著者
井上 恵太 中前 雅之 桑田 すみれ
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集 2009年度春季
巻号頁・発行日
pp.247-251, 2009-03-10 (Released:2017-06-08)

定量的管理は,プロジェクトの目標を達成するために有効な方法である.プロジェクトの状態を定量的に測定することにより,客観的な判断を下すことができ,問題発生を未然に防ぐプロアクティブな対応が可能となり,その結果プロジェクト目標を達成することが可能となる.しかし,当社では定量的管理を実施しても,管理精度が低い,事業への貢献度が弱い場合があるという課題が見受けられた.この課題を改善するため, CMMI成熟度レベル4のプロセスに基づくギャップ分析を行い,改善したプロセスを適用・評価した.その結果,効果的な定量的管理プロセスを実践するには事業目標とプロジェクト特性を考慮することが重要であることが分かった.本稿ではこの改善事例について紹介する.
著者
前田耕作 山根聡著
出版者
河出書房新社
巻号頁・発行日
2002
著者
黒木 雅大 岡田 真行 鈴木 博人 川前 金幸
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.127-133, 2021

<p>超緊急帝王切開では母体の安全を確保しつつ,迅速な児娩出を目指す.そのために当院では超緊急帝王切開に対し多職種共通のプロトコールを作成し,手術決定から児娩出まで(Decision-to-Delivery Interval:DDI)の短縮を目指した.今回,この共通プロトコール運用の前後において,DDIとその内訳を検討した.共通プロトコールの運用後でDDIは有意に短縮し,特に手術室入室から気管挿管までが有意に短縮された.超緊急帝王切開において共通プロトコールの運用はDDIの短縮に有用であり,それには麻酔科医の行動が大きく関与している可能性が示唆された.</p>
著者
宮本 涼子 西前 順子 桜井 陽子 辺見 典子
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 第55回日本農村医学会学術総会 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
pp.82, 2006 (Released:2006-11-06)

<緒言>術後患者は、痛みなどの肉体的苦痛のほか、不安・緊張・孤独感などの精神的負担も伴う。その結果、創痛や不安を過大に自覚し、睡眠障害・不穏・せん妄が見られることがある。私達は日頃の多忙な看護業務の中、精神的へのケアが不十分ではないかと自覚している。そこで、術後患者のリラクゼーション効果を得るために癒しの効果がある曲としてモーツァルトを選択し、ヒーリング音楽を流す効果について検討した。<対象・研究方法>病棟に入院され、全身(+硬膜外)麻酔下にて外科的手術を受けた患者23名を対象とし、無作為にコントロール群(音楽を流さない)12名(平均72.0歳)と実験群(平均68.6歳)の2群にわけた。また、両群間共に手術後、ヒーリング音楽を流し、その効果についてのアンケートを施行する旨を術前オリエンテーションで説明し了解を得た。 コントロール群は、従来どおりの環境下において患者の疼痛・睡眠状況を把握した。実験群は、術後30分から翌朝6時まで、癒しの曲として有名なモーツァルトの曲を、音量・スピーカーの位置を統一した上で繰り返し流した。術後、自覚的疼痛の程度を、フェイススケールを用いて術翌朝まで経時的に観察した。鎮痛剤使用の時間と内容を記録し、音楽の感想、睡眠状況、痛みや不安についてのアンケートを術後3日以内に実施した。<結果・考察>今回の研究では、ヒーリング音楽を流すことによる手術後の疼痛軽減、睡眠の確保といった肉体的な苦痛軽減は得られなかった。これらは、ヒーリング音楽は肉体的苦痛への直接的な軽減効果が無い事を示している。しかし、侵襲の大きい手術後においては、実験群で疼痛が軽減されている傾向があり、鎮痛剤の平均使用頻度も実験群のほうが少なかった。看護師側への影響としても、「音楽を流す事により緊張した気持ちが和らぎ、ゆとりを持って患者と接することができた」という意見もあり、より良い看護につながるのではないかと期待される。<まとめ>今回の研究において、ヒーリング音楽を流すことは、肉体的苦痛の軽減が得られるとは言えなかったものの、患者の不安軽減など精神面でのサポートに効果的であることが示唆された。また、看護師側にも、ゆとりをもって患者に接することができるようになった。今後、精神的な苦痛緩和のためには、患者への声かけなど精神面へのケアを充実させることはもちろん、ヒーリング音楽などの聴覚、嗅覚(アロマなど)、視覚(病室の照明など)などの感覚に訴えるような補助的な方法を積極的に導入することも重要であると思われた。
著者
前之園 亮一
出版者
学習院大学
雑誌
学習院史学 (ISSN:02861658)
巻号頁・発行日
no.21, pp.1-31, 1983-04-28
著者
目崎 登 前田 清司 家光 素行 相澤 勝治
出版者
帝京平成大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究では,性ホルモンの合成組織として骨格筋に着目し,その合成経路が運動により亢進することにより,性ホルモン合成の亢進に寄与するという仮説を立証することを目的とする.上記の研究課題を明らかにするために,骨格筋における性ホルモン合成酵素の発現の有無と局所性ホルモン代謝動態について検討した(研究課題I).さらに,運動による骨格筋内の性ホルモン産生経路を明らかにするために,運動が骨格筋内の性ホルモン合成酵素に及ぼす影響とその性差について検討した(研究課題II).その結果,骨格筋における性ホルモン産生機序に着目し,骨格筋内の性ホルモン合成酵素の遺伝子・タンパク発現が存在することを確認し,骨格筋には性ホルモン代謝経路が存在し,局所にて性ホルモンを産生する器官となりうる可能性を明らかにした(研究課題I).また,骨格筋内の性ホルモン合成酵素の遺伝子・タンパク発現には性差があり,運動刺激に対するそれらの発現応答にも性差があるという結果を得たことから(研究課題II),運動による骨格筋の適応機序に局所の性ホレモン代謝が関与している可能性が示された.それゆえ,運動による性ホルモン作用は,内分泌経路の他に,末梢組織(骨格筋)における局所の性ホルモン産生が重要な役割を果たしている可能性が示された.
著者
松森 堅治 西垣 良夫 前島 文夫 臼田 誠 永美 大志 矢島 伸樹
出版者
農業・食品産業技術総合研究機構農村工学研究所
雑誌
農村工学研究所技報 (ISSN:18823289)
巻号頁・発行日
no.209, pp.105-115, 2009-03

高齢者においては、加齢に伴い身体機能が低下し、日常生活能力も低下する。日本の人口動態において介護を必要とする人が加速度的に増加することが、高齢社会の進展に伴い予測されている。近年「健康寿命」という概念が提唱され、普及してきたことでも分かるように、元気で活動的に暮らすことができる期間をいかに延ばすかが大きな政策的課題となっている。適度な身体活動・運動、精神活動、社会参加が高齢者の様々な身体機能の低下を軽減する効果を有することは定説になってきている。本研究で対象にする農業労働については、歴史的には過酷な労働に伴う様々な健康影響について「農村医学」の分野において、解明が積み重ねられ、労働改善の努力もされてきた。戦後期、高度成長期前においては問題告発型の学問として栄養不良、過重労働、劣悪な労働・生活環境が与える健康状態、各種疾病を主要な問題としていたが、近年では農村の生活環境も激変し、基本的な生活形態は都市と大差なくなり、疾病構造も、都市と同様の過食、栄養過多、運動不足等から引き起こされる生活習慣病、著しい長寿化を達成した結果である高齢者の老人性疾患の増加、社会問題としては、都市部より急速に進展している人口構成の超高齢化に焦点が移行している。本研究では、高齢者の健康指標のデータを豊富に所有する長野県厚生連健康管理センターの健診データを用い、健康指標データと農作業体験の有無、生活習慣を総合的に検証する。それにより農作業に関わる頻度と高齢者の健康の関連を総合的に検証することを目的とした。なお、本報は農村工学研究所運営交付金プロジェクト研究「中山間地域における対流に伴う教育・保健等機能の評価手法の開発」において(財)日本農村医学研究所への委託により実施された研究の成果の一部である。
著者
前山 恵里 加藤 宏 長谷川 大悟 柴野 正康 大野 啓介 藥師寺 孝 片倉 朗 柴原 孝彦 髙野 正行
出版者
日本口腔診断学会
雑誌
日本口腔診断学会雑誌 (ISSN:09149694)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.111-116, 2021 (Released:2021-08-06)
参考文献数
34

Schwannoma is a benign tumor originating from Schwann cells, occurring rarely in the masseter muscle. In this report, we describe a case of schwannoma in the masseter muscle. A 35-year-old man was referred to our hospital because of swelling of the left cheek. A painless elastic hard mass was palpable in the left cheek. No abnormalities were found in the skin, oral mucosa, or cervical lymph nodes. MRI T2-weighted images showed a high signal area with 43×37mm internal nonuniformity and clear boundaries. Although malignant atypical cells were not detected by fine-needle aspiration and incisional biopsy, no definitive diagnosis was obtained. The lesion was diagnosed as a benign tumor of the masseter muscle and resection was performed under general anesthesia. It was located in the masseter muscle without any adhesion to surrounding tissues. No nerves were continuous with the tumor. The tumor was 45×40×30mm in size and was covered with a capsule. Histopathological diagnosis was schwannoma. After the operation, left facial nerve palsy was recognized, but it was completely cured 3 months after the operation. In addition, neither masseter atrophy nor masticatory function was observed. Two years have passed since the operation without recurrence of the tumor.
著者
前田 正子
出版者
日本家族社会学会
雑誌
家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.26-36, 2012-04-30 (Released:2013-07-09)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

家族のない人や地域とのつながりを持たない人が増えている中で,人々は困難に直面したとき,最後に役所にくる.しかし,年金や介護などの既存の社会保障制度や福祉制度だけでは,人々の複合的な問題は解決しない.人々の安心感を保障するためには既存の制度に加え,これまで家族が担ってきた対人サービスを社会的に供給することが必要になる.実際に子育て支援の現場では,親を孤立させないために行政と市民やNPOとの連携によってきめ細やかな支援が行われている.だが,家族的ケアを社会的に供給すべきかどうかという点にも議論があるだろう.また,その供給に同意が得られたとしても,何を誰がどう供給するか,それは誰が担い,財源はどう確保するのか,自助・共助・公助の役割分担をどうすべきかといった議論が必要になるだろう.
著者
安立 多惠子 平林 伸一 汐田 まどか 鈴木 周平 若宮 英司 北山 真次 河野 政樹 前岡 幸憲 小枝 達也
出版者
THE JAPANESE SOCIETY OF CHILD NEUROLOGY
雑誌
脳と発達 = OFFICIAL JOURNAL OF THE JAPANESE SOCIETY OF CHILD NEUROLOGY (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.177-181, 2006-05-01
参考文献数
12
被引用文献数
2

注意欠陥/多動性障害 (AD/HD), Asperger障害 (AS), 高機能自閉症 (HFA) の状況認知能力に関する特徴を検討するために, 比喩文と皮肉文から構成されている比喩・皮肉文テスト (MSST) を開発した. 今回はAS群66名, HFA群20名, AD/HD群37名を対象とし, MSSTの得点プロフィールを比較した. その結果, AS群では皮肉文の得点が特異的に低かったが, HFA群とAD/HD群では比喩文と皮肉文の得点に差がなかった. 以上より, AS群の特徴は言語能力が良好であるにもかかわらず, 皮肉という状況の理解困難であろうと考えられた.
著者
備前 嘉文
出版者
Japan Society of Sports Industry
雑誌
スポーツ産業学研究 (ISSN:13430688)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.4_369-4_380, 2020-10-01 (Released:2020-10-15)
参考文献数
28

In recent years, even as the management forms of many leagues and teams and the contract forms of players have become professional, the environment provided for referees to judge and manage matches has not kept pace. In the future, improving not only the performance of the athletes, but also the qualifications of the referees will be indispensable for improving their competitiveness in various sports. It is not clear what the referees currently active in the top leagues of each sport are doing on a daily basis. This study aims to clarify : the current state of referees active in the top leagues of domestic ball games, and the regular efforts made by the referees to take part in refereeing activities. We conducted a questionnaire survey for referees in 12 leagues of the nine sports that make up the Japan Top League alliance. The survey was conducted from March 9 to April 7, 2019, and responses were obtained from 310 referees (260 males, 50 females). According to the analysis, there were only seven professional referees who earned a living solely from referee activities. Further, the average number of games per year in which they officiated was 33.61 (median : 30), and the average number of days during the season they were involved in refereeing activities was 76.51 (median : 60). These results show that many referees spend most of their weekends during the season in refereeing. Regarding the daily efforts to participate in refereeing activities, it was found that many referees routinely manage their time. In particular, it was found that referees with extensive experience have eliminated the constraints that make past experience the basis for participation in refereeing activities.
著者
菊池 千草 堀 英生 前田 徹 松永 民秀 鈴木 匡
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.131, no.3, pp.477-483, 2011-03-01 (Released:2011-03-01)
参考文献数
10
被引用文献数
2 3

One of the Specific Behavioral Objectives (SBOs) of pharmaceutical education model-core curriculum is as follows: “Understand patient's state of mind and be sensitive to patient's feelings”. We performed learning through simulation of diabetes drug therapy as a means to achieve the objective and evaluated the educational effects of the learning. The simulation was performed and a questionnaire survey was conducted among the 4th-year students of the 6-year curriculum before and after simulation. The score of “level of understanding patient's feelings” was significantly increased after simulation (p<0.001). In addition, the score tended to be associated (R2=0.192) with an increased score in two factors that affect patients' self-care action: “Consciousness of diabetes mellitus” (β=0.251, p=0.062) and “Time and effort for drug therapy” (β=0.248, p=0.065). The main topics of discussion about the simulation included “Lack of sense of critical illness”, “Lifestyle”, “Dose regimen” and “Necessity of support from patients' family and others close to them”. Therefore, the learning through simulation diabetes drug therapy was effective to understand patients' states of mind because students learned the importance of some factors affecting self-care action.
著者
北島 宣 山本 雅史 伊藤 謙 米森 敬三 深尾 葉子 安冨 歩 中崎 鉄也 山崎 安津 清水 徳朗 中野 道治 岳 修平 林 維真 鐘 國芳 中野 道治 長田 俊樹 渡邉 和男 河瀬 真琴 山下 満智子 前山 和範 中村 彰宏
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

ウンシュウミカン、カボス、などの両親が明らかとなり、多くの日本在来カンキツは、キシュウミカン、ユズ、タチバナに起源していることが明らかとなった。キシュウミカンは中国江西省の「南豊蜜橘」に由来することが示された。タチバナは台湾に起源し、沖縄を経て本土に伝播したと考えられ、タチバナの沖縄系統はシークワーサーとの交雑によって生じたことが示唆された。田中長三郎のカンキツ標本を整理してデジタル入力を行い、検索機能も付加してアーカイブ化を行った。田中長三郎の自筆スケッチなどの資料を蒐集・整理してデジタル化を行うとともに、和歌山県橘本神社のカンキツ博物館「常世館」に展示し、広く一般に公開した。