著者
前田 卓也 増田 喬子 河本 宏
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.57, no.8, pp.1066-1073, 2016

<p>がんに対する免疫療法,特にがん抗原特異的T細胞療法は現在大変注目されている。しかし,がん抗原特異的T細胞を充分量までの増幅することは技術的に困難であるという大きな問題が残されている。筆者らはiPS細胞技術を応用してこの問題を解決しようとしている。がん抗原特異的T細胞からiPS細胞を樹立し,そのiPS細胞をT細胞に再分化させれば,同じTCRを発現するT細胞を多量に得ることができる。筆者らはこの方法を用いて,がん抗原特異的なT細胞の再生に成功した。再生T細胞は元のT細胞に匹敵する抗原特異的キラー活性を示し,白血病細胞を殺傷した。将来的には様々ながん抗原特異的T-iPS細胞をHLAハプロタイプホモドナーから樹立し,バンク化することを構想しており,臨床応用を目指している。</p>
著者
松井 祥悟 田中 良夫 前田 敦司 中西 正和
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.8, pp.1874-1884, 1995-08-15
参考文献数
12
被引用文献数
4

本論文では、並列型(parallel)および漸次型(incremental)ガーベジコレクションの基本アルゴリズムである相補型ガーベジコレクタ(Complementary Garbage Collector)の提案およびその評価を行う。このアルゴリズムは、増分更新型(incremental update)とスナップショット型(snapshot-at-begiming)という2つの基本アルゴリズムを相補的に組み合わせたものである。ゴミの回収効率の良さと正当な(無矛盾な)実装の容易さという両者の長所を併せ持つ。このアルゴリズムは、現在広く便用されているスナップショット型アルゴリズムを代替する。この型を基本アルゴリズムとしている現存の並列型および漸次型ガーベジコレクションに直ちに応用できる。Complementary Garbage Conectorを並列型mark-and-sweep法および潮次型mark-and-sweep法に組み込み、評価を行った結果、ゴミセルの回収効率は一括型GCと同程度まで改善されることが確認された。これにより実行速度、実時間性(無停止性)が改善された。
著者
前田英作
雑誌
情報処理学会論文誌
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.624-640, 2007
被引用文献数
1
著者
前原 光雄
出版者
慶應義塾大学法学研究会
雑誌
法學研究 : 法律・政治・社会 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.88-90, 1977-06

小池隆一先生追悼記事
著者
前田 繁一 Shigekazu Maeda
出版者
松山大学
雑誌
松山大学論集 (ISSN:09163298)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.45-84, 2005-04
著者
関本 美穂 今中 雄一 吉原 桂一 白井 貴子 佐々木 弘真 米野 琢哉 リー ジェイスン 芦原 英司 前川 平
出版者
The Japan Society of Transfusion Medicine and Cell Therapy
雑誌
日本輸血細胞治療学会誌 = Japanese journal of transfusion and cell therapy (ISSN:18813011)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.599-605, 2010-10-30
参考文献数
29
被引用文献数
1 1

わが国では,新鮮凍結血漿(FFP)やアルブミン製剤の不適切な使用が指摘されてきた.血液製剤使用の継続的な監視は,不適切な輸血を減少させる効果がある.われわれは病院レベルの血液製剤使用の監視方法として,DPCデータを利用して,FFPおよびアルブミン製剤使用量を病院レベルで評価する方法を考案した.<br> 最初に2病院において診療録レビューを実施し,FFPおよびアルブミン製剤使用の理由,および各病院における使用の適切性を監査した.次に,73病院から提供された587,045例の成人患者のDPCデータを使って,病院レベルの血液製剤使用量の予測モデルを開発し,使用量の実測値と予測値の比(O/E比)を計算した.またO/E比による評価が,適切性な使用の割合と関連するかどうか,検討した.<br> FFPおよびアルブミン製剤の適切な使用の割合は,20~30%であった.診断群分類を利用した病院レベルの血液製剤予測使用量は,実際の使用量とよく関連した.使用量のO/E比が高いときには,診療録レビューによる適切な使用割合が低い傾向がみられた.DPCデータを利用した血液製剤の使用量の評価が,使用適切性の指標として用いることができる可能性が示唆された.<br>
著者
室井 尚 吉岡 洋 秋庭 史典 佐藤 守弘 吉田 寛 小松 正史 安田 昌弘 島本 浣 吉村 和真 須川 亜紀子 カルパントラ ファビアン 大久保 美紀 丸山 美佳 入江 哲朗 ロート マーティン 簗瀬 洋平 井上 明人 小島 秀夫 バラカン ピーター 輪島 裕介 増田 聡 松蔭 浩之 前川 修 増田 展大
出版者
横浜国立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究は5名の研究代表者、分担者を中心とした研究会を複数回開催するとともに、大規模な公開研究集会を年に一回開催し、その成果をや報告書にまとめ、webで幅広く公開することによって、一般からもその成果に対する広い関心を集めることができた。また2016年の国際美学会、2017年の国際記号学会においてはラウンドテーブルを組織して、海外の研究者との議論を深めることができた。これらの研究活動によって新しい理論的な枠組の構築に結びつけることができた。本研究はポピュラー文化に関する美学的アプローチの最先端の成果を挙げることができた。
著者
事柴 壮武 浦辺 幸夫 前田 慶明 篠原 博 山本 圭彦 藤井 絵里 森山 信彰
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2013, 2014

【はじめに,目的】膝前十字靭帯(anterior cruciate ligament;ACL)損傷はストップやジャンプ着地動作,サイドステップカッティング(sidestep cutting;SSC)動作で多く発生している。一般的に"Knee-in & Toe-out"という下肢アライメントの組み合わせが,マルアライメントの代表的なものとしてあげられる。SSC動作の筋活動について,Xieら(2012)はストップ期において大腿四頭筋に対するハムストリングの比(H/Q比)は,側方移動期よりも低値を示したとしている。また,ACL損傷のリスクである膝関節の過度の外反を制動するためには,大腿四頭筋とハムストリングの同時収縮をタイミングよく行う必要がある。よって,ACL損傷のメカニズムや予防を考慮すると,筋活動量だけでなく筋活動のタイミングを検討することは重要であると考える。SSCは足部運動との関連が示されており,足部の外側接地(Dempseyら,2009)や後足部での接地(Cortesら,2012)がACL損傷のリスクになるとされている。しかし,足部の方向(Toe-out)とSSCの関連を調べたものはみあたらない。本研究は,Toe-outでのSSCが膝関節運動学,筋活動様式に及ぼす影響を検討することを目的とした。仮説は,Toe-outでのSSCはNeutralと比較して膝関節外反角度が大きく,H/Q比が低いとし,さらに筋電位ピーク到達時間が遅延するとした。【方法】対象は下肢に整形外科的疾患の既往がない,健常な女性バスケットボール選手6名(年齢20.0±1.4歳,身長158.0±3.5cm,体重49.3±5.3kg,競技歴9.3±5.3年)とした。対象は5m離れた地点から最大努力速度で助走し,軸脚の左脚で踏み切り,右90°方向へSSCを行った。その際,着地条件として足部Neutral(条件N)と足部Toe-out(条件TO)の2条件を設定し,3試行ずつ実施した。なお,反射マーカーを対象の左下肢8ヶ所に貼付し,ハイスピードカメラ(フォーアシスト社)5台を用い,サンプリング周波数200HzでSSCを撮影した。撮影した映像を動作解析ソフト(Ditect社)に取り込み,DLT法で各マーカーの3次元座標を求め,膝関節屈曲,外反角度を算出した。本研究ではSSCを足部接地から膝関節最大屈曲位までのストップ期,膝関節最大屈曲位から足部離地までの側方移動期の2期に分割し,各期の膝関節最大外反角度を分析に用いた。筋活動の記録には表面筋電図(追坂電子機器社)を用いた。被験筋は外側広筋(VL),内側広筋(VM),大腿二頭筋(BF),半膜様筋(SM)とした。筋電図は生波形からRMS(root mean square)に変換して解析した。本研究ではVLとVMの活動量の平均値を大腿四頭筋の活動量,BFとSMの活動量の平均値をハムストリングの活動量とした。Initial contact(IC)を基準(0)とし,筋電波形の振幅がピークに達する時間をピーク到達時間と規定した。【倫理的配慮,説明と同意】本研究は,広島大学大学院保健学研究科心身機能生活制御科学講座倫理委員会の承認を得て実施した(承認番号1327,1335)。対象に本研究の趣旨を十分に説明し,書面にて同意を得た。【結果】膝関節最大外反角度はストップ期の条件Nで7.0±3.8°,条件TOで8.8±5.5°であった。側方移動期の条件Nで4.6±3.9°,条件TOで7.9±5.4°であり,条件TOで有意に高値を示した(p<0.05)。H/Q比はストップ期の条件Nで0.33±0.08,条件TOで0.33±0.13であった。側方移動期の条件Nで0.67±0.22,条件TOで0.48±0.12であり,条件TOで有意に低値を示した(p<0.05)。各筋のピーク到達時間は,条件NでVMは119.9±49.1msec,VLは114.3±49.6msec,SMは102.1±76.1msec,BFは175.4±79.5msecであった。条件TOでVMは145.2±26.2msec,VLは151.9±24.8msec,SMは88.6±62.6msec,BFは194.1±58.8msecであった。条件TOでVMのピーク到達時間が有意に遅延していた(p<0.05)。【考察】本研究の結果より,Toe-outでのSSCはNeutralと比較して,側方移動期の膝外反角度が高値となり,H/Q比が低値を示した。膝関節外反角度が大きく,H/Q比が低いことは大腿四頭筋優位となりACL損傷のリスクが高いことを示している。さらに,VMのピーク到達時間の遅延を認めた。また,有意差はなかったもののSMのみピーク到達時間がNeutralよりも早期であった。VMは内側ハムストリング(SM)と協同して内側機構の支持に働き,膝関節の安定性に関与している(Myerら,2005)。したがって,内側安定機構であるSMとVMのピーク到達時間のずれは,過度の膝関節外反の制動を困難にしていることが考えられる。【理学療法学研究としての意義】Toe-outでのSSCが膝関節運動学,筋活動様式に与える影響を明らかにすることは,ACL損傷メカニズムを解明する一助になるだけでなく,スポーツ現場やリハビリテーション場面において,ACL損傷の予防につながると考える。
著者
細谷 和海 前畑 政善
出版者
水産庁養殖研究所
巻号頁・発行日
no.23, pp.17-25, 1994 (Released:2011-03-05)
著者
石原 利員 稲垣 大 五十嵐 伊勢美 北野 知之 前田 憲志 新里 高弘 瀬崎 良三 臼田 正恒
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.724-727, 1984

血液ろ過中の循環血液量をヘマトクリツトを指標としてプログラム制御するため, 循環血液量連続測定装置, マイクロコンピコータ, 補充液注入装置から構成される循環血液量自動制御装置を試作した。ヘマトクリツトは, 血液および限外ろ液の電気抵抗率から, Geddes, Gramらの式を利用して計算し, これから循環血液量変化を求めた。制御アルゴリズムは制御対象の動作遅れを一次遅れ+むだ時間で近似し, フイードバツク制御とフイードフオワード制御を併用して設計した。本装置を用いて臨床試験を行なつたところ, 血液量を設定した値の3%以内に維持する事ができた。また, 一時的にフイードバック制御を停止して実際の血液量と設定値間に偏差を生じさせた後, 再びフィードバック制御を開始した場合に於ても血液量は速やかに設定値に収束してむり, 安定した循環血液量の制御を行うことができた。
著者
矢尾 浩 金井 達徳 岐津 俊樹 前田 誠司 矢作 満
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.205-206, 1996-03-06

ビデオサーバでは、ストリームの連続性の保証だけではなく、一定数のストリームを供給するために必要となるディスク数とバッファメモリ量といったコスト面や、新ストリームの再生要求に対する応答時間等の操作性も性能評価の重要な指標となる。我々は数百~数千のクライアントに対し同時に映像ストリームを供給可能なマルチメディアサーバ「スマートストリーマ(以下SS)」を開発している。SSは、単純なVODサービスだけではなく、多数の映像データを切替えながらアクセスするオンラインショッピングや映像検索などのサービスでの利用を想定しているため、特に応答時間の短縮が重要課題である。本稿ではSSの制御ソフトウェアについて報告する。