著者
林 泰弘 松木 純也 佐藤 和久 得能 裕子
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. B, 電力・エネルギー部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. B, A publication of Power and Energy Society (ISSN:03854213)
巻号頁・発行日
vol.123, no.10, pp.1172-1179, 2003-10-01
被引用文献数
1

Local power systems (66kV) are served from the 275kV or 154kV substations. In order to maintain power supply reliability, the transmission lines are connected to several substations, and the operational configuration is radial. Since practical local power system has a number of transmission lines, many configuration candidates occur. It is expected to effectively evaluate these configuration candidates from various viewpoints such as reliability of power supply, transmission loss and so on. In this paper, the authors propose a multi objective evaluation method by using deterministic and probabilistic approaches for local power system configuration. In the proposed multi objective evaluation method, after selecting system configuration candidates which satisfy N-1 security by using an optimization method based on Boolean function, these candidates are evaluated from viewpoints of expected outage time, transmission loss and facility operation rate. In order to check the validity of the proposed method, numerical results are shown for a practical local system model with about 39 × 10<SUP>27</SUP> configuration
著者
佐藤 大介
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、近世から近代移行期の奥羽両国における地域間交流を、地元に残された古文書史料の調査分析を通じて解明した。その結果、これまで存在が確認されていなかった新たな峠道の整備事例を確認し、その動きが地域のリーダー層を中心に国境や領主支配領域を超えた地域間連携によって実現していたことを明らかにした。さらに、このような民間の交通網整備が明治初年の東北地方の運輸政策の直接の前提となったことを解明した。
著者
立岡 浩 林 紘一郎 山崎 茂雄 高 榮洙 梅村 修 福冨 忠和 牛木 理一 大角 玉樹 佐藤 薫 岩瀬 真央美 雑賀 忠宏 杉田 このみ 上田 学 家島 明彦 山口 芳香
出版者
花園大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、映像コンテンツ産業におけるNPO(非営利組織)と、NPO・行政・企業・住民の複数利害関係者の参加によるPPP(公民協働事業体)及びその支援機関にかかる、権利・契約管理及び関連する振興政策と協働経営、そしてこれらの評価システムについて、産業ビジネス観・文化芸術観・社会エンパワメント観という3つの世界観及びそれらの調和バランスとを関係づけながら、理論と実証の両面から総合的多角的に解明する国際比較研究として行ったものである。
著者
佐藤 容子
出版者
宮崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

まず、宮崎県内でのLD児についての理解の浸透を図って、学校単位での講義や全県規模での教員対象の講義を行った。同じ教員に複数回の講義をした。また、保護者にも、地域ごとに、LDについての講話を行った。その上で、公立の大規模小学校1校と中規模小学校3校(児童数合計2,230名)に対して、PRSを用いたLD児のスクリーニングを行った。抽出された児童にWISC-III、K-ABC、DAMなどの検査を行い、67名のLD児が確認された。出現率は約3%であった。次に、これらのLD児について、彼らの学級での仲間関係と適応感を査定するために、自己報告による孤独感尺度、社会的コンピテンス尺度、社会的スキル尺度、そして、学級における人気投票を行った。また、担任教師には、子どもの社会的スキルと学校への適応状況について評価してもらった。その結果、LD児は健常児に比べて孤独感が強く、社会的コンピテンスは低く、向社会的スキルが少なく、外面化問題行動と内面化問題行動が多かった。仲間からの人気度も明らかに低かった。教師評価でも、LD児の社会的スキルは低く、学校への適応度も低かった。そこで、小学校2年生と3年生の学習障害児をターゲットにして、3週間にわたって、文脈論モデルに基づいて、学校ベースのソーシャルスキル・トレーニングを実施した。ターゲット・スキルは、「上手な聞き方」、「仲間への言葉かけ」、「集団活動への入り方」であった。トレーニングの結果、ターゲット児だけでなく、学級の仲間達も、孤独感と外面化問題行動、内面化問題行動は低下し、向社会的スキルが増加した。さらに、トレーニングの維持効果をみるために、1年後に再び、ベースライン時と同じ査定を行った。その結果、トレーニング効果は比較的よく維持されていることが明らかになった。
著者
北村 歳治 吉村 作治 佐藤 次高 山崎 芳男 店田 廣文 長谷川 奏
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2003

本研究は、イスラム社会の変動を科学技術の視点から分析することを目的とする。具体的には、1)イスラム世界を歴史と現代に至る技術革新の流れの中で概観し、2)IT等の科学技術がもたらす「一様化」と個別化がもたらす「多様化」の双方からイスラムの社会経済・文化の問題を分析する。1)では、マムルーク朝の文献資料を基に農業分野の技術革新を分析し、エジプトが砂糖産出国に変貌していった過程に焦点をあて、イスラム文化が実践性と受容性に富んでいる背景を明らかにした。また、今日のイスラム系のウェブサイトが英語とアラビア語を駆使して双方向性のコミュニケーションに成功している事実を明らかにした。2)では、イスラム地域でのワークショップやフィールド調査等を通じて、以下の成果を得た。(1)経済・ビジネス関連:民主化推進派と保守強硬派がせめぎあう中で、科学技術を意識した湾岸諸国は、石油依存経済からの脱却と産業の多角化を進め東アジア等との経済関係を強化したが、イスラム地域全体としては取組みが停滞している点、トルコでは経済改革を通じEU加盟を現実化させる方向に進んでいることが逆に西欧キリスト教国に対しイスラム的努力をどれだけ受容できるのかという新たな問題を提起した点、また、イスラム金融が東アジアの金融取引において看過できない動きとなっている点等を明らかにした。(2)情報・技術関連:ITの進展とともに、インターネットが過激派のサイバー・テロ手段となる傾向も顕著となった点を具体的に捉えた。(3)社会・文化関連:エジプトでは、電子化政策の推進が文化財保護行政にプラスしている点、東南アジアでは、インドネシアのユドヨノ政権の成立過程でイスラム団体を含む民主化勢力の貢献が見られた点、マレーシアでは海外からの投資を梃子にした人材育成やハイテク産業の育成及び中等教育に主眼を置いた教育体系も科学技術と経営を重視してきた点等を明らかにした。
著者
香川 眞 佐藤 克繁 八田 正信 天野 栄一
出版者
流通経済大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

北海道ダウン・ザ・テッシ-オ-ペツ調査では、以下の点が観測された。当初、数人の仲間から始まった私的イベントが、その拡大に連れ、公的な色彩を帯び、全国レベルに拡大した。1998年度に全日本大会に成長し、2002年度には北海道新聞の支援の下、4日間で一気に100マイルを下る大規模なイベントに変化してきた。出発は手づくりカナディアンカヌーを製作した仲間という人間関係から始まり、流域地域に戻ってのカヌークラブ設立、個別カヌークラブの長が所属する広域カヌークラブ北海道カナディアンカヌークラブという構造から、当初の人間関係に基づく内実が失われ、現在まさにイベント集団分裂とイベント自体の再構成についての問い直しをしている。また、イベントが大規模になるにつれて、イベント集団と参加者の間に開きが出てきており、イベント集団の一部にはイベント自体の開催を危ぶむ事まで出てきている。これを回避するために、これまでの土着な人間関係のみに基づく集団から、NPO組織へ移行することにより、土着な関係からより強固な組織作りを目指している。また、高齢者・障害者の研究からは、養護学校の学生の修学旅行や、地元NPO法人の試みである「障害者のスポーツフェスティバル」、「障害者の海外旅行」を題材に、高齢者、障害者と健常者間の人間関係、とくに「生活への援助」の視点を超え、「遊びへの援助」の視点が、介助をする健常者、またイベント開催者側に芽生えつつある。
著者
二通 信子 大島 弥生 佐藤 勢紀子 因 京子 山本 富美子
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

学術的な論文の論述プロセスを、研究行動の表現としての論文の構成要素の出現情況に着目して分野横断的に分析することによって、分野を超えた論文のタイプの類型化を行った。同時に、論文の各構成要素を形成する表現を抽出した。さらに、レポート・論文の構想段階のプロセスに沿った指導法を提案した。これらの成果をもとに、幅広い分野の学生が、論じる行為への理解を深め、レポート・論文に使われる文型や表現を学ぶための教材(『留学生と日本人学生のためのレポート・論文表現ハンドブック』)を開発した。
著者
佐藤 忍
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

中東における建設ブームが生み出した海外雇用の機会は、資産形成の点でも、職業上の地位においても、魅力的な選択肢であり、国内における労働力利用率が3人に2人と低いフィリピンにとって、いわば千載一遇のチャンスであった。有力な後盾に恵まれた渡航チャンネルをもつ者のみが、この機会を享受しえた。1980年にはじまるフィリピン国内の経済危機は、海外雇用による外貨獲得を国際収支の救済策として浮上させた。すなわち、労働力輸出の開始である。1982年におけるフィリピン海外雇用庁創設は、その制度的な表現である。労働力輸出の本格化は、海外雇用の魅力が低下する過程でもあった。海外雇用は、生活維持のためのきわめて現実的な選択として一般化したのである。賃金水準は低下し、雇用期間は短縮した。73年時点で13万人にすぎなかった海外渡航者は、83年には40万人、91年には63万人へと雪だるま式に膨らんだ。渡航チャンネルをもたない者は、不正規のルートを開拓した。中東以外の渡航先として東、東南アジアの比重が高まった。同時に、海外雇用の女性化が進展した。海外雇用は、いまや2つのタイプに分極化している。船員、看護婦等の専門職種は、賃金水準や斡旋経費の負担といった点で、いまなお魅力を保持している。渡航者のおよそ3人に一人がこのタイプに属する。労働力輸出によって生み出された新型職種として、エンタテナ-やメイドといった不安定職種がある。渡航者の3人に一人を占めるまでになっている。不安定職種の危険性は、労働者保護への政策的な取り組みの緊要性をフィリピン政府に痛感させた。労働力輸出は、フィリピン経済の危機によって本格化し、海外雇用の変質と分極化とをもたらしたのである。
著者
与謝野 有紀 林 直保子 都築 一治 三隅 一百 岩間 暁子 佐藤 嘉倫
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究は、経済資本、人的資本、文化資本に続く第4の資本としての社会関係資本の形成プロセスと機能について、社会的諸資源、近隣ネットワークや社会参加といったライフスタイルとの関連で理論的、実証的に明らかにしようとするものである。手法としては、質問紙調査、実験、コンピュータ・シミュレーション、フィールドワークをもちいた。また、2004年1月に面接調査法による調査を行い、ランダムにサンプル1000ケースに対して707ケースの回収をみた。日本での社会関係資本に関する本格的な面接調査は本調査が最初であり、日本の社会関係資本の状況を知る上での基礎データを提供するとともに、他の手法と補完しながら、以下の知見を最終的に得た。(1)社会関係資本の主要素として一般的信頼感に焦点を絞って解析した結果、信頼の生成メカニズムに関する現行の主要理論(「信頼の解き放ち理論」)のプロセスは、日本では一切確認されない(2)一般的信頼感の生成のためには、近隣ネットワーク、自主的な参加を前提とするクラブへの参加など、中間集団に対するコミットメント関係の形成が重要であり、これらの中間集団において醸成された個別的な信頼感は、他者一般に対する信頼感を形成する重要な基礎となる。また、この知見は共分散構造分析によるデータ解析とコンピュータ・シミュレーションによって同時に確認されており、頑健性が高い。(3)社会関係資本の形成のための投資と回収のプロセスを「社会関係基盤」概念を提出することで定式化し、さらに近畿調査データを用いて、この点を実証し、社会関係資本のセーフティーネットとしての機能と階層固定化機能の両者を確認した。(4)社会関係基盤については、フィールドワークからも投資、回収概念の高い適用可能性が確認された。これらの研究成果については、論文、著書のほか、日独先端科学技術会議(学術振興会・フンボルト財団共催)や本研究を中心に企画された第39回数理社会学会シンポジウムで報告されている。
著者
佐藤 尚子 岡田 亜矢 江原 裕美 内海 成治 大林 正昭 黒田 一雄 横関 祐見子 織田 由紀子
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1999

1.女子教育の問題は、その社会におけるジェンダーのありようと深く関係していることを明らかにした。たとえば、ジェンダーギャップの少ないと言われているブラジルにおいても、女子教育の現状は問題がある。ジェンダー概念は文化の深層に根ざすため、微妙な形で表出するからである。女子教育の発展はジェンダー規範と関係があり、ジェンダー規範はそれぞれの地域や民族の文化と深い関係がある。しかし、イニシエーションや早婚など女子教育を阻害する民族的文化的背景を絶対視する必要はない。近代中国において女子の伝統であった纏足が消滅した例があるからである。2.女子教育を促進または阻害する文化のもつ意味は重大であるが、しかし、本研究は、題目にあるとおり、現在の文化的要因を越えて「社会経済開発」を考えようとした。たとえば、フィリピンでは、識字率、就学率、最終学年への到達率、教育の理解度などで性別格差がみられないと報告されている。しかし、フィリピンはまだ途上国経済から脱していない。女性と女子教育が社会経済開発に強い役割を持つことが重要である。経済開発に対する教育の貢献度を男女別で量的に比較することは困難であるし、女子教育と経済開発の関係性は複雑でもあるが、社会経済開発における女子教育の有用性については強い相関関係がある。日本でもナショナリズムの台頭時期に主に社会開発の視点から女子教育が普及した。インドでは女子教育は階層間格差によって増幅され、重層的な格差の構造を形成している。この構造を破るものは、目に見える形で社会経済開発と女子教育が結びつくことである。3.単なる人権・倫理的視点からの女子教育振興ではなく、社会経済開発という視点を入れた女子教育振興こそ、発展途上国の女子教育を成功に導くものとなると思われる。
著者
薩摩 雅登 竹内 順一 稲葉 政満 薩摩 雅登 横溝 廣子 古田 亮 佐藤 真実子 松村 智郁子 竹内 順一
出版者
東京芸術大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

東京藝術大学大学美術館では、明治期の音楽録音資料・蝋管を212本所蔵している。しかしながら、経年変化とカビにより保存状態が悪く、音楽資料としての価値を失いつつある。そのため、その保存体制として、アモルデン水溶液による蝋管の洗浄、収納棚やトランクの薫蒸、針接触方式のデジタル再録音機・アーキフォン(Archeophone)により124本の音源の再録音を行った。また、蝋管の基礎調査として、国内や海外の各機関や個人コレクターを対象としたアンケート調査および実地調査にて、収蔵環境や音源のデジタル化、蝋管の公開の手法、関連する最先端の情報を収集した。さらに、明治期の蝋管や蓄音機に関する新聞記事および広告を調査し、当時の社会状況を把握した。現在に至るまで断片的な研究しか行われていなかったが、本研究において、蝋管に関する情報を集約した。
著者
金子 昌生 岡和田 健敏 高井 通勝 佐藤 一雄 田中 博 高橋 元一郎 宮崎 洋二郎 深谷 哲昭 小山 照夫 内藤 真明
出版者
浜松医科大学
雑誌
一般研究(A)
巻号頁・発行日
1986

本研究は、デジタル画像の圧縮・蓄積・転送など、画像の持つ情報管理の一面があり、アナログ情報をデジタル化して保管する方法を模索する研究も含まれている。4年間の研究期間中に、この分野の電子工学的発展はめざましく、研究のカバ-すべき範囲が広いため、X線撮影時からデジタル化される Computed Radiography(CR)は紹介するだけに留めた。従来から取り組んできたフィルムのアナログ的な保管方法であるマイクロ化システムを、いかにして効率よくデジタル化して活用するかについて新知見を得た。すなわち、テレビ・カメラのレンズ系をズ-ミングによりマイクロ・フィルム情報を直接拡大して電気信号に変換し、A/Dコンバ-タ-によりデジタル化する方法を開発した。CCD方式とレ-ザ-・スキャン方式のデジタル化も基礎的臨床的に比較検討した。デジタル画像の読影、報告書作製に関する適合性を評価するため、読影結果のレポ-ト作製の方法を比較検討するとともに、音声入力の方法の有用性を実際にテストした。Radiology Information System(RIS)の一環として放射線オ-ダリングやリファリングを実現させる反面で、その見返りとしてのレポ-ティングはやはりデジタル情報としてコミュニケ-ションされるべきであろう。しかし、有用なレポ-ト作製には臨床医から充分な臨床情報を得ることが必須条件である。このためのRISの臨床情報伝達ソフトウェア開発を行っているところである。画像管理・保管と読影業務すべてを包含するTotal Information System(TIS)をより高度化するために、実現可能性の高いMini-PACSやCase Information System(CIS)を実現させ、理想的なImage Management and Communication Systems(IMACS)を完成させるべきバック・グラウンドを研究した。