーク電圧電流特性については、AyrtonやHolmなどによって代表される多くの研究者による研究がある。しかし、アーク消滅特牲に関しては、Ayrtonの場合はアークが安定である電流を研究対象にしているため、消滅特性には触れていない。一方Holmの場合は最小アーク電流を提案しているが、実際はしばしば最小アーク電流とされる電流を下回って放電が観測される。本研究ではアーク放電の消滅特性を調べることを目的とし、アークが消滅する電流付近でのアーク放電継続時間を調べた。アーク電流が小さくなるにつれ、継続時間が短くなった。継続時間の平均は、最小アーク電流付近で、W電極、Cu電極、C電極が0.01〜0.1ms、Ag電極、Pd電極が0.1〜1.0msになった。
著者
中原 啓貴 知識 陽平 岩井 一正 中西 裕之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RECONF, リコンフィギャラブルシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.325, pp.1-6, 2013-11-20

電波望遠鏡は天体から放射される電波を受信し,解析を行う装置である.分光器は受信した電波に対してFFTを行い,周波数スペクトルを出力する,太陽電波バーストは極めて短時間に変化する現象であるため,時間分解能に優れた高速なFFTが必要である.本論文では,Six-Step FFTアルゴリズムに基づく並列FFT回路の実現法について述べる.提案FFTはN点FFTを6ステージのパイプライン処理で実行する.第1,3,6ステージは転置回路で実現する.第2,5ステージはP並列√<N>点FFTで実現する.第4ステージはP点ひねり係数回路で実現する.提案回路は転置回路を必要とするが,N点FFTを√<N>点FFTに分解するため,FFT回路の面積を押さえることができ,並列化実現に向く.提案並列FFTをXilinx社Virtex 7 VC707評価ボードに実装して既存手法と比較を行い,提案並列FFTは4.52〜22.64倍高速であった.
著者
塚原 啓司
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.58, no.7, pp.357-363, 2013-07-01

2012年5月22日,634mという自立式電波塔では世界一の高さを誇る「東京スカイツリー^[○!R]」と300店を超える商業施設「東京ソラマチ^[○!R]」,「東京スカイツリーイーストタワー^[○!R]」,これら総称の「東京スカイツリータウン^[○!R]」がオープンした.地域ならびに沿線活性化を目的に,下町のものづくりと都市文化創造の「アトリエコミュニティ」,地球に優しく,安全で安心を提供する「やさしいコミュニティ」,タワーを核とした情報発信の「開かれたコミュニティ」をコンセプトに開発された.これらコンセプトに基づいて,地域性を重視しながら従来から最先端の技術を導入し,省CO_2をはじめとした環境配慮について紹介する.
著者
篠原 啓方
出版者
関西大学文化交渉学教育研究拠点(ICIS)
雑誌
東アジア文化交渉研究 = Journal of East Asian Cultural Interaction Studies (ISSN:18827748)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.33-39, 2011-03-31

While only twelve characters were engraved on the surface of a small copper bell from the Goguryeo period that was discovered in the Taewang imperial tomb in Jian City, the inclusion of three characters, 好太王 hotaewang, make this bell a document of great historical importance. There are various suggestions for one of the characters in this inscription. This author argues that one of the characters is 教 from its similarity with the 漢簡 han wooden strips script style.
著者
篠原 啓方
出版者
関西大学文化交渉学教育研究拠点(ICIS)
雑誌
周縁の文化交渉学シリーズ6 『周縁と中心の概念で読み解く東アジアの「越・韓・琉」―歴史学・考古学研究からの視座―』
巻号頁・発行日
pp.19-30, 2012-03-01

4-5世紀の高句麗は、漢字文化を受容・運用して政治体制を整えたが、高句麗における「漢字文化の普及」は「漢化」とは必ずしも一体ではなかった。ゆえに用語や表現のみを中国的な文脈で判断することは危険であり、地域研究のアプローチとしてふさわしいとは思えない。 また本稿は「中心」と「周縁」という二つの視点を対比させ、両者の拮抗と均衡の模索という様相について考えた。高句麗は外部からの「周縁」という位置づけを認識するいっぽう、自身を中心とした「周縁」へのまなざしを持っていた。この二つの視点・文脈を以て周辺世界とかかわっていたことが、東アジアにおける「個」としての高句麗を維持し得た原動力につながっていたと思われる。
著者
矢内原 啓太郎
出版者
日本民族衛生学会
雑誌
民族衛生 (ISSN:03689395)
巻号頁・発行日
vol.5, no.5-6, pp.417-438, 1936-12-10 (Released:2010-11-19)
参考文献数
11
著者
西村 昌也 大槻 暢子 篠原 啓方 岡本 弘道 三宅 美穂 宮嶋 純子 熊野 弘子 氷野 善寬 佐藤 実
出版者
関西大学文化交渉学教育研究拠点(ICIS)
雑誌
周縁の文化交渉学シリーズ1 『東アジアの茶飲文化と茶業』
巻号頁・発行日
pp.1-20, 2011-03-31

東アジアの核地域(中国,朝鮮,日本,琉球,ベトナム)では,非常に長期に亘っ て茶飲が行われ,それぞれの文化伝統に根ざした茶飲文化が発展してきた。本稿は, 文化のハードとソフトの相関性( 1 .現代社会における茶飲の軽便化, 2 .9-10世紀の 茶器(中国・越州窯製品など)の輸出期にともなう茶飲文化の伝播, 3 .17-18世紀の 煎茶文化の世界的普及),茶産業が起こした文化変化,言葉と茶あるいは茶器の関係, 茶導入時の在地文化の反応,茶と宗教あるいは儀礼,女性とお茶などをテーマに,東 アジア各地域を中心に一部は東南アジアやヨーロッパも含めて行った文化比較論である。
著者
米田 浩平 日浅 芳一 當別當 洋平 馬原 啓太郎 細川 忍 原 朋子 石橋 直子 尾崎 敬治 後藤 哲也 藤井 義幸 山下 理子
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.681-686, 2011 (Released:2012-11-07)
参考文献数
11

症例は16歳, 男性. 発熱, 倦怠感と労作時呼吸困難を訴え近医を受診し, 白血球減少を指摘され, 当院血液科へ紹介された. 精査目的に入院したが, 呼吸困難の増悪を認めたため, 循環器科へ紹介された. 心エコーでは右心系の拡大と中等度の肺高血圧を認め, 造影CTを施行したところ両側肺動脈を中心に広範囲に血栓を認め, 肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism; PTE)と診断した. 血小板数が54.5万と増加しており,(腫瘍性の)血小板増加もPTEの原因の1つである可能性が考えられた. ウロキナーゼ, ヘパリンを投与し治療を行ったが, 治療開始後にも呼吸困難は継続していた. 白血球減少については骨髄検査を行い, 20%以上の芽球を認めたため, 急性骨髄性白血病(AML with multilineage dysplasia)と診断した. 入院7日目よりIDA+Ara-Cによる寛解導入療法を開始したところ, 症状は軽快し, 心エコー上も右心負荷の改善を認めた. その後, 同種骨髄移植を行い当院血液科外来にてPTEの再発なく経過観察中であったが, 移植後の再発のため2010年3月死亡. 今回, PTEが初発症状の1つとして発症し, その治療として化学療法が奏功した若年者のAMLの1例を経験したので報告する.
著者
津田 一郎 西浦 廉政 大森 隆司 水原 啓暁 相原 威 乾 敏郎 金子 邦彦 山口 陽子 奥田 次郎 中村 克樹 橋本 敬 阪口 豊
出版者
北海道大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2009-07-23

領域の事後評価はAであり、その成果を冊子体の形で集約し、広く社会・国民に情報提供することには大きな意義がある。取りまとめ研究成果は以下のとおりである。1.成果報告書の冊子体での編集と製本を行った。計画班11、公募班44の全ての計画研究・公募研究の班員が、計画班各8ページ、公募班各4ページで執筆し、研究の狙いとその成果を文書と図でわかりやすくまとめた。これらを冊子として製本し、領域に参加する研究者と関係者に配布した。2.成果報告書のCDを作成し、冊子体に添付する形で配布した。3.本成果をWeb上のデータベースDynamic Brain Platformとして成果公開するための準備を完成させた。これまで当領域の成果報告の場として作成公開して来たホームページは、領域終了後に管理できなくなる。そこで、この領域ホームページをINCF 日本ノードDynamic Bain Platform (DB-PF)に移管した。また、成果報告書の電子版をDB-PFにアップロードするための準備を行った。本公開は、広範な分野の人々から永続的な閲覧を可能にするもので、成果を社会・国民に発信する方法として有効であると期待できる。
著者
北原 啓司
出版者
弘前大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

東日本大震災からの復興を広域的に支援する拠点として設置した「きたかみ震災復興ステーション」における実践を通して、復興まちづくりにおける多様な課題を整理し、次に発生する可能性の高い南海・東南海地震における災害復興に向けた重要な論点を抽出することができた。また、「きたかみ震災復興ステーション」のように、専門家と行政、そして地域活動団体が連携する形での広域後方支援拠点が、広範囲の災害からの復興において如何に重要であるかを明らかにした。
著者
椿原 啓 橋本 秀之 小西 健一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C-II, エレクトロニクス, II-電子素子・応用 (ISSN:09151907)
巻号頁・発行日
vol.81, no.11, pp.886-888, 1998-11-25
被引用文献数
1

低濃度NMP溶液からキャスト製膜したポリアニリン膜を硫酸水溶液に浸漬し, ドープしてその導電率を求めた.硫酸水溶液の濃度の増加に伴い導電率は単調に増大し, pH=0.8以上で飽和に達した.重量変化, X線回折スペクトルによる構造変化から硫酸濃度がpH=2を超えると分子鎖間が拡大し硫酸イオンが導入され新たな結晶化が進み導電率が大きく増加することがわかった.
著者
石原 啓子 平石 邦彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション
巻号頁・発行日
vol.96, no.585, pp.41-50, 1997-03-17

最近、線形論理とペトリネットとの間の関係を調べる研究がされており、種々の結果が得られている。線形論理はresource consciousな論理であるということより、むしろ並行性を表すのに非常に有効な論理であると考えられている。線形論理において、ペトリネットのplaceとtransitionはそれぞれ論理式と証明可能性に関係づけられる。EngbergとWinskelは、直観主義線形論理のモデルとして、直接ペトリネットからquantaleを生成することにより双方の関係を調べた。彼らは、このペトリネットより生成されたquantaleに対する、直観主義線形論理の健全性を示したが、完全性の証明は示していなかった。ここで我々は、ペトリネットよりquantaleを生成する新たな方法を示し、直観主義線形論理の完全性を証明した。