著者
小鹿 勝利 上野 亮介
出版者
森林計画学会
雑誌
森林計画学会誌 (ISSN:09172017)
巻号頁・発行日
no.33, pp.11-18, 1999-09-30

分収育林事業開始後20年が経過し,国有林で24,642ha,民有林で9,916haが設定され,約12万人が約600億円の育林費用を出資した。しかし適地の減少や応募者の減少などから設定面積は漸減傾向にあり,民有林では費用負担者を募集しない相対契約の比重が高まり,国民参加を前提にした事業の性格も変化しつつある。契約満期を迎えた事例では分収金は出資額の半額で,林地所有者は持分を放棄して出資者に分配した。これは木材価格の大幅な低下や伐出経費の増大に加えて,契約時の立木評価や収穫予想の過大評価も原因している。分収育林面積は全人工林面積の0.3%であり,出資金の使途も限定されない。近年の林業生産活動の動向から見る限り,この制度が森林経営の安定化や森林整備の促進に果たした役割は必ずしも大きいとは言えない。今後契約満了を迎える事業が増加していくが,出資金の元本割れへ対応,大面積の契約地での伐採問題,国民参加の実質的な実現などの諸課題があり,分収育林は大きな転機を迎えつつある。

2 0 0 0 悪性黒色腫

著者
栗原 浩幸 金井 忠男 金井 慎一郎 金井 亮太 赤瀬 崇嘉 中村 圭介 高林 一浩 神藤 英二 上野 秀樹
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.996-998, 2018-06-25

疾患の概念 悪性黒色腫(malignant melanoma)は,神経堤起源細胞でメラニン産生細胞であるメラノサイトに由来する悪性腫瘍であり,本邦における悪性黒色腫の罹病率は1.12人/10万人とされている1).消化管の悪性黒色腫は非常にまれであり,大部分は皮膚を原発としたものの転移である.消化管原発の悪性黒色腫の主な部位は,食道と直腸肛門部であり2),肛門部の悪性黒色腫は,全悪性黒色腫の0.2%,直腸肛門部の悪性腫瘍の0.5%と極めて少ない3).好発年齢は50〜70歳代で,女性に約2倍多いとされる4). 症状は肛門出血が最も多く,肛門部腫瘤,肛門痛,便通異常などを訴える5).悪性度が極めて高く,早期からリンパ行性はもとより血行性に肺・脳・骨・肝などに転移を来す.
著者
三木 有咲 波多江 崇 猪野 彩 井上 知美 上野 隼平 笠谷 君代 近藤 亜美 坂口 知子 佐々木 信子 田内 義彦 竹下 治範 辻 華子 中川 素子 野口 栄 長谷川 由佳 水田 恵美 矢羽野 早代 山根 雅子 濵口 常男
出版者
日本社会薬学会
雑誌
社会薬学 (ISSN:09110585)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.24-33, 2015

We implemented a questionnaire survey targeting mothers who are in child care and had participated in consultations regarding drugs and diseases. We examined the future roles of community pharmacists by exploring the mothers' concerns and, anxieties about child cares and their backgrounds, and their expectations for profession of community pharmacist. Mothers have listed anxiety and concerns of child care about "dermatitis such as rash and atopic eczema"; "food allergies"; "infectious diseases such as measles, chicken pox, and mumps"; and "side effects of vaccination". In addition, most of them indicated their own concerns and anxiety about "solutions to children's illnesses." Despite their anxieties and concerns, however, approximately 60% of the mothers have never consulted with community pharmacists. Among them, approximately a half of them indicated the following three reasons why they have never consulted with pharmacists: "I have nothing to talk about,", "I do not know what I should talk about,", and "I was not sure if it was alright to talk about my concerns.". From these results, we concluded that community pharmacists in the future should improve their communication skills and inform their availability to consult about medicine and disease to local residents.

2 0 0 0 胃梅毒

著者
堺 勇二 池田 憲治 上野 景子 小野 広幸 前田 和弘 田邉 寛 岩下 明德
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1628-1631, 2019-11-25

疾患の概念と最近の動向 梅毒は代表的な性感染症の一つであり,多彩な皮膚病変がみられるが,まれながら消化管病変を生じることがある.消化管では胃に最も多いとされ1),消化管梅毒の本邦文献でみると,過去50年間では胃197例,大腸34例(31例が直腸),小腸3例,などの報告がある. 梅毒は主に性的接触によるT. pallidum(Treponema pallidum)の陰部などへの感染から発症する.10〜90日の潜伏期を経て,感染局所に初期硬結,硬性下疳などの一次病変を形成する(第1期).その後血行性に全身に撒布され,ばら疹などの多彩な皮膚病変や臓器梅毒などの二次病変を生じる(第2期).以後は潜伏梅毒を経て慢性に経過し,ごく一部は年余を経て第3期梅毒(晩期梅毒:心血管梅毒,ゴム腫など)に進展する2).胃梅毒の報告例の多くは第2期のものであり,胃梅毒は,血行性に全身に撒布された菌体とその代謝産物に対する血管アレルギーにより,梅毒性皮疹と同様の機序で形成された胃粘膜疹と推測されている3).
著者
阿部 靖彦 佐々木 悠 上野 義之
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.225-242, 2019 (Released:2019-03-20)
参考文献数
104
被引用文献数
1

好酸球性食道炎は主に食物抗原に対するIgE非依存型(遅延型)アレルギー反応によって好酸球浸潤を主体とする炎症が食道上皮を中心に発生,慢性的に持続し,食道運動障害や食道狭窄をきたす疾患である.元々は小児領域の疾患と考えられていたが,近年,とくに欧米において成人のつかえ感,food impactionの主な原因として注目されている.好酸球浸潤は食道に限局し,好酸球性胃腸炎とは独立した疾患単位として取扱われる.診断は自覚症状と組織学的に有意な好酸球浸潤を証明することが基本となり,内視鏡検査で縦走溝,白色滲出物,輪状溝などの特徴的な所見を認識しつつ,生検を行うことが必要となる.治療においては,原因食物の特定と除去食の有用性が確認されているが,その実施には極めて高度な医学的管理を要するため適応は限定され,薬物治療が主体となる.第一選択はPPI投与,無効な場合はステロイド食道局所(嚥下)治療が推奨されている.本邦では欧米と比較し症状や所見が強い典型例は少ないが,近年のアレルギー疾患の増加とともに今後増加してくる可能性がある.厚生労働省の指定難病としても告示されており,その病態や診断,治療について理解しておく必要がある.
著者
上野 継義
出版者
京都産業大学
雑誌
京都産業大学論集. 社会科学系列 (ISSN:02879719)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.137-178, 2014-03

鳥山新一は、サイクリングの普及に尽力した先覚者の一人である。彼は、財団法人日本サイクリング協会(JCA)のリーダー養成をはじめ、おびただしい量の啓蒙書の公刊や雑誌への投稿、中学・高校向けサイクリング教本の執筆、自転車のマスプロ・メーカーや中小工房へのアドヴァイスなど、さまざまなルートを通じてサイクリングの普及に取り組んだ。彼の働きから今日のサイクリングのすべてがわき出したわけでは勿論ないが、鳥山が日本のサイクリング事情にどのような問題を発見し、それに対していかなる取り組みをしたのかを復元することは、わが国サイクリング史の一面をあぶり出すことになるであろう。本稿はまた、余暇を楽しむ中流階級(近代的消費者)の形成という視点を織り込んで自転車産業の発展を考察するための準備作業でもある。
著者
想田 光 岩井 岳夫 金井 貴幸 宮坂 友侑也 佐藤 啓 根本 建二 上野 義之 嘉山 孝正
出版者
日本加速器学会
雑誌
加速器 (ISSN:13493833)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.144-150, 2020-10-31 (Released:2021-10-05)
参考文献数
12

Yamagata University has carried out a heavy ion treatment facility project since 2004. Building and treatment machine has been constructed since 2017. The carbon ion medical accelerator consists of a permanent-magnet type electron cyclotron resonance (ECR) ion source, a series of linear accelerator of radiofrequency quadrupole (RFQ) and interdigital H-mode drift tube linac (IH-DTL) with an energy of 4 MeV/u, and an alternative gradient synchrotron of 430 MeV/u. There are two irradiation rooms, one has a fixed horizontal port and the other has a rotating gantry port with superconducting magnets. Since the irradiation rooms are placed above the accelerator room, the footprint of the building is only 45×45 m, which is significantly smaller than preceding facilities. The synchrotron has a variable-energy flattop operation pattern with 600 energies. This operation enables a three-dimensional spot scanning irradiation without range shifters. A superconducting rotating gantry is equipped with a pair of improved scanning magnets in the downstream of the final bending magnets and is downsized to 2/3 of the first model built in NIRS. The construction of the building was completed in May 2019. The treatment irradiation will start in February 2021 after machine optimization and clinical beam data measurement.
著者
橋本 都子 上野 佳奈子 倉斗 綾子 赤松 佳珠子
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.74, no.645, pp.2347-2355, 2009-11-30 (Released:2010-04-01)
参考文献数
17
被引用文献数
5 4

This study investigated the evaluation of ‘impression’ and sound environment for open plan type classrooms by elementary school children and teachers. From the results, it has been found that the children and teachers have good impressions for open-plan type classrooms. From evaluation of teachers, there was indication that an area around a desk of a child was narrow. From the evaluation of children, we understand that good ventilation, moderate brightness, sufficient space and adequate room temperature were important elements for classroom environment. In cases of schools, which were designed in consideration for acoustical environmental benefit, there were no effective evaluation given by children even though the acoustic characteristics improved. The challenge for the future design of open-plan classroom in elementary school is the realization of open-plan spaces with visual connections that retain the good impressions with high level of acoustic environment.
著者
上野 馨
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.67-72, 1960-02-29 (Released:2009-03-27)
参考文献数
10

The gamma-ray spectrum emitted by present-day pine leaves reveals the presence of several peaks which do not belong to any naturally occurring nuclide. These peaks come from radioactive fission produts produced from nuclear weapon tests.The gamma-ray spectra of pine leaves collected in 1958 and 1959 show two remarkable peaks. 0.13 MeV peak is actually a combination of peaks of 131Ce and 144Ce-144Pr, while 0.76 MeV peak is assigned as a peak of 95Zr-95Nb.The decay curves of the gamma activity at 0.76 MeV correspond to curves of 95Zr-95Nb with half-life of 65 days. One gram pine leaves ash contains 26 mμc 95Zr-95Nb.
著者
和田 潤 井田 浩文 田澤 慎也 瓦口 泰一 叶 喜代森 上野 剛 吉村 天 秋元 孝之
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成26年度大会(秋田)学術講演論文集 第6巻 温熱環境評価 編 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.85-88, 2014 (Released:2017-11-15)

断熱等級2・3・4の住宅を用いた実験により,住宅の高断熱化は,開口部からの日射遮蔽がなされていれば,夏期のエアコン冷房においても電力消費を増大させる要因とはならず,特に電力の逼迫する外気温の高い日において効果が大きいことが検証された。また,エアコンの間欠運転 (30・60・90分間の一時停止)は,日積算電力量の削減にはつながらず,すなわち省エネルギーとはならず,再起動後のピーク電力のみが高くなる結果となった。。
著者
上野 庸治
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.231-253, 1956
被引用文献数
2 1

八丈島に冬期に流行する発疹性熱性疾患で, 俗に八丈デング, 七島熱などとよばれていたものは, いわゆるK群のリケッチアを病原体とする七島型恙虫病で, おそらくタテツツガムシがこれを媒介し, 臨床的には1〜3週間持続する高熱, 著明な発疹, いわゆる刺口(皮膚の初発潰瘍)の存在, Weil-Felix反応のOXK凝集価の上昇などを主徴とし, ほとんど死亡例を見ない急性伝染病である.筆者は1949年以来, 八丈島にあつて前編にのべた恙虫類の生態, 疫学的研究と平行し, 本症の臨床的な研究をつゞけて次のような点を明らかにしえた.1潜伏期は不明な例が多いが, たまたまこれをほゞ確実に推定しえた2例においては12日及び13日間と判断された.2.前駆症はこれを欠くもの, 又は単なる違和感のある程度のものが多い.3.刺口(感染部位に生ずる皮膚の初発潰瘍)はほとんど全例にみられる.多くは1個であるが, 80例中6例には2個以上が見出された.経過は第1病日頃には小水泡を中心にもつ丘疹様であるが, 第3病日頃には中央が壊死して痂皮を形成し, その周囲に発赤環を認め, 痂皮部は通常楕円形で, 長径5〜10mmに及ぶ.第20病日頃には症状の軽快に伴つて痂皮がとれ, 小瘢痕と色素決着を残して消失に向う.症状のはげしいものほど潰瘍が大きい傾向がみられる.4.全例において淋巴節の腫脹, 圧痛がみられ, 特に刺口の局所淋巴節に相当したものにこれが著明である.5.全例に発熱がみられ, 治療せざるものの有熱期は10〜14日位である.大多数が悪寒を以て発病し, 約半数は悪寒戦慄を伴う.頭痛はほとんど必発で, 主訴をなし, 筋痛, 腰痛も多くに生ずる.脾腫, 肝腫は著明でない.消化系症状は不定である.6.発疹は全例にみられ, 全身に発生し, 丘疹性で粟粒大より拇指頭大に到り, 初め鮮紅色, やがて暗赤色となるが, 出血疹は認められなかつた.部位は躯幹に多く, 四肢では躯幹に近い屈側に著明であるが, 頭髪部や粘膜にもみられることがある.7.臨床検査では極期に血圧は最高, 最低とも低下し, 白血球数は減少, 好酸球は消失する.Weil-Felix反応は病日がすゝむとOXK凝集価の著明な上昇がみられたが, OXK19にはほとんど変化をみなかつた.各種の肝機能検査で極期にはその障害がみとめられた.心電図にも一時的な変化のみられた例がある.8.治療にはテラマイシン, テトラシン, オーレオマイシン, クロロマイセチンなどの抗生剤の卓効が認められた.しかし, その投与日数が短いとたとえ大量を初めにあたえても再燃が生じやすく, 反対に少量でも7日以上継続すると完治することを見出した.その結果, 病初の1〜2日はテトラシン, テラマイシンなどの250mg1日1回, 解熱後その125mg1日1回4〜6日間, 計6〜7日間の投与で総量約1gを以て最も合理的, 経済的な治療方式と考える.
著者
上野 修 前川 督雄 本田 学 仁科 エミ 河合 徳枝 大橋 力
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第24回全国大会(2010)
巻号頁・発行日
pp.2H1OS43, 2010 (Released:2018-07-30)

私たちは、現在の地球環境問題を自然だけでなく社会・文化を含む文明の次元で捉えることを試みている。<死生観>に関わる生命モデルを創り、増殖進化における優位性の検討が可能な人工生命研究と、モデルに対応する生命機構の実在性を検証する生命科学実験との相補的アプローチを進めてきた。その有効性を示す例として、不死の生命よりも有死の利他的生命の優越性を示した「プログラムされた自己解体モデル」を紹介する。
著者
上野 顕子 鈴木 敏子
出版者
横浜国立大学
雑誌
横浜国立大学教育紀要 (ISSN:05135656)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.95-106, 1994-10-31
被引用文献数
1

本調査で,「家庭生活」領域を履修することになっている中学1年生の親とのコミュニケーションの実態と背景を探ったところ次のような結果が得られた。1.6割以上の生徒は,親を理解者としている。そして,父親よりも,母親を理解者としてとらえている。一方,約4割の生徒は,親を理解者ととらえていない。2.約半数の生徒は親と毎日コミュニケーションをとることを望ましいと考えているが,約4割の生徒は日常の親子のコミュニケーションに対して消極的である。3.実際のコミュニケーションについて,挨拶,共有行動,話し合いからみてみると,父親よりも,母親とコミュニケーションをよくとっていることが明らかになった。4.コミュニケーションのとり方には,性別,家族構成,きょうだいの人数,父の帰宅時間,母の職業の有無,子どもが週に習い事・塾へ通う日数,コミュニケーションに対する意識などが影響していることがわかった。以上の結果から,「家庭生活」領域における「家族関係」の扱い方を考えると,次の2つのポイントがあると思われる。第1は,第二次性徴期にいる中学生に,家族の題材を積極的に取り上げてみてはどうかということである。というのは,約4割の生徒は親を理解者としてとらえていない,また,約4割が親子のコミュニケーションは気が向いたときとればよい,特に必要ない,と考えているという結果が得られたが,それは,第二次性徴期に入った中学生が,親に反抗しつつ自立していこうとする姿のあらわれではないかと考えられる。だからといって,この段階の生徒に親子関係についての学習をさせることは難しいので題材設定をしないというのではなく,むしろ積極的に取り上げて,生徒自身に自分が第二次性徴期にいることを自覚させるとともに,そのような自分と親との関係が客観的にとらえられることこそ大人への第一歩であるということを考えさせてみてはどうだろうか。第2は,コミュニケーションのあり方は,現代社会に生きる家族員それぞれの生活や意識が一つの重要な要因となっていることが明らかになったことから,生徒が中学生という自分の発達段階や現代の家族の抱える問題を客観的にとらえられるようになることが必要であると考えられる。特に父子関係が母子関係より希薄になる要因に焦点を当てることによって,社会的な問題をとらえることができるだろう。それらを通して,自分にとって家族とは何か,家族と自分にとってのよりよい家族関係とは,ということを主体的に考える学習過程にしていけるのではないかと思われる。
著者
上野 淳子
出版者
関東社会学会
雑誌
年報社会学論集 (ISSN:09194363)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.13, pp.227-238, 2000-06-05 (Released:2010-04-21)
参考文献数
22

As urban spaces become commodified for the ‘tourist gaze’, consumers play an important role in the process of ‘branding’, or the aetheticization in which producers attach images to spaces. This paper will discuss what kinds of people consume the aetheticized space. Consuming spaces implies seeing physical landscapes through such images and that notions of both images and physical landscapes precede it. It has been said that the upper-middle class and households without children tend to recognize both of them as important. Our research in Daiba shows the same tendency. It also reveals that older people consume the commodified space much more than younger people.