著者
辻 英明 笹原 剛志 菅野 博英 大場 淳司 神名川 真三郎
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.50, pp.16-20, 1999-11-30 (Released:2011-08-11)
参考文献数
6
被引用文献数
1

1995~1998年にかけてササニシキBL栽培圃場に分布したイネいもち病菌レースを調べ, その分布変動要因を解析した。本品種栽培圃場では, 1996年までレース037が広く分布していたが, 1998年には本レースの分離地点数が減少した。これはササニシキBLでレース037に罹病性の構成系統の混合割合を1997年から減らしたためと考えられた。しかし, 1997年以降混合割合が増加した構成系統に対する親和性レースが新たに分離され, 1998年にはササニシキBLを構成する4系統全てが県内で確認されたいずれかのレースに対し罹病性となった。これは同質遺伝子系統の混合栽培においても短期間で親和性レースが出現し, いもち病に対する発病抑制効果が低下する可能性があることが示された。
著者
水元 紗矢 島田 周輔 神原 雅典 石原 剛 加藤 彩奈 大野 範夫 鈴木 貞興 小笹 佳史 浅海 祐介 吉川 美佳
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.38 Suppl. No.2 (第46回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.CbPI1300, 2011 (Released:2011-05-26)

【目的】変形性膝関節症において、異常な膝回旋運動を呈しているという報告を散見する。膝回旋はわずかな運動であり、回旋を評価することは難しい。内外側ハムストリングスは膝屈曲においては共同筋だが、回旋では拮抗筋となるため筋活動をみることで膝回旋運動を推察することができる。我々は第45回の本学会で下肢アライメントと歩行時筋活動との関係について、Q-angle高値側は内外側ハムストリングス筋活動比(M/L比)が低いと報告した。臨床において足位や後足部アライメントが脛骨回旋異常を引き起こしている症例を経験することから、今回足位および後足部回内外アライメントがM/L比に与える影響について検討したので報告する。【方法】対象は膝に障害のない健常男性10名(平均年齢27.5歳±1.9歳)の左膝10肢である。足位と後足部アライメントを変化させた条件下で、片脚スクワットを行なわせた際のM/L比を比較検討した。課題運動は片脚立位から膝屈曲60°の片脚スクワットである。上肢は胸の前で固定し、反対側の下肢は膝屈曲位、膝内外反および股関節内外転中間位で後挙させた。スクワットは屈曲2秒、屈曲保持2秒、伸展2秒の計6秒間とし、計3回行った。被験者には十分練習を行った上で計測した。筋活動の算出にはスクワット伸展2秒間の大腿二頭筋(BF)、半腱様筋(ST)、半膜様筋(SM)の筋活動を計測した。筋活動の記録には表面筋電計(Megawin Version2.0、Mega Electronics社)を用いた。得られた筋活動のRoot Mean Square(RMS)振幅平均値を算出し、計3回の平均値を各筋のRMSとした。さらに膝屈曲45°での最大等尺性収縮を100%として正規化し、%RMSを算出し各筋の%RMS を求めた。ST、SMに対するBFの割合をそれぞれST/BF比、SM/BF比とした。足位は、床に対して足長軸を進行方向に向けた位置をtoe 0°、それより5°外側に向けた位置をtoe-outとした。後足部アライメントは、入谷の方法をもとに2mmのパットを用いて回内位(PR)、中間位(NP)、回外位(SP)を誘導した。検討項目は、ST/BF比とSM/BF比を以下に示す3通りの方法で比較検討した。1.(1) NP・toe0°とNP・toe-out、(2) NP・toe0°とPR・toe0°とSP・toe0°、(3) NP・toe-out とPR・toe-out とSP・toe-outとした。2.NP・toe-outでのST/BF比とSM/BF比を検討した。各筋の%RMSを比較した。統計学的解析には、二元配置分散分析法と多重比較検定、対応のあるt-検定を用いた。有意水準は5%未満とした。【説明と同意】 ヘルシンキ宣言に基づき、被験者には研究の主旨を十分に説明し同意を得た上で計測した。【結果】1-(1) toe0°とtoe-outではST/BF比、SM/BF比とも有意差を認め(P<0.05)、toe-outでBFの活動が高くなった。1-(2) toe0°では、ST/BF比でPRとSP間に有意差を認めた(P<0.05)。1-(3) toe-outでは、SM/BF比でNPとPR間に有意差を認め(P<0.05)、PRでBFの活動が高まり、SMの活動低下がみられた。2. toe-outでのST/BF比とSM/BF比は有意差を認めなかった。【考察】 本研究により、荷重位での足位および後足部アライメントによりM/L比が変化することが示された。Scott.K(2009)はtoe-outでのエクササイズにてM/L比の減少が起こると報告しており、本研究の結果もそれを支持する結果となった。toe-outにてBF筋活動が高まることは、内旋方向へ誘導される下腿の運動を制御した結果ではないかと考えた。toe-out・PRにおいてSM/BF比は減少を認めたが、ST/BF比は有意差を認めなかった。この理由としては、STとSMの筋機能の違いによるものと考えた。SMは筋形状とレバーアームの関係により浅屈曲で筋活動が優位になり、STは深屈曲で筋活動が優位となる。回旋作用としてはSMに比べSTで作用が高い。本研究ではスクワット60°屈曲位で行ったことから、SM筋活動の抑制が起きたためSM/BF比に有意差を認めたと考えた。【理学療法学研究としての意義】本報告で、足位および後足部アライメントの変化によるST/BF比、SM/BF比の基礎的データが得られた。足位および後足部アライメントが内外側ハムストリングスの筋バランスに影響を与えることが示された。スクワット運動や荷重位でのエクササイズにおいて、足位や後足部アライメントを考慮する必要があると考えた。
著者
加藤 美生 石川 ひろの 奥原 剛 木内 貴弘
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.66, no.12, pp.746-755, 2019-12-15 (Released:2019-12-25)
参考文献数
18

目的 複数の国や地域で事業展開する研究開発型多国籍製薬企業は,社会的貢献の対象である患者団体との繋がりが深い。社会的貢献の内容は多岐にわたり,寄付金や協賛費などの直接的資金提供から,企業主催の講演会などに伴う費用などの間接的資金提供,患者団体への依頼事項(原稿執筆や監修,調査)への謝礼,さらには社員による労務提供がある。研究開発型企業の場合,ユーザーである患者の声を生かし,より患者に寄り添った医薬品の開発が求められる。そのため,企業と患者団体との関係性に関する透明性を担保することは,あらゆるステークホルダーにとって重要である。本研究の目的は研究開発型多国籍製薬企業の社会的貢献活動と患者団体の関係の透明性を確保するための情報開示動向を,日米欧の業界団体規程を軸に把握することである。方法 欧州製薬団体連合会(EFPIA),米国研究製薬工業協会(PhRMA),日本製薬工業協会(JPMA)による「製薬企業と患者団体との関係の透明性」に関連する規程の記述内容について,「透明性」「対等なパートナーシップ」「相互利益」「独立性」の4概念を用いて質的帰納的に分析した。結果 記述内容のほとんどは「透明性」に関していた。最も具体的に記載されていたのはEFPIAの規程であり,患者団体の制作物内容への影響を与えないことや企業主催あるいは患者団体主催のイベントやホスピタリティに関する記載があった。3団体の規程とも財政支援や活動項目の目的や内容について,記録をとることを課していた。しかし,透明性の確保のための情報公開については,PhRMAでは必須とせず,JPMAでは明確な更新スケジュールについて明記がなかった一方,EFPIAでは年1回公開情報の更新を義務付けていた。「対等なパートナーシップ」については,相互尊重,対等な価値,信頼関係の構築などのワードが共に抽出された。いずれの規程も「相互利益」についての言及がなかった。「独立性」に関しては,いずれの規程も患者団体の独立性を尊重または確証することが記述されていた。結論 各団体が規程を示し,各会員会社による自発的な情報開示を推奨していたが,団体によりその詳細の度合いが異なっていた。業界団体の規程は会員会社のポリシーの基となることから,できるだけ詳細にかつ地域を超えて,同様の情報開示内容や規程が揃えられることが望まれる。
著者
早坂 正敏 青柳 京子 木村 高久 牧原 剛 牧村 瑞惠
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.380-385, 2001-08-10 (Released:2011-03-04)
参考文献数
8
被引用文献数
2 2

We have developed a system for the automatic checking of drug interactions when physicians order drugs using prescriptions. This checking is based on drug interaction data obtained form the package insert, which includes not only contraindicated combinations but also cautions. As these data can be printed out, it is easy to pass on such drug information to patients.The system also has a function whereby contraindications are always shown on the screen, whereas administration cautions and other information may be optionally omitted, or included where necessary. Therefore physicians can also order excess doses of some drugs or certain interacting drugs by prescribing them under special circumstances. These items of information are indicated with an asterisk in the prescription and are also provided to community pharmacies through legal prescriptions.The system displays the referred data on an order screen without any reduction in the response time of the host computer. The average response time was 3 s for up to a total of 17 different prescription drugs, and 4 s for more than 17. The response time from 10 : 00 a.m. to 2 : 00 p.m., when the frequency of outpatient prescription orders is the highest, was about the same as during other periods.These results suggest that this system is useful for checking of drug interactions on prescription in three hospitals affiliated with our medical college.
著者
栗原 剛 平田 輝満 髙田 陽介 林 泰三 三崎 秀信
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.I_915-I_922, 2014 (Released:2015-05-18)
参考文献数
7

2010年10月に羽田空港が国際化したことで,首都圏西部からの海外へのアクセス性向上や深夜早朝定期便の運航などによる旅行オプションの増加に寄与していると考えられる.そこで本研究は,羽田空港の国際化前後における国際線航空旅客の流動等への影響と効果について,独自のアンケート調査を実施し,空港の選択理由や国際化前後の同一個人の行動変化等について実態分析を行った.その結果,空港選択理由から首都圏居住者の空港アクセスの利便性が高く評価されていたほか,地方空港から羽田での乗換が便利になったことから,地方居住者にとっても利便性が向上したことが分かった.また,羽田空港へのアクセス性向上や発着時間帯の拡充等により,新たな海外旅行行程の選択肢が広がることにより,旅行需要が誘発された可能性が示された.
著者
石原 剛 須永 義則 小林 雅彦
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.31-36, 1998
参考文献数
8
被引用文献数
1

FM一括変換型光伝送方式を用いた多チャンネル光映像伝送において, 2つのFM用レーザをそれぞれ逆位相の多チャンネルAM信号により光周波数変調し, 合波して直接伝送する方式を提案した。FM電気信号によりレーザを強度変調して送出する従来方式に比べ, 構成が簡単になるとともに伝送特性が向上する。光ファイバの波長分散・非線形光学効果による歪・CNR特性劣化が従来方式に比べて大きく改善できることを実験的に確認した。
著者
小松原 剛志 塩見 昌裕 神田 崇行 石黒 浩 萩田 紀博
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.33, no.10, pp.789-799, 2015 (Released:2016-01-15)
参考文献数
21
被引用文献数
2 3

This paper reports a robot which interacts with children semi-autonomously in a science room of an elementary school to help children's understanding of science classes. The robot asked children questions related to their science classes during breaks between science classes; children could freely interact with it during experiment periods. We implemented a personal identification function to the robot by using a face recognition system with robot's camera and a human tracking system with environmental sensors. Still, speech recognition is difficult in noisy elementary school environment; therefore we decided to take over speech recognition function by the operator. In this study our result did not show significant effects of the robot existence for helping children's understanding, but we found that children who joined to the robot's quiz more than a certain time increased understanding toward a specific unit.
著者
栗原 剛 岡本 直久
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.147-155, 2010 (Released:2017-11-29)
参考文献数
20
被引用文献数
2

本研究では、インバウンド需要予測手法の精緻化およびインバウンド政策の評価手法確立を目指し、インバウンド需要に影響を与える政策および外的要因の分析を行った。インバウンド需要予測は旅行発生量、分布の2段階から構成される手法を用い、影響要因には海外旅行自由化および経済成長、査証規制緩和、自然災害等を挙げた。海外旅行自由化や経済成長の影響を反映したロジットモデルでそれぞれ旅行発生量が増加することが示されたほか、査証規制の緩和を旅行分布モデルに導入し、訪日中国人旅行者に対して査証免除政策を行ったときの効果が定量的に表現できることが示された。
著者
市原 剛 濱田 貴弘 浜田 信一郎 大栗信一 石井 喬文 渡辺 隆 大谷 和男 安藤 正彦 高橋 弘隆 中原 遼太郎 Go Ichihara Takahiro hamada Shinichiro hamada Shinichi ookuri Takafumi Ishii Takashi Watanabe Kazuo Ootani Masahiko Ando Hirotaka Takahashi Ryotaro Nakahara
雑誌
【全国大会】平成26年電気学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
pp.145-146, 2014-03-05

JR内房線の竹岡変電所は山間部に設置されており、東京電力の特高回線が付近に存在していない。この為隣接する佐貫町変電所にて東京電力受電した交流60kVを33kVに降圧し「き電補助線」を通じて電源供給を行っている。き電補助線は鳥害や樹木によるトリップが多く設備の老朽化も進み対策に苦慮している。当該変電所付近は単線で列車負荷も大きくない事から電力貯蔵装置を設置した場合に列車運転可能かを調査し、き電補助線と変電設備スリム化に繋がるか検証を行った。取り組み内容としては変電所にて負荷データ採取を行いシミュレーションを行ったところ2000kWの貯蔵装置を設置することで列車運転が可能であるとの結論に達した。
著者
松原 剛 金杉 洋 熊谷 潤 柴崎 亮介
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.1550-1555, 2016-07-06

平常時から継続的に人々の流動や分布を把握することは,様々な分野の基盤情報として需要が拡大しつつある.人々の流動を把握する手段として,屋外においては GPS を利用した衛星測位技術が確立しているが,地下や屋内等 GPS が利用できない場所では,様々な屋内測位手法が提案されており,施設ごとに独立して設置されている.人々の流動や分布の変化を屋内施設 ・ 地下空間に渡って捉えるには,少なくとも施設単位の粒度で位置を特定する必要がある.本論文では東京都内の地下鉄駅を対象に,携帯電話網の通信で参照される基地局セル ID と各地下鉄駅の対応表を作成し,地下鉄利用時の利用駅の推定を試みた.
著者
柏原 剛 市川 衛 豊原 正智 松井 桂三
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.15, pp.1-6, 2010-08-16

現在、ウェブでは CGM (コンシューマー・ジェネレイテッド・メディア) [1] が登場したことにより、ユーザーからコンテンツの発信が盛んに行われるようになった。しかし、電子掲示板などで見られる、複数のユーザーから集められたデータが集まり、ひとつのコンテンツが生成されていくのは文字を手段としたものがほとんどである。そこで、本研究では文字以外の複数のデータが集まって一つのコンテンツが生成される CGM を構築した。Up to now web surfers who make use of CGM (Consumer Generated Media) have been actively generating media content. However, as is often seen in BBS, the content gradually amassed from data posted by multiple users is almost always conveyed in the form of script (or written characters). Therefore this study attempts to construct a CGM that does not depend on conventional script for multiple users to post data and generate content.
著者
谷口 初美 福田 和正 王 岩 HINOUE Mitsuo 山内 和紀 市原 剛志 水野 康平 石松 維世 世良 暢之 濱崎 光宏 高橋 浩司 堀川 和美
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.349-367, 2004-09-01
被引用文献数
4

廃棄物処分場や不法投棄現場においてガス発生が多発している.硫化水素ガス発生予測の基礎となる土壌細菌叢の動態を量的,質的に評価するための遺伝子工学的検査法を構築することを目的に,従来の染色法,培養法による検証と共に,実験手法の確立を行った.全菌数測定にreal time PCR法を導入し,その有用性を明らかにした.Direct PCRにより増幅した16S rRNA遺伝子の塩基配列決定により,菌種の同定を行った.硫化水素ガス発生に関与するイオウの酸化または還元菌群の頻度を調べた結果,復旧作業中の不法投棄現場では,深層部の土壌で,無芽胞硫酸還元菌とイオウ酸化細菌群が高頻度に同程度検出された.埋立廃棄物処分場では,深層部に有芽胞硫酸還元菌やClostridium属菌が多く検出され,イオウ酸化細菌群はほとんど検出されなかった.硫酸還元菌については嫌気培養法により同様の結果を得た.理化学検査の結果,硫酸イオン濃度は不法投棄現場では深層部に,埋立処分場では表層部に高かった.廃棄物処分場や不法投棄現場では硫化水素ガス発生の潜在的危険性が示唆され,遺伝子工学的検査システムが土壌の微生物叢評価および処分場のガス発生予知に有用であると考えられる.
著者
風間 卓仁 栗原 剛志 山本 圭吾 井口 正人 福田 洋一
出版者
特定非営利活動法人日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.593-604, 2016-12-31 (Released:2017-01-13)
参考文献数
24

Continuous time variations in relative gravity and tilt were observed by a CG-3 M relative gravimeter at Arimura, Sakurajima Volcano (Southern Japan) during the rapid inflation event on August 15, 2015. The gravity/tilt signals were retrieved from the original data by correcting several disturbances such as instrumental drift and tidal effect. The retrieved gravity change is -5.86±0.27μGal;its amplitude is smaller than the typical uncertainty of relative gravimeters (∼10μGal), but the continuous measurement of relative gravity in a one-minute interval contributed to the detection of the small gravity change in the case of Sakurajima Volcano. The tilt change of 55.9μrad is also retrieved from the CG-3 M’s tilt data. The success in detection of the tilt change shows that the gravimeters can be utilized as portable tiltmeters as long as significant tilt variations are expected at volcanic areas. The observed gravity change is consistent with one of the dike intrusion models provided by Geospatial Information Authority of Japan, if the density value in the dike of 0.98±0.37g/cm3 is assumed.
著者
岡田 一義 今田 聰雄 海津 嘉蔵 川西 秀樹 菅原 剛太郎 鈴木 正司 石川 勲 佐中 孜 奈倉 勇爾 松本 紘一 高橋 進
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.36, no.8, pp.1315-1326, 2003-08-28
被引用文献数
5 7

本邦では, 透析患者の終末期において, 血液透析 (HD) が安定して施行できている患者の自己決定を尊重し, HDを中止することについての生命倫理学的研究は殆どない. 今回, われわれは, 透析医 (552名) を対象として, 安定したHDを受けている悪性腫瘍終末期症例を提示し, いくつかのシナリオに対して, HDを中止するか, 継続するかの意識調査と, advance directives (AD), 尊厳死, 尊厳生についてどのように考えているかの意識調査を全国的規模で行った.<br>434名 (78.6%) から回答が得られたが, 有効回答は427名 (77.4%) であった. ADおよび尊厳死が法的に認められていない現状において, ADの有無で比較すると, (1) 家族がHD中止を申し出た場合, (2) 家族がHD継続を申し出た場合とも, ADがあるとHDを中止する回答は有意に増加した ((1) 48.0%→78.9%, (2) 0.2%→2.6%). さらに延命療法を中止しても法的責任は問われないと仮定すると, ADがあるとさらにHDを中止する回答は増加した ((1) 90.9%, (2) 11.9%). ADと尊厳死を必要であると回答した透析医はそれぞれ74.0%, 83.1%であったが, 法制化も必要と回答した透析医は56.4%, 63.7%に減少した. 尊厳死と尊厳生の比較では, 尊厳生を支持する透析医は, 尊厳死を支持する透析医よりも多かった (47.1%, 15.9%).<br>今回の結果は, 現状でも, 透析医および家族が患者の自己決定を尊重すると, ADによる尊厳死が行われる可能性があることを示唆し, 多くの透析医がADや尊厳死を必要と考えている. 一方, 尊厳生は人間にとって非常に大切なことであり, 尊厳死よりもこの言葉を支持する透析医が多かったと考える. すべての国民は個人として生きる権利を認められており, 本邦では, 終末期にも自分が考える尊厳ある生き方を貫くということから始め, 家族および社会が納得する範囲で, 先ず尊厳生によるADが自己決定のために重要であると認識させる努力をすべきである.
著者
萩原 剛
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.710, pp.110-113, 2002-01-21

「初めて超高層ビルの設計を手掛ける際,外装デザインをどうすべきか迷っていた」。竹中工務店設計部の萩原剛氏はこう話す。モジュールを統一してデザインすれば,大面積の「繰り返し」デザインの外装が出来上がる。印象が薄れはしないか……。萩原氏がデザインのヒントにしたのは,2人の巨匠のマリオンだった。
著者
太田原 剛 杉山 高弘
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.45, pp.101-102, 1992-09-28

Xウィンドゥ上で動作するアプリケーションプログラムのグラフィカルユーザインタフェース(GUI)開発を効率的に行うツールとして鼎(かなえ)インタフェースビルダ「ゆず」がある。この「ゆず」の特長の一つにツールボックス機能がある。ツールボックス機能とは、ボタン、あるいはメニューなどの対話部品が選択された時に起動される処理(コールバック)を設定するためのものである。本稿では、以下の特長を持つツールボックス機能について報告する。・コールバックはマウス操作だけで設定可能・設定したコールバックをその場で確認可能・設定したコールバックのC言語ソースが自動生成可能
著者
市川 良哉 遠藤 隆 堤 博美 東山 弘子 高見 茂 大町 公 山田 隆敏 荒川 茂則 武久 文代 高橋 光雄 藤原 剛 田井 康雄 田中 良 田原 武彦
出版者
奈良大学総合研究所
雑誌
総合研究所所報 (ISSN:09192999)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.3-59, 1994-02

国民が生涯にわたって学習する機会を求めている現状にてらして、中央教育審議会は平成2年1月30日「生涯学習の基盤整備について」答申し、同年6月29日に「生涯学習の振興のための施策の推進体制等の整備に関する法律」が施行され、新しい「大学設置基準」(平成3.7.1施行)もそれを踏まえている。こうした流れの中に、高等教育機関が地域の人びとの生涯学習推進に寄与することに強い期待を寄せているところに時代の特徴を見る。翻っていえば、これは高等教育機関としての大学は地域社会へ自らをどう開放するのか、どのような貢献が可能であるのかにかかわる問題であり、大学は時代の要求にどう答えるのかを問われているのである。本研究は本学が高度先端科学技術集積都市が形成されつつある「関西学術文化研究都市(以下学研都市)圏に位置するという立地条件の下で、地域レベルでの生涯学習支援システムを構築する際に担う本学の役割と課題を、総合的に検討するための基礎データを得るために調査を多面的に実施することに目的をおいている。