著者
伊藤 毅志 河口 恭平
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第28回 (2014)
巻号頁・発行日
pp.3B4OS10b1, 2014 (Released:2018-07-30)

コンピュータチェスの分野では、人間とコンピュータが協調して対戦するアドバンスドチェスというゲームが行われている。本研究では、アドバンスド将棋というゲームを提案し、その状況で人間がどのようにコンピュータを利用していくのかを観察した。その結果、コンピュータに対する信頼度に応じて、コンピュータを使って人間が強くなるという利用法、人間が協力してコンピュータを強くするという利用法の二つが観察された。
著者
伊藤 るみ子
出版者
美学会
雑誌
美学 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.24-34, 1986-12-31 (Released:2017-05-22)

Kurt regarded the energy in music as psychic phenomenon. He thought it important that we had the impression of space only when we listened to the music but not when we heard sounds. Because in music we use terms of "Raumvorstellung", for example "high or low". Kurt distinguished "klanglicher Raum" from "musicalischer Raum". The former is the space formed by the positions of instruments and the latter, by the energy in music. He thought that the musical space was more important than the acoustic space, because this is physical while that is psychic. From his point of view, the true dissonance of tones or chords is not acoustic but musical-the musically dissonant tones have the energetic tension (Spannung, Erregung), the value of which the psyche can determine. The motion in music is not actual motion of tones but the motion of "Kraftzug"-the change of tense energy (Spannungsenergie). We grasp this motion by "Hinuberhoren"-"Nebenhoren", "Voraushoren" and "Zuruckhoren". And we understand the above psychologically. In this sense the musical aesthetics of Kurt is basically psychological.
著者
鈴木 彰人 辻 晶弘 田代 雄介 須田 真太郎 鈴木 徳馬 伊藤 諒
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.3D4GS1004, 2022 (Released:2022-07-11)

世界では日々ニュースが発信され、金融市場や資産価格などに対して様々な影響を与えており、ニュースの情報量を把握することは非常に重要である。本研究の目的は、特定のイベントに対する各国の将来時点のニュースの量を予測することである。予測の際には自国のみならず他国からの情報波及の影響を考慮する必要があり、尚且つその波及に対して時系列構造を考慮する必要があると考えられる。本研究では、他国の情報を考慮したGAT(graph attention network)モデルを、時系列構造を考慮したLSTM-GATモデルに拡張することを試みている。実験の結果、LSTM-GATを用いて他国の情報を追加することで、自国ニュースの時系列情報のみを用いたLSTMや、他国情報は考慮するが時系列構造を考慮しないGATと比較して予測精度が向上することが分かり、本手法の有効性を確認することができた。
著者
平林 一広 岩田 進 松本 広淳 森 武雄 柴田 承二 馬場 昌範 伊藤 正彦 茂田 士郎 中島 秀喜 山本 直樹
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.112-115, 1991-01-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
15
被引用文献数
67 79

Chemically modified compounds of glycyrrhizin have been synthesized and evaluated for their inhibitory effect on the replication of human immunodeficiency virus type 1 (HIV-1) and herpes simplex virus type 1 (HSV-1). Among them, the 11-deoxo compound having a heteroannular diene structure at the C and D rings proved as active against HIV-1 as glycyrrhizin in MT-4 and MOLT-4 cells. It completely inhibited HIV-1-induced cytopathogenicity in both cell lines at a concentration of 0.16mM. The compound was also effective against HSV-1 with a 50% inhibitory concentration of 0.5μM.
著者
伊藤 公雄
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.6_15-6_18, 2021-06-01 (Released:2021-10-22)

2018年12月に開催された第1回目の地方学術会議「日本学術会議 in 京都」について、①地方学術会議の京都での位置づけや会議の名称の決定にいたるプロセス、②開催にいたる経過、③実際の会議の内容、④成果と課題、について述べる。
著者
井上 秀保 高野 喜名 OUYANG Wenwen 伊藤 卓 THAWONMAS Ruck 原田 智広
雑誌
2018年度 情報処理学会関西支部 支部大会 講演論文集 (ISSN:1884197X)
巻号頁・発行日
vol.2018, 2018-09-21

キュリオシティドリブンとは、人間などが持つ好奇心によって環境や目標へのアプローチの探索を行う概念である。これを強化学習に適用し、多様な探索を行わせることで、格闘ゲームにおけるキュリオシティドリブンの有用性を検証する。
著者
島貫 秀樹 本田 春彦 伊藤 常久 河西 敏幸 高戸 仁郎 坂本 譲 犬塚 剛 伊藤 弓月 荒山 直子 植木 章三 芳賀 博
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.54, no.11, pp.749-759, 2007 (Released:2014-07-03)
参考文献数
35
被引用文献数
11

目的 本研究は,高齢者の介護予防推進ボランティアへの参加による社会・身体的健康および QOL への影響について,1 年間の縦断データをもとに一般の高齢者との比較によって明らかにすることを目的とした。方法 初回調査は,2003年に宮城県の農村部に在住する高齢者(70~84歳)を対象として行われた。初回調査に参加した1,503人の中から介護予防推進ボランティアの募集を行った。その結果,77人がボランティアリーダーに登録した。一年後,ボランティア活動による影響を明らかにするために,追跡調査をした。最終的に,介護予防推進ボランティア参加者69人と一般高齢者1,207人を分析対象者とした。ボランティア活動の社会・身体的健康指標および QOL 指標への影響については,ボランティア活動状況を説明変数,社会・身体的健康指標および QOL 指標を目的変数とするロジスティック回帰分析を用いて分析した。結果 ボランティア参加者に比べ一般高齢者は,知的能動性(OR:4.51,95%CI:1.60-12.74),社会的役割(OR:2.85,95%CI:1.11-7.27),日常生活動作に対する自己効力感(OR:4.58,95%CI:1.11-18.88),経済的ゆとり満足度(OR:2.83,95%CI:1.11-7.21),近所との交流頻度(OR:3.62,95%CI:1.29-10.16)の項目において有意に低下することが示された。結論 高齢者の介護予防推進ボランティア活動への参加は,一般高齢者に比べ高次の生活機能やソーシャルネットワークの低下を抑制することが示唆された。
著者
野口 隼 石井 稜大 伊藤 卓 原田 智広 THAWONMAS Ruck
雑誌
2018年度 情報処理学会関西支部 支部大会 講演論文集 (ISSN:1884197X)
巻号頁・発行日
vol.2018, 2018-09-21

Open Loopに基づくRolling Horizontal Evolutionary Algorithm (RHEA)を用いたペルソナの実現を提案する。本稿では、リアルタイムゲームにおいての有用性が高いRHEAを対戦格闘ゲームに適用し、ペルソナと呼ばれるプレイヤーのプレイスタイルを実現する。
著者
佐藤 みほ香 杉本 恵子 森嶋 琢真 伊藤 マモル
出版者
法政大学スポーツ研究センター
雑誌
法政大学スポーツ研究センター紀要 = 法政大学スポーツ研究センター紀要 (ISSN:21879168)
巻号頁・発行日
no.36, pp.55-58, 2018-03-31

本研究は,大学野球選手における24 時間のエネルギー消費量をポジション別に検討することを目的とした。大学野球選手4 名(外野手,内野手,捕手,投手)を対象に,生活時間調査法を用いて生活活動(起床時から就寝時まで)および練習中におけるエネルギー消費量を算出した。エネルギー消費量の計算式にはWeir 1949. を用いた。その結果,24 時間のエネルギー消費量は投手(3449 kcal),捕手(3229 kcal),外野手(3156 kcal),内野手(2842 kcal)の順に高値を示した。以上の結果は,大学野球選手における 24 時間のエネルギー消費量はポジションで異なることを示すものである。したがって本研究から得られた知見は,野球選手の練習前後におけるエネルギー摂取を考える際には,ポジションの差を考慮する必要性があることを新たに示唆するものである。
著者
畑江 敬子 香西 みどり 古川 英 熊谷 美智世 伊藤 純子 十河 桜子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.250, 2003 (Released:2004-05-25)

【目的】近年、家庭用調理機器においては従来のガスコンロに代わり、電気の誘導加熱を利用した電磁調理器(IH)の普及が進んでいる。そこで本研究では、現状の調理内容に即したエネルギー使用データを収集し、ガスコンロとIHの違いを把握することを目的としている。【方法】 春夏秋冬それぞれ1日の朝食、昼食、夕食の献立を、女子栄養大出版部「栄養と料理」献立カレンダーより選定し、さらに一部をアンケート結果による人気メニューに置きかえることにより、季節、栄養、カロリー、調理方法、人気を考慮した現代版メニューを作成した。年代と調理経験の異なる3人の調理者により、作成メニューについてガスコンロ、IHそれぞれに対し同じ調理を行い、熱量および使用時間を測定した。実験では大きさを揃えた両調理器で適した鍋を用い、同一メニュー内では食材および量を統一した。【結果】IHの方が多くの一次エネルギーを消費した。四季別において冬メニューでは夏の2倍以上のエネルギーを消費し、調理別においては湯沸かし茹で、煮るでエネルギー消費量全体の6割以上を占め、これらはガスコンロ、IHで同じ傾向を示した。火力別の効率と使用割合から一次エネルギーでの総合効率を求めると、ガスコンロで50.0%、IHで27.7%となった。ランニングコストは四季別、調理別のどちらにおいても電気代の方がガス代に比べ高くなった。両調理器の10年間の使用を含めた製造から廃棄までの総エネルギー消費量は、IHではガスコンロの約1.3倍となった。
著者
石橋 みゆき 吉田 千文 樋口 キエ子 丸谷 美紀 伊藤 隆子 雨宮 有子 諏訪部 高江 神谷 明美 平野 和恵 林 弥生 木暮 みどり
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究の目的は、療養の場の移行支援の構築を目指し、退院支援に係る看護技術を体系化することである。計26病院に勤務する協働して退院支援を実施している関係にある看護師ら計48名へ半構成インタビューを実施し、先行研究の枠組みを基盤に内容を分類・統合し計21の退院支援技術が明らかとなった。退院支援に係る21の看護技術は、#0本人の意向を見極めセルフケア能力を高める、#1家族への支援と家族との協働、#2医療福祉専門職との連携と協働、#3退院支援体制発展に向けたシステム構築という4段階で体系化でき、個への支援(ミクロ)から地域への貢献を意図した支援(マクロ)に向かって拡大する方向であると考えられた。
著者
伊藤 高史 Takashi Ito
出版者
同志社大学社会学会
雑誌
評論・社会科学 = Hyoron Shakaikagaku (Social Science Review) (ISSN:02862840)
巻号頁・発行日
no.142, pp.69-89, 2022-09-30

本稿では,メタルダンスユニットBABYMETALが,欧米で最も成功した日本発の大衆音楽アーティストとしての地位を確立していく過程を,社会システム論およびメディア論の観点から分析する。誰もがインターネットやスマートフォンを利用して不特定多数の人々に情報発信をできる今日の社会は,マス・コミュニケーションが全面化した時代である。BABYMETALが欧米で成功し,大衆的認知を得るにあたっては,テレビや新聞,雑誌などの「旧マスメディア組織」だけでなく,ファンが独自に撮影して動画サイトに投稿したライブ映像が大きな役割を果たした。ルーマンが社会システム論において使用した,社会システムの作動を制御する「プログラム」という概念を使って説明するならば,マス・コミュニケーションが旧マスメディア組織の独占ではなくなった今日においては,他者との感動の共有や承認に対する欲求に基づいたプログラムによって制御される消費システムの作動が,BABYMETALの成功の一因となったのである。BABYMETALの成功過程の分析から,「マス・コミュニケーションの全面化」によって特徴づけられる現代社会における,文化産業の創造性の条件の一端が明らかになる。
著者
伊藤 清彦 ローズ エリザベス L. 趙 殷範
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.4-13, 2011-06-20 (Released:2022-08-20)
参考文献数
32
被引用文献数
1

企業固有の優位性,先発者の優位性,規模の経済の概念に基づいて,企業の国内競争力と多国籍度との関係を調査した.大手企業は経営資源を多く持つため,多国籍度が高いと思われる.しかし日本企業のデータの分析結果からは,企業規模と国際経験をコントロールすると,日本国内市場のリーダー企業は競合他社に比べて,多国籍度が低くなりがちであり,多国籍度に関してはリーダーが後続企業のあとを追っている状況がうかがえる.
著者
伊藤 壽啓
出版者
日本ウイルス学会
雑誌
ウイルス (ISSN:00426857)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.53-58, 2009-06-25 (Released:2010-02-01)
参考文献数
7
被引用文献数
3 3

H5N1亜型の高病原性鳥インフルエンザウイルスが世界規模の大流行を引き起こし、今尚、各国の養鶏産業界に甚大な被害を与え続けている.またインフルエンザウイルスは鳥類に由来する最も重要な人獣共感染症の病原体の一つであり,本ウイルスの人への直接感染事例もまた増え続けている.本ウイルスは鶏やアヒルなどの家禽以外にも多くの鳥類が感受性を有することから,とくに野生鳥類が本ウイルスの伝播,流行拡大に重要な役割を果たしている可能性が示唆されている.しかしながら,自然界における本ウイルスのレゼルボアとしての野鳥の役割は未だ完全には理解されていない.そこで高病原性鳥インフルエンザウイルスの生態に果たす野鳥の役割を明らかにする目的で,渡り鳥を含む国内野鳥を対象としたウイルス保有状況調査が環境省,山階鳥類研究所および鳥取大学で実施された.これまで3株のH5N1高病原性鳥インフルエンザウイルスが分離されている.その一つは2007年1月に熊本県相良村において衰弱して発見されたクマタカから分離された.他の2株は2008年4月と5月に青森県十和田湖において斃死したオオハクチョウから分離された. 渡り鳥は季節性に地球規模で移動することから,同様の問題は他の国々においても常に起こり得る.野鳥を対象とした広範囲な共同疫学調査が高病原性鳥インフルエンザの国際防疫に重要であると考えられている.
著者
伊藤 泰介
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.131, no.4, pp.701-706, 2021-04-20 (Released:2021-04-21)
参考文献数
22

男性型,および女性型脱毛症の治療の治療は情報が溢れており,医療者も患者も振り回されがちである.しかし科学的根拠の有無という見地に立てば,それら情報整理は意外にもシンプルである.適切な診断のもと,それぞれの治療方法の根拠と有害事象をよく理解した上で選択できるようにまとめられている診療ガイドラインのエッセンスを概説した.
著者
伊藤 久志 谷 晋二
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.105-115, 2011-05-31 (Released:2019-04-06)

本研究は、導尿スキルの習得が困難であった特定不能の広汎性発達障害を合併する二分脊椎症の男児 に対して導尿スキル訓練を実施した事例の報告である。介入を進めるにあたって、まず課題分析を実施 し、導尿スキル訓練時には課題分析表の提示、所要時間のフィードバック、強化価の高い強化子の設定 をすることを母親に提案し、それに基づき母親が導尿スキル訓練を実施した。その結果、対象児は以下 の標的行動を習得することができた。(1)カテーテルを持って、ゼリーをつける、(2)カテーテルを チューブから抜いて、カテーテルを持つ、(3)カテーテルを尿道に入れる、(4)カテーテルを尿道の奥 まで入れる。さらに、学校では、対象児が習得した下位行動以外の部分については教師と看護師の援助 を受けることで、導尿を実行することができるようになった。考察では、「援助付き導尿の確立」と 「合併する障害の特性への配慮」という観点から検討した。