著者
濱谷 清裕 伊藤 玲子 江口 英孝 早田 みどり 早田 みどり 江口 英孝
出版者
財団法人放射線影響研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

放射線関連成人甲状腺乳頭癌の遺伝子変異に関する特徴を明らかにするため、発癌の初期段階に生じる遺伝子変異に焦点を当て解析を行った。被曝線量の増加に伴い、RET遺伝子の3'部位が別の遺伝子の5'部位に結合したキメラ遺伝子(RET/PTC再配列)を持つ症例の頻度が有意に増加し、他方散発性(放射線被曝のない)成人甲状腺乳頭癌で頻繁に検出されるBRAF点突然変異を持つ症例は有意に減少することを見出した。
著者
伊藤 将司 森本 章倫
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.67_I_101-67_I_108, 2011 (Released:2012-12-28)
参考文献数
15
被引用文献数
1

本研究は,参加型の社会資本整備より,市民主体の継続活動に展開する要因を明らかにするものである.既往研究及び事例調査から,人(参加者とつながり),意識(目標と信頼関係),環境(適正な合意形成の場)の3つの要因を仮定し,詳細の事例分析によって検証を行った.その結果,参加型の社会資本整備より,市民主体の継続活動に展開する流れを明らかにするとともに,その過程において,継続活動において3つの要因の形成が重要であることが明らかとなった.また,3つの要因に課題が生じた場合においては,継続活動が停滞する場合があることも分かった.
著者
柿野 俊介 長次 良雄 梶原 浩司 伊藤 治英
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.115-118, 1999
参考文献数
19
被引用文献数
2

頭蓋骨原発の類上皮腫は稀な腫瘍で, その画像的特徴をまとめた報告も少ない.われわれは, 23歳女性の頭蓋骨原発類上皮腫を経験したので, その画像的特徴について報告した.今回の報告と過去の報告を総じてみると以下のようになる.X線では, 骨欠損像とその周囲の硬化像が認められる.CTでは骨条件, およびhelical CTによる三次元構成像により腫瘍周囲の骨破壊像の把握が可能である.MRIでは嚢胞内内容物の割合によりさまざまなintensityをとるが, 一般的にはT1Wlでhypo-intensity, T2Wlでhyper-intensityである.シンチグラムでは, 骨シンチによる腫瘍周囲の集積像が認められる.以上の放射線学的特徴を把握していれば, 頭蓋骨原発の類上皮腫の術前診断が容易にできると考えた.
著者
伊藤 崇達 神藤 貴昭 高嶋 重行 竹内 温子 菅井 勝雄 前迫 孝憲
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.377-385, 2004-03-20
被引用文献数
4

本研究は,自己効力感,不安,自己調整学習方略,学習の持続性に関する因果モデルの検証を行うことを目的とした.自己効力感尺度,学習時の不安感尺度,認知的側面の自己調整学習方略尺度,自己動機づけ方略尺度,学習意欲検査(GAMI)の下位尺度である持続性の欠如が,中学生449名に対して,試験の1ヶ月前と1週間前の2回にわたり実施された.共分散構造分析によって検討を行った結果,以下のことが明らかとなった.(1)自己効力感が高いものほど,認知的側面の自己調整学習方略と内発的調整方略をよく用い,外発的調整方略は用いていなかった.(2)学習時の不安感が高いものほど,認知的側面の自己調整学習方略,内発的調整方略,外発的調整方略をよく用いていた.(3)内発的調整方略の使用は,学習の持続性の欠如と負の関連を示し,外発的調整方略の使用は,学習の持続性の欠如と正の関連を示していた.
著者
小池 真由美 伊藤 学 池田 佳代 日高 宗一郎 青木 輝勝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.21, pp.13-18, 2006-03-03

近年,インターネット等のネットワークを用いたコンテンツ流通が盛んに行われるようになり,画像検索に関するニーズが急速に高まってきているが,現在画像検索技術は必ずしも実用レベルに達しているとは言えず,今後さらなる改良に向けた研究開発が必要である.検索に際するインデキシングコストを抑えるとして、本稿で対象とする検索方式は、検索者が検索したい画像を手元に持たず、自らが描画した画像を元に画像データベースを検索する場合である.検索精度を高めるためには、この入力インターフェースに課題があると仮定し、3Dの機能を利用した3Dインターフェースを適用した場合の検索の有効性を示す.In recent years, content distribution through the Internet has been actively carried out, and image/video distribution as well as music distribution has become widespread in rapid pace. Under this situation, there are growing needs for image/video retrieval, however, technologies for image/video retrieval have not reached to practical level. This paper focuses on the retrieval method in which the retriever does not have any target picture at hand, and tries retrieving such picture from picture database comparing with his/her own drawing. The authors assume that the subject to be solved is in input interface in order to achieve retrieval efficiency, apply 3D function to make 3D interface and show improvement in retrieval achievement compared to conventional interface.
著者
伊藤 祐佳 高須 朗 阪本 敏久 岡田 芳明
出版者
日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.35-39, 2004-02-15 (Released:2009-03-27)
参考文献数
18
被引用文献数
3 3 1

A 46-year-old woman was admitted 3 hours after she had ingested about 500ml of a toilet bowl cleaner (included 9.5% hydrochloric acid) in attempt to commit suicide. On admission, the base excess in the arterial blood was-20mEq/l and she had hypotension and anuria. An endoscopic examination on admission revealed corrosive degeneration in the entire esophagus and stomach. Abdominal compartment syndrome developed on the 5th hospital day and a decompression laparotomy was performed, which revealed necrosis of the whole stomach. A total gastrectomy without reconstruction was performed. On the 18th day, air leakage into oral cavity was seen during the inspiratory phase of the artificial ventilation. A bronchial fiberscope revealed an ulcer in the posterior wall of the left main bronchus. The air leakage stopped after the placement of a bronchial stent. However, the patient died on the 33rd day due to uncontrollable bronchial bleeding. Autopsy revealed severe mediastinal necrosis, esophago-bronchial fistula, and azygos vein destruction at the arch. According to our case and literature reviews of acid toilet bowel cleaner ingestion, most patients who died of esophageal perforation or esophago-bronchial (or tracheal) fistula had the following characters: ingested a volume of>300ml, severe acidemia, severe corrosive degeneration in the entire esophageal and gastric mucosa. In the patients who demonstrated such characters, an early esophagectomy is therefore recommended as a possible option to improve their outcomes.
著者
伊藤 谷生 宮内 崇裕 金川 久一 伊勢崎 修弘 佐藤 比呂志 岩崎 貴哉 佐藤 利典
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2000

今年度は本研究の最終年度であるため、2000年9月に行われた日高超深部地震探査結果の解析を行い、日高衝突帯の超深部構造を明らかにする糸口を見つけだすことが中心的課題であった。このため、年度の前半は、探査結果解析のための前処理を千葉大学所有の反射法処理システムを用いて行い、後半は、新たに導入した汎用地震探査処理システムSuper XCを用いて解析作業を進めた。また、この作業と平行して、測線周辺の地質調査を行った。これらを通じて明らかになったことは以下の点に要約される。1)日高主衝上断層(HMT)は低角であり、しかも地下2km程度でほとんど水平になる。これは、変成岩類主帯の構造から推定されてきたことと調和的である。2)TWT14秒付近に顕著な反射面群として把握されているものは、自然地震の震源分布との対応関係から太平洋プレート上面と推定される。3)デラミネートした千島下部地殻下半分のイメージは現在までの処理過程では把握されていない。その理由としては、高角なためイメージングできない、破砕されているため地震波が散乱し反射面を形成できない、エクロジャイト化して上部マントルと区別できない、の3つが考えられるが、1つを特定できない。4)東北日本側のウェッジにも顕著な反射面が認められ、当初考えられていた単純なデラミネーションーウェッジモデルよりも複雑な"刺しちがえ"構造の存在が碓定される。5)イドンナッブ帯中の冬島変成岩類の西縁断層は衝上断層である。6)日高超深部地震探査と平行して行われた遠地自然地震のレシーバ関数解析についての予察的研究によれば、4)に対応するインターフェースの存在が確認される。これまでの解析は最もベーシックな段階であるにもかかわらず、日高衝突帯超深部構造解明の糸口を与えるものである。今後の木格的な処理作業によって、解明へ大きく前進するであろう。
著者
伊藤清彦著
出版者
論創社
巻号頁・発行日
2011
著者
伊藤 貞則
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 : 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.30, no.8, pp.670-677, 2008-11-01
被引用文献数
1

市場の要求品質のレベルアップと軽薄短小,環境代替,新技術の投入などを含んだ新商品の開発期間の短縮化は,信頼性評価に対し入念な評価と早期の判断を要求することになっている.信頼性技術はこの要求に応えなければならない.本稿では如何に故障を炙りだすかの観点から筆者が経験した信頼性試験事例を中心に紹介する.
著者
村尾 奈美 関谷 仁美 石黒 久貴 足立 ヒトミ 野村 淑子 伊藤 栄子
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.61, no.9, pp.943-943, 1991-09-25

第22回消化器病センター例会 平成3年1月27日 東京女子医科大学弥生記念講堂
著者
中山 二博 木佐貫 聡 黒江 和斗 伊藤 学而
出版者
一般社団法人 日本口蓋裂学会
雑誌
日本口蓋裂学会雑誌 (ISSN:03865185)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.339-348, 2001-10-30
被引用文献数
13

鹿児島大学歯学部附属病院矯正科は1980年4月に開設され,口唇裂口蓋裂を有する矯正患者についても治療を行ってきた.開設時から2000年3月までの20年間に受診した口唇裂口蓋裂患者の実態と経時変化を調査することを目的として,統計的観察を行い,以下の結果を得た.<BR>1.矯正科を受診した口唇裂口蓋裂の初診患者は624名で,同科の初診患者全体の7.8%を占めていた.ただし初診後に実際に矯正治療を開始した患者でみれば,その18.4%を占めていた.<BR>2.口唇裂口蓋裂の初診患者数には1980年度,1984年,1990年度,1995年度にピークがあったが,全体的には年を追って緩やかな減少傾向を示していた.<BR>3.口唇裂口蓋裂患者の初診時年齢は平均7歳6ケ月であったが,特に4歳児から7歳児までの乳歯咬合期後半と前歯群交代期の者が多かった.<BR>4.口唇裂口蓋裂の初診患者を,ほぼ乳歯咬合期に対応する0~5歳,混合歯列期に対応する6~11歳,永久歯咬合期に対応する12歳以降に区分して年次推移を見ると,最初の8年間は6~11歳の初診患者が多かったが後半の8年間では0~5歳が多くなっていた.<BR>5.口唇裂口蓋裂の初診患者の紹介元は,当院第一および第二口腔外科が8割以上を占めていた.<BR>6.裂型別頻度は,唇裂5.6%,唇顎裂21.4%,唇顎口蓋裂55.8%,口蓋裂17.0%であった.経時的には,唇顎口蓋裂が78.0%から36.1%に減少し,口蓋裂が6.3%から33.7%に増加していた.唇顎裂,唇顎口蓋裂の裂側は,両側20.1%,左側54.4%,右側25.5%であった.<BR>7.唇裂,唇顎口蓋裂では男子が多く,口蓋裂では女子が多かったが,唇顎裂では男女ほぼ同数であった.<BR>8.咬合異常は,反対咬合が68.8%,叢生が12.5%,上顎前突が10.4%であった.ただし,反対咬合は経時的に84.9%から44.6%に減少し,上顎前突は2.5%から16.9%に増加していた.
著者
具 本榮 伊藤 憲三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.493, pp.45-50, 2002-11-30
被引用文献数
6

我々は、様々な音の洪水の中で生活しており、高度情報社会では音の種類も益々多様になって来ている。そのような状況の中で、高齢者や難聴者の人たちが家の中で生活する時に重度と思われる「音」(これをここでは生活音と呼ぶ)を聴取できないという問題がある。これに対処するシステムとしては、いくつか販売されているが、十分な性能を有していない現状にある。本報告では、高齢者や難聴者支援を目的とした生活音識別システムを提案した。提案方式は、識別したい生活音信号の特徴量を事前に登録する「事前登録方式」である。信号の特徴量は、信号パワーとFFTスペクトル特性及びLPC包絡特性とした。実験の結果、13種類の生活音を99%以上で識別できることが分かった。