著者
堀内 成子 有森 直子 三橋 恭子 森 明子 桃井 雅子 片桐 麻州美 片岡 弥恵子
出版者
聖路加看護大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

1.健康な初産婦10例に対して、一夜の終夜脳波を測定した結果、産褥5、6週までは、夜間の途中覚醒率が20%前後を示したが、産褥9週・12週においては夜間に中断された睡眠と、中断されない睡眠とが混在した。夜間において母親の途中覚醒は、こどもの足の動きと同期していた。こどもの慨日リズムは12週までに形成していた。産褥期の母親の睡眠リズムと子育てに焦点を当てて研究活動を行った。2.18組の母子を対象に行った24時間の睡眠日誌の分析からは、生後5週から12週までのこどもの睡眠・覚醒に関するパラメータの変化は、母親の同一時期のパラメータと同様の変化を示した。就床時刻は平均0時53分であり、生活が夜型にシフトしていた。夜間の覚醒時間について生後5および6週は、9週から12週に比べ、有意に長く、覚醒回数も多かった。産褥3ヵ月における母子の睡眠覚醒の推移は、同調した動きを示していた。3.7組の母子を対象に行ったアクチグラフの結果から、産褥3週から12週までの母親の夜間途中覚醒は、こどもの睡眠・覚醒の慨日リズム形成と関係していた。4.入眠前のリラクセーションを図る意味での、腰痛のある妊婦を対象に足浴の効果を見た。その結果、足浴行った実験群においては、就寝前に対する起床時の痛みの強さが軽減していた。5.子育てにともなう情緒については21人の初産婦の面接から、産褥4週以内の子育てに対しては<閉塞感のある生きにくさ>を特徴とし、育児生活そのものは<既成概念と現実のズレ>が多く、時には<暗い迷路>へとつながることもあった。育児の適切さについて<確信がもてない>毎日であり、<焦燥感や不全感>を持ちやすいことも語られた。睡眠リズムの変化に適応できないと同時に、子育てに強く困難感を抱いている事例の分析が今後の課題として残されている。
著者
三橋 純予
出版者
美術科教育学会
雑誌
美術教育学 : 美術科教育学会誌 (ISSN:0917771X)
巻号頁・発行日
no.31, pp.353-366, 2010-03-20

筆者はこれまで美術教育の新たな領域として「アートマネージメント手法」の有意性を理論的に検証・提起し,実践研究として現代美術家との2つのアートプロジェクトを教材化して,その過程から育まれる「複合的鑑賞教育」の可能性を考察してきた。本稿では,これらの研究と平行して進めてきた北海道立近代美術館との3年間にわたる「連携授業プロジェクト」を新たな実践研究として,公立美術館を現場とした,展覧会の企画から実施までの授業プロセスを系統的に検証し,「作品と向き合うA段階」と,「他者(社会)と向き合うB段階」に分類し,「学習の転移」をキーワードとして,鑑賞教育におけるアートマネージメント手法の有意性を,理論的に明らかにする。
著者
三橋 利晴
出版者
一般社団法人 日本医療情報学会
雑誌
医療情報学 (ISSN:02898055)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.247-249, 2022-03-04 (Released:2023-03-09)
参考文献数
5

本誌41巻4号に掲載された「不妊治療に関するtweetを対象とした感情分析:ソーシャルメディアにおける助成制度変更の影響調査」について,研究の課題に対応するための提案を行った.論文では,意義のある研究成果が得られているものの,bot投稿が含まれている点,retweetへの考慮がない点,tweet取得元が不明瞭な点のため,研究上の妥当性や再現性が低下していると思われた.これらの課題を克服するため,tweetの「source」データを用いた除外条件の利用,retweet数で重み付けた感度分析,tweet取得元の明記を行うことを提案する.
著者
平野 実 進 武幹 吉田 義一 三橋 重信 吉田 哲二 大久保 洋
出版者
The Japan Broncho-esophagological Society
雑誌
日本気管食道科学会会報 (ISSN:00290645)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.285-290, 1980-08-10 (Released:2010-02-22)
参考文献数
16
被引用文献数
8 3

Dynamic disorders of swallowing are caused by lesions of the neuro-muscular system that participates in swallowing. Aspiration resulting from such disorders can be classified into four types. This classification is helpful for selecting surgical treatments for aspiration as well as for difficulty in swallowing.Type I. In this type, aspiration occurs when the larynx is elevated and closed during swallowing. It results from incomplete laryngeal closure. Mediofixation of the paretic vocal fold, suture of the bilateral ventricular folds, and/or fixation of the larynx in a high position yields good laryngeal closure. Cricopharyngeal myotomy leads bolus easily into the esophagus.Type II. Aspiration takes place when the larynx descends and opens at the end of the second stage of swallowing. This type of aspiration results from a weak propelling force and/or a strong resistance at the entrance of the esophagus. The weak propelling force is attributed to an incompetent velopharyngeal closure, disturbances of tongue movement and/or a weak pharyngeal peristalsis. Pharyngeal flap operation, infrahyoid myotomy and/or reinforcement of the pharyngeal wall is the choice of treatment. In order to reduce the resistance at the entrance of the esophagus, cricopharyngeal myotomy and a fixation of the larynx in an antero-superior position are effective.Type III. Aspiration occurs in both phases of laryngeal rising and falling.Type IV. This type is observed in those patients who are unable to execute the movements of the second stage of swallowing. The inability of the second stage movements seems to be caused by one of the following two: a severe paralysis of the swallowing muscles and strong inhibitory stimuli to the swallowing center of the medulla oblongata. The latter is observed in those patients who would have a very severe aspiration if their swallowing center allowed them to execute swallowing. In this type, the bolus is transported from the mouth to the pharynx by the gravity and weak tongue movements. The larynx closes in reflex but does not present such rising and falling as are executed in normal second stage. When the larynx opens, the bolus staying in the pharynx enters the airway.
著者
野原 康弘 佐藤 栄治 三橋 伸夫
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.81, no.719, pp.153-161, 2016 (Released:2016-01-30)
参考文献数
26

The purpose of this study is to obtain the knowledge about the assessment methodology of present environmental condition for the elderly people in residential area. And the methodology will be able to judge the future situation whether the residential area would be habitable. We analyze the characteristics of the local, Nasushiobara city in Tochigi. And to use GIS and to calculate the physical environment clarified the situation of local areas quantitatively. As the results of the analysis, we made sure of distribution of the accessibility between the urban area and the agricultural and mountainous rural area. The most accessible facility is “bus-stop”, and the agricultural and mountain area have relatively low accessibility. The worst accessible facility is "medical institution". Distribution of accessibility with regard to police station and post office is low.
著者
三橋 広夫
出版者
日本福祉大学子ども発達学部
雑誌
日本福祉大学子ども発達学論集 = THE JOURNAL OF CHILD DEVELOPMENT (ISSN:24352802)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.75-87, 2020-01-31

浅川巧は, 朝鮮民芸・陶芸の研究家・評論家だった. 朝鮮半島で植林事業を行う傍ら, 朝鮮半島の陶磁器と木工を研究・紹介した. 彼の墓はソウル郊外の忘憂里共同墓地にある. 当時の多くの日本人とは違って朝鮮人と対等につきあった人物の一人として知られる. 彼の生き方を学んで, 韓国コリョ高麗大生は「日本の誤った政策に対しては警戒するものの, 日本の人々まで嫌うのはやめなければならないと」という認識を獲得した.
著者
三枝 陽一 今泉 弘 金 明哲 石崎 純郞 加藤 彩 桑尾 定仁 三橋 利温 西元寺 克禮 大井田 正人
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
雑誌
Progress of Digestive Endoscopy (ISSN:13489844)
巻号頁・発行日
vol.94, no.1, pp.119-121, 2019-06-07 (Released:2019-06-20)
参考文献数
5

A 22-year-old woman with a history of diarrhea and bloody stools presented at our hospital because of diarrhea, bloody stools, and loss of appetite. Colonoscopy revealed pan-ulcerative colitis. We started treatment with continuous intravenous infusion of prednisolone 40 mg (1 mg/kg), granulocyte apheresis, and oral mesalazine granules (4000 mg). After starting treatment, symptoms promptly improved. The dose of oral prednisolone was decreased to 15 mg/day. Watery stools occurred 5 times per day. The patient wanted to receive Chinese medicine. We requested Hiroshima Sky Clinic to treat the patient with us. Treatment with prednisolone and mesalazine was discontinued, and Hiroshima Chinese medicine was begun. Clinical remission was achieved. The calprotectin level decreased to 37 μg/g. Colonoscopy showed complete mucosal healing. Chinese medicine including natural indigo has side effects. The relevance of use of natural indigo is controversial because of the potential adverse effect. However, Chinese medicine may be useful, and some patients desire such treatment. In the assessment of symptoms on basis of the results of endoscopic and pathological examinations and calprotectin testing, Chinese medicine was effective in our patient.
著者
三橋 正枝 澤田 成章 古川 柳蔵 松八重 一代
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会誌 (ISSN:18802761)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.152-158, 2022 (Released:2022-08-05)
参考文献数
6

沖永良部島をはじめ、小さい島嶼地域では、現代の暮らしに必要なものを全て島内で作り出すことは困難で、様々な生活物資の多くを島外からの輸送に頼らざるを得ない状況である。航空便による貨物輸送が困難な島ではすべての物資が船舶輸送となるが、船舶輸送は天候に左右され、悪天候が続くと長期保存できない生鮮食品等の調達に影響が出る。同時に島外向けの農産物の出荷も停滞し、経済的な打撃も少なくない。輸送に頼る暮らしは、CO2排出量にも関係する。ここでは島嶼における暮らしと経済、そして環境側面について考察する。
著者
三橋 亮太 水野 壮 佐伯 真二郎 内山 昭一 吉田 誠 高松 裕希 食用昆虫科学研究会 普後 一
出版者
[日本食品衛生学会]
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.410-414, 2013 (Released:2014-05-12)

福島県では福島第一原子力発電所事故が発生してから,イナゴの放射線汚染を懸念してイナゴ食(イナゴを採集し,調理して食べること)を楽しむ人が減少した。そこで2011年,2012年に福島県各地で採取したイナゴに含まれる放射性セシウムを測定したところ,134Csと137Csの合計放射能濃度は,最高で60.6Bq/kgであり, 2012年に設定された食品中の放射性物質の新たな基準値である100Bq/kgを下回ることが示された。さらに,イナゴは一般的な調理過程を経ることによって,放射能濃度が15.8Bq/kg以下,未処理時の1/4程度まで低下することが示された。
著者
寺門 淳 樋口 明奈 久保田 祐司 諸澄 孝宜 三橋 彩乃 大鳥 精司
出版者
一般社団法人 日本臨床整形外科学会
雑誌
日本臨床整形外科学会雑誌 (ISSN:18817149)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.51-56, 2022 (Released:2022-07-15)
参考文献数
9

目的:スポーツを行う中高生の腰痛をきたす疾患には腰椎分離症があり,腰椎伸展時に腰痛増強が訴えることが多い.そこで,伸展時腰痛を訴える中高生における腰椎分離症(急性期)の割合を調査することを目的とした.方法:2012年8月から2013年8月までに当院を受診し,伸展時腰痛を訴える中高生の患者は129名であった. 原則として,全員にmagnetic resonance imaging(以下MRI)を施行し,実施可能であった105名を対象とした.MRI横断像short TI inversion recovery(以下STIR)で,関節突起間部の高信号域が認められるものを腰椎分離症(急性期)と診断した.結果:105名中,59名(56.1%)が腰椎分離症(急性期)と診断された.考察:今回の報告が,高い割合で腰椎分離症(急性期)を診断できた理由として,対象患者を伸展時腰痛患者に絞った点,原則全例を対象として横断研究を行った点があげられる.中高生の伸展時腰痛おいては,腰椎分離症をまず念頭におくべきである.結語:整形外科診療所外来を受診した,伸展時腰痛を訴える中高生の患者の約60%が腰椎分離症(急性期)を有していた.
著者
大江 秋津 三橋 平
出版者
東京理科大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2020-07-30

江戸時代の藩校の200年以上の長期データを用いて、知識普及のメカニズムを実証する。国学や算学など、様々な学問を教える藩校では、教員の出身学派の非公式な信頼関係から新たな知識がもたらされる。藩校は知識の集積所といえ、学派ごとに形成された複数の非公式な外部知識ネットワークを持つ。さらに、ネットワーク内の新たな知識の普及には、地理的に近い他の藩校からの影響もあると考える。以上から本研究は、(1) 実践共同体で形成される複数のネットワークで多次元的に知識が普及するネットワーク構造特性の実証と、(2) 組織間信頼による知識の組み替えが起こるメカニズム、(3)組織間の地理的近接性が与える影響を実証する。
著者
三橋 秀生
出版者
Waseda University
巻号頁・発行日
2003-03

制度:新 ; 文部省報告番号:乙1772号 ; 学位の種類:博士(理学) ; 授与年月日:2003/3/6 ; 早大学位記番号:新3560
著者
三橋 文明
出版者
駒澤大学文学部英米文学科
雑誌
外国文学研究 (ISSN:04350332)
巻号頁・発行日
no.1, pp.70-83, 1964-11