著者
高松 邦彦 大石 哲也 松本 清 西山 慶太 野田 育宏 今井 匠太朗 伴仲 謙欣 村上 勝彦 岸田 あおい 中田 康夫 森 雅生
出版者
日本インスティテューショナル・リサーチ協会
雑誌
大学情報・機関調査研究集会 論文集 第11回大学情報・機関調査研究集会 論文集 (ISSN:24363065)
巻号頁・発行日
pp.12-17, 2022-11-11 (Released:2022-12-20)

我々は、 “Education”と“Informatics”を結合させた Eduinformatics という学際・融合領域を提唱してきた。また近年、Eduinformatics にもとづいた高等教育における Institutional Research(IR)、Digital transformation(DX)、Information and Communication Technology(ICT)の持続可能性(Sustainability)について、Feasibility-Sustainability Matrix(FS マトリクス)を使用した Feasibility-Sustainability Analytics(FS 分析)を提唱している。本研究においては、神戸常盤大学と東京工業大学の 2 大学における FS 分析の実践を報告し、さらに、IR 業務の持続可能性を向上させる方法を提案する。
著者
清水 美恵 今井 孝成 松本 勉 野々村 和男 神谷 太郎 岡田 祐樹 本多 愛子
出版者
一般社団法人日本小児アレルギー学会
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.499-507, 2022-12-20 (Released:2022-12-20)
参考文献数
29

【目的】心理的葛藤のさなかにある思春期アレルギー児が療養生活を送るうえでレジリエンス,すなわちダメージからの回復力は重要である.しかしアレルギー児のレジリエンスを測定する尺度はない.本研究では,思春期アレルギー児のレジリエンス尺度を作成し,その信頼性と妥当性を検証する.【方法】対象は,協力医療施設に通院中の小4から中3のアレルギー児とした.調査は質問紙を用いて2021年9~11月に実施した.尺度原案を作成し,項目分析で得られた尺度項目に対する探索的因子分析,確認的因子分析を行った.【結果】621部を配布し,有効回答179名を分析対象とした.対象アレルギー疾患は,気管支喘息136名,食物アレルギー83名,アトピー性皮膚炎80名であった.思春期アレルギー児レジリエンス尺度は4因子(問題解決志向,探究志向,自然体志向,ネガティブ感情の共有)15項目で構成され,信頼性と妥当性が確認された.【考察】アレルギー児のレジリエンス尺度を開発した.移行支援など関係する研究で活用が期待される.
著者
山口 さち子 井澤 修平 前谷津 文雄 圡井 司 引地 健生 藤田 秀樹 今井 信也 赤羽 学 王 瑞生
出版者
日本磁気共鳴医学会
雑誌
日本磁気共鳴医学会雑誌 (ISSN:09149457)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.103-119, 2018 (Released:2018-12-10)
参考文献数
27

In this study, we surveyed policies on allocating MRI scan duties to pregnant employees, and investigated the respondents' level of awareness of non-ionizing radiation. We sent 5763 questionnaires to facilities equipped with MRI devices in Japan (the corresponding respondent was a member of the personnel responsible for MRI scan duties). The questionnaire comprised: 1) Basic information; 2) General questions about the employees' pregnancies (e.g., whether the hospital has a particular policy); 3) The policy on MRI scan duties while pregnant and alternative duties ; and 4) Level of awareness of non-ionizing radiation in general. The results revealed inconsistent handling within Japan. Answers stating that ``increase the opportunity of allocation to MRI scan duties compared with the current situation'' accounted for 7.6%, ``maintaining the current frequency of allocation to MRI scan duties'' for 32.3%, and ``reduce the opportunity of allocation to MRI scan duties compared with current situation'' for 52.6%. Around half of facilities prepared work options (e.g. access restriction into MRI scan room or assign extra staff to MRI scan duties) in MRI scan duties during pregnancy. In an attitude survey for non-ionizing radiation emitted by medical devices, respondents showed higher attention compared with that for the radiation emitted by home electronic devices. This report describes a summary of the survey. Further analysis is in progress and will be reported soon.
著者
今井 康晴
出版者
学校法人 三幸学園 東京未来大学
雑誌
東京未来大学研究紀要 (ISSN:18825273)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.11-19, 2016-03-21 (Released:2018-12-13)

現代の子育て支援の課題として、「仕事と子育て」の両立が中心的なテーマとなっている。女性の社会進出、次世代育成など子どもを産み育てやすい社会の構築が、エンゼルプラン以降、20 年来の課題である。これらをふまえ、本論文では、未曾有の不景気とされる昨今の社会状況と対照的なバブル期(1986~1991)の社会状況との検討を行い、経済、社会状況の変動による子育ての変化をみるとともに、社会情勢と子育ての在り方を問うことを主な目的とした。バブル期における子育ては、現在の子育て支援よりも乏しく、また少子化が取り上げられた1.57 ショックが1990 年であることを踏まえると、好景気とされる時代に少子化が指摘されたこととなる。これらの背景には、少子高齢化社会の高齢化への対応が優先されたことや保育施設の量的側面の不備が挙げられる。景気の良い時代に、少子化が問題化されたことを踏まえると、景気が良くなれば結婚、出産という短絡的な発想にはならないということが明らかにされた。
著者
今井 康晴
出版者
学校法人 三幸学園 東京未来大学
雑誌
東京未来大学研究紀要 (ISSN:18825273)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.11-16, 2017-03-31 (Released:2018-12-03)

本研究では、バブル期前半の子育て支援について明らかにすることを目的とした。その手がかりとして1986年~1988年にかけての保育雑誌『保育の友』に焦点を当て検討を行った。『保育の友』は主に保育所保育に特化した雑誌で、バブル期の社会情勢とそれに伴う保育問題が示されている。その主な傾向として、国の保育に対する冷遇、女性の社会進出と子育て、社会状況の変化に求められる保育、子育てのネットワークなどが論じられた。このいずれのテーマも、現代における保育問題と合致し、現在進行形の課題であることが明らかにされた。加えて、これまでの我が国の保育行政の失策、課題も明らかにされた。これらの知見をふまえ、保育や子育ては私的なものではなく、公的なものとして子育ての社会化という課題への提言として示唆を得ることができた。
著者
今井弘昌
出版者
岐阜女子大学
雑誌
岐阜女子大学紀要
巻号頁・発行日
no.39, 2010-03-16
著者
菅原 亨 郷 康広 鵜殿 俊史 森村 成樹 友永 雅己 今井 啓雄 平井 啓久
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement 第25回日本霊長類学会大会
巻号頁・発行日
pp.14, 2009 (Released:2010-06-17)

哺乳類の味覚は,基本的に甘み・酸味・苦味・塩味・うま味の5つを認識することができる。その中で苦味は,有毒な物質の摂食に対しての警告であり,ほぼすべての動物が苦味物質に対して拒否反応を示す。一般に苦味は,有害物質の摂取に対する防御として進化してきたと考えられている。一方,チンパンジーにおいて寄生虫感染の際に自己治療として植物の苦味物質を利用することが知られている。苦味は薬理効果のある植物の認識としての役割も併せ持つことを示唆している。我々は,霊長類における苦味認識機構の進化・多様化に興味を持って研究をおこなっている。 苦味は,七回膜貫通型構造を持つ典型的なG蛋白質共役型受容体の1種であるT2Rを介した経路で伝わる。T2Rは,舌上皮の味蕾に存在する味細胞の膜上で機能しており,全長およそ900bpでイントロンがない遺伝子である。近年の研究で,T2Rは霊長類ゲノム中に20~40コピー存在していることがわかっている。特徴的なことは,その遺伝子数がそれぞれの生物種で異なることである。これらの種特異性は,採食行動の違いと関連があると考えられる。また,ヒトやチンパンジーでは,味覚に個体差があることが知られているが,その要因はT2R遺伝子群の1つであるT2R38の一塩基多型(SNP)であることが明らかにされている。T2Rの機能変化は,個体の味覚機能に直接影響を与えると考えられる。 本研究では,46個体の西チンパンジーでT2R遺伝子群の種内多型を解析した。T2R遺伝子群の進化や個々のT2R遺伝子のSNPを解析し,チンパンジーにおける味覚機能の進化や採食行動との関連性を考察した。
著者
今井 利宏
出版者
日本ペストロジー学会
雑誌
ペストロジー (ISSN:18803415)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.35-38, 2021-03-25 (Released:2022-03-25)
参考文献数
18

培養したカビを用いたオオメヒメマキムシの飼育法を確立した.1.5倍に希釈したオートミール寒天培地(寒天は規定濃度)でPenicillium rubensを培養し,胞子形成後に培地ごと乾燥して飼料とした.ろ紙を張った9 cmシャーレに飼料を置き,羽化1週間から2カ月後までの成虫50〜60個体(雌雄の区別なし)を接種し,1週間後に成虫を除去する.このような方法により,25〜30°Cでは成虫接種から3〜4週間で次世代の成虫が100〜200個体程度得られる.同様の方法で,ムナビロヒメマキムシとユウレイヒメマキムシの飼育が可能である.
著者
今井 薫
出版者
京都産業大学
雑誌
産大法学 (ISSN:02863782)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.1-8, 2012-07
著者
宮内 海峰 森 信人 志村 智也 建部 洋晶 宮下 卓也 今井 優樹 二宮 順一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.I_949-I_954, 2022 (Released:2022-11-01)
参考文献数
8

本研究は,日本周辺海域において地域的な海面水位変化をもたらす現象の特定とその量的影響を行った.海洋における幅広い時空間スケールの現象を考慮するために,日本沿岸の潮位観測値,水平解像度100km格子で長期間計算された全球気候モデルMIROC6過去気候アンサンブル,および水平約10km格子の海洋再解析データFORA-WNP30の解析を行った.さらに水平20km格子で日本周辺海域の海洋流動シミュレーションを実施した.得られた結果から,太平洋で最も卓越する海面水位変動要因はENSOであり,その影響で黒潮流域では1年あたり約10cmの振幅が生じることが分かった.一方で日本沿岸地点は外洋の変動がそのまま反映されないため,振幅は黒潮流域よりも小さく,最大で約5cmであることがわかった.