著者
福冨 則夫 中村 智幸 土居 隆秀 武田 維倫 尾田 紀夫
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.53-58, 2002-05-24 (Released:2010-06-28)
参考文献数
16

Twenty-one specimens of the Pacific lamprey, Entosphenus tridentatus, were collected from the Hoki (8 specimens), Yusaka (11 specimens) and Arakawa Rivers (1 specimen), all tributaries of the Naka River, and the mainstream of the Naka River (1 specimen), Tochigi Prefecture, central Japan, between August 1999 and April 2001. Seven spawning redds, possibly constructed by Entosphenus tridentatus, were found in the Yusaka River on May 2 and 11, 2000, eggs being observed in one of them. Two specimens, collected from the Yusaka River and reared in an aquarium with a gravel substrate, subsequently spawned about 1000 eggs being observed in the redd. Forty-one of the eggs were reared at 15°C in an electric incubator, hatching starting 13-17 days after spawning. The hatching percentage was 92.7%, the accumulative temperature to hatching being between 195 and 255°C.
著者
中村 智之 西田 修
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.821-826, 2016 (Released:2016-06-20)
参考文献数
13

血液浄化療法中は、拡散・濾過・吸着の3つの原理で、血液中の栄養素も除去される。その除去効率は、浄化量をはじめとする血液浄化療法の施行条件に依存するため、血液浄化療法の原理の正確な理解が非常に重要である。血液浄化療法中の栄養療法におけるエビデンスやガイドラインの多くは欧米から発信されたものであるが、本邦と欧米では血液浄化療法の浄化量は異なり、その解釈には注意を要す。本邦で一般的に行われている低い浄化効率の CRRT施行時には、クリアランスは透析液流量と濾過液流量に規定され、血液流量の影響は小さい。糖は、本邦 CRRTの施行条件では影響が小さく、通常の管理でよい。蛋白、水溶性ビタミン、微量元素、電解質は、血液浄化療法で除去されるため、適切なモニタリングと補充が必要である。脂質と脂溶性ビタミンは、血液浄化療法の影響を受けない。経静脈栄養は血液浄化療法と相性が悪く、可能であれば経腸栄養の選択が望ましい。
著者
中野 貴文 中村 智美 仲村 佳彦 入江 圭一 佐藤 啓介 松尾 宏一 今給黎 修 緒方 憲太郎 三島 健一 神村 英利
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.137, no.7, pp.909-916, 2017-07-01 (Released:2017-07-01)
参考文献数
34
被引用文献数
3 4

Warfarin (WF) shows a number of interactions with other drugs, which alter its anticoagulant effects. The albumin binding interaction is one such pharmacokinetic mechanism of drug interaction with WF, which induces a rise in the free WF concentration and thus increases the risk of WF toxicity. Teicoplanin (TEIC) is an anti-methicillin-resistant Staphylococcus aureus drug, which also binds strongly to albumin in the plasma. Therefore, co-administration of TEIC may displace WF from the albumin binding site, and possibly result in a toxicity. The present study was performed to investigate the drug-drug interaction between WF and TEIC in comparison with controls treated with vancomycin (VCM), which has the same spectrum of activity as TEIC but a lower albumin binding ratio.The records of 49 patients treated with WF and TEIC or VCM at Fukuoka University Hospital between 2010 and 2015 were retrospectively reviewed. These 49 patients consisted of 18 treated with TEIC in combination with WF, while 31 received VCM in combination with WF. Prothrombin time-international normalized ratio (PT-INR) showed a significant increase of 80.9 (52.0-155.3) % after co-administration of TEIC with WF. In contrast, the rate of PT-INR elevation associated with VCM plus WF was 30.6 (4.5-44.1) %. These observations suggested that TEIC can cause a rise in free WF concentration by albumin binding interaction. Therefore, careful monitoring of PT-INR elevation is necessary in patients receiving WF plus TEIC.
著者
中島 明日佳 船山 道隆 中村 智之 稲葉 貴恵
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.328-337, 2020-09-30 (Released:2021-10-01)
参考文献数
33
被引用文献数
1

過去における左視床損傷後の失語の症例報告では, 理解の障害は軽度で失構音はなく復唱は良好であるが, 発話では喚語困難や語性錯語を認める例が多く, なかでも無関連錯語の出現が特徴的であるとされている。しかし, 実際に無関連錯語の出現が多いか否かは明らかではなく, その出現機序も調べられていない。今回われわれは, 無関連錯語を手がかかりとして視床失語の背景に迫ることを試みた。その結果, 全誤答数に占める無関連錯語の割合および有関連錯語と無関連錯語との比は, 視床失語群が非視床失語群に比べていずれも高い結果となった。われわれが過去に報告した視床失語の 1 例からは, 無関連錯語と選択性注意機能の関連性が示唆された。   過去に提唱された視床失語の機序も考慮すると, 左視床損傷によって目的の語と関連する意味野を活性化できず, 関連しない語彙を不活性化できないことで目的の語彙が選択できず, 視床失語に特徴的な発話に至る可能性が考えられた。
著者
五十嵐 祐介 中山 恭秀 中村 智恵子 平山 次彦
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 第31回関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
pp.101, 2012 (Released:2012-11-07)

【目的】廃用症候群は原疾患や症状がさまざまであり、身体機能の特徴や傾向は捉えにくい。過去の報告では、院内での疾患分類や臥床による各機能の生理的変化など数多くされているが、血液データと身体機能の検討をした報告は少ない。当院では廃用症候群における評価表を作成し、廃用症候群と診断された全症例に対し評価表を使用している。そこで、今回は当病院にて使用している廃用症候群評価表にて得られたデータを使用し、血液データと身体機能を後方視的に検討することを目的とする。【方法】対象は当院入院中にてリハビリテーション科に依頼のあった患者のうち廃用症候群と診断された患者67名(男性40名、女性27名)。評価表より年齢、臥床日数(入院時からPT開始時までの日数)、血液データ(TP、Alb、Na、Cl、K、CRP、WBC、RBC、Hb)、Barthel Index(以下:BI)、Ability Basic Movement Scale(以下:ABMS)、入院前の日常生活自立度を抽出した。解析は入院前の日常生活自立度において入院前の身体機能が屋内自立以上(A2以上)の群と屋内介助(B1以下)の2群に分け、2群間における年齢、臥床日数、各血液データ、BI、ABMSの値を対応の無いt検定にて比較した。なお、本研究はヘルシンキ宣言に則りデータの取り扱いに十分注意し抽出、解析を行った。【結果】入院前屋内動作自立群51名(平均年齢80.37±9.3歳、平均臥床日数18±20.7日、平均BI値43.5±27.6、平均ABMS値21.4±7.15)、入院前屋内動作介助群16名(平均年齢81.8±8.5歳、平均臥床日数10.94±10.5日、平均BI値13.4±13.9、平均ABMS値13.4±4.07)となり、BIにおける入浴以外の全項目、ABMS全項目及び血液データではWBCにのみそれぞれ有意差が見られた(p<.01)。【考察】今回の結果より入院以前に屋内生活が自立していた患者は、介助を要していた患者と比べ、PT介入時における基本動作能力及びADL能力において有意な差が見られた。また、血液データよりWBCにのみ有意な差が見られた。WBCは感染等に対する免疫反応の指標として使用されることが多いが有意差が見られたことより、身体機能と何らかの繋がりがある可能性が考えられる。しかし、今回の結果では原疾患や治療方法などの分類を行っていないため、具体的な考察を行うまでには至らなかった。このため、今後は疾患分類や治療法による身体機能への影響について再度検討していきたい。【まとめ】入院前の自立度の違いにより、入院後に廃用症候群と診断された患者の血液データはWBCのみに有意差がみられた。
著者
野間 俊司 伊東山 洋一 中村 智哉 市坪 明子 工藤 理沙 千代田 愛美 永田 英二 松崎 智範 河崎 和博
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.37 Suppl. No.2 (第45回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.B3O1084, 2010 (Released:2010-05-25)

【目的】脳卒中片麻痺が装具を装着する際、片手でベルトを角環に通す動作は意外と難しい。また、利き手が麻痺した症例なら更に装着は困難となる。そこで角環の上部に隙間を空け、ベルトを通しやすくし、かつ、抜けにくい機能を持ったリングを発案した(以下イージーリングと称する)。それを片麻痺の症例に用い、角環とイージーリングとの装着時間を各々測定し、イージーリングが装具装着を容易にさせるか見ると共に、装着を容易にする事はどのような効果が得られるのか考察する事が目的である。【方法】イージーリングの効果の実証には症例が普段使用している装具にて行った。まず、角環での装着時間を計測しその後、角環をイージーリングへ付替え装着時間を各々3回計測し平均をとった。また、計測は装具を装着し終えた時点から測定を始めベルトを通し終えるまでとした。有効性を見るにはウィルコクソンの符号付順位和検定を用いた。【説明と同意】症例は、右片麻痺25例、左片麻痺25例で内訳を以下に示す。 年齢:31歳~85歳(平均72.5±9.7歳)性:男性25例、女性25例 発症からの日数:28~1017日(平均179±188.6日) 全例シューホーンAFOを使用 下肢BRS:<&#8544;>:0例(0)<&#8545;>:15例(7)<&#8546;>:19例(10)<&#8547;>:14例(8)<&#8548;>:2例(0)<&#8549;>:0例(0)( )は健手麻痺 歩行能力:自立17例 監視14例 小介助7例 多介助12例 不能0例 前記の症例に対して既存の角環と新たに完成したイージーリングとで各々の装着時間を計測し、どちらが装着し易いか比較検討する事が目的である事を説明し、リングの付替えに同意を得た例を対象とした。また、高度の認知症や高次脳機能障害を持つ例は除外した。【結果】1 角環での装着時間は、左片麻痺では13.3~166.1秒(平均45.0±46.3秒)右片麻痺では、19.8~300.0秒(平均66.0±60.5秒)であった。イージーリングでの装着時間は、左片麻痺では7.8~140.1秒(平均32.2±37.6秒)右片麻痺では9.2~149.2秒(平均39.3±32.2秒)であった。装着時間では、イージーリングの方が、左片麻痺でー4.1~―36.2秒(平均-13.8±9.0秒)装着時間が短く、右片麻痺ではー5.6~―150.8秒(平均-26.7±30.3秒)装着時間が短縮し、右片麻痺の症例で効果が明らかであった。 2 有効性を見るのに統計を用い検討したところ、左片麻痺では全例イージーリングの有効性(P<0.01)が認められ、右片麻痺に於いてもイージーリングに有意な差が認められた。(P<0.01) 3 角環からイージーリングに付替える事は、全例で承諾を得ており測定終了後は、元の状態に戻す事を説明していたが角環に戻す例は1例もいなかった。【考察】今回、角環の上部に隙間の開いたイージーリングを新たに創作し、装具装着時間を計測したところ、全例で装具装着時間が短縮し角環に比べイージーリングの方が装着し易いという結果を得た。装着が容易になった理由は、差込みから折返しまでベルトを持ちかえる必要が無くなった事が大きい。また、これらの症例の中には装具を作成して以来、初めて自力でベルト装着できた症例も含まれており注目に値する。片麻痺患者にとって装具の選択は重要であり、装具の選択要因には安定性や歩容で決定される事が多い。しかし、これに加えて装具の装着能力をも考慮しなければならない。現在、医師や理学療法士が装具を処方する際は装具の機能性や歩容を優先する傾向にあるが、症例の立場に立って装着し易さといった面も視野に入れて、装具の処方がなされる機会が増える事を切望すると共にイージーリングが装具を処方する際の選択肢の一つになれればと思う。【理学療法学研究としての意義】どんなに優れた機能を持った装具でも、自力装着できなければ症例の持つ真の歩行能力を見落とす可能性がある。在宅療養になった際、特にこの点は重要で、自力装着できなければ裸足で歩く事になり、転倒のリスクが増す事となる。それに対して装具装着を容易にし、安定した歩行を獲得させる事は、転倒のリスクを減少させ、歩行能力の維持・拡大のみならず健康維持にもつながる。その事は、在宅療養を継続するのに重要な因子であり今回完成したイージーリングは在宅療養の継続に貢献できるものと考える。また、イージーリングは下肢装具以外にもコルセットや他の装具にも活用が期待でき、装着の煩わしさを軽減させるため、本人のみならず介護者にとっても利便性が広がる可能性を持つものと考える。
著者
中村 智 山田 大樹 新谷 美菜 Supasit Srivaranun 秋山 充良
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
AI・データサイエンス論文集 (ISSN:24359262)
巻号頁・発行日
vol.3, no.J2, pp.117-127, 2022 (Released:2022-11-12)
参考文献数
24

塩害環境にある鉄筋コンクリート(RC)構造物は,塩化物イオンの作用により鉄筋腐食が発生し,コンクリート表面には腐食ひび割れが観察される.腐食ひび割れは,RC部材内部の鉄筋腐食の状況を知る貴重な観測情報であるが,かぶりや配筋などの構造細目の影響を受けるため,両者は複雑な非線形の関係にある.本研究では,構造細目の異なるRC部材を用いた電食実験により,部材軸方向と軸直角方向に相関性を有する鉄筋腐食分布を得た.その2次元確率場パラメータを実験結果に基づき同定し,3次元有限要素解析を実施することで,解析的に機械学習用(pix2pix)のデータベース(鉄筋腐食と腐食ひび割れ幅の関係)を構築した.これにより,劣化RC部材表面の腐食ひび割れ幅の分布と構造細目が与えられることで曲げ耐荷力の推定が可能となった.
著者
東谷 成晃 入船 友紀子 都甲 幹太 中村 智子 辻 泰子
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.14, 2009

【はじめに】<BR> 60代女性が癌治療の為に入院。ADL改善目的でOT開始するが癌性疼痛の増強及び精神的低下等により生活範囲の拡大がみられず、ベッド上中心の生活となった。この症例に対し作業療法の一環として「千羽鶴作り」の作業活動を提供・支援したことがきっかけとなり、症例の心・身体に変化が見られ、QOL向上に繋げることができたので報告する。<BR>【全体経過】<BR> 10月中旬入院。3病日目:ST開始。 28病日目:OT開始。44病日目:折り紙開始。47病日目:千羽鶴作成開始・自室内環境変更。74病日目:外出。90病日目:千羽鶴完成。101病日目:自宅訪問。105病日目:外泊。116病日目:自宅退院。また入院中に合計59回のradiation(各部位)と合計7回の化学療法実施。<BR>【症例の変化・考察】<BR>第1期:折り紙導入前(介入当初)<BR> 入院当初、元々独歩自立が癌性疼痛によりベッド上生活となり、現病についての話題が大半を占め、自己の出来ないことに目が向くようになっていた。<BR>第2期:折り紙導入時(介入から約2週)<BR> 自室内にて短時間で出来、馴染みある活動として「千羽鶴」作成を開始。広告紙や用紙準備・一日の折る羽数は患者自身で決め、2~3日の完成分毎にOTが飾り付けを行い自室内に飾った。また自室内の環境を座位活動や移動がしやすいように変更した。<BR>第3期:心・身体の変化(介入から約4週)<BR> 「千羽鶴」作成で病態以外に目を向ける時間や、作業を通してスタッフや家族との関わりが増えた。また完成していく「千羽鶴」から満足感・達成感が得られると共に、他者から賞賛を受けた事で自己価値観の向上を認め、「癌治療きついけど千羽鶴が完成したら家に帰れるやろうか。」と発言内容にも変化が見られた。それに加え放射線や化学療法の治療効果もあり心理的苦痛の軽減や安心感が生まれたことで、院内を一人で散歩するなど生活範囲が拡大し徐々に生活習慣を取り戻していった。<BR>第4期:家族の変化(介入から約8週)<BR> 作品を通しての会話が増え、家族が症例の姿や能力を知り得たことで共に喜びや満足感を経験でき、リハビリ以外の時間で院内での散歩や家族・親戚と一緒に外出・外泊するなど外への時間を増やすことが出来た。これらの動きが在宅復帰にも繋がり、「孫を抱っこしたい」という新たな目標を掲げて笑顔で退院となった。<BR>【まとめ】<BR> 今回「千羽鶴」の余暇活動がきっかけとなりQOL向上から機能・能力の回復に繋がっていった。癌患者様へのリハビリには多面的な介入が必要であるが、作業活動を提供・支援することは患者様に目標ある生活を獲得させ、生活全般に変化をもたらす一助になると言える。
著者
中村 智幸 丸山 隆 渡邊 精一
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.105-107, 2001-01-15 (Released:2008-02-01)
参考文献数
12
被引用文献数
8 9

1983年4月に禁漁にされた石川県手取川水系尾添川支流蛇谷において, 1984年から1989年にかけてイワナ自然個体群の個体数変化を追跡調査した。個体識別した標識再捕調査の記録をJolly-Seber法にあてはめて個体数を推定した。禁漁区上流部(流程約1.4km)における1歳以上の個体数は1984年11月から1986年8月まで48&acd;310尾と少なかったが, 1986年11月以降487&acd;1516尾に増加し, イワナの増殖に対して禁漁が有効であることが示唆された。
著者
中村 智幸
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.434-440, 1999-05-15 (Released:2008-02-01)
参考文献数
30
被引用文献数
16 14

1996年10月から1997年3月にかけて, 利根川水系鬼怒川の小支流において, イワナの人工産卵場の造成と産卵状況調査を行った。10月中旬に, 丸太, 石, 礫を材料に, 幅2m, 長さ6mと9mの産卵場を早瀬に1カ所ずつ造成した。造成の翌日から11月中旬にかけて, 人工産卵場と自然の産卵場でイワナの産卵行動が観察された。1月初旬に産卵場を掘り返し, 2カ所の人工産卵場で計51卵室と8101粒の卵, 10カ所の自然の産卵場で12卵室と2119粒の卵をそれぞれ確認した。発眼率の平均値は人工産卵場78.0%, 自然の産卵場60.1%で, 人工産卵場のほうが有意に高かった。3月中旬には人工産卵場, 自然の産卵場ともにふ化仔魚を確認した。以上の結果から, イワナの増殖に対して人工産卵場の造成は有効な手段のひとつになると考えられた。
著者
菊山 史博 鈴木 小夜 地引 綾 横山 雄太 河添 仁 中村 智徳
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.140, no.6, pp.799-808, 2020-06-01 (Released:2020-06-01)
参考文献数
28
被引用文献数
2

Pharmacy practice experience (PPE) is essential in the six-year course of pharmaceutical education in Japan. We previously found that PPE reinforced students' self-efficacy for curriculums (SECs), leading robust acquisition and reconstruction of pharmaceutical expertise. In this study, we aimed to clarify whether students' SECs affect successful experiences as enactive attainments in PPE. We distributed survey questionnaires to the fifth-year students in Keio University in 2016-2017 before and after PPE. The students made a self-assessment of their psychological state “expect to do well” on a seven-point Likert scale for each curriculum (C1 to C18), and their successful experiences were also collected from free description type questionnaire. We could follow up 139 students. The SEC scores increased from pre-PPE to post I (p<0.001) and II terms (p<0.01). The increase in SEC scores during PPE was associated with the rate of students' successful experiences in the first-term PPE (p=0.04). The path analysis revealed the following as significant predictive factors of SECs for successful experiences: basic sciences (C1, C2, C3, C4, C5, and C6) with stand-ardizing coefficient 0.35, health and environmental sciences (C11 and C12) with 0.39, and pharmaceutical sciences (C7, C8, C9, C10, C13, and C14) with −0.51. Students in the first-term PPE tended to experience successful performance in medical professions by using their pharmaceutical expertise that they had learned. In this study, for the first time, we demonstrated that Japanese students' SECs for pharmaceutical expertise affected successful experiences, leading better outcomes of PPE.
著者
荒井 朋子 川勝 康弘 中村 圭子 小松 睦美 千秋 博紀 和田 浩二 亀田 真吾 大野 宗佑 石橋 高 石丸 亮 中宮 賢樹 春日 敏測 大塚 勝仁 中村 智樹 中藤 亜衣子 中村 良介 伊藤 孝士 渡部 潤一 小林 正規
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会誌遊星人 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.239-246, 2012
参考文献数
54

地球近傍小惑星(3200)Phaethonは,ふたご座流星群の母天体であるが,彗星活動は乏しく,彗星と小惑星の中間的特徴を持つ活動的小惑星(あるいは枯渇彗星)と考えられている.また,ふたご座流星群のスペクトル観測から報告されているナトリウムの枯渇及び不均質は,太陽加熱の影響よりも局所的部分溶融を経た母天体の組成不均質を反映している可能性が高い.部分溶融の痕跡を残す原始的分化隕石中に見られる薄片規模(mm-cmスケール)でのナトリウム不均質は,上記の可能性を支持する.従って, Phaethonでは局所的な加熱溶融・分別を経験した物質と,始原的な彗星物質が共存することが期待される. Phaethonは,太陽系固体天体形成の最初期プロセスを解明するための貴重な探査標的である.また,天文学,天体力学,小惑星・彗星科学,隕石学,実験岩石学などの惑星科学の多分野に横断的な本質的課題解明の鍵を握る理想的な天体である.本稿では,小惑星Phaethon及び関連小惑星の科学的意義と探査提案について述べる.
著者
中島 明日佳 船山 道隆 中村 智之 稲葉 貴恵
出版者
認知リハビリテーション研究会
雑誌
認知リハビリテーション (ISSN:24364223)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.37-39, 2021 (Released:2021-10-11)
参考文献数
8

・Real-time support with Internet of Things might be practical for cognitive dysfunction, e.g. an automatic reading-out system for dyslexia and a remainder with smart speaker for attention/executive dysfunction.・Rehabilitation with Internet of Things might have great potential for supporting patients with cognitive dysfunction.
著者
玄田 英典 中村 智樹 兵頭 龍樹 黒川 宏之 臼井 寛裕
出版者
東京工業大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2020-10-27

火星衛星の起源と形成過程の解明を目指した日仏共同研究体制の構築と強化を行う。研究代表者と分担者が年に1回程度1ヶ月間渡仏し、パリ地球物理研究所とパリ天文台にて、それぞれ、火星衛星の起源に関する理論研究と、火星衛星のスペクトルに関する分析と観測を行う。また、宇宙望遠鏡(Twinkle)を用いたフォボスとデイモスの観測も行う予定である。
著者
中村 智幸
出版者
日本水産増殖学会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.265-269, 2019-09-20 (Released:2020-09-20)
参考文献数
15

全国の15歳から79歳の1,000人(男女各500人)を対象にしたインターネットアンケート調査により,内水面の漁業協同組合に対する国民の認知率(組合の存在が国民の何%に知られているか)と認識(組合の存在が国民にどのように思われているか)を調査した。 62.2%の人々が内水面の組合の存在を知っていた。認知率は男女ともに高齢者ほど高く,男性の方が高かった。多くの人々が組合に対して好印象を持っており,今後も組合はあったほうが良いと思っていた。組合があった方が良いおもな理由は,組合が「水産資源を管理しているから」,「川や湖の環境を保全しているから」であった。しかし,高齢の男性ほど組合はない方が良いと思っていた。組合がない方が良いおもな理由は,組合が「既得権を主張するから」,「川や湖を独占しているから」,「自分たちだけ良ければ良いと考えているから」であった。
著者
中村 智幸
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3, pp.214-220, 2020-05-15 (Released:2020-05-29)
参考文献数
15
被引用文献数
1 5

インターネットアンケート調査により,2017年の日本の潜在釣り人数を推定した。潜在釣り人数は海面219.5万人,内水面119.0万人,釣り堀・管理釣り場58.3万人であった。釣り堀・管理釣り場を除く自然水面についてみると,潜在釣り人の割合は海面64.8%,内水面35.2%であった。内水面の上位8魚種の潜在釣り人数はアユ26.2万人,バス類24.6万人,ヤマメ・アマゴ16.6万人,フナ類13.2万人,イワナ9.9万人,ニジマス9.6万人,コイ5.9万人,ウグイ2.9万人であった。
著者
九鬼 俊雄 中村 智紀 板橋 裕行
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.303-308, 2004

0.13μm以降の半導体デバイスの故障解析・早期検証において裏面からの解析が必須となってきている.エミッション裏面解析ツールEmiScope^[○!R]及びIREMは近い将来の45nmプロセスまで対応可能であり,裏面からのフォトンを高効率で収集することができる.