著者
Takeda Sakuzo Ito Nobutaka Kasai Masato Hisanaga Takayuki 竹田 策三 伊藤 信孝 笠井 公人 久永 孝之
出版者
三重大学農学部
雑誌
三重大學農學部學術報告 = The bulletin of the Faculty of Agriculture, Mie University (ISSN:04624408)
巻号頁・発行日
vol.63, pp.229-234, 1981-12

ユーカリ油は燃料として引火点および粘度が高い。このような燃料は燃料噴射装置を有する,圧縮点火機関用燃料として有望である。本研究は,ユーカリ油,軽油を用い,Y社製水冷4サイクルディーゼル機関の出力特性を実験した。軽油中のユーカリ油混入量40%までは,機関出力,燃費率に大きな相違は認められないが,ユーカリ油混入率60%以上では低負荷時に爆発むらがみられ爆発音もやゝ高かった。2000 rpm付近までは,混合比に関係なくトルクは,ほぼ一定,それ以上ではユーカリ油混合最大なるはど数%トルクの増加が認められた。燃費率はユーカリ油混入の場合,軽油に比して大きな相違は認められない。以上を総合し,ユーカリ油の軽油中への実用的な混合割合いは20%~40%である。またユーカリ油混合割合が多くなるに従い,燃料のセタン価が低下するので,セタン価向上剤の添加が,ユーカリ油混合の場合考慮されるが、今後の実験でその効果を確かめたい。
著者
伊藤 正哉 川崎 直樹 小玉 正博
出版者
The Japanese Psychological Association
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.81, no.6, pp.560-568, 2011
被引用文献数
5

Previous research and theory (Crocker & Wolfe, 2001; Kernis, 2003) suggests that adaptive self-esteem stems from just being oneself, and is characterized by a sense of authenticity (SOA). Maladaptive self-esteem is derived from meeting external standards and social comparisons, and is characterized by a sense of superiority (SOS). Thus, the qualitative difference between SOA and SOS depends on the sources of self-esteem. We hypothesized that SOA is related to internal sources of self-esteem, while SOS is related to external sources. In order to control for covariance, global self-esteem was also examined in a questionnaire survey of self-esteem that was administered to 273 university students. The results of a partial correlation analysis showed that SOA was positively correlated with internal sources of self-esteem such as committed activities and efforts for self-development. In contrast, SOS was positively correlated with external sources of self-esteem such as approval from others and appearance. These results mainly support our hypotheses.
著者
金子 友香 徳山 博文 脇野 修 木田 可奈子 林 松彦 林 晃一 伊藤 裕
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.44, no.10, pp.1047-1052, 2011-10-28
被引用文献数
1

慢性腎不全維持血液透析中,低栄養,鉄過剰症,骨髄異形成症候群(MDS)など複数の免疫能低下に寄与する要因が重なり,メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)によるシャント感染・敗血症を契機に多発膿瘍の合併に至った症例を経験した.透析患者のシャント感染を契機に,本症例のような重症多発性化膿性膿瘍を合併することはまれであり,文献的考察を加え報告する.症例は67歳,女性.慢性糸球体腎炎を原病として,慢性腎不全の進行に伴い,1988年に血液透析導入となった.1993年骨髄穿刺の結果骨髄異形成症候群と診断され(染色体異常なし),2007年から適宜赤血球輸血を施行されていた(合計40単位).2010年1月14日血液透析施行中40度の発熱があり,両下肢痛と腰部痛が出現した.インフルエンザ迅速試験陰性で解熱鎮痛薬を処方されるも改善せず,1月19日WBC 8,600/μL,CRP 46.75mg/dLであり,精査加療目的で同日当院へ緊急入院した.Vancomycin hydrochloride(VCM),meropenem hydrate(MEPM)を開始したが,第3病日,血液培養でMSSAが検出されたため,第4病日からcefazolin sodium(CEZ)へ変更した.Gaシンチグラフィ,MRI,CTなど各種画像検査および眼科検査で,シャント部皮下膿瘍,腰部硬膜外膿瘍,腰部脊椎炎・椎間板炎,多発化膿性関節炎,腰部化膿性筋炎・傍脊柱筋筋肉内膿瘍,多発性細菌性肺塞栓,右眼内炎が認められ,シャント皮下膿瘍から播種性に全身膿瘍をきたしたと考えられた.CEZを継続したところ,血液培養は陰性化し,各感染巣は縮小,消失した.本症例は維持透析,MDS,低栄養,鉄過剰症などのさまざまな易感染性の要素を有していたため,非常にまれな重症多発性感染巣が形成されたと考えられた.このような複数の易感染傾向を有する患者では特に日常の感染対策が必須である.今後,易感染性の末期腎不全患者の増加が見込まれるが,感染症の予防という点から,感染のリスク要因を極力排除し,症状出現時における早急な検査,診断を進めることが重要である.
著者
伊藤 公一 呉 孟憲 関川 博志 蓮野 茂夫
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.78-83, 1994-01-20

短波放送用カーテンアンテナには広帯域な周波数特性が要求される.また, 設置状況により, 反射スクリーンの両側にアンテナを配置して使用する場合が多い.さらに, 同時に両方向にビームを放射することが検討されている.本論文は, 放射素子として従来用いられている反射スクリーン付折返しダイポールアンテナに関して, モーメント法を用いて周波数帯域およびダイポール間の相互結合に関する検討を行う.最初に, カーテンアンテナおよび折返しダイポールアンテナの基本構成を示す.次に, 広帯域化のため, 複数のワイヤからなる折返しダイポール素子の構造および計算結果を示し, そのアンテナ構造および反射スクリーン付加による周波数帯域の改善効果を示す.次に, スクリーン両側に配置したダイポール間の相互結合の計算結果を示し, ダイポール間の相互結合および反射スクリーンの構造が放射パターンに与える影響を明らかにする.これらの結果は, カーテンアンテナの設計に関する基礎資料となり得る.
著者
有賀 浩子 河西 秀 野池 輝匡 小池 秀夫 伊藤 敦子
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.88-91, 2002
被引用文献数
7

症例は73歳の男性.脳梗塞, 不整脈と肺癌手術の既往あり.2000年1月16日に突然腹痛と嘔吐が出現し急性腹症として内科緊急入院となり, 翌日腹膜刺激症状が出現したため外科紹介とされた.疼痛のため顔面は苦悶状, 腹部はやや膨隆していたが柔らかく下腹部中心に強い圧痛と自発痛があるが腹膜刺激症状は軽度であった.入院時に撮影した腹部CT検査で腸間膜血管内に樹枝状のガス像を認めたため, 門脈内にガス像はなかったが門脈ガス血症と同様の状態であると判断し, 既往歴および現症から腸間膜動脈閉塞症による腸管壊死と判断し, 緊急手術を施行した.開腹すると腹腔内に膿性腹水を中等量認め, 腸管はトライツ靭帯50cm肛門側空腸からバウヒン弁の10cm口側回腸まで壊死していたため, 壊死部切除とドレナージを施行した.術前推測しえた腸間膜動脈閉塞症により小腸壊死の1例を経験したので報告する.
著者
成瀬 廉二 秋田谷 英次 西村 浩一 白岩 孝行 山口 悟 須澤 啓一 天見 正和 伊藤 陽一 根本 征樹
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科学 物理篇 資料集 (ISSN:03853683)
巻号頁・発行日
no.55, pp.13-26, 1996
被引用文献数
1

1996年2月下旬に,北海道内広域の58地点にて積雪調査を行った。測定項目は,積雪深,積雪水量,層位・雪質・粒径,ラム硬度,雪温である。同年冬期は,札幌を中心とした日本海側では記録的な大雪であり,一方北海道東部は平年より少雪であった。全層平均密度と全層平均ラム硬度は,積雪量が多い北海道西部で高い値を,積雪量が少なく「しもざらめ雪」が顕著な東部で低い値を示した。
著者
原 聖樹 岩重 力 伊藤 哲夫
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.65-68, 1974-08-01

Catopsilia scylla (Linnaeus)は,♂ の前翅が純白色,後翅は橙黄色,♀は前翅乳白色,後翅暗黄色で,表面前後翅の対照があざやかな美しいシロチョウである.分布は,南ビルマからマレイ半島・マレイ群島をへてフィリピン・オーストラリアにおよんでいる.Corbet&Pendlebury (1947)によれば,ボルネオ島から未知であったが,1968年8月に森下和彦氏がサバ州Inanam(海岸線平野部)で2♂♂を採集され,この島にも分布していることが明らかになった(森下,1970).1972年12月26日〜73年1月10日,筆者らは昆虫調査団を編成してボルネオ島北東部のサバ州(マレーシア領)でキナバルカンアオイ?の探索を行なったが,その際多数の本種を目撃し,同地ではけっして珍しいものではないことを確認できた.普通種ながら分布上の問題を含む種のように考えられるので,とりあえず問題提起の意味をかねてその概要を報告しておく.
著者
伊藤 泰男
出版者
放射化分析研究会
雑誌
放射化分析
巻号頁・発行日
no.13, pp.70-85, 2002-02

核分裂とその制御機構を学習・研究する道具としての研究炉の役割は初期に比べれば相対的に小さくなっているものの、原子力の恩恵が社会に広く行き渡り、その持続可能性を確保することが新たな課題となっている現在、研究炉による実体験をもって原子力や放射線を理解することが原子力利用社会を構成する多くの人に必要になっている。さらに、研究炉は理工学研究や産業・民生にも役立っているし、原子力利用の一層の展開のために高度な研究炉開発も必要である。しかしながら、研究炉の維持が多くの困難を抱えている現在、研究炉を望ましい形で保持していくことはほとんど不可能になっている。研究炉の困難の背景には、その維持・管理全てに関わることを設置者の責任とする現在の法体系があるが、使用済み燃料の処理・処分が根幹的な問題として浮上している。使用済み燃料の処理・処分の方策が立てられないと研究炉の存立はあり得ず、研究炉の存立がなければ健全な原子力利用社会は持続しないと云って良い。使用済み燃料の処理・処分は設置者の一存で対応出来ないから、必ず国の指導と支援の元に適切な方策が立てられなければならない。しかしながら、なぜ研究炉がなければならないのかが明らかにされないと、研究炉の諸困難と使用済み燃料の処理・処分問題の解決への訴えも説得力を欠く。本稿で研究炉の意義をやや詳細に記述している意図はここにある。研究炉の位置づけについてのこのような視点から、我々は研究炉問題に全日本的視野で取り組むべく、研究炉間の連絡・提携・支援・利用促進を目的とする「研究炉機構」の必要性を訴えてきた。しかし、その実現には時間を要する。そこで半歩退いて、現有炉の一部特に私大炉が利用出来なくなりつつある一方で、原子力教育を立て直す必要性については社会の合意が成立しやすい状況をにらんで、先ずは研究炉による実体験教育を中心とする「原子力教育センター」を設立することを改めて提案している。
著者
井口 亮 伊藤 基之 玉野 真司 横田 和彦 秋野 詔夫
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集 : JSME annual meeting
巻号頁・発行日
vol.2004, no.2, pp.319-320, 2004-09-04

The purpose of this research is to develop a new technique for the turbulent drag reduction as the passive control. The pressure loss of three kinds of seal fur (Ribbon, Spotted and Harp seals) and an electret nonwoven fabric surfaces was measured in the channel flow using the water and glycerol-water (40 wt%). The data was compared with those of smooth and riblet surface. The drag reduction could be obtained for all kinds of seal fur surfaces; it was estimated to be 11.5 % on ribbon seal, 9.5 % on spotted seal and 3.5 % on harp seal for glycerol-water, while the drag reduction was not achieved for the electret nonwoven fabric surface.
著者
伊藤 雅人 福添 孝明 水戸 大輔 渡邊 睦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.88, pp.145-152, 2005-09-06
被引用文献数
1

人物追跡中の複数テンプレートの挙動を解析することにより,現在の状態(安定追跡中,環境物体による遮蔽,人物同士のすれ違い,立ち止まり静止,着席)を推定し,この結果に基づいて安定な追跡を実現する手法について述べる.個々のテンプレートにはカルマンフィルタによる線形予測機能を付与し,また探索範囲などを相互に制約するように設計した.本提案方式をPC上のソフトウェアとして実装し,アクティブカメラを用いて屋内における特定人物追跡の実験を行い,有効性を確認した.The authors propose a new tracking method based on the estimation of current status,such as,"stable tracking" "occlusion by environmental object" "passing each other" "stopping" "seating" by analysing multi-template trajectories.The alignment prediction function by the Kalman filter is given to each template, and search ranges of each template are mutually restricted. This proposed method was implemented as software on PC. Experimental results of specific person tracking in indoor by using an active camera have shown the effectiveness of the proposed method.
著者
伊藤 理絵
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究
巻号頁・発行日
no.19, pp.122-127, 2012-07-21

笑いに関する質問紙調査を通して、大学生および大学院生(以下、大学生)における笑いの性差について検討した。24の質問について、19歳〜25歳の大学生108名(男性50名,女性58名)の回答を分析、比較した。6男性の平均年齢は20.82歳(SD=1.38)、女性の平均年齢は20.43歳(SD=0.62)であった。その結果、女性は男性よりも、人をバカにする笑いを好ましく思っていなかった。また、女性は、笑うことは健康につながると思っており、「笑い」を色に例えると暖色系だと感じる傾向がみられた。一方、男性は、異性を笑わせたいと思う欲求が女性よりも強いという結果が示された。本調査は、大学生という発達段階の一部の対象者を取り上げた結果ではあるが、笑いやユーモアの研究を進めるにあたっては、対象者の男女構成比に配慮し、得られた結果についても性差の影響を考慮に入れる必要性が示唆された。
著者
伊藤圭介 編
出版者
巻号頁・発行日
vol.[8],
著者
入江 忠信 金古 善明 中島 忠 斉藤 章宏 太田 昌樹 加藤 寿光 飯島 貴史 八木 宏明 富田 智之 間仁田 守 伊藤 敏夫 倉林 正彦
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.239-244, 2010 (Released:2011-12-20)
参考文献数
9

症例は73歳, 女性. 2008年11月から, 息苦しさ, 顔面, 下肢の浮腫が出現した. 入院時心電図は心拍数42/分, 2対1房室ブロック, QRS幅90ms, 胸部写真にてCTR 55%, 肺血管陰影の増強あり, 正常冠動脈, 左室収縮能は良好で, 徐脈によるうっ血性不全と診断した. 血清カリウム値2.6mEq/Lと低下していたため, カリウム製剤の投与を開始した. 入院直後のホルター心電図では, 完全房室ブロック, Mobitz II型第2度房室ブロックも認めた. 第2病日には第2度以上の房室ブロックは消失した. 第5病日には血清カリウム値は正常化し, 以後低カリウム血症の再燃はなかった. 低カリウム血症をきたす内分泌・腎疾患を認めず, 原因は不明であった. 電気生理学的検査にて洞調律時に分裂ヒス電位を認め, ピルジカイニド25mg投与後に2対1ヒス束内ブロックとなり, ヒス束内伝導障害を認めた. 房室結節伝導は正常であった, ペースメーカーの適応については, 房室ブロックに対する低カリウム血症の関与の有無にかかわらず, ヒス束内伝導障害があるためclass IIaの適応と考え, 永久的ペースメーカーの植え込みを行った. 本例は, もともとヒス束内伝導障害があるうえに, 低カリウム血症によりヒス束の不応期の延長あるいは第4相の過分極をきたし房室ブロックをきたしたと推測した.
著者
伊藤嘉夫 [ほか] 編
出版者
明治書院
巻号頁・発行日
1962