著者
今井 公太郎 本間 健太郎 伊東 優 国枝 歓 佐藤 淳 福島 佳浩
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は、実用化が進む金属の3Dプリント技術を用いて住宅の仕口(ジョイント)を製作し、大部分の工程をセルフビルド可能な住宅のプロトタイプを建設する。学術的には、プロトタイプの建設を通して、3Dプリンタの建材(特に構造材)への応用の可能性を明らかにし、「複雑」な造形がデジタルに施されたジョイントによって、どこまで人間の手による建設を「単純」化できるかを明らかにする。そして、建設した住宅に対してプラニングの自由度・構造的合理性・建設可能性・環境的性能・移動可能性(再建築・運搬)などの観点で性能を評価し、最終的に移動可能で自由なライフスタイルを可能にする安価な住宅サービスへの適用方法を研究する。
著者
今井 民子
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.80, pp.29-36, 1998-10-30

本稿では,第2次ブフォン論争といわれるグルック-ピッチンニ論争の本質を明らかにするため,ピッチン二派のマルモンテル,グルック派のアルプ,中立派のシャバノンの論考,及びこの論争とは無縁であったモーツァルトのオペラ論を検証する。古典主義の立場からグルックの表現を激しすぎると退けるマルモンテルは,同時にイタリア音楽の声楽美の濫用にも批判の目を向け,一方アルプは,グルックのオペラ改革の成果を評価しつつ,深い感動を誘うピッチンニオペラの魅力も認める。また,旋律と和声をともに認めるシャバノンの見解は,ルソーとラモー以来の旋律・和声論争に終止符を打つものとして注目される。イタリア派の一人として,音楽の詩に対する優位を主張するモーツァルトは,グルックとは対極のオペラ作曲家といえる。これらの見解は,18世紀音楽の中心主題であったイタリア音楽対フランス音楽,旋律対和声の問題の終悪を意味するものといえよう。
著者
今井 彰
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
やどりが (ISSN:0513417X)
巻号頁・発行日
vol.1976, no.85, pp.65-66, 1976
著者
横平 政直 山川 けいこ 成澤 裕子 橋本 希 松田 陽子 今井田 克己
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
vol.46, pp.S6-3, 2019

<p> 現在でも胸膜悪性中皮腫の発生率は上昇しており、特にアスベストの生産・輸入に関する規制の緩い国ではその傾向が顕著である。我々はこれまでに、アスベストに類似したK<sub>2</sub>0・6TiO fiber (TISMO)の毒性についての評価を行ってきた。TISMOの胸膜への影響を検索するため、できるだけ多くの被験物質を胸膜に暴露させることを目的に、開胸下に直接被験物質を胸腔内に投与する方法を用いた。</p><p> A/Jマウスの左胸腔内に同成分でサイズや形状の異なる3つの微粒子(TiO<sub>2</sub> micro size particle、TiO<sub>2</sub> nano size particle、TISMO)を投与する実験を行った。実験開始21週目に針状のTISMO投与群のみ肺胸膜の肥厚が見られ、球状のTiO<sub>2</sub>微粒子投与群は大きさに関係なく胸膜の変化は認められなかった。TISMOはアスベストに似た形状を有する針状粒子であり、胸膜悪性中皮腫の発生原因も危惧される。そこでTISMOの左胸腔内投与後、長期間(2年以上)飼育する実験を行った。その結果、肺胸膜の著明な肥厚を再確認し、さらに異型を伴う中皮細胞の出現が観察された。驚くべきことに、TISMO粒子は胸腔内投与にも関わらず、多臓器(肝、腎、脾臓、卵巣、心、骨髄、脳実質)で確認され、広範な播種が認められた。</p><p> また、TISMOの経気道暴露を想定して、気管内投与による実験も行った。TISMOが誘発する肺実質内の炎症所見は軽度であり、人への吸入毒性が低いとされる炭酸カルシウム微粒子(チョークの粉)とほぼ同程度であった。このように、経気道的に侵入したTISMOは、気管支および肺実質内での炎症誘発作用は乏しいものの、胸膜に到達すると強い反応性変化を誘発することが判明した。</p><p> 以上より、TISMOの胸膜への影響、および呼吸器系から体内に侵入したTISMOが多臓器に分布するリスクが明らかとなった。</p>
著者
柴原 弘明 今井 絵理 植松 夏子 木下 早苗 眞野 香 山本 絢子 青山 昌広 西村 大作
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.104-108, 2011

症例は80歳台女性。肺癌の骨転移による疼痛に対し緩和ケアチームに依頼があった。オピオイド,ロキソプロフェンナトリウムに加えて,鎮痛補助薬としてガバペンチン,イフェンプロジル酒石酸塩投与の追加,さらにオピオイドの増量・変更を行なったが,疼痛の著明な改善はなかった。そこで,ガバペンチンをプレガバリンへスイッチしたところ,疼痛の著明な改善がみられた。プレガバリン内服以前は,疼痛が強いときには臥床していることが多かったが,プレガバリン内服以降は疼痛の改善が得られたため,元気に車いすを押して歩行する姿がみられ,日常生活の活動は改善し,笑顔が多くみられるようになった。ガバペンチンからプレガバリンへのスイッチは,癌性疼痛に対する鎮痛補助薬を考慮するにあたり有効な選択肢のひとつである。
著者
今井 秀孝 飯塚 幸三
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.643-648, 1986-04-05 (Released:2009-06-30)
参考文献数
10

An apparatus for the measurement of Young's modulus and its thermal coefficient has been newly developed. Both the tension and bending methods are available in this apparatus. The elongation in the tensile test or the deflection in the three-point bending test is detected by using a specially designed sample holder together with a He-Ne laser interferometer with an accuracy of better than 0.1 μm. This apparatus is especially suitable for such thin specimens as leaf springs and hair springs which are often used in precision machines or measuring instruments. The minimum size of specimen to be measured is 0.1 mm in diameter or 5 μm in thickness. Young's modulus of ordinal materials can be measured with an accuracy of better than ±3% in 95% confidence interval. Young's moduli measured by the tension method and bending method were compared with each other and the result showed a good agreement. Thermal coefficients of Young's modulus of six kinds of spring materials were also measured by means of the bending method in the temperature range between 0°C and 50°C.
著者
今井 五郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.798, pp.798_1-798_16, 2005
被引用文献数
8

1960年代に「大気圧工法」と銘打ってわが国に導入された「真空圧密工法」は, その後の積極的な実用化努力にも拘らず, 実用工法として広く受け容れられないままに終わり, '80年代は空白の期間であった. ところが'90年代に入ってから中国やフランスで実用化が達成され, 施工実績が急増し始めた. 日本もその例に漏れず, 現在では土木学会年次学術講演会や地盤工学研究発表会で「真空圧密」のセッションが設けられるほどの研究対象までになっている. このように一時の休眠期間を経た後で再評価された地盤改良工法はめずらしい. そのような特異な経緯を辿った背景と理由があるはずである. それらを明確にし, 地盤改良工法としての「真空圧密工法」をさらに発展させようというのが, 本論文の目的である.<br>いずれの地盤改良工法にもその目的を達成するための「原理」及びそれを具現化するための「手段」がある. そしてそれら総体としての工法にそれ特有の「特徴」が自ずと備わる. これらのすべてを「真空圧密工法」について論じ尽くせれば言うことは無いのだが, この論文では「原理」を中心に据えた議論を展開する. 「原理」に対する理解不足が, 当時の地盤内減圧技術の未熟さと相俟って, 上述した「真空圧密工法」の休眠期間を生んだと考えるからである.

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著者
今井 功
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.288-293, 1953-08-25 (Released:2008-04-14)
参考文献数
5
被引用文献数
1
著者
今井 紀夫
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.89-99, 2021
被引用文献数
1

<p>昨今のデジタル技術の進化と普及により,これまでにない量や形式のデータが生成され,それらを分析するためのAIや基盤技術をマーケターは活用できるようになった。金融事業から出発したSBIグループでは,その機会を活かしてグループ会社間のシナジーによる価値創造を実現するために,2012年にグループの持株会社であるSBIホールディングス株式会社の社長室直下にビッグデータグループを設けた。このグループはデータ基盤整備やグループ会社のデータ活用能力向上などの様々な施策に取り組み,グループ全体の顧客基盤の成長などに見られる通り,成果に貢献してきた。その成功要因として,従来の情報システム開発と分けてのデータ基盤整備,システム導入ではなく価値創造を目的としてのリソースの確保,グループ横断での会議や勉強会開催によるノウハウ共有や各部門の課題把握,ワークショップなどによる社員のデータに基づく意思決定への意識改革の支援,更にこれらを支える経営陣のコミットメントが示唆された。</p>
著者
冨岡 展行 高橋 智幸 今井 健太郎 越村 俊一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
no.52, pp.266-270, 2005

2004年9月5日23時57分にM7.4の地震が紀伊半島南東沖で発生した. 震源は南海トラフ沿いに位置しているが, 東南海地震の想定震源域とは異なっていた. この海域で想定されているのはプレート境界型地震であり, これによる津波被害は既に調査済みであるが, 今回のような南海トラフ沿いで発生するプレート内部型の中規模地震による津波は未想定である. よって, 今後の津波防災において今回のような地震津波をどのように取扱うのか検討するため, 各研究機関から発表された断層パラメータを参考にして, 津波の数値計算を実施した. その結果, 大部分の地域でプレート境界型地震による津波の方がプレート内部型によるものより大きくなることが確認された.
著者
市川 定夫 今井 敏彦 中野 篤
出版者
Genetics Society of Japan
雑誌
The Japanese journal of genetics (ISSN:0021504X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.513-525, 1991-08

Induced somatic pink mutation frequencies in the stamen hairs of Tradescantia KU 20 clone, a blue/pink heterozygote highly mutable spontaneously at lower temperature, were studied after treating with relatively small doses of Co-60 gamma rays (39 to 551 mGy or 3.9 to 55.1 rad), and were compared with those of two stable clones (non-mutable spontaneously), BNL 02 and KU 9, which are also blue/pink heterozygotes. It was found that the gamma-ray-induced mutation frequency in KU 20 clone was comparable (18.8 pink mutant events per 10(4) hair-cell divisions per Gy) to those in BNL 02 (12.2 and 21.2) and KU 9 (17.4) clones, when the spontaneous mutation frequencies of KU 20 clone were relatively low (at most about 5.7 and 2.3 times of BNL 02 and KU 9 clones, respectively). However, when the spontaneous mutation frequecies of KU 20 clone were much higher (up to about 65 and 27 times of BNL 02 and KU 9 clones, respectively), induced mutation frequency was significantly higher in KU 20 clone (58.8 pink mutant events per 10(4) hair-cell divisions per Gy) than in BNL 02 and KU 9 clones. The extent of increase in the gamma-ray-induced mutation frequency in the latter case was nevertheless very much less than the increase in the spontaneous mutation frequency, suggesting different mechanisms of initiation and repair of radiation-induced and spontaneous mutations.
著者
今井 千鶴子 今井 正司 嶋田 洋徳
出版者
一般社団法人 日本女性心身医学会
雑誌
女性心身医学 (ISSN:13452894)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1-2, pp.309-316, 2007-04-30 (Released:2017-01-26)

本研究の目的は,心身ともに健康な女子大学生を対象に,不安感受性(anxiety sensitivity)が痛み経験(痛みの閾値,痛みの耐性の程度,痛みの主観的評価,痛みへの恐怖感,痛みへの認知的対処方略)に及ぼす影響について実験的に検討することであった.実験参加者31名は,日本語版不安感受性尺度によって,不安感受性低群(n=12)ならびに不安感受性高群(n=19)に分けられ, 3℃の冷水に手を浸す課題(コールドプレッサーテスト)に取り組むことが要求された.コールドプレッサーテスト中に閾値,耐性の程度の測定を行うとともに,コールドプレッサーテスト終了後には,ペインスケール(痛みの主観的評価),多面的痛み尺度(痛みへの恐怖感),日本語版coping strategy questionnaire (痛みへの認知的対処方略)を実施した.その結果,不安感受性高群は不安感受性低群に比べて,痛みの主観的評価が高いことや,自分自身を励ますといった肯定的な自己教示の対処方略を多く用いていることが示された.以上の結果から,不安感受性は痛みの主観的評価や痛みへの認知的対処方略に影響を与える重要な変数であることが示唆された.
著者
近藤 真前 清水 謙祐 五島 史行 北原 糺 今井 貴夫 橋本 誠 下郡 博明 池園 哲郎 中山 明峰
出版者
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
雑誌
Equilibrium Research (ISSN:03855716)
巻号頁・発行日
vol.75, no.6, pp.489-497, 2016-12-31 (Released:2017-02-01)
参考文献数
29
被引用文献数
2 2

Introduction: The vertigo symptom scale-short form (VSS-sf), which has three factors, the vestibular-balance symptom with long duration, the vestibular-balance symptom with short duration, and the autonomic symptom, was developed for measurement of the therapeutic effect in vestibular diseases. However, clinical use of the VSS-sf has not been reported in Japan, and there are very few analyses using scores of the factors or each item of the VSS-sf. The aims of this study is to report both clinical use of the VSS-sf in Japan and analyses using scores of the factors or each item of the VSS-sf. Methods: Participants included both adult inpatients and outpatients with either non-central dizziness/vertigo or vertebrobasilar insufficiency which occurred more than one month before, diagnosed by expert neuro-otologists. Participants completed three questionnaires: the VSS-sf, the dizziness handicap inventory, and the hospital anxiety and depression scale (HADS). We conducted a multiple regression analysis with the scores of the three factors of the VSS-sf, to evaluate how much influence there was from vestibular and autonomic symptoms on any handicap due to dizziness. We analyzed the scores of each item of the VSS-sf to examine profiles of the symptoms in major vestibular diseases. Results: The results of 159 participants were analyzed. Standard partial regression coefficients of anxiety, depression, and the vestibular-balance symptom with long duration were significant, however, those of the vestibular-balance symptom with short duration and the autonomic symptom were not. Most frequent autonomic symptoms were headache, chill/flashes, and palpitation in Ménière's disease, benign paroxysmal positional vertigo, vestibular neuronitis, and psychogenic dizziness. Conclusion: The VSS-sf can be conducted without major problems in Japan, and may be useful for patients with vestibular diseases, not only to measure therapeutic effect but also to analyze the influence of, or relation between the vestibular-balance symptom/autonomic symptoms and other clinical variables.
著者
今井 悦子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.76-81, 2000-02-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
34
被引用文献数
3