著者
三浦 孝久 桑原 敏郎
出版者
日経BP社
雑誌
日経automotive technology (ISSN:18819362)
巻号頁・発行日
no.12, pp.122-127, 2009-05

シンコーとナ・デックスはヘム折りをするロボットを開発した。手先にローラを持たせ、ワークの縁を転がす。従来はプレス機を使っていたため、製品の種類だけ金型が必要だった。ロボットはプログラムを変えるだけですべての製品に対応でき、金型費を節約できる。電気代も1/3で済み、加工の総コストを半分にできる。
著者
原 敏晴 Toshiharu Hara 大阪商業大学経済学部
雑誌
地域と社会 = Journal of region and society (ISSN:13446002)
巻号頁・発行日
vol.11, 2008-09-01

2007年を象徴する言葉は「偽」であった。それほど組織不祥事が続出した一年であった。日本を代表する一流有名企業による不祥事はいうに及ばず、薬害肝炎訴訟や社会保険庁の年金不払い問題、防衛省の機密情報漏洩事件など中央官庁による不祥事も続出している。食品メーカーによる産地偽装、賞味期限の改ざん問題や人材派遣会社による偽装請負や二重派遣に至っては枚挙に暇がない。これらの一連の不祥事は日本社会において信頼が低下ないし崩壊していることを如実に示している。われわれ経営学者の立場からすれば、これらの不祥事は「組織的に行われている、あるいは組織的に隠蔽される」という点で、看過しがたい重大な問題を孕んでいる。そこで本稿では、バーナードの組織理論を基礎にして、信頼という視角から組織不祥事の発生・抑止メカニズムについて考察していきたい。一般的に、経営倫理やCSR(企業の社会的責任)が経営に内在的な論理であるのに対して、信頼は経営に外在的な論理といわれる。しかし本稿では、オートポイエーシス論を援用することによって、組織把握の視点の転換をともなうという点において、かかる考察はとりもなおさず、組織の境界を問い直す作業にほかならない。
著者
小平 秀一 富士原 敏也 中村 武史
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.118, no.9, pp.530-534, 2012-09-15 (Released:2013-01-26)
参考文献数
14
被引用文献数
2

2011年東北地方太平洋沖地震では,海溝軸周辺までの断層破壊に伴う海底変動が大きな津波の原因と考えられているが,地震に伴う断層運動の上限は正確に見積もられておらず,巨大津波の成因は未解決のままであった.そこで,海溝軸周辺の海底地形変動を明らかにするため,地震発生直後にマルチナロービーム音響測深機により取得した海底地形データを,地震前の海底地形データと比較した.その結果,海溝陸側で海溝軸まで及んだ大きな偏差が確認された.この偏差から地震に伴う海底変動を見積もったところ,海溝陸側が東南東方向に50 m水平に移動して,10 m隆起していると推定された.この大きな水平変動によって,海溝軸陸側の急斜面では,実効上10−20 mの大きな隆起をもたらし,数値モデリングによると,この変動が今回の地震に伴う巨大津波の原因と考えられる.
著者
池 享 柳原 敏昭 七海 雅人 渡辺 尚志 平川 新 蔵持 重裕 菅野 文夫 蔵持 重裕 小林 一岳 長谷川 博史 平川 新 渡辺 尚志 遠藤 ゆり子 長谷川 裕子 川戸 貴史 黒田 基樹 糟谷 幸裕 藤井 崇
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、これまでの研究で十分に明らかにされてこなかった、中近世移行期の鉱山開発が地域社会に与えた影響の解明を課題としている。そのため、大規模鉱山よりも地域社会との関わりが密接な、砂金・土金採取を基本とする岩手県東磐井郡域の鉱山をフィールドに設定した。研究の到達段階を踏まえ、採掘統括責任者の家文書の目録作成・翻刻や、地名等の歴史情報の聞き取り調査など、研究の基礎となる情報の収集・整理に重点が置かれた。その成果は、A4版560ページの印刷物としてまとめられている。
著者
今井 則夫 市原 敏夫 萩原 昭裕 玉野 静光 今吉 有理子 岩渕 久克 鈴木 幸雄 中村 幹雄 白井 智之
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本トキシコロジー学会学術年会 第33回日本トキシコロジー学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.138, 2006 (Released:2006-06-23)

【目的】亜酸化窒素は、無色、無臭のガスで、日本を含めた20カ国以上で食品添加物(噴射剤)として用いられている。日本薬局方にも収載されており、吸入による安全性試験は多数報告されているが、経口投与による報告はない。そこで今回、F344ラットに亜酸化窒素を28日間経口投与し、毒性学的影響を検討した。【方法】亜酸化窒素は気体でそのまま経口投与することは不可能であるため、米国で市販されている亜酸化窒素を含有するホイップクリームを6週齢のF344ラット(雌雄各群6匹)に0, 2.5, 5.0および10 g/kg/day(亜酸化窒素として0、16.8、33.6、67.1 mg/kg/day)の用量で28日間強制経口投与した。また、亜酸化窒素だけではなく、クリームそのものおよび気体の容積による影響が考えられることから、亜酸化窒素を含まないクリームだけを10 g/kg/dayで投与する群、クリーム10 g/kg/dayに亜酸化窒素量にほぼ相当する容積の空気を加えた群も設定した。投与期間中、体重、摂餌量および摂水量を週1回測定した。投与最終週に尿検査および眼科学的検査を行った。投与期間終了後、腹部大動脈より採血し、得られた血液および血漿を用いて血液学的検査、血清を用いて血液生化学的検査を行った。また、放血致死させた後に剖検を行い、採取した主要器官の重量を測定するとともに、全身諸器官の肉眼的病理学検査および病理組織学的検査を実施した。【結果】亜酸化窒素含有ホイップクリームの10 g/kg/day(亜酸化窒素67.1 mg/kg/day)投与で、いずれの検査項目においても亜酸化窒素投与による毒性学的影響を認めなかった。【結論】亜酸化窒素の無毒性量(NOAEL)は雌雄とも67.1 mg/kg以上であると結論した。
著者
松原 敏浩 林 文俊
出版者
経営行動科学学会
雑誌
経営行動科学 (ISSN:09145206)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.79-89, 1986-10-15

This study aimed to examine the influences of subordinate job characteristics and personality on the relationship between perceived leader behavior and subordinate morale and performance. The main results are as follows: (1) The relationship between consideration and intrinsic satisfaction was more positive for job high in variety than for job low in variety. (2) The relationship between initiating structure and intrinsic satisfaction was more positive for job low in variety than for job high in variety. (3) The relationship between initiating structure and extrinsic satisfaction was more positive for job low in cooperation requirement than for job high in cooperation requirement. (4) The relationship between consideration and performance was more positive for job high in autonomy than for job low in autonomy. (5) The relationship between consideration and performance was more positive for job low in cooperation requirement than for job high in cooperation requirement. (6) The relationship between initiating structure and individual performance was more positive on the subordinates of low growth need than on those of high growth need. The results of this study did not support the hypothesises of the path-goal theory. The reason of disagreement was discussed.
著者
芥川 真一 笠原 敏志
出版者
Japanese Society for Engineering Education
雑誌
工学教育 (ISSN:13412167)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.26-32, 2000
被引用文献数
2 2

自然現象の数理モデルを計算機によってシミュレーションする手法として有限要素法が発展し,現在では科学技術計算の根幹を支える手法のひとつとしてその地位を確立している.航空機の設計に初めて用いられた有限要素法は,既に半世紀ほどの開発の歴史を経て現代に至っており,その最先端技術には目を見張るものがある.一方,大学などの専門教育課程においては学部3年から大学院にかけて有限要素法を学習するカリキュラムが多く見られるが,初めて有限要素法に取り組もうとする学生は,半世紀前の学生と同様に,変分原理,仮想仕事の原理,発散定理などの難解な概念,あるいは偏微分方程式,積分方程式などの数学的表現と格闘することになる.多くの場合,これらの概念を学ぶ事と,実際の問題を解くプロセスとを関連付ける事が困難であるために,初期の段階で学習意欲が低下したり,実際に計算を正しく行う事が出来るようになった段階でも,力学問題における応用力に欠けている場合もある.本論文は,これらの状況を勘案し,「物体に荷重が作用したときに何がおこるのか?」という極めて明快な課題に対して,リアルタイムに解を求め,その結果を即時にコンピュータのスクリーンに表示できるように作成した有限要素法解析プログラムについて,その適用性と可能性を考察したものである.
著者
屋敷(土肥) 圭子 木曽 昭典 周 艶陽 岩崎 大剛 神原 敏光 水谷 健二
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.274-280, 2009-12-20 (Released:2011-12-21)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

皮膚組織における皮下脂肪の増加は,リンパ管や血管を圧迫し皮膚のたるみやむくみなどのトラブルを引き起こすだけではなく,ボディラインを崩すセルライトなどを形成する。われわれは,植物抽出物のさらなる応用を化粧品に広げるために,皮下由来の脂肪細胞に対する分化誘導抑制作用および脂肪分解促進作用について検討した。本研究では,ヒト皮下由来の前駆脂肪細胞を用いて,分化誘導抑制作用について数種類の植物抽出物をスクリーニングした結果,オウレン抽出物とその主成分であるベルベリンに作用があることを見出した。さらに,前駆脂肪細胞から成熟脂肪細胞へ分化するさいに関与する遺伝子発現を解析した結果,オウレン抽出物およびベルベリンにこれらの遺伝子を抑制する作用が認められた。また,オウレン抽出物およびベルベリンには,成熟脂肪細胞に対して脂肪分解作用および熱産生関連遺伝子の発現促進作用を有することが明らかになった。本研究においてわれわれが検討したオウレン抽出物およびその主成分ベルベリンは,中性脂肪を増やさず,すでに蓄積した脂肪を分解することが期待され,ボディケア製品やスリミング化粧品などへの応用が示唆された。
著者
角田 令吉 管野 俊雄 辻 尊文 白水 俊次 原田 望 相原 敏 佐渡 哲夫
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.484-492, 1988-05-20
被引用文献数
1

背面入射型p^+n-InSbフォトダイオードアレイと埋め込みpチャンネルSi-CCDをInバンプで貼り合わせた64×64画素IRCCDを開発した.イオン注入法で作製したフォトダイオードの表面不活性化に, 陽極酸化/Al_2O_3低温スパッタ法で形成した2層膜を採用したところ, 接合の良さの指標である無バイアス微分抵抗と接合面積との積R_0Aを10^5Ωcm^2以上と大幅に改善することができた.また, Inバンプをあらかじめ円錘形に成形した後に両基板を圧接するプロセスの採用により必要圧力が減り, その結果, 両基板に損傷を与えることなしに結合抵抗を大幅に減らすことができ, 電荷注入効率が改善された.そのためγ値=1.00±0.01と優れた入出力直線性が得られた.また, InSb結晶厚さを20μmまで薄く研磨することにより, 高感度化が達成されると共にクロストークも減り, MTFの改善が図れた.これらの効果により, 画素補正を行った後の温度分解能NETDは0.05〜0.06degまで向上した.
著者
辻 順行 黒水 丈次 豊原 敏光
出版者
The Japan Society of Coloproctology
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.52, no.10, pp.1030-1037, 1999-10-01
被引用文献数
2

平成9年4月から平成11年3月までに当クリニックで行われたday surgeryの218例を対象として分析を加え, 以下の結果を得た. (1) 同時期にクリニックで手術が決定された症例の内訳をみると, day surgeryが59%, 短期入院手術が5%, 普通の入院手術が36%で, day surgeryが過半数を占めた.また希望の入院日数に関するアンケートをみるとday surgeryが41.2%, 1週間までの入院が56.9%で計98.1%を占めた.以上より肛門疾患の入院日数は今後ますます短くなると思われた. (2) day surgeryの麻酔 (仙骨硬膜外麻酔または局所麻酔) については施行時の疼痛の強さ, 施行の際の難易性, 合併症の頻度, 診療時間等を十分に検討した上で決定すべきであると思われた. (3) 術後の早期出血については術後の安静時間を十分に確保すること, 創面に対し止血綿を使用するなど十分な止血操作を加えることで防止は可能と思われた.また痔核の晩期出血については最低3週間は溶解しない吸収糸の使用, 根部結紮にゴム輪結紮の併用や口側粘膜下に硬化剤の注射, 排便指導等を行うことで極力減らせると思われた. (4) 術後の疼痛については閉鎖術式の場合, 半閉鎖の高さを浅くする, 上皮のみを縫合するなど肛門の緊張を上げない工夫をし, 術前より緊張の高い症例では術中に緊張を下げる操作を加える, 嵌頓痔核の手術はしない.また結紮切除の数は肛門の緊張が弱い症例を除いては2ヵ所までとし, それ以上は二期的手術, 短期入院手術とすること等で軽減できると思われた.またアンケートをとると術後の鎮痛剤として, 坐薬は患者の挿入時の不安が強く, 経口薬が適当であると思われた. (5) 費用の点でday surgeryと2週間入院手術症例の比較を痔核症例で行うとday surgeryは入院手術の約1/4であった.
著者
平山 匡彦 鈴木 慎太郎 井上 広平 作元 誠司 井手 陽一 北原 敏弘 中野 正治 宮崎 長一郎 嵩下 賢 出口 法隆 佐藤 宏樹 三木 晶子 澤田 康文
出版者
一般社団法人日本医薬品情報学会
雑誌
医薬品情報学 (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.87-94, 2016 (Released:2016-09-27)
参考文献数
3

Objectives: First steps to promote the proper use of medicines in remote islands and rural areas are as follows: (1) recognition of the profession of “pharmacist” from secondary-remote-island residents who do not have a pharmacy or drugstore or the opportunity for pharmacist contact and (2) an understanding by remote-island residents of the advantages of having a “family pharmacist.”Methods: Repeated “medicine information and consultation sessions” for secondary-remote-island residents of Japan’s Nagasaki Prefecture were held.  Residents were then surveyed for changes in awareness of or demand for pharmacists and the nature of such changes.Results: Before the information sessions, 29.7% of residents did not recognize the profession of pharmacy, but the extent of their recognition increased after information sessions were concluded.  They were asked “Who explains medicines in a way that is easy to understand ?”; more than half responded “doctors” before the information session, but after information sessions were concluded, those who said “pharmacists” increased.Conclusion: Conducting “medicine information and consultation sessions” for residents of secondary-remote islands and rural areas enabled them to understand the profession of pharmacy.  The initiatives in the present study are first steps toward promoting proper use of medicines by residents of remote islands and rural areas who use “family pharmacies/pharmacists.”