著者
上野 健二 杉山 春喜智 河合 昭
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1959, no.13, pp.62-68, 1959-04-30 (Released:2009-07-31)
参考文献数
4

1.1958年一・二・三番茶期こおいて,たまみどりならびに在来種のはさみ摘の生葉を用いて,ヨンコン茶の製造試験を行つた。2.静岡県でつくられたヨンコン茶製造法を基準として,3種類の方法を比較したが,この中では従来の黒グリ製造法とほぼ同様の方法が,最も適当であることがわかつた。3.ヨンコン茶は形状がやや伸型で,香味のよいのを特徴とするにもかかわらず,はさみ摘の普通原料の場合は,再乾機の投入量を減少したり,中揉機を用いたりしてみてもいずれも効果がなかつた.4,したがつてヨンコン茶の製造においても,ある程度投入量を多くして,再乾仕上をすることが不可欠の要件と思われる。5.しかし投入量の増加は必然的に品質の低下を伴うから,香味を害しない程度の投入量の限界について試験を進める必要がある。
著者
上野 馨 矢部 明 弦巻 一郎 張 昭鼎
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.3, no.9, pp.688-690, 1961-09-30 (Released:2009-03-26)
参考文献数
12

尿中に水の型で含まれているトリチウムを,液体シンチレーション法で定量した。尿中に含まれる無機,有機塩類による消光作用を少なくするために1:2陽陰両イオン交換樹脂混合樹脂柱(ダイヤイオン, 100~200メッシュ, HおよびOH型, φ1cm, h10cm)を通して脱イオン化し,純化された尿1mlにつき60mlの液体シンチレータ(4gのPPOと15mgのPOPOPを230mlのエタノール, 770mlのトルエンの混合溶液に溶解したもの)を加え,室温で放射能を測定する。この方法により0.01μc/ml尿のトリチウムを室温で±10%の誤差で定量できる。さらにこの方法は放射性廃液中のトリチウムの定量にも利用できる。
著者
安藤 正遵 千崎 一義 上野 香代子 大川 茂樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.308, pp.19-24, 2009-11-19

本稿では,歯科における咬み合わせ治療により発声が改善されることを,実際の治療事例および治療前後の音声分析の結果により示す。一般にはあまり知られていないが,咬み合わせ治療を施すことにより,肩こりなどの不定愁訴などが改善されることや,発声が明瞭になる(たとえば滑舌がよくなる)ことが歯学界では知られている。本研究では,まず,模擬患者1名の通常の咬み合わせ時および異物を下顎臼歯に配置したときの舌運動をfMRI画像として記録した。次に,実際に発声改善を望んだ複数名の患者に対して治療を施し,術前・術後の音声を録音した。患者2名の治療事例の詳細を紹介すると共に,音声の変化に関する時間的・周波数的分析の結果を示す。
著者
杉原 雄一 上野 秀人 平田 聡之 荒木 肇
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
Journal of the Japanese Society for Horticultural Science (ISSN:18823351)
巻号頁・発行日
vol.83, no.3, pp.222-228, 2014
被引用文献数
3

トマト生産においてカバークロップとしてのヘアリーベッチ(<i>Vicia villosa</i> R.,以下 HV)と化学肥料の効率的な施用方法を確立するために,HV,速効性肥料(Fast)および緩効性肥料(Slow)から放出された窒素のトマトへの吸収について,安定同位体 <sup>15</sup>N を利用して調査した.窒素の速効性肥料(硫安)と緩効性肥料(LP-S100)を供試して,両者の混合割合を 2 : 8(Fast + Slow)と 0 : 10(Slow-only)とした.窒素施肥量を 240 kg N·ha<sup>-1</sup> として,土壌培養試験を行うと,培養 4週間において Fast + Slow では高濃度の無機態窒素環境が形成された.同様の施肥条件を用いて,1/2000 a のワグネルポットでトマト'ハウス桃太郎'を栽培すると,<sup>15</sup>N でラベルした HV(0.89 atom% excess)を土壌中にすき込むことで,定植12 週後のトマトの植物体乾物重は HV 無添加より有意に増加したが,窒素肥料の混合割合による差異は認められなかった.HV 由来窒素は主に定植 4 週後までに吸収され,その吸収量には Fast の有無による差異はなかったが,吸収した全窒素に対する HV 由来窒素の含有率(%N<sub>dfhv</sub>)は Fast を施用しない Slow-only で有意に高くなった.しかし,この差異も定植 8 週以降は認められなかった.トマトによる窒素吸収は栽培終了時の定植 12 週後まで続いた.以上の結果から,HV 由来窒素は速効的であった.生育初期においては,トマトへの窒素吸収に土壌・肥料由来窒素と HV 由来窒素の間で競合関係があり,多量の土壌・肥料由来窒素が存在すると HV 由来窒素の吸収が抑制される.この試験で得られた知見は,トマト生産における HV と化学肥料の適切な混合体系の確立に寄与する.
著者
薗 潤 浦浜 憲永 上野 玲 磯部 文隆 吉永 和正
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.109-113, 2021 (Released:2021-03-24)
参考文献数
12

【目的】悪性胸膜中皮腫患者の緩和ケア病棟入院時における早期死亡予後予測因子を後ろ向きに検討する.【方法】2016年1月から2018年4月までに当院緩和ケア病棟で死亡した12例の悪性中皮腫患者を先行研究にならい,入院から死亡までの期間別に,A群:13日以内,B群:14日以上55日以内,C群:56日以上に分類し検討した.【結果】各群の症例数は,A群5例,B群5例,C群2例であった.血痰はA群のみ40%にみられ,A群では全例酸素吸入を必要とした.C群にみられなかった因子のうち,嚥下困難および両側病変がA群で80%,B群で60%に,肺炎がA群で60%,B群で20%にみられた.【結論】症例数が少ない予備的な研究であるが,血痰,嚥下困難,両側病変,肺炎,酸素吸入が,悪性胸膜中皮腫患者の緩和ケア病棟入院時における早期死亡の予後予測因子である可能性が示唆された.
著者
上野 哲
出版者
日本医学哲学・倫理学会
雑誌
医学哲学 医学倫理 (ISSN:02896427)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.1-6, 2004-10-18 (Released:2018-02-01)

The purpose of this paper is to contribute to making a better life in leprosariums by providing viewpoints to change leprosariums as isolation hospitals into communities of living. Although it is very hard for many residents who are advanced age and without any relatives to go off of leprosariums, the court found the isolation policy for recoverists of leprosy illegality in May 2001. Leprosariums are obliged to change, for example, homes for the aged. What I do not try to do here is to impeach someone. I make proposals, however, based on the interview to the Niirada branch school of Oku senior high school students in the Nagashima-aiseien leprosarium. The subjects of the interview meet the following two requirements: firstly they have been expected a remarkable activity out of leprosariums from their boyhood; and, secondly, they live in leprosariums again at present after the living out of leprosariums. As a consequence of the analysis, I propose attaching importance to the high regard for resident's self respect under the isolation policy and the understanding of the human relations in leprosariums, in addition to the request for substantial medical service, to better the present condition of leprosariums.
著者
上野 健爾
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1-2, pp.3-15, 2016-03-30 (Released:2017-08-31)
参考文献数
59

In the present notes we shall discuss history of algebraic geometry form Riemann to today. Emphasis is placed on the development in 20th century. We shall show that there are three driving forces of the development, namely the Riemann hypothesis of algebraic curves over finite fields, theory of algebraic functions and compact Riemann surfaces, and geometry of algebraic curves and surfaces.
著者
大野 健次 高畠 一郎 桐山 正人 上野 敏男 竹田 康男 羽柴 厚 小山 信
出版者
一般社団法人 日本消化器がん検診学会
雑誌
日本消化器がん検診学会雑誌 (ISSN:18807666)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.613-617, 2011 (Released:2011-10-15)
参考文献数
6
被引用文献数
1

胃内視鏡多施設検診における至適生検率について検討を行なった。至適生検率とは見逃しが少なく(=癌発見率が高い), 最も効率がよい(=陽性反応適中度が高い)生検率と定義した。対象は08年, 09年に金沢市内視鏡検診を受けた17,280名で各医療機関の生検率を, 5%毎5群に分けて, 胃癌発見率と陽性反応適中度(以下PPV)について検討した。胃癌発見率とPPVは各々生検率5%未満で0.23%, 9.18%, 5~10%未満0.36%, 5.16%, 10~15%未満0.58%, 4.92%, 15~20%未満0.32%, 2.00%, 20%以上で0.59%, 2.21%であった。生検率が高いとPPVは低くなる傾向があるががん発見率は高くなる傾向が見られた。今回の検討では10%~15%未満から生検率を上げていっても癌発見率が上がることがなく, その中で最も陽性反応適中度が高いのは10~15%未満であり至適生検率は10~15%未満と考えられた。

2 0 0 0 意味の文法

著者
上野義雄著
出版者
早稲田大学出版部
巻号頁・発行日
2020
著者
上野 益三
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.105-110, 1968-10-28 (Released:2009-10-16)
参考文献数
14
著者
倉斗 綾子 橋本 都子 上野 佳奈子
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.76, no.664, pp.1073-1081, 2011-06-30 (Released:2011-11-16)
参考文献数
26
被引用文献数
2 2

Through this study, the important issues for planning open-plan learning environment were summarized as follows:1. Teachers are satisfied with ‘open space’ for various learning style and they want to use open spaces more conveniently.2. Teachers recognize advantage of open-plan learning environment in terms of learning effects and psychological aspect. However, if the indoor environment such as acoustic condition has significant problems, teachers don't highly evaluate the open-plan.3. Open-plan learning environments work properly in the cooperative teaching management system by each grade.4. When student numbers exceeds the capacity of learning environment, it is difficult to manage a grade as a group. In this case, class activities are mainly managed by each class and the class uses open space as an extension of its classroom.5. Teachers require the classrooms that can be both open and closed condition with appropriate acoustic performance for open-plan learning environment.
著者
福村 浩一 中原 毅 小串 美由紀 倉持 龍彦 関 貴弘 堀井 京子 寺田 紀子 上野 信一 松井 則明
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.137, 2008

【はじめに】近年、携帯電話や電磁調理器具などの急速な普及により、それらから発せられる電磁波による健康への影響を不安視する声が聞かれる。透析装置においても電磁波を発する装置であり、透析患者は4~5時間装置の側での治療を余儀なくされる事から、透析中における装置からの電磁波の発生強度を測定し、その安全性を検討した。<BR>【目的】透析装置から出る電磁波を測定し、その数値からICNIRPの電波防護指針をもとに透析中の安全性を検討する。<BR>【方法】当院で用いられている透析装置(DCS-72、DCS-26、DCS-27、DBB-26、DBG-02、TR-3000M)の待機時(プライミング終了後)と作動時(透析中)に放出される電磁波の強度を、アルファラボ社製トリフィールドメーター100XEを用いて測定し、また患者の透析時における電磁波の暴露量(頭部、腹部、下肢)からその安全性を比較検討した。電磁波の測定方法は透析装置のディスプレイ画面より0cmから10cm間隔で電磁波の強度を測定し、最終的に測定表示が0になるまでの距離を測定した。<BR>【結果】DCS-72では待機時が、0~20cmで100mG以上、30cmで25mG、1.3mで0mGとなった。透析時では0~20cmで100mG以上、30cmで25mG、1.5mで0mGとなった。DCS-26では待機時が0cmで50mG、10cmで6mG、50cmで0mGとなった。透析時では0cmで100mG以上、10cmで50mG、90cmで0mGとなった。DBB-26、DBG-02ともに透析時では0cmで60mGと高い値を示したが、10cmでの測定値は一桁を示し、他の装置では0cmでも待機、透析時ともに低値を示し、待機時で30cm、透析時で40~60cmで0mGとなった。又、患者の頭部、腹部、下肢で透析時に受ける電磁波の強度を測定した結果、頭部で0~2mG、腹部、下肢では0~0.5mGであった。<BR>【考察】測定の結果からICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)の定めた国際ガイドライン値(安全値4mG未満、許容値16mG未満)に当て嵌めると医療従事者が通常の操作をするパネルからの位置では、測定結果から特に問題はないと思われ、透析中における患者についても安全性をクリアしていると思われた。<BR>【まとめ】電磁波については、生体に影響が有る、無いの二極論があるが、実際に「電磁波過敏症」と呼ばれる諸症状がある事も事実であり、長時間装置の側で治療を受ける透析患者の電磁波の暴露量は重要であり、科学的根拠がなくても事前回避の措置を定めるという原則の考えが重要であると考えられた。
著者
綱田 錬 竹本 真紹 小笠原 悟司 折川 幸司 齋藤 達哉 上野 友之
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.140, no.12, pp.939-948, 2020-12-01 (Released:2020-12-01)
参考文献数
24
被引用文献数
5

In recent years, more than half of the electric power generated in the country is being consumed by motors. Therefore, high performance motors are desired especially for industrial applications. In addition, it is desirable to reduce motor size. Recently, motors called axial gap type have been proposed and researched to achieve both high torque and small size. Axial gap motors are generally suitable for applications requiring flat shape such as a disk. Conventional axial gap motors frequently employ Nd sintered permanent magnets (PMs) to achieve high torque. However, axial gap motors with Nd sintered PMs are not very efficient at high rotational speed due to the eddy current loss arising in the PM. Axial gap motors that use ferrite PMs have also been proposed, but torque density is low. In this paper, an axial gap motor using Nd bonded PMs is proposed to achieve high efficiency in the high-speed and high-torque region. The proposed axial gap motor using Nd bonded PM is compared with other axial gap motors employing Nd sintered PM and ferrite PM through 3D-FEA and experiments. Consequently, it was found that the Nd bonded PM is more effective in enhancing the efficiency of an axial gap motor in the high-speed and high-torque region, compared with Nd sintered PM and ferrite PM.
著者
中井 三留 足立 俊明 岩下 弘一 上野 一男 山本 和広 戸田 暢茂
出版者
名古屋工業大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

理想境界の一般理論の構成を目指す本研究の第一段階として,本年度の研究目的とした,固有境界と空間及びその上の諸種の調和構造が特定の理想境界とどの様に係わるかを明らかにする間題に於て,特に理想境界をロイデン境界に取った場合に以下のような成果を得た.n次元ユークリッド空間R^n内の単位球B^nのpロイデン調和境界Δ_p(B^n)(1<p≦n)の連結性が,B^n上非定数のpディリクレ積分有限なp調和測度,或は更に一般の指数をpとするA調和測度,が存在しないと言うコンデンサー問題の否定的解決と同等となることを示した.ついでΔ_p(B^n)が連結となる必要十分条件は2≦p≦nであると言う決定的な結論を得た.1くp〈2の時Δ_p(B^n)の非連結の度合を,B^n上に常にpディリクレ積分無限なA調和測度が存在すると言う形で,最初はn=2に対し,ついで一般のn≧2について明らかにした.B^nを一般化してリーマン多様体Mをとるとき,その上の(n-1)次のドラムコホモロジーが0で,更にMがビルタネン性を持つならば、2≦p≦nのときΔ_pp(M)が連結となると言う形の一般化も行った.特にビルタネン性を詳しく調べ,B^nnの幾何学的形状の一般化を考察した、その結果,B^nを特別な場合として含むものとして,R^nの部分領域Gで,星型であるか,又はGの境界∂Gが連結で局所的にみてグラフ状曲面からなる場台にも,2≦p≦nであるならば,Δ_p(G)がまた連結となることが分かった.更に別の見地からの進展として,MをC^∞級の完閉境界∂Mを持つC^∞級のり-マン多様体とするとき,2≦p≦nの時かつその時に限り,M上の全ての指数pのA調和測度はMの閉包==MU∂M迄連続に拡張できて,∂Mの各連結成分の上で1又は0となると言う結果も得た.
著者
上野 輝将
出版者
神戸女学院大学
雑誌
女性学評論 (ISSN:09136630)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.1-48, 2007-03-31

In 2003, Korean TV Drama Winter Sonata made a big hit in Japan, especially with middle-aged women. The audience were fascinated by a feeling of first love, beautiful music and enchanting scenes, a sense of cosmopolitanism, and the actor Yonsama. In contrast, many critics argue that the heroine Yujin is a woman of indecisive and selfish personality. Is this true? A close analysis of the scenario will prove it otherwise. It is that Yujin is portrayed as an independent and altruistic woman. This is why she goes through a psychological conflict, torn with anguish between two men. This is also the case with the hero Minyon=Chyunsan, who is distressed about his identity and altruism. Thus the story of ups and downs has attracted so many TV fans. Seen from a viewpoint of the relationship between the conservative and the progressive, this drama is produced under some influence of Korean feminism. It seems that this has made Winter Sonata more than a simple melodrama. The difference of opinion between the scenario writers (two young women) and the director, however, have kept the drama going within a moderate range of feministic influence. In consequence, this has led Winter Sonata to achieve even a greater success in Japan.