著者
須田 歩 趙 ひゅん珠 李 宙営 藤井 英二郎
出版者
日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.465-470, 2009
被引用文献数
1 2

庭園と建築の配置や構成は相互の関係性の中で決められている。幾何学式庭園においても建物から庭園の中央を貫く軸線を通すことでビスタを形成し、その軸線を中心に左右対称に構成するところに特徴があり、対植はその典型である。この対植のような軸線両側の樹木は視点を軸線に向け易くするとされているが、それを実証的に示した既往研究は見られない。本研究は、千葉県松戸市の千葉大学園芸学部校内のフランス式庭園の西端に植栽されたイタリアンサイプレスの対植を対象に、幾何学式庭園における対植がその視知覚にどのような影響をもたらすかについて実験的に検討するものである。
著者
仙石 泰雄 中村 和照 緒形 ひとみ 吉岡 利貢 渡部 厚一 鍋倉 賢治 徳山 薫平
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.285-294, 2008-04-01 (Released:2008-08-13)
参考文献数
24
被引用文献数
2 2

The present study was conducted to obtain basic information about blood glucose fluctuation and relation with race performance during 100 km marathon. Subcutaneous glucose of one well-trained runner was measured by continuous glucose monitoring system (CGMS) at 5 min interval and blood samples for biochemical analysis were drawn at pre, middle and post of the race. Energy balance during one week prior to the 100 km race was recorded, and the whole energy and fluid intake during the race was analyzed. Blood glucose fluctuated reflecting duration of exercise and energy supply during the race. During the latter part of the race (65–70 km), abrupt declines in blood glucose level, which reflected insufficient carbohydrate intake before the race (119 g), were accompanied by decrease in running speed. The present report suggests that continuous glucose monitoring supplemented with standard nutritional and physiological measurement provides precise and valuable information on runner’s energy state during the ultra-endurance race, and that athletes need to reassess their preparation for the race and planning of energy intake during the race.
著者
吉川 ひろみ
出版者
日本作業科学研究会
雑誌
作業科学研究 (ISSN:18824234)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.38-39, 2018-12-25 (Released:2019-05-10)
参考文献数
4
被引用文献数
1
著者
山下 修司 野口 義紘 窪田 傑文 井口 和弘 青木 慎也 多根井 重晴 中村 光浩 寺町 ひとみ 杉山 正
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.198-204, 2015-03-10 (Released:2016-03-10)
参考文献数
15
被引用文献数
7 7

Light emitting diodes (LEDs) are widely used in lighting applications. In this study, we examined the differences in the degree of the color change of various medicines between LED lighting and fluorescent lighting. The degree of the color change of the medicines was evaluated subjectively, by the observation of the evaluator, as well as objectively, using a colorimeter. Noticeable color changes were observed in the Lasix® 20-mg Tablet(Tab), Fluitran® 2-mg Tab, and Phenobal® powder after exposure to either LED lighting or fluorescent lighting. Interestingly, the color change of the Lasix® 20-mg Tab was smaller for the LED lighting than for the fluorescent lighting.
著者
河東 ちひろ 香西 みどり 畑江 敬子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 59回大会(2007年)
巻号頁・発行日
pp.305, 2007 (Released:2008-02-26)

[目的]炊飯途中の加熱中断や保温キーによる炊飯などにより「めっこ飯」といわれる炊き損じ飯が生じ、再炊飯しても通常の飯にならず食味が低下することが知られている。本研究ではめっこ飯の生成条件を明らかにし、そのメカニズムを解明することを目的とした。[方法]試料米は日本晴とした。90%とうせい米に加水比1.4で加水し、20℃で1h浸漬後、恒温水槽で浸漬処理(1~12h、20~90℃)した浸漬米とこれを炊飯した浸漬炊飯米について水分含量、外観観察(写真)、テクスチャーアナライザーによる米粒表層および全体の物性測定を行った。エタノール・アセトンで調製した脱水粉末試料を用いて糊化度(BAP法)、糊化特性(DSC)、FT-IR,1HNMR測定およびX線回折による結晶構造の比較を行った。浸漬米についてMRIにより吸水状態およびヨウ化カリウム染色後のでんぷんを観察した。浸漬炊飯米を50%エタノールで抽出した飯抽出液の全糖(フェノール硫酸法)、還元糖(ソモギネルソン法)を測定した。[結果]20℃1h浸漬のみの通常の飯に比べて65℃浸漬米は硬くなり、65,75,90℃の粘りは有意に低下し、いわゆるめっこ飯は65℃4hで明瞭にみられた。65、75、90℃で各4h浸漬した米の糊化度は25,83,93%であり、DSC測定では65℃浸漬米にのみ20℃浸漬より数℃高温側に糊化ピークがみられた。DSC,X線回折、NMR,MRI等の観察より、65浸漬米が硬いのは糊化不十分が関与し、65,75,90℃浸漬炊飯米の粘り低下には糊化度以外の原因が示唆された。飯抽出液分析から65℃浸漬処理ではデンプンの低分子化、75,90℃では浸漬液が米粒に吸収され、糖の溶出が起こらないことがそれぞれの浸漬炊飯米の粘り低下の原因と考えられた。
著者
青嶋 ひろの
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネスassocie (ISSN:13472844)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.4-6, 2011-03-01

安藤美姫は、強いスケーターだ。しかし、安藤美姫ほど弱いスケーターも、またいない。 彼女の強さ──女子選手として史上初めて4回転ジャンプを成功させた実力は言わずもがな。銀盤に立てば「カルメン」のような強い女が良く似合い、トリノ五輪で15位と沈んでも、翌2007年には世界チャンピオンの座に就くなど、逆境をバネにもできる。
著者
窪田 ひろみ
出版者
日本リアルオプション学会
雑誌
リアルオプションと戦略 (ISSN:21896585)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.13-16, 2015 (Released:2019-01-31)
参考文献数
8

地熱発電は,設備利用率が高く(約80%), ベース電源としての役割を担う。地熱発電 用タービンの世界シェアは約70%と,国内 企業の技術力は高い。また,発電だけでな く熱水のカスケード利用(農水産業,暖房, 融雪,乾燥等)による省エネ・地元産業活 性化・観光資源としての貢献,非常用電源 としての有効活用等が期待されている。 しかしながら,現状では,地熱発電の設 備容量は約52 万kW,電源構成に占める割 合は僅か約0.3%である。地熱資源の約8 割 が国立・国定公園内に存在するとされ,自 然環境保護の観点や,建設コストが高い等 の理由から開発困難な地域も多い。地熱発 電の固定価格買取制度(FIT)認定設備容量 は14,725kW(2014.10 時点)であり,太陽 光や風力に比べて極めて少ない状況にある。 そこで本稿では,再生可能エネルギーの 中でも質の高い電気を供給できる地熱発電 について,開発に伴う様々なリスク(不確 実性)とその対策の現状と課題を紹介する
著者
いとう たけひこ 三浦 楓子
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.120-125, 2016 (Released:2016-12-01)
参考文献数
5

【目的】臨死体験とは、心停止から蘇生した人が体感する体外離脱(幽体離脱)などの科学では解明しきれていない体験である。その報告は多い。臨死体験には人類共通の普遍性と文化の違いによる特殊性があると考えられる。本研究ではこの共通性と文化差とを検討したい。臨死体験中に体験したことの表現から臨死体験の世界を考察する。【方法】立花 隆(2001)『証言・臨死体験』(文春文庫)に掲載されている有名人の臨死体験の事例とウェブサイト「臨死体験/臨死共有体験の掲示板」の臨死体験記録をテキスト化しText Mining Studioを用いてテキストマイニングの手法により単語や係り受け表現などの分析を行い、他の文化圏との特徴の比較をおこなった。【結果と考察】日本人の臨死体験における特徴的な単語として「川」と「花」の両方とも、22名中、各12名が証言している。過半数の体験者にみられた特徴と言えよう。日本人に多く表現される「川」が、西洋にみる光とトンネルとの関連で考察された。しかし、他の文化圏にみられる表現との共通性も同時に指摘された。
著者
品川 ひろみ
出版者
日本保育学会
雑誌
保育学研究 (ISSN:13409808)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.224-235, 2011-12-25

本研究は日系ブラジル人が多く入所する保育所において,通訳がどのような役割を果しているのかについて,保育士に対するアンケート調査,園長に対するインタビュー調査をもとに,「日常の保育」と「文化の保障」という二つの視点で検討した。その結果,「日常の保育」においては,通訳の存在は大変重要であり,通訳がいることで子どもや保護者へのコミュニケーションがスムーズにいき,細かいところにまで配慮した保育が実現できることがわかった。「文化の保障」についても,通訳が子どもの母語や文化を保障する役割としても機能していることがわかった。一方で,日本人保育士たちは多様な考えをもち,必ずしも文化の保障が必要であるとは考えていない者も見られた。また,通訳が常駐している保育所と,巡回型の保育所では,通訳の役割そのものは,どちらも同じように重要であったが,巡回型では時間的な制約があり,十分な関わりができない面も確認された。
著者
高橋 ひとみ Hitomi Takahashi 桃山学院大学法学部
出版者
桃山学院大学総合研究所
雑誌
桃山学院大学総合研究所紀要 = ST.ANDREW'S UNIVERSITY BULLETIN OF THE RESEARCH INSTITUTE (ISSN:1346048X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.1-11, 2004-12-20

Many children in Japan today do not know how to grasp a pencil or use chopsticks properly. Improper pencil grasp and chopstick usage may have a negative impact on one's studying and eating posture. In addition, improper posture potentially leads to poor eyesight. This survey was conducted to examine how pencil grasp and chopstick usage may affect the seated posture among children with the aim of putting a stop to the increasing number of children with poor eyesight. Of all the children surveyed, approximately 30% improperly grasped pencils while approximately 25% improperly used chopsticks. The survey result shows that pencil grasp and chopstick usage are associated with studying (seated) posture. By means of proper pencil grasp and chopstick usage, children were more likely to maintain a distance of 30 cm or more between the eyes and the notebook surface. This is known to impose minimal strain to the eyes. In fact, those children who maintained this optimal posture were less likely to have poor eyesight compared to those who did not. In view of these facts, encouraging efficient pencil grasp and proper chopstick usage among children will contribute to promoting the optimal studying posture that imposes minimal strain on the eyes. Until children are old enough to understand what needs to be done to maintain good eyesight, parents and adults should provide necessary care and support in this respect.
著者
名倉 秀子 大越 ひろ 茂木 美智子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.58, no.12, pp.753-762, 2007-12-15

正月料理の地域的な特徴を知る目的で,全国を12地域に分割し,大学・短期大学の学生を対象に元日に喫食された料理について検討を行った.次のような結果を得た.1)全国平均の食事回数は2.92回/人となり,外食が0.34回/人,内食が2.58回/人を示した.関東I地域では外食が最も高く,北海道,北九州,南九州地域は低い値を示した.2)全国平均の副食料理は2.56品,その料理に動物性食品を1.97品含んでいた.副食料理数は近畿I地域より西の地域で全国平均より高く,動物性食品数では北海道,関東I,近畿II,北九州,南九州地域が全国平均より高い値を示した.3)全国平均の動物性食品の出現数は魚介類が1.39,肉類が0.43,卵類が0.16を示した.特殊化係数について,魚介類は関東II地域,肉類は北海道地域,動物性食品の調理法は北海道地域がそれぞれ最大値を示した.4)全国12地域の元日の食生活は主成分分析により,第一主成分の東西食文化要因,第二主成分の外部化要因により説明でき,北陸,東海地域を中心とし関東地域以北と関西地域以西の食文化の差が存在することを捉えた.本州,四国地域は北海道,九州地域より外部化の傾向が大きいことを捉えた.