著者
羽入 雪子 佐藤 怜
出版者
日本赤十字秋田看護大学・日本赤十字秋田短期大学
雑誌
日本赤十字秋田短期大学紀要 (ISSN:13430033)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.53-59, 2003-03-15
被引用文献数
1

大学生の避妊および低用量ピルに関する意識を調査し、今後の性の教育・支援のあり方について考察した。秋田市内の大学生女子314人、男子401人を対象に、2001年10月〜11月に調査を行い、以下の結果を得た。1)大学生の避妊の実行率は、全国レベルより低く、避妊方法はコンドームや膣外射精が多かった。2)避妊方法を選ぶ基準は、男女とも「避妊効果」が多く、次いで「男性主体」が多かった。3)避妊方法を知りたい学生は、性交経験のある学生に多かった。4)低用量ピルの認知度は学生の約40%であり、ピルの使用に賛成の学生は約25%で、性交経験のある学生に多かった。5)低用量ピル使用賛成の理由は「避妊効果が高い」であり、使用反対の理由は「副作用」であった。6)低用量ピルに関する情報を知りたい学生は多く、手段としてインターネットや雑誌を希望していた。以上のことから、性を肯定的に捉えた立場で「性交」を語り、望まない妊娠や性感染症を予防する方法を明確に伝え、対人関係的視点を盛り込んだ情報提供が必要であることが示唆された。
著者
佐藤 寛子 羽山 伸一 高橋 公正
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.81-86, 2007
参考文献数
22

ダイオキシン類は,実験動物あるいは野生生物が暴露した場合,甲状腺の機能や形態に影響を及ぼす。今回我々は野生ニホンザル(Macaca fuscata)の甲状腺におけるダイオキシン類の影響について報告する。野生サルはヒトの居住地の周辺で生活しており,生物分類学的にヒトに最も近い動物種である。野生サルの脂肪組織,肝臓,骨格筋からダイオキシン類(PCDDs,PCDFs,Co-PCBs)の残留濃度を分析した。また,甲状腺については病理組織学的に検索し,画像解析を用いて濾胞上皮細胞の肥大を定量的に評価した。PCDDs,PCDFs,Co-PCBsの残留濃度はいずれも0.2〜26pgTEQ/g-fatの範囲だった。病理組織学的検索において,TEQに関連した甲状腺の変化は認められなかった。さらに,濾胞の数や濾胞上皮細胞の大きさにもTEQに関連した変化は認められなかった。このように,野生ニホンザルは自然環境からダイオキシン類に暴露されてはいたが,検出されたレベルでは甲状腺の機能や形態に影響を及ぼさなかったと考えられた。
著者
関谷 亮 唐木田 一成 新井 俊弘 佐藤 佑介 坂本 由紀 金井 直樹 丸山 亮 金子 明寛
出版者
日本歯科薬物療法学会
雑誌
歯科薬物療法 (ISSN:02881012)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.69-76, 2010-08-01 (Released:2010-09-11)
参考文献数
13

口腔感染症患者より分離した各種細菌およびCandida属菌株のbiofilm形成能をクリスタルバイオレット染色法で評価した結果,Prevotella intermedia,Porphyromonas gingivalis,Actinomyces odontolyticus,Streptococcus mitis,Candida albicansおよびCandida glabrataにおいてbiofilm形成能の高い菌株が見出された.これらの菌株を対象に各種抗菌薬または抗真菌薬のsub-MICにおけるbiofilm形成抑制作用を検討した.P. intermediaおよびP. gingivalisに対してlinezolid,azithromycinおよびclarithromycinのsub-MICでの作用によりbiofilm形成抑制効果が認められたが,検討した他の菌種のbiofilm形成に対する抑制効果は認められなかった.一方,C. albicansおよびC. glabrataに対しては,測定した抗真菌薬のうちmicafunginのみがsub-MICにおけるbiofilm形成抑制作用を示した.
著者
佐藤 菜生 高崎 いゆき 村尾 智 吉川 肇子 竹村 和久
出版者
一般社団法人日本リスク研究学会
雑誌
日本リスク研究学会誌 (ISSN:09155465)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.4_33-4_41, 2009 (Released:2011-11-01)
参考文献数
17

The purpose of this study was to examine risk perceptions of artisanal/small-scale miners in the Philippines. We analyzed a survey data using questionnaire technique and drawing picture technique. The results of the questionnaire technique indicated that artisanal/small-scale miners underestimated the risk of artisanal/small-scale mining. However, most of the artisanal/small-scale miners drew cave-ins and collapse of drift, headings or stopes as what they feel dangerous. The complementary use of the drawing picture technique has enabled us to examine risk perceptions of artisanal/small-scale miners from different perspectives. Based on this experience, the possibility of using drawing picture technique in the risk research was discussed.
著者
平松 裕子 島田 文江 伊藤 篤 佐藤 文博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.320, pp.13-18, 2011-11-19

ユビキタス社会の中では子どもも情報の波の中で生活する.身体的直接的なコミュニケーションが他者との関係をつくり,具体的な対象理解が中心である小学生に通信によるコミュニケーションの学習は可能か.インターネット上でどのような場をつくることができるのか.小学4年生の短歌学習実証から,言語使用にみられる子どもの認識の変化など,目的を持った使用の有効性,教育効果,子どもの認識を考察する.
著者
佐藤 俊治
出版者
The Philosophy of Science Society, Japan
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.75-87, 2001

In this paper, I examine van Fraassen's original version of modal interpretations, which have the increasing significance in the foundational research concerning elementary quantum mechanics. I argue that although van Fraassen's modal interpretation has a salient advantage over the standard Dirac-von Neumann interpretation with the projection postulate, it is confronted with two kinds of interpretive difficulties stemmed from one and the same fact of experience, repeatability of the first kind measurement.
著者
佐藤 理恵
出版者
京都大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:03897508)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.121-143, 1987
著者
泉 俊昌 藤岡 雅子 佐藤 嘉紀 恩地 英年 長谷川 保弘 岩佐 和典 北村 秀夫 山口 明夫
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.1225-1229, 2002-05-25 (Released:2009-01-22)
参考文献数
8

症例は1999年6月に左卵巣嚢腫に対し自動縫合器を用いた腹腔鏡下左付属器切除術の既往のある41歳の女性. 2000年9月28日,突然の下腹部痛・嘔吐にて入院となった.絶食・輸液にて経過観察するも腹膜刺激症状が出現したため, 9月30日緊急手術を施行した.開腹すると血性腹水を認め,腸間膜同士の癒着により形成された間隙に回腸が迷入・嵌頓し,絞扼性イレウスとなっていた.癒着を剥離するとイレウスは解除され,剥離部より自動縫合器の落下ステイプルが1個発見された.腹腔内にはこの部位以外に癒着を認めなかった.絞扼腸管は可逆的であり腸切除は行わず閉腹した.術後12病日に退院し,以後イレウスの再発は認めていない. 自動縫合器のステイプルが目的部位以外に落下・残存した場合は癒着が生じイレウスの原因となる可能性があり,余分なステイプルを落下させない工夫と落下ステイプルの丹念な回収の必要性が示唆された.
著者
及川 貴瑛 園田 潤 佐藤 源之 本間 規泰 池川 豊年
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌A(基礎・材料・共通部門誌) (ISSN:03854205)
巻号頁・発行日
vol.132, no.1, pp.44-50, 2012-01-01 (Released:2012-01-01)
参考文献数
13
被引用文献数
3 8

Analysis of lightning electromagnetic field using the FDTD method have been studied in recent year. However, large-scale three-dimensional analysis on real environment have not been considered, because the FDTD method has huge computational cost on large-scale analysis. So we have proposed a three-dimensional moving window FDTD (MW-FDTD) method with parallel computation. Our method use few computational cost than the conventional FDTD method and the original MW-FDTD method. In this paper, we have studied about computation performance of MW-FDTD parallel computation and large-scale three-dimensional analysis of lightning electromagnetic field on a real terrain model using our MW-FDTD with parallel computation.