著者
佐藤 大介
出版者
日本アーカイブズ学会
雑誌
アーカイブズ学研究 (ISSN:1349578X)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.5-22, 2012

<p>宮城資料ネットは、2003年7月の宮城県北部での連続直下型地震を契機に発足した。地域の歴史資料を災害から守るため、災害「前」の所在把握と記録化を続けていた。</p><p>東日本大震災の発生後は、全国の関係者や被災地内外の市民ボランティアの支援を得て活動を続けている。2012年8月現在53家分を保全しているが、活動の完了には長期間かかることは確実である。</p><p>震災で多数の歴史資料が消滅したが、震災前に撮影していたものは画像データは遺された。被災情報の収集にも、震災前からの地域との関係構築が大きな役割を果たした。「次」の巨大災害が発生する前に、地域連携・多分野連携による歴史資料の防災対策を進める必要がある。</p>
著者
益田 光治 佐藤 義智 岩本 勝治 樫村 秀男 森 和彦
出版者
九州大学大学院総合理工学研究科
雑誌
九州大学大学院総合理工学報告 (ISSN:03881717)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.291-297, 1993-12-01
被引用文献数
2

Supersonic freejets have been studied as a fundamental phenomenon of the supersonic fluid mechanics, and numerous works have been done experimentally as well as theoretically. Although the central isentropic region bounded by the barrel shock wave and the Mach disk has been clarified, it is still not possible to evaluate the detailed structures of the freejets. Present paper aims to offer fundamental information of the supersonic freejets, with an emphasis to give data with which the shape of the freejets can be depicted under a specified condition. The TVD finite-difference scheme is adopted for the numerical calculation of the Euler's equations. The distributions of the flow properties are obtained for the three-dimensional axisymmetric and the two-dimensional freejets. The data are summarized to enable an estimation of the shape of the freelets.
著者
伊藤 谷生 宮内 崇裕 金川 久一 伊勢崎 修弘 佐藤 比呂志 岩崎 貴哉 佐藤 利典
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2000

今年度は本研究の最終年度であるため、2000年9月に行われた日高超深部地震探査結果の解析を行い、日高衝突帯の超深部構造を明らかにする糸口を見つけだすことが中心的課題であった。このため、年度の前半は、探査結果解析のための前処理を千葉大学所有の反射法処理システムを用いて行い、後半は、新たに導入した汎用地震探査処理システムSuper XCを用いて解析作業を進めた。また、この作業と平行して、測線周辺の地質調査を行った。これらを通じて明らかになったことは以下の点に要約される。1)日高主衝上断層(HMT)は低角であり、しかも地下2km程度でほとんど水平になる。これは、変成岩類主帯の構造から推定されてきたことと調和的である。2)TWT14秒付近に顕著な反射面群として把握されているものは、自然地震の震源分布との対応関係から太平洋プレート上面と推定される。3)デラミネートした千島下部地殻下半分のイメージは現在までの処理過程では把握されていない。その理由としては、高角なためイメージングできない、破砕されているため地震波が散乱し反射面を形成できない、エクロジャイト化して上部マントルと区別できない、の3つが考えられるが、1つを特定できない。4)東北日本側のウェッジにも顕著な反射面が認められ、当初考えられていた単純なデラミネーションーウェッジモデルよりも複雑な"刺しちがえ"構造の存在が碓定される。5)イドンナッブ帯中の冬島変成岩類の西縁断層は衝上断層である。6)日高超深部地震探査と平行して行われた遠地自然地震のレシーバ関数解析についての予察的研究によれば、4)に対応するインターフェースの存在が確認される。これまでの解析は最もベーシックな段階であるにもかかわらず、日高衝突帯超深部構造解明の糸口を与えるものである。今後の木格的な処理作業によって、解明へ大きく前進するであろう。
著者
温 文 石川 徹 佐藤 隆夫
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.25, pp.79-82, 2010-06-29

本研究は、大規模空間から空間知識を獲得する際の言語・視覚・空間ワーキングメモリが果たす役割を検討し、方向感覚の個人差が空間知識獲得のプロセスに与える影響を調べた。実験参加者にはビデオでルートを学習してもらい、学習の際に言語、視覚、或いは空間的な妨害を与え、各妨害条件で空間知識の学習成績がいかに低下するかを調べた。方向感覚のよい人は、ランドマークとルートの知識を、言語および空間ワーキングメモリを用いて符号化し、それらの知識をサーベイ知識に統合する際に、言語・視覚・空間ワーキングメモリのすべてを利用していることがわかった。一方、方向感覚のよくない人は、ランドマーク知識を言語的に符号化し、またルート知識を学習する際に特に視覚ワーキングメモリに頼る傾向が見られた。その結果、方向感覚のよくない人は、限られた学習ではサーベイ知識を効率的に獲得できないと考えられる。
著者
佐藤 良夫 伊形 理 松田 隆志 西原 時弘 内柴 秀麿
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波
巻号頁・発行日
vol.95, no.150, pp.39-46, 1995-07-20

筆者等は既に1ポートSAW共振器を用いたラダー型SAWフィルタの開発を行った。ラダー型SAWフィルタは低損失化できる点に特長があるが,この論文ではさらに詳しくIIDT型SAWフィルタに対する種々の特長を述べる。またラダー型SAWフィルタは,帯域幅が基板材料の電気機械結合係数(k^2)で決定されるため,比帯域幅で3%を越える広帯域化を行うことが難しい。本論文では,基板材料を変えずに広帯域化を図るためのいくつかの方法を検討する。伸長コイルLを入れる方法,直列腕共振器の共振周波数を並列腕共振器の反共振周波数に一致させず大きくとる方法等の効果とその限界を述べる。
著者
小塩 允護 肥後 祥治 干川 隆 佐藤 克敏 徳永 豊 齊藤 宇開 竹林地 毅
出版者
独立行政法人国立特殊教育総合研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

本研究の目的は、国内外の知的障害のある人の生涯学習の展開について、法制度の変遷、文化的背景等の社会的要因、参加者及び保護者のプログラムに参加した経緯、これまで受けてきた支援や教育のヒストリー等、支援者の障害に関する認識とプログラムの内容等の個人的要因を検討し、わが国における知的障害のある人のために有用な生涯学習プログラムや支援方法等を開発することである。本研究の成果として,海外の生涯学習のプログラムの開発を行うための資料を整理し,生涯学習における支援プログラムの開発に寄与することができた。研究最終年次である平成18年度は、年度当初に研究協議会を開催し、3年間に得られた結果を整理し、報告書の項立てと執筆分担などを決めて、平成19年2月までに報告書を作成した。アメリカのシラキュウス地区では、シラキウス大学とシラキウス学区との提携で行われているオン・キャンパス・プログラムについて、プログラム参加者、支援者、企画責任者との面接調査を行った。また、障害のある人の自己権利擁護運動と生涯学習との関連についてシラキウス大学の研究者から情報収集した。イギリスのロンドン地区では、イギリスの自閉症協会が運営する自閉症学校2校(初等教育学校、中等教育学校)、ハートフォード州立の初等教育学校1校、特別学校2校(初等教育学校、中等教育学校)を実地調査するとともに、自閉症協会の教育部門責任者、自閉症協会運営の高機能自閉症に特化した就労支援機関(プロスペクツ)責任者、ハートフォード州教育委員会のスベシャリスト・アドバイザリー・サービス担当者との面接調査を行い、イギリスが推進する教育改革やインクルーシブ教育、自閉症協会が推進するSPELLに代表される支援理念が自閉症のある人の生涯学習を進める上でどのようなインパクトを持つかについて資料収集した。報告書では,知的障害のある人の成人教育の概略,北米における知的障害のある人の高等教育機関での生涯学習の展開,オーストラリアにおける知的障害のある人の生涯学習,フィンランドにおける特別ニーズ教育と障害のある人の生涯学習,ニュージーランドの知的障害のある人の生涯学習,イギリスにおける特別な教育的ニーズに応じる教育と生涯学習の項目で,分担執筆した。

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著者
佐藤 正恵
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.451-454, 2012-09-01 (Released:2012-09-01)
参考文献数
2
著者
佐久間 正泰 正守 晋 原田 哲也 平田 幸広 佐藤 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.363, pp.27-32, 1999-10-18
被引用文献数
13

VR技術の応用例の1つとして教育支援がある。例えば、書道などのように筆の動きやその速度が重要である場合に、お手本を見て学ぶだけではなく、力覚を用いた教示をおこなうことは非常に有効な手段であると考えられる。著者らは、インターネットを介して遠隔で書道教示のできるシステムを開発した。本システムは、SPIDARを用いて力覚を生成し、その力により書道を教示、習得するシステムである。著者らは、実際に日本-ドイツ間で遠隔教示の実験をおこなった。その結果、教示前には日本の文字を知らなかった生徒は、お手本どおりの美しい文字を書けるまでには至らなかったが、筆運びの速度が、より先生のものに近づいたなどの教示効果が見られた。
著者
井上 真花 佐藤 新一
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.622, pp.64-69, 2011-03-28

Facebookのコミュニケーション方法を覚えよう。近況や写真を公開し、Facebookの友達と交流する方法を解説する。ビジネス活用の要となるFacebookページの使い方と作り方も見ていこう。
著者
佐藤 和洋 田坂 光伸 山本 洋一 浪岡 美予子 茂木啓次
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.1990, no.63(1990-DBS-078), pp.41-51, 1990-07-19

我々は、人間の知的活動、そしてそれに伴う意思決定の曖昧な情報処理及び管理を効果的に支援するためのファジィ情報処理機能について検討を進めている。その中で本稿では、データベースに対する問合せの曖昧性を対象としたファジィ情報検索システムINDAS/ffについて論じる。ファジィ間合せはSQLにファジィ述語を導入することで実現し、ファジィ間合せに対する新たな適合度評価方式を提案する。また、ユーザの情報取得過程のフォーカシングを効率的に支援するために、適合度分布に基づいた概略結果情報表現であるサマリボックスや、またその極め細かい適合度状態を表示する適合度マップ等からなる視覚的インタフェースVFN(ew Focusing Navigat)を提示する。
著者
櫻井 翔一朗 佐藤 英理 山口 亨
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp."2A2-M02(1)"-"2A2-M02(4)", 2007-05-11

This paper presents a gestual interaction system between human and robot using pointing movement. To interact at actual rooms, the system that obtained RGB information of a pointed out object was developed. The system recognized a pointing gesture and obtained a feature of pointed out object by a image processing. Two sets of tracking modules comprised of a camera and a PC was prepared in a room. Thus, in this research, we constructed RGB data obtaining module. The module obtained coordinates of indicated point and calculate the coordinates in picture. The system was developed using Robot Technology Middleware (RTM). RT Middleware was developed by AIST (Agency of Industrial Science and Technology, Japan) for easily integrating robot systems by modularized software components. By constructing modules based on RT Middleware, we developed modules, which are functional elements to interact with human as components of easily system integration.
著者
佐藤 真実 谷 洋子 清水 瑠美子
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.110-116, 2010 (Released:2010-09-10)
参考文献数
17
被引用文献数
3 2 2

現在,嚥下障害をもった施設高齢者の食事は基準化されたものがない。そこで,私たちは福井県内の高齢者施設における嚥下食の食事の種類とその内容について調査を実施し,嚥下食を「噛む力」と「飲み込む力」の組合せによって分類を行なった。本研究では,嚥下障害をもつ高齢者の食事の基準化について検討し,統一化にむけた基礎資料を作成することを目的とした。嚥下食の食種は41種類があげられた。中でも多くの施設が使用する嚥下食の呼称は,「キザミ食」であり34施設が使用していた。1施設しか使用しない食種は,27種類もあった。嚥下食の種類とその内容は,施設によって異なり,明確に区分されていなかった。しかし,「噛む力」と「飲み込む力」の組合せで分類すると高齢者施設における嚥下食は,概ね最低3種類に分類された。その3種類としては,食事の対象者が噛む力がある場合にはキザミ食,噛む力および飲み込む力がやや低下している場合にはゾル状調製食,噛む力および飲み込む力が低下している場合にはゲル状調製食である。これらの3種類の食事を基準化すれば各施設で対応できるのではないかと提案したい。(オンラインのみ掲載)
著者
佐藤 孝則 丹後 輝人 芳賀 良一
出版者
帯広畜産大学
雑誌
帯広畜産大学学術研究報告. 第I部 (ISSN:0470925X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.149-157, 1981-05-15

繁殖に関する研究のなかで,現在あまり知られていないエゾシカの分娩生態について調査を行った。分娩の徴候として観察された外観の変化と行動は,腹部の下垂,乳房の肥大,外陰部の腫張と弛緩,尾の上げ下げ,速歩行動,呻き声,著しい威嚇であった。また1日あたりの脱糞と排尿の頻度は,分娩が近づくにしたがって増加を示し,特に分娩の前日で一番高い値を示した。分娩の順序は以下のとおりで,娩出陣痛,羊膜の突出と破裂,胎児の前肢と頭頸部の出現,出産,臍帯の摂取,後陣痛,粘液の流出,後産の排出と摂取とつづいた。3頭の雌ジカは林に隣接する牧草地内で出産を完了した。出産するとすぐ母ジカは新生児を絶えまなく,かつ力強くなめ始めた。新生児の最初の動きは頭部を振ることであった。