- 著者
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目崎 登
前田 清司
家光 素行
相澤 勝治
- 出版者
- 帝京平成大学
- 雑誌
- 基盤研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2005
本研究では,性ホルモンの合成組織として骨格筋に着目し,その合成経路が運動により亢進することにより,性ホルモン合成の亢進に寄与するという仮説を立証することを目的とする.上記の研究課題を明らかにするために,骨格筋における性ホルモン合成酵素の発現の有無と局所性ホルモン代謝動態について検討した(研究課題I).さらに,運動による骨格筋内の性ホルモン産生経路を明らかにするために,運動が骨格筋内の性ホルモン合成酵素に及ぼす影響とその性差について検討した(研究課題II).その結果,骨格筋における性ホルモン産生機序に着目し,骨格筋内の性ホルモン合成酵素の遺伝子・タンパク発現が存在することを確認し,骨格筋には性ホルモン代謝経路が存在し,局所にて性ホルモンを産生する器官となりうる可能性を明らかにした(研究課題I).また,骨格筋内の性ホルモン合成酵素の遺伝子・タンパク発現には性差があり,運動刺激に対するそれらの発現応答にも性差があるという結果を得たことから(研究課題II),運動による骨格筋の適応機序に局所の性ホレモン代謝が関与している可能性が示された.それゆえ,運動による性ホルモン作用は,内分泌経路の他に,末梢組織(骨格筋)における局所の性ホルモン産生が重要な役割を果たしている可能性が示された.