著者
今井 亨 松井 章典
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J105-B, no.5, pp.454-457, 2022-05-01

マイクロストリップアンテナの素子外側近傍に,水平方向に置かれた金属柱が放射特性に与える影響についての検討を加えた.金属柱を付加することにより放射指向性が鋭角化し,素子単体に比べ2 dB程度の高利得化を図ることが可能となる設計資料を得た.
著者
渡邉 聡子 勅使川原 早苗 國方 友里亜 三嶋 麻揮 田原 稔久 今井 佑輔 金藤 光博 田村 友和 桃木 律也 小武 和正 利根 淳仁 中塔 辰明
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.188-194, 2022-04-30 (Released:2022-04-30)
参考文献数
15

メトホルミンの過量服薬を契機に乳酸アシドーシス,急性腎不全を呈した2型糖尿病の1例を経験したので報告する.症例は50歳代男性.入院2週間前より気分の落ち込み,食欲不振を認めていた.入院2日前の採血で血清Cre 1.50 mg/dL,血糖247 mg/dL,血液ガス分析では異常を認めず,入院前日の採血ではCre 1.42 mg/dLであった.入院前日の夜にメトホルミンを推定4000 mg服用し,嘔気嘔吐,下痢が出現したため,翌日当院へ救急搬送となった.血液ガス分析でpH 6.91,乳酸25.0 mmol/L,採血でCre 4.39 mg/dLと,乳酸アシドーシス,急性腎不全を認めた.来院後速やかに緊急血液透析を開始することで救命し得た.メトホルミンの過量服薬後に急激な腎機能悪化を認めた経過から,メトホルミンによる直接的な腎障害が示唆された.迅速な血液透析が治療に有効であったので報告する.
著者
佐藤 さくら 田知本 寛 小俣 貴嗣 緒方 美佳 今井 孝成 富川 盛光 宿谷 明紀 海老澤 元宏
出版者
一般社団法人日本小児アレルギー学会
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.187-195, 2007-06-01 (Released:2007-12-26)
参考文献数
17
被引用文献数
4 2

アナフィラキシー補助治療薬のエピペン®が我が国で発売され,2004年5月から2005年10月まで当科で同薬を処方した食物アレルギー患者は50名(男33名,女17名,0.3mg:15名,0.15mg:35名)に上る.対象の平均年齢は6.8歳でアトピー性皮膚炎合併が78%,気管支喘息合併が52%であった.原因食品摂取時に呼吸器症状を96%,皮膚症状を92%に認めた.アナフィラキシー症例は48例で,食物アレルギー発症時の臨床型は36例が“食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎”,即時型症状8例,食物依存性運動誘発アナフィラキシー4例であった.アナフィラキシーを起こした理由は,初回,2回目以降も誤食によるものが最多であった.アナフィラキシー反復例は31例で,複数抗原に対してアナフィラキシーを起こした例や原因不明例も存在した.今回の処方50例中実際に使用された例は1例あり,17歳のナッツアレルギー患者において使用され著効していた.医師,コメディカルにおいてまだ認識が不十分なエピペンであるが,アナフィラキシーを起こす可能性のある食物アレルギー児に対して保護者と相談の上で処方していくべきである.

1 0 0 0 OA 古泉大全

著者
今井貞吉 編
出版者
今井貞吉
巻号頁・発行日
vol.8, 1888
著者
齋藤 裕史 門磨 義則 今井 庸二
出版者
日本歯科理工学会
雑誌
日本歯科理工学会学術講演会要旨集 平成14年度春期第39回日本歯科理工学会学術講演会
巻号頁・発行日
pp.121, 2002 (Released:2003-07-18)

従来の歯科用アクリルレジンでは, ベースモノマーとしてメチルメタクリレート(MMA), ポリマーとしてポリMMA(PMMA)やMMA/エチルメタクリレート(EMA)共重合体がおもに使われてきている. EMAはポリマー成分に利用されることはあっても, モノマーとしての利用はほとんど検討されてこなかった. そこで演者らは、過酸化ベンゾイル(BPO)/アミン重合開始剤を用いてPMMA/EMAの重合について検討し, それについては前学会で報告した1). その結果, 重合時のピーク温度がPMMA/MMAにくらべて大幅に低下する特徴が認められたが, PMMAの分子量が大きくなると重合物が不均質になりやすかった. そこで本研究では, 重合物を均質化するため、EMAにMMAを添加してPMMAと混合物の重合を行ない, 重合時のピーク温度, ピーク時間および得られた重合物の性質がどのように変化するかを検討した. 以上の結果より, EMAとMMAの混合モノマーとPMMA粉末の混合物の重合では, EMA比率が増加するほど, ピーク温度は低く, ピーク時間は長くなり, 分子量は増加することおよびMMAはやや重合しにくくなることがわかった.
著者
今井 新太郎 玉木 徹 Raytchev Bisser 金田 和文 曽根 隆志 木内 良明
雑誌
研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2015-CG-158, no.11, pp.1-6, 2015-02-20

白内障手術の際に眼内レンズが挿入されるが,後遺症として光源とは別の位置に光のぎらつき (グレア) を知覚することやコントラストの低下が挙げられる.Quality of Vision (QOV) の向上のために眼内レンズ挿入眼の見え方の質について調査することは重要である.本研究では,遠近に焦点を合わせることができる多焦点眼内レンズの見え方の質について調査することを目的とし,光線追跡シミュレーションに基づく網膜像作成手法と Modulation Transfer Function (MTF) を算出する方法を開発した.網膜像による定性的評価と MTF による定量的評価により,多焦点眼内レンズの見え方の質を単焦点眼内レンズと比較検討した.
著者
眞田 正世 今井 具子 瀬崎 彩也子 宮本 恵子 川瀬 文哉 白井 禎朗 阿部 稚里 位田 文香 加藤 匠 下方 浩史
出版者
名古屋学芸大学管理栄養学部
雑誌
名古屋栄養科学雑誌 = Nagoya Journal of Nutritional Sciences (ISSN:21892121)
巻号頁・発行日
no.5, pp.15-22, 2019-12-25

【目的】全世界で3 億人以上の人たちが抑鬱状態であり、さらに80万人に近い人たちが自殺によって死亡している。抑鬱は身体障がいの最大の要因である。近年、食事と鬱病との関連が注目を集めており、特に抗酸化物質と抗炎症成分が豊富な野菜類は、鬱病の発症予防に有益な効果を持つ可能性が指摘されている。本研究の目的は、野菜類・果実類の供給量と鬱病有病率との22年間の縦断的関連を国際比較研究で明らかにすることである。【方法】生産から家計までのすべての段階における減耗を除く、各国の食品供給量と総エネルギー供給量を国連食糧農業機関データベース(FAOSTAT)から入手し、食品群分類から野菜類の供給量を求めた。鬱病については、Global Burden of Disease( GBD) 2017データベースから各国の10万人当たりの年齢標準化鬱病有病率を入手した。調整変数として、世界銀行データベースから人口、国民一人当たりの国内総生産(GDP)、高齢化率、失業率、GBD から平均BMI、喫煙率、教育年数、国別の中心経度緯度を入手した。データの得られた100万人以上の人口を持つ137カ国を対象とし、共変量を調整した線形混合モデルを用いて、野菜類、果実類の供給量と鬱病有病率との1991年から2013年までの22年間の縦断的関連について解析を行った。解析にはR 3.5.3を用いた。【結果】野菜類供給量と鬱病有病率との関連の縦断的解析では、すべての共変量を調整したモデルで有意な負の関連が認められた(β = -0.058±0.028、p <0.05)。また、果実類の供給量と鬱病有病率についても同様にすべての共変量を調整したモデルにおいて、有意な負の関連が認められた(β=-0.097±0.036、p <0.01)。【結論】野菜類および果実類の供給量は鬱病有病率と有意な負の関連を示した。豊富な野菜類や果実類を摂取する食生活は鬱病有病率を低下させる可能性が示された。Background and objective: More than 300 million people worldwide are depressed and nearly 800,000 people have died from suicide. Depression is the biggest cause of disability. The association between diet and depression has drawn attention in recent years. Among the dietary factors, vegetables and fruits, which are rich in antioxidants and anti-inflammatory components, were hypothesized to play an important role in depression development. The aim of this research is to clarify the longitudinal association of vegetables and fruits with depression rate using 22-year worldwide statistics.Methods: Average food supply (g/day/capita) and energy supply (kcal/day/capita) by country, excluding loss between production and household, were obtained from the Food and Agriculture Organization of the United Nations Statistics Division database (FAOSTAT). Each food was sorted, and supplies of vegetables and fruits were obtained. Data of age-standardized prevalence of major depression per 100,000 people by country were derived from the Global Burden of Disease (GBD) 2017 database. As control variables, population, gross domestic product (GDP) per capita, aging rate, and unemployment rate by country from the World Bank database, and BMI, smoking rate, expected years of education, and central longitude and latitude by GBD database. The 22-year longitudinal associations of fruits and vegetables with major depression were examined in the 137 countries with populations of 1 million or greater controlling for covariates by the mixed effect model.Results: A significant negative association was found by the longitudinal analysis of the relationship between the vegetables supply and the prevalence of major depression in the model controlled for all covariates (β = –0.058 ± 0.028, p<0.05). In addition, a significant negative association between the supply of fruits and the prevalence of major depression was also found in the model controlled for all covariates (β = –0.097 ± 0.036, p<0.01).Conclusions: Vegetables and fruits supply were significantly negatively associated the rate of major depression. Vegetables and fruits may reduce the prevalence of depression.
著者
今井 靖親
出版者
奈良教育大学教育研究所
雑誌
奈良教育大学教育研究所紀要 (ISSN:13404415)
巻号頁・発行日
no.18, pp.109-116, 1982-03-23

本研究の目的は、幼児の文字意識の発達を実験的に検討することであった。そのために、幼児が文字の表記的特徴をどの程度理解しているかが調べられた。被験者は保育園の3歳児・4歳児・5歳児各40名、合計120名であった。まず、ウォーミングアップ課題として、被験者に絵と文字の弁別をさせた後、文字選択課題において次の(1)~(5)のタイプ別に文字カードを選択させ、年齢別に選択者を比較した。(1)見慣れた文字と見慣れない文字(2)単一の文字と複数の異なった文字の配別(3)単一の文字と複数の同じ文字の配列(4)複数の異なった文字の配列と複数の同じ文字の配列(5)直線的な配列と非直線的な配列。さらに、読字力と文字意識の発達的関連を調べるために、4歳児・5歳児に平仮名の読字力テストを行ない、その中の読字力高群と低群について、文字選択課題の成績を比較した。主な結果は次のとおりである。(1)就学前の幼児は、年齢が高くなるにつれて自分の周囲にある文字を「文字」として認識するようになる。(2)「文字言語」の表記的特徴である「複数の異なったもの(記号)が、直線的に連続して書かれ(印刷され)ている」ことについては,3歳の幼児でも、すでに或る程度理解可能な発達水準に達している。(3)4~5歳児では、平仮名の読みをほとんど習得していない幼児でも、すでに習得している者と同じ程度に、上記の「文字言語」の表記的特徴を理解している。へき地教育研究室報告特集12
著者
今井 雅和
出版者
消費者金融サービス研究学会
雑誌
消費者金融サービス研究学会年報 (ISSN:13493965)
巻号頁・発行日
no.5, pp.113-128,200, 2004

本稿の目的は、ロシアにおける個人ローンの現状と課題を明らかにすることにある。社会主義時代の「強制された貯蓄」から消費社会へと、ロシアは大きく変貌をとげている。国民の平均収入も実質で2桁の伸びを示し、国内総生産の約半分は個人消費によるものである。個人の銀行預金が増加し、個人向けのローンもようやく始まり、急成長している。個人ローンは、3年未満の販売信用、3年超の住宅ローン、クレジットカードに分類される。参入者増による競争激化もあり、貸出金利は低下傾向にある。ルーブル建ての販売信用は、他のローンに比べ、金利レベルが高く、当該顧客の信用レベルが不安定なことを示唆している。販売信用ビジネスでは、ルースキースタンダルト銀行が初期参入者利益と卓越した戦略によって強みを発揮している。クレジットカードビジネスでは7割、販売信用でも4割近いシェアを握り、第一位を占めている。同社の強みの一つは債権リスク管理である。住宅ローンは、制度の不備もあって、担保ローンの普及率が極めて低い。長期の個人ローン市場をほぼ独占する、最大手のズベルバンクは、担保ではなく、複数の保証によって住宅ローンを急速に伸ばしている。住宅ローンの課題は、担保権の確実な執行、担保ローンの債券市場の整備である。
著者
贄田 高弘 今井 稚菜 田島 健太郎 黛 太佑 横澤 美咲 樋口 大輔
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.O-33, 2020

<p>【目的】健常者において、ライデルセイファー音叉を用いた振動覚検査法(RS法)の検者内・検者間信頼性を明らかにすることを目的とした。</p><p>【方法】検者は理学療法士5人(経験年数2 〜10年)とし、被検者は健常成人20人(男性16人、女性4人、29.2±6.2歳)とした。RS法で用いるRS音叉の頭部には0 〜8の目盛りがあり(数値が大きいほど振動が弱い)、被検者が振動を感じなくなった時点の目盛りを読み取った。従来法として、音叉を検査部位に当ててから被検者が振動を感じなくなった時点までの時間(感知法)と被検者が合図した時点から振動が停止した時点までの時間(不感知法)を測定した。音叉は右内果にあてた。検者内信頼性は1 人の被検者に対し、特定の検者1人が1週間以上の間隔をあけて2度、3種の振動覚検査を5回ずつ行った。次に、検者間信頼性は1人の被検者に対し、任意の3人の検者がそれぞれ3種の振動覚検査を5回ずつ行った。ICC(1,2)とICC(2,3)を算出した。</p><p>【倫理的配慮】高崎健康福祉大学倫理審査委員会の承認を得た(3064号)。対象者には本研究の説明し、同意を得た。</p><p>【結果】検者内信頼性で20人に行った各10回述べ200回の検査値は、RS法が7.7±0.6(5 〜8)点、感知法が18.0± 3.7(10.6 〜30.5)秒、不感知法が8.1±2.8(1.3 〜14.1)秒であった。ICC(1,2)はRS法が0.77(95%信頼区間 0.43 〜0.91)、感知法が0.65(0.12 〜0.86)、不感知法が 0.81(0.52 〜0.92)であった。ICC(2,3)はRS法が 0.85(0.69 〜0.94)、感知法が0.85(0.70 〜0.94)、不感知法が0.59(0.61 〜0.83)であった。</p><p>【考察】感知法と不感知法はRS法と比較して検者内信頼性または検者間信頼性で劣っていた。これは、検者内でも音叉を叩く強さが一定でなかったことや、検者間で終了時点の判断にばらつきを認めたことによると推察された。</p><p>【まとめ】ライデルセイファー音叉による振動覚検査は検者内、検者間信頼性共に担保できる方法である。</p>
著者
猪奥 徹也 井上 岳司 九鬼 一郎 今井 啓輔 山本 敦史 長 正訓
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.123-129, 2022 (Released:2022-02-19)
参考文献数
30
被引用文献数
1

16歳男性.発熱,群発型けいれん重積で救急搬送,febrile infection-related epilepsy syndrome(FIRES)と診断した.発作と多発する合併症の管理に苦慮した.超難治てんかん重積状態(super-refractory status epilepticus,以下SRSEと略記)に対し,他の抗けいれん薬とともにケタミン持続静注,デキサメタゾン髄腔内投与を追加した.第170病日に人工呼吸器から離脱,月単位の焦点運動発作と中等度の運動障害を残したが自宅生活が可能となった.SRSEが遷延するFIRESにおいて,より積極的な治療の追加も選択肢となりうる.