著者
雪田 拓 樋浦 一哉 渕上 俊介 安土 菜美 陶山 明菜 稲垣 貴裕 今井 隆人 渡辺 浩明
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.10, pp.618-624, 2014-10-10 (Released:2015-10-10)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

Upper gastrointestinal symptoms, a common adverse effect of dabigatran, influence the continuation of medication. It has been speculated that this adverse effect can be reduced by changing the method of taking dabigatran: that is, to instruct patients to swallow dabigatran capsules whole with a glassful of water. However, there is no evidence to support this conclusion. Therefore, we changed our patient compliance instruction of dabigatran to the method mentioned above from September 2013 and investigated the effect of that change on the onset of adverse events and patient quality of life (QOL). Among 42 patients treated with dabigatran, 17 patients were categorized into the instruction change group and 25 were categorized into the no instruction change group. The Izumo scale was used to assess patient QOL. A total of 20 patients experienced side effects in the upper gastrointestinal tract (6 in the instruction change group, and 14 in the no instruction change group), and 18 patients in the lower gastrointestinal tract (3 in the instruction change group, and 15 in the no instruction change group). Izumo scale scores were significantly lower in the instruction change group than in the no instruction change group. Furthermore, in the no instruction change group, 5 patients showed a remarkable decrease in patient QOL by the adverse effects of gastrointestinal symptoms; however, in the instruction change group, this did not occur in any patients. The results indicate that patient QOL can be maintained by altering the method of taking dabigatran.
著者
今井 直重
出版者
奈良学芸大学
雑誌
奈良学芸大学紀要 人文・社会科学 (ISSN:04695569)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, 1961-03

This treatise is aimed at the clarifying the structure of sovereign power of several states' constitutions in the world. But at present there are more than one hundred states on earth. So it is very hard to explain that of everyone of them. Widely dividing we can see three groups of states on the globe, that is, they are monarchic state group, federal state group and socialist (peoples' democratic) state group. At first, as monarchic state group, I picked up the constitutions of Norway, Sweden, Belgium, Netherlands, Denmark, The United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland and Japan. Next as federal state group, I took up The United States of America, Suitzerland, Mexico, Australia and The Union of the Sovret Socialist Republics. At last, as socialist republic group I dealt with The Union of Soviet Socialist Republics, The Peoples' Democratic Republic of China, Yugoslavia, Bulgaria, Czechoslovakia, Albania, Hungry, Poland, Democratic Peoples' Republic of Korea and so on. In federal republic, generally speaking, sovereign powers are devided between the federal republic and its constituent states. That is to say, some items of its sovereign powers provided by the constitution are vested in the federal republic and the rest powers in each constituent state, and the people of each state. In monarchic states, as a rule, all sovereign powers reside with the monarchs. But as an exception, for example, in Belgium, sovereign powers reside with the people, and the King and the Diet as the highest organ of the state, jointly exercise legislative power. Especially in Japan, sovereign powers reside with the people who is soereign and the Emperor shall perform only such acts in matters of state as are provided for in the constitution and he shall not have powers related to sovereign powers (legislation, administration and judicature).In socialist republics the sovereign powers, without exception, belong to the people, (the people means proletarian people, working people, namely, workers, peasants and intelligentsias) If there are any men who are not proletaria, they are not the people in socialistic meaning and so they are not the sovereign people. So that, they are excluded from the people. But the Diet (the Supreme Soviet of the Union) is the highest organ of the Union and superior to all state organs, that is, the cabinet and the courts of justice. So the Diet directs all other state organs (even the cabinet or- the courts of justice) In this point the socialist republic has a remarkable characteristic.
著者
田中 成典 山本 雄平 今井 龍一 神谷 大介 中原 匡哉 中畑 光貴
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
AI・データサイエンス論文集
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.821-832, 2021

<p>昨今,深層学習を用いて物体の詳細な部位を識別して,姿勢や行動を推定する研究が盛んである.例えば,車両の部位を識別することで,逆走や改造車両を検出できる.本研究では,それらの用途の中でも深層学習の導入が特に注目されている交通量調査への適用を試みる.当該調査では,作業の省力化や効率化を目的として,動画像から車種ごとの通過台数を計数する技術開発が推進されているが,既存技術には,形状の似た車両の車種分類に失敗する課題がある.その対応策として,調査員が着目する部位の形状を考慮して分類することが考えられる.そこで,本研究では,深層学習を用いた車両部位識別技術を開発する.加えて,再学習のコストを軽減するため,教師データの自動生成技術も検討する.そして,実証実験を通じて,それらの技術が有用であることを明らかにした. </p>
著者
今井長兵衛
雑誌
昆虫と自然
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.20-21, 2005
被引用文献数
1
著者
今井 史 小川 健二
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, 2019

<p>物の動きを描く動的視覚イメージには,身体運動の結果を心的に予測するための運動シミュレーションが関わるといわれている。しかし,たとえば機械を操作するとボールが飛ぶという身体的要素の少ない内容や,ボールが空の彼方まで飛ぶという身体運動では実現できない内容のイメージにも運動シミュレーションが関わるかは,定かではない。そこで本研究では,運動シミュレーションの妨害課題の有無を参加者間要因,イメージ内容の身体的要素の多寡,身体運動による実現可能性の二つを参加者内要因として参加者に飛翔するボールをイメージさせ,その鮮明性を調べた。実験の結果,運動シミュレーションの妨害との交互作用は身体的要素の多寡についてのみ検出され,妨害のない群では身体的要素の多い内容のイメージがより鮮明化したが,妨害のある群ではその効果はなかった。これは動的視覚イメージの身体的要素に運動シミュレーションが関わっていることを示唆する。</p>
著者
今井 亮二
出版者
尾道市立大学芸術文化学部
雑誌
尾道市立大学芸術文化学部紀要 (ISSN:21873550)
巻号頁・発行日
no.17, pp.[114]-[117], 2018-03-31

「調査情報540号」TBSメディア総合研究所illustration・photo・design:今井亮二(hottype工房)studio set:『ペコジャニ∞!』木村真梨子(TBSテレビ)「調査情報539号」TBSメディア総合研究所illustration・photo・design:今井亮二(hottype工房)studio set:『7つの海を楽しもう!世界さまぁ~リゾート』宇野宏美(アックス)「調査情報538号」TBSメディア総合研究所illustration・photo・design:今井亮二(hottype工房)studio set:『V6の愛なんだ2017 史上最高の夏祭り!』金子靖明(アックス)「調査情報537号」TBSメディア総合研究所illustration・photo・design:今井亮二(hottype工房)studio set:『人生最高のレストラン』宇野宏美(アックス)「調査情報536号」TBSメディア総合研究所illustration・photo・design:今井亮二(hottype工房)studio set:『王様のブランチ』谷 佳奈恵(アックス)「調査情報535号」TBSメディア総合研究所illustration・photo・design:今井亮二(hottype工房)studio set:『KUNOICHI』太田卓志(TBSテレビ)・金子靖明(アックス)
著者
池田 めぐみ 池尻 良平 鈴木 智之 城戸 楓 土屋 裕介 今井 良 山内 祐平
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.44067, (Released:2020-08-28)
参考文献数
28

本研究の目的は,上司による業務プロセスへのフィードバックとジョブ・クラフティング,若年労働者の職場における能力向上の関連を明らかにすることである.そのために,インターネット調査を行い取得したデータをもとに,構造方程式モデリングを用い,仮説の検証を行った.分析の結果,第1に,上司による業務プロセスへのフィードバックがジョブ・クラフティングの全ての因子及び職場における能力向上の全ての因子に正の影響を与えること,第2に,ジョブ・クラフティングの次元によって,影響を与える能力に違いがあることが確認された.以上より,若年労働者の職場における能力向上および,ジョブ・クラフティングを促す上で,上司による業務プロセスへのフィードバックが有効である可能性が示唆された.
著者
田端 祥太 新井 崇俊 本間 健太郎 今井 公太郎
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.459-466, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
20
被引用文献数
1 2

本研究は重み付きシュタイナー問題の発見的解法を開発する.重み付きシュタイナー問題は平面上の与点を連結するグラフの辺の総コストを最小化する問題である.本研究で構築する解法は,ランダムドロネー網を用いて連続平面を離散化し,与点のボロノイ図の双対グラフに含まれる全域木を探索する.木の辺は,ランダムドロネー網上の重み付き最短路で与えられる.近似解の形状と解の総コストの観点から,本手法が既往の重み付きシュタイナー木の発見的解法より厳密解に近い解が得られることを示す.さらに,重みの変化に対する木の形状の不連続な変化を把握する.最後に本手法を,新たな旅客,貨物輸送手段として期待されている大型ドローンの航空路網に適用し,本手法の実用性を検証する.
著者
朝比奈 彩 黒山 祥文 小原澤 英之 今井 昇
出版者
静岡赤十字病院
雑誌
静岡赤十字病院研究報 = Journal of Japanese Red Cross Shizuoka Hospital (ISSN:09119833)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.47-51, 2020-12-01

2020年2月末,新型コロナウイルス検査の院内導入の指示があり,3月中旬に開始した.感染対策チームと連携し,検査部の詳細な感染対策指針を作成した.そして,検査部勉強会を開催し,新型コロナウイルスに対する正しい知識を身につけ,安全な労働環境を整備した.3月末,初めて陽性者を判定し,早期発見から迅速な対応につながったと感謝の言葉をいただいた.2020年10月現在,real time RT-PCR法,LAMP法,抗原定性検査を実施している.また,新型コロナウイルスがどのような影響を及ぼしたのか,臨床検査技師を対象にアンケートを実施した.新型コロナウイルスを取り巻く環境下での検査体制は大変だと感じている技師が過半数であったが,貢献していると実感した技師も同数おり,やりがいを感じられている.他にも,臨床検査技師の認知,感染対策・精度保証について,理解が深まったことは副産物であった今後の課題は,遺伝子検査に対応できる臨床検査技師の育成,外部精度管理,検査室の感染対策の継続などがある.柔軟に対応して,臨床支援を続けていきたい.
著者
滝野 千春 今井 靖親 藤田 正
出版者
奈良教育大学教育研究所
雑誌
奈良教育大学教育研究所紀要 (ISSN:13404415)
巻号頁・発行日
no.12, pp.65-78, 1976-03-25

本研究は家庭生活,学校生括,社会生活に関する11項目から成る質問紙を用い,いわゆる「へき地」における中学生と親の生活意識を比較・検討し,その特徴を明らかにすることを目的としておこなわれた。調査対象は奈良県吉野郡上北山村上北山中学校生徒82名とその両親153名である。得られた主な結果を要約すれば次のとおりである。(1)理想の父親像として,中学生は家庭的な父親をあげているのに対し,親は仕事に専念する父親をあげていて,両者の間には著しい差異が認められた。(2)理想の母親像としては,中学生も親も「家庭生活を何より大切にする母」をあげている。(3)子どもが将来親にしてあげたいと思っていることと,親が子どもにしてほしいと思っていることとを比較すると,「親に心配かけないようにする」ということでは一致しているが,経済的扶養については,両者の間に顕著な相違が見られた。(4)子どもが学校で得たいと思っているのは,主として「心をうちあけて話せる友人や教師」であるのに対し,親はわが子が学校で「教養」を身につけることを期待している。(5)中学生も親も地域への愛着度はかなり高い。その理由は自然環境のよさと人情のあつさにあるように思われる。しかし,生活の不便さや高物価,つき合いのわずらわしさなどは,共通して地域への不満となっている。(6)この地に永住を希望する者の割合は,中学生より親に多かった。また女子中学生より男子中学生のほうに移住希望者が有意に多かった。(7)現代の日本社会への不満は,中学生では「正義のとおらぬこと」や「貧富の差があること」にあるが,親では「国民の意見の分裂」や「まじめな者が報われないこと」に向けられている。(8)中学生も親も,生活態度として,「金や名誉を考えずに自分の趣味にあった暮し方」をすることや,「世の中の不正と戦い,清く正しく生きること」をあげているが,「その日,その日をのんきに暮す」という者は中学生よりも親に多く,男子中学生より女子中学生に多い。(9)中学生は親しい友人や仲間といる時や,スポーツや趣味にうちこんでいる時に生きがいを感じると答えたのに対し,親は「仕事に打ちこんでいる時」,「家族といる時」をあげている。また子ども自身が将来自分がなりたいと願っているものと,親が子どもに期待する人間像とでは,両者に大きなくいちがいが見られた。へき地教育研究室報告特集6
著者
尾之上 さくら 橋本 修一 今井 敏夫 丹羽 源男
出版者
Japanese Association for Oral Biology
雑誌
歯科基礎医学会雑誌 (ISSN:03850137)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.570-585, 1999-12-20 (Released:2010-06-11)
参考文献数
41
被引用文献数
2

アルカリ性ホスファターゼ (ALP) は, 細胞表面のグリコシルホスファチジルイノシトール (GPI) アンカー型タンパク質の一つであり, 骨芽細胞の石灰化と密接に関わっている。本研究では骨芽細胞様細胞株MC3 T3-E1のALP活性量におよぼす培養環境の影響を明らかにするため, この細胞をさまざまな播種密度と継代頻度で培養した。MC3T3-E1細胞を6, 500cells/cmcm2の播種密度で週1回継代培養すると, 130日以上たってもこの細胞 (W1/HD) は高いALP活性と石灰化能を保持していた。しかし1, 300cells/cmcm2の播種密度で, 週2回継代培養すると, この細胞 (W2/LD, W2/HD-LD) は培養50日以内にもとの細胞のもつALP活性と石灰化能のいずれも90%以上を失ってしまっていた。これら形質変化した細胞を130日間培養すると, ALP活性とコンフルエント時の敷石状形態を失ったW2/LDやW2/HD-LD細胞の細胞集団倍加時間とタンパク質生成能はいずれもW1/HD細胞の場合に比べてそれぞれ有意に短くまた低くなった。一方, W2/LDとW2/HD-LD細胞ではもう一つのGPI-アンカー型タンパク質である5'-ヌクレオチダーゼの活性もALP活性の場合と同様にW1/HD細胞の酵素活性の1/10以下にまで減少していた。しかしW2/LDやW2/HD-LD細胞の酸性ホスファターゼとβ-グルクロニダーゼ活性はW1/HD細胞に比べ逆に有意に増加していた。培養環境により誘導されるこれら細胞の形質変化は, 培養した培地中の生物学的因子や電離放射線の照射に起因するものではなかった。これらの結果から, MC3T3-E1細胞は高頻度・低密度の播種による継代培養を行うと, MC3T3-E1細胞の骨芽細胞様の特性からGPI-アンカー型酵素活性と石灰化能が特異的に失われることが示唆された。
著者
山本 元久 鈴木 知佐子 苗代 康可 山本 博幸 高橋 裕樹 今井 浩三 篠村 恭久
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会総会抄録集
巻号頁・発行日
vol.36, pp.129, 2008

48歳女性、元看護師。2001年9月より膝関節水腫が出現、仕事や肥満が原因と考えられていたが、2002年2月から発熱・CRP上昇を認め、当科紹介となった。膝関節腫脹と左下腿に結節性紅斑を認め、少量プレドニゾロン(PSL)を開始した。2003年3月より両下腿腫脹、皮膚潰瘍を認め、皮膚生検で血管炎を確認した。末梢神経障害による四肢のしびれ以外、臓器障害はなく、ANCA・抗リン脂質抗体は陰性であり、皮膚型結節性多発動脈炎(cPN)と診断した。PSL増量によりCRP低下や下肢腫脹の消退を認めたが、減量し復職すると、下腿腫脹・疼痛が悪化、潰瘍を形成するため、PSL減量が困難であった。2005年末に離職・自宅療養となったが、下腿腫脹の悪化、皮膚潰瘍の多発・拡大と下肢痛を認め、PSL 40 mgに増量、2006年8月からエンドキサンパルス療法を3回施行した。その後、PSL17.5mgにまで減量したが、発熱・CRP再上昇を呈し、同意を得た上で、2007年10月からエタネルセプト(ETA)の併用を開始したところ、速やかに解熱、炎症反応の陰性化をみた。現在、PSL12.5mgにまで減量しているが、潰瘍形成を含め、再燃は認めていない。ETAが奏効したcPNの一例を経験したので、考察を加えて報告する。
著者
西村 信哉 湊 太志 LIANG HAOZHAO 今井 伸明 西村 俊二 有友 嘉浩
出版者
国立研究開発法人理化学研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2021-04-01

rプロセス元素合成は、宇宙における鉄より重い元素の主要な起源である。rプロセスの元素合成経路は安定核から大きく離れた中性子過剰側にあり、原子核の物理的性質が未解明である。rプロセスが起こる天体環境も長らく未解明であったが、近年、重力波・マルチメッセンジャー天文学の進展により、対応する天体現象キロノヴァが観測された。本研究では、重力波天文学の新しい知見を踏まえ、元素合成と原子核の理論計算の両者を「アップデート」する。原子核理論の最近の成果を基に代表者が構築してきた元素合成計算を拡張する。rプロセスを対象に、核物理と天体物理の双方の不定性を踏まえ観測から理論を制限する。
著者
今井 新悟
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.146, pp.117-128, 2010

<p> 受身文は直接受身文と間接受身文に分けられてきた。所有(持ち主)受身を立てることもあるが,これも,間接受身の亜種とされることが多かった。これに対し,本稿では,所有受身が間接受身ではなく,直接受身であることを主張する。その証拠として二重対格制限,ガノ交替,主格降格と参与者数,付加詞・必須項,主語尊敬構文「お~になる」の尊敬対象,再帰代名詞「自分」の先行詞,および数量詞遊離に関しての統語論的な現象を示す。これらは先行研究でも繰り返し使われた統語的テストであるが,統一した結論に至っていない。本稿の分類により構文と意味の対応,すなわち,「直接受身=中立の意味」ならびに「間接受身=迷惑の意味」の単純な結論に収束することを示す。日本語教育にあっては,本稿の言語学的な裏づけにより,所有受身を間接受身とせず,構文と意味の明確・単純な対応を示すことで混乱なく受身の指導ができる。</p>
著者
西郡 亨 今井 祐子 堀本 ゆかり
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.53-58, 2021 (Released:2021-02-24)
参考文献数
23

〔目的〕本研究は,リハビリテーション専門職(リハ職)の認知する組織風土類型ごとに職務満足度と職業性ストレスを比較することを目的とした.〔対象と方法〕総合病院に勤務するリハ職102名を対象に,組織風土尺度と職業性ストレス調査票を用いて調査を実施し,組織風土の類型ごとに職務満足度や職業性ストレスを比較した.〔結果〕回答者は89名であった.職務満足度,環境ストレス,仕事裁量度,職業適性度,働きがい,上司サポート,同僚サポートの因子と組織風土類型間で有意な差を認め,イキイキ型の組織風土が他3類型と比べ職業性ストレスが低かった.〔結語〕組織風土は職務満足度と職業性ストレスに関連することが明らかとなった.職業性ストレスや職務満足度への対応は個人のみならず,組織風土を考慮する必要がある.