著者
川上 宏之 天倉 吉章 堤 智昭 佐々木 久美子 池津 鮎美 稲崎 端恵 久保田 恵美 豊田 正武
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.258-263, 2010
被引用文献数
2

天然/畜養クロマグロおよび畜養ミナミマグロの赤身,中トロおよび大トロのダイオキシン類および総水銀を分析し,部位,畜養/天然および種差について検討した.検討の結果,ダイオキシン類濃度は,脂質含有量との間に正の相関が見られ,部位別濃度は赤身<中トロ<大トロであった.クロマグロは,畜養と天然産で差がなく,畜養ミナミマグロに対して約2~10倍ほど高い値を示した.総水銀濃度は,脂質含有量との間に負の相関を示し,部位別濃度は赤身>中トロ>大トロであった.畜養クロマグロの総水銀濃度は,天然産と同レベルの蓄積であったが,畜養ミナミマグロの約2~3倍高い値を示した.
著者
江藤 寛子 佐々木 ノピア
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.92, no.2, pp.88-92, 2010
被引用文献数
4

近年, 温室効果ガス削減対策の一つとして, 再生可能エネルギーであるバイオマスの利用が注目されている。本稿では, 木質バイオマス利用による発電に着目し, 発電量が堅調に増加傾向である欧州各国 (ドイツ・スウェーデン・オーストリア・イタリア) における, 再生可能エネルギー政策に関する分析を行い, 木質バイオマス利用促進のために, 日本が導入するべき政策の検討を行うことを目的としている。分析の結果, 欧州各国の共通する政策として, 電力市場の全面自由化, 再生可能エネルギー利用による電力を優遇固定価格で買い取る制度, 優遇税制措置が導入されており, 木質バイオマス発電量が増加している。一方, 日本においては, 欧州と比較して, 木質バイオマス利用における促進政策が十分ではなく, 木質バイオマス発電が普及していないと考えられるため, 実質的な優遇制度の導入が必要であると考える。
著者
佐々木 陽子
出版者
関東社会学会
雑誌
年報社会学論集 (ISSN:09194363)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.17, pp.36-47, 2004-08-10 (Released:2010-04-21)
参考文献数
42

This report suggests that reexamining draft evasion in the past carries some meaning for the present. For example, there is a pitfall in characterizing conscience-driven draft evasions based on religion or ideology as superior to draft evasion based on a fear of death. Draft evasion was one of the concealed problems in the postwar period. During the 15-year war, draft evaders were viewed as unpatriotic cowards who treasured their lives when the number of war causalities increased. In fact, it was the individual “egoism” of these evaders that the totalitarian state wished to eliminate. The issue of draft evasion still exists today as a clue to the investigation of the “Conflict between the individual and the nation” in the context of human lives.
著者
當間 孝子 宮城 一郎 比嘉 由紀子 岡沢 孝雄 佐々木 均
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.65-71, 2005
参考文献数
22
被引用文献数
2 29

2004年6月12-18日に, 琉球列島の西表島の森林地帯の2ヵ所で, 蛙の声をCDプレイヤーで鳴らし, 直ぐ近くにCDCライトトラップを設置し蚊類を採集した.第一地点で合計777個体, 2地点で257個体のハエ目の昆虫が採集された.それらのうち, 次の4種の吸血性昆虫(雌)が両地点で目立って多く採集された.マックファレンチビカは第一地点で580個体(74.6%), 第二地点で193 (75.1), ヤエヤマカニアナチビカ19(2.4)と27 (10.5), ヤマトケヨソイカ106 (13.6)と20(7.8), また, ルソンコブハシカが第一地点のみで39個体(5.0%)が採集された.これらの蚊にケージ内でヌマガエルを暴露すると, 吸血行動が見られ, 多くの個体が吸血した.このことからこれらの蚊は自然界でカエルの鳴き声に誘引され, 吸血していると思われる.
著者
佐々木 孝浩
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.20-30, 1994-07-10 (Released:2017-08-01)

鎌倉時代の文永年中(一二六四〜一二七六)に、天台座主澄覚と後鳥羽院女房二条局が勧進した、後鳥羽院忌日(二月二十二日)の追善影供和歌会について考察する。後鳥羽院孫澄覚が歌人であったこと、二条局が隠岐に供奉した坊門信清女西御方であることを確認し、両者が用いた後鳥羽院画像についても検討。この後鳥羽院影供が、忌日に催された影供歌会の初例であったことの、影供史上での意義と役割を述べる。
著者
川上 宏之 天倉 吉章 堤 智昭 佐々木 久美子 池津 鮎美 稲崎 端恵 久保田 恵美 豊田 正武
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.258-263, 2010-10-25 (Released:2010-11-06)
参考文献数
18
被引用文献数
2

天然/畜養クロマグロおよび畜養ミナミマグロの赤身,中トロおよび大トロのダイオキシン類および総水銀を分析し,部位,畜養/天然および種差について検討した.検討の結果,ダイオキシン類濃度は,脂質含有量との間に正の相関が見られ,部位別濃度は赤身<中トロ<大トロであった.クロマグロは,畜養と天然産で差がなく,畜養ミナミマグロに対して約2~10倍ほど高い値を示した.総水銀濃度は,脂質含有量との間に負の相関を示し,部位別濃度は赤身>中トロ>大トロであった.畜養クロマグロの総水銀濃度は,天然産と同レベルの蓄積であったが,畜養ミナミマグロの約2~3倍高い値を示した.
著者
月村 辰雄 中川 久定 葛西 康徳 川中子 義勝 中川 純男 佐々木 あや乃 多賀 茂 羽田 正 月村 辰雄 松浦 純
出版者
東京大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
1999

本研究は,古典の受容に関してもっとも重要なファクターであると考えられる古典教育について,現代,世界の各地域でどのように意義づけられ,どのように教えられ,かつそれぞれの文明圏にどのような効果を及ぼしているのかを,内外の研究者を招いて共同討義によって明らかにし,その上でさらに考察を深めようとしたものである。本年度は4名の研究者を講演に招いた。その結果,近代の古典学の源流の一つともいえるベルリン大学における古典教育の具体像,近現代を通じて200年以上も古典研究のエリート層育成に力があったフランスのコンクール・ジェネラルというシステム,が明らかとなった。また,ホメロス以来の光輝ある古典の伝統と現代ギリシア語による一般大衆教育との鋭い対立という問題を抱えるギリシアの実情報告は,古典教育の持つマイナス面に対する意識を新たにさせた。(これは今後の検討課題である。)以上のより詳細な内容は,特定領域研究「古典学の再構築」研究成果報告書第7分冊,B03調整班報告書において発表される。
著者
滝澤 旭 佐々木 文雄 大沢 伸孝 奥田 舜治
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.204-209, 2018-03-25 (Released:2018-03-27)
参考文献数
18

我々は簡易紫外線ランプ(ブラックライト)を用いた方法で12種類の尿中蛍光物質を検出,確認した。今回,ろ紙を使った蛍光スポットテスト及び薄層クロマトグラフィー(TLC)分離により,さらに12種類の蛍光物質を検出,確認した。今回使用したブラックライトの主励起波長は350 nm,370 nmであるが,300 nm以下の紫外線も放出しており,300 nm以下に励起波長を持つ蛍光物質の検出が可能であった。ろ紙を使った蛍光スポットテスト及びTLC分離により,アミノ酸(トリプトファン,ヒスチジン),フラビン化合物(FMN, FAD),芳香族アミノ酸代謝物(ゲンチジン酸,トリプタミン,セロトニン,5-ヒドロキシインドール酢酸,スカトール,インドール),ヘモグロビン代謝物(コプロポルフィリン,ウロビリン)など12種類の蛍光物質を尿中に検出,確認した。
著者
蓑原 美奈恵 伊藤 宜則 大谷 元彦 佐々木 隆一郎 青木 國雄
出版者
The Japanese Society for Hygiene
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.607-615, 1988-06-05 (Released:2009-02-17)
参考文献数
21
被引用文献数
7 2

一地域住民38歳∼84歳の924名のうち,味質脱失者19名を除いた905名を対象とし,滴下法を用いて味覚検査を行った。味質は甘味:精製白糖,塩味:塩化ナトリウム,酸味:酒石酸,苦味:塩酸キニーネの4種に限定し,以下の結果をえた。味覚識別能は4基本味質のいずれも,女性が男性より敏感に識別していた。また,男女とも味覚識別能検査値は,70歳代で最も鈍化し,80歳代ではやや敏感になる傾向など,加齢による変化を認めた。また,総入歯群と義歯なし群や部分入歯群とを比較したが,義歯の状態による味覚識別能に対する影響は認めなかった。喫煙による味覚識別能の影響は,喫煙量(本/日)の増加にともない,男女とも味覚識別能が鈍くなる傾向にあり,味覚識別能における性差は無くなった。塩味,酸味の識別能は喫煙量の増加にともない,男性が女性より敏感に識別し,性差が逆転したが,喫煙量の増加に従い鈍化する傾向は一致した。さらに,味覚識別能に影響を認めた性,年齢を考慮した多変量解析を行った結果,喫煙量の増加にともない味覚識別能は鈍くなる量-反応関係が明らかとなった。その影響の強さは,苦味,酸味,塩味,甘味の順であった。
著者
薛 玉婷 郷原 皓彦 佐々木 恭志郎 山田 祐樹
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.360-375, 2017-11-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
69
被引用文献数
1

Onomatopoeiae alter perception of a visual stimulus. Given that language affects emotional processing of visual stimuli and visual textures with high viscocity are perceived disgusting, the present study investigated whether onomatopoeiae that represent viscocity modulate disgust for visual textures. We presented a mimetic word a kind of onomatopoeiae simultaneously with a visual texture, and asked observers to rate disgustingness of the texture visually (Experiments 1, 3, and 4) or auditorily (Experiment 5). Three Japanese mimetic words (betobeto, sarasara, and reherehe) were used for representing high, low, and no viscocities, respectively. The results in Experiments 1,3, and 5 commonly showed that in Japanese observers the rated disgustingness was significantly modulated by the mimetic words. However, the effect was not observed in Chinese observers (Experiment 4). Moreover, Experiment 2 showed that the mimetic words also modulated apparent moistness of the textures. Lastly, Experiment 6 revealed that the mimetic words modulated the disgustingness of the texture within a temporal window of around 1800 ms. The present findings suggest that sound symbolism of onomatopoeiae is integrated with stimulus information that induces disgust regardless of modality.
著者
佐々木 孝浩
出版者
慶應義塾大学附属研究所斯道文庫
雑誌
斯道文庫論集 (ISSN:05597927)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.165-200, 2006

はじめに一 従来の学説二 従来説への疑問三 問題点の再検討四 大島本の奥書五 大島本の親本六 藤本氏説の再検討おわりに