著者
泉 ひかり 萩原 聖士 玄 浩一郎 井尻 成保 足立 伸次
出版者
北海道大学大学院水産科学研究院
雑誌
北海道大学水産科学研究彙報 (ISSN:13461842)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.125-130, 2015-12-20

Removal of ribosomal RNAs(rRNA) from total RNA in eggs before preparation of a RNA library is required for the analysis of maternal mRNA using next-generarion sequencing ; this mRNA is essential for normal development. In mammals, the rRNA-depletion method is well-established and is already being used for the development of experiment kits. However, this method is not designed for other species, e.g., non-model organisms. In the current study, we attempted to remove rRNA from total RNA of Japanese eel Anguilla japonica, which is one of the most important aquaculture species in Japan. Removal was performed via hibridization-selection using mammalian probes from a commmercially available kit and/or an ordinally designed eel probe. Quantitative polymerase chain reaction(PCR) was performed to examine the depletion efficiency of 18S rRNA and 28S rRNA were comparative between each method, and >98% depletion was achieved. In addition, RNA-sequencing analysis using a next-generation sequencer and read-mapping analysis were carried out using the rRNA-depleted RNA, which was prepared using a mammalian probe, and mapping analysis revealed that rRNA reads were <1% of the total reads. These results suggest that an rRNA-depletion kit designed for a mammal can also be used for fish species.
著者
柳原 聖
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.89, no.928, pp.23-00166, 2023 (Released:2023-12-25)
参考文献数
17

Grinding is mostly utilized as finishing process in production. Thus, it is required to maintain performance of grinding wheel for preventing grinding failures such as grinding burn, loading, chatter marks, and so on. Although regular dress-interval for grinding wheel is adopted in practice, if degradation of grinding performance can be detected in process, not only the best dress interval can be determined, but also no-failure grinding can be realized.Therefore, in this study, super abrasive wheel with new disk design is made smart by means of attaching sensors on disk of wheel to monitor load of grinding wheel. Also, in order to realize in-process grinding control, tool-work-velocity-control-system which is consist of microcomputer and original electro board has been developed. This system can control grain depth of cut by means of controlling relative velocity between grinding tool and workpiece. Utilizing the smart super abrasive wheel and the tool-work-velocity-control-system, cylindrical grinding experiment is executed.As the result, the combination of those developed items shows availability that they can provide continue of grinding process without any failure even if sharpness of grinding tool is degraded.
著者
柿原 泰 藤岡 毅 山内 知也 濱岡 豊 高橋 博子 中原 聖乃 林 衛 徳永 恵美香
出版者
東京海洋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2021-04-01

本研究は、放射線影響をめぐる科学的な調査研究をもとにした放射線防護の体系(その理論、基本原則の考え方、諸概念等)がいかに形成されたのか、そして実際に社会的な場面で放射線防護の実践がいかになされたのか、その実態と問題点について、科学史・科学論的研究を基に明らかにしつつ、とくにこれまでの放射線防護に欠けていると考えられる市民的観点からの再検討を加え、あるべき姿を提示すべく調査研究を進める。
著者
百野 浩一 石井 純 細原 聖司 木島 秀夫
出版者
一般社団法人 日本鉄鋼協会
雑誌
鉄と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.109, no.9, pp.728-737, 2023-09-01 (Released:2023-08-31)
参考文献数
29

Used plastic waste flowing into ocean has become a worldwide problem. In recent years international trade in used waste plastics has been regulated. Therefore, a large amount of used plastic should be disposed domestically. On the other hand, used waste plastics with high calorific value could be used as an energy source. Then a gasification process of used plastics using fluidized bed has been newly developed. In this process, used plastics were decomposed in a fluidized bed reactor at around 600°C which was lower temperature than that used in current commercial processes. Higher calorific value gas could be attained by a gasification reaction control at the lower temperature. Hydrogen enriched gas generated from the water gas shift reaction of the basic oxygen furnace gas was used as fluidizing, or gasifying agent since hydrogen was considered to have an effect for promoting the decomposition reaction of hydrocarbon in used plastics. As fluid medium in the reactor, catalysts were used to improve gasification efficiency. In this study, the effect of gasification temperature and the type of the catalyst on a calorific value of produced gas and a gasification efficiency were investigated. High calorific value gas (LHV: 5000 kcal/Nm3) could be successfully produced from pyrolysis of used plastics by appropriate gasification temperature and catalyst.
著者
蒲原 聖可
出版者
ファンクショナルフード学会
雑誌
Functional Food Research (ISSN:24323357)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.34-42, 2022-09-12 (Released:2023-01-26)
参考文献数
22

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策として,ウイルスへの暴露機会を減らす予防策が実践されており,ワクチン接種も進められている.一方,ヒトの側でのウイルス感染への抵抗性を高める対策も重要である.つまり,生体防御機構の維持・亢進による感染防御策,抗炎症や抗凝固といった作用による軽症者の重症化予防である.具体的には,適切な食事あるいはサプリメントの適正使用により,ビタミンやミネラル,その他の機能性食品成分を摂取することがCOVID-19 対策のもう一つの柱となる.これらは,後遺症対策としても重要である.機能性食品成分には,抗ウイルス作用や免疫賦活作用,抗炎症作用などを有する成分が知られており,ウイルス性呼吸器感染症の予防や重症度軽減作用が報告されてきた.すでに,ビタミンC,ビタミンD,亜鉛,クルクミン,コエンザイムQ10(CoQ10),ラクトフェリンなどでは,COVID-19 の罹患リスクや重症化リスクを抑制することが示されている.ワクチン接種による集団免疫獲得などにより,COVID-19 のパンデミックは収束に向かうと期待される.一方,COVID-19 変異株への懸念や,新興感染症の周期的・局地的な流行は,今後も継続 する.したがって,COVID-19 も含めた新興感染症対策として,セルフケアおよび補完療法での機能性食品成分の利活用が重要である.本稿では,COVID-19 の感染予防および重症化予防の視点から,機能性食品成分のエビデンスを概説した.
著者
市毛 竣 五十嵐 治一 石原 聖司
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.1D1GS203, 2022 (Released:2022-07-11)

近年のAIに関する課題として,機械学習の推論結果の内部のブラックボックスが挙げられる.その解決アプローチとして,人間の主観に沿うルールにより行うファジィ制御と強化学習の融合は有効な手法だといえる. ファジィ制御と強化学習の融合方式は以前から多くの試みがあった.五十嵐らはファジィ制御ルールを方策に持つ方策勾配法を提案した.そこではルール重みやメンバーシップ関数内部パラメータの学習則を述べている. 本研究では,自動車の速度制御問題の事例において,メンバーシップ関数をシグモイド関数で近似し,シグモイド関数内のパラメータ及びルール重みの学習を行った.学習実験の結果,適切なパラメータ値を得ることを確認した.しかし,この場合もメンバーシップ関数の概形は人間が設計していた.そこで,メンバーシップ関数をニューラルネットワークで近似し,適切なメンバーシップ関数の形状をゼロから学習できるか試みた.学習実験の結果,ランダムなパラメータの初期値から人間が設計したメンバーシップ関数の形状によく似た関数形を得ることができた.これは,本学習方式により,人間のファジィ的な概念をゼロから獲得できることを示唆している.
著者
榎戸 芙佐子 窪田 孝 中川 東夫 渡邉 健一郎 亀廣 摩弥 大原 聖子 地引 逸亀 野田 実希
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.46, no.10, pp.897-905, 2006
参考文献数
27

神経衰弱,慢性疲労症候群(CFS),うつ病の三者が疑われる3例の診断と治療・経過を紹介し,問題点を指摘し,今後の研究に対する提案を行った.症例1は疲労を主訴にインターネットの情報からCFSを疑って受診してきたがCFS疑診例であり,症状からICD-10の神経衰弱と診断し治療したが軽快に止まった.症例2もCFSを自己診断していたが,客観的所見に乏しく身体表現性障害と考えて治療していたとこう,妄想が明らかになり妄想性障害に診断を変更した.症例3は抑うつエピソード以前から身体徴候があり,リンパ節腫脹,関節痛,咽頭炎の症状からCFSと診断し,治療の結果ほぼ完治した.CFSと神経衰弱は社会的背景・症状が似ており,両者は文化的変異形と考えられる.れが国における神経衰弱の乱用ともいえる現状を考えると,CFSを積極的に診断し治療していくことが患者・家族の福利につながり,疲労の脳機能の解明にも貢献すると考えた.
著者
小林 俊一 松本 樹典 西岡 勉 篠原 聖二 譽田 孝宏 長屋 淳一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F1(トンネル工学) (ISSN:21856575)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.39-53, 2013 (Released:2013-03-19)
参考文献数
9

日本の開削工事のうち,大深度掘削に対する土留め設計には,梁ばねモデルを用いたフレーム解析(土留め弾塑性解析)が通常よく用いられる.この方法で予測した土留め壁変位量は,実工事での実測変位量よりも大きく,変位モードも異なり,結果として安全設計になる場合が多い.本研究では,地盤と構造物間の相互作用を考慮した土留め設計法を新たに開発することを最終的な目標とし,実際の開削工事現場で計測した土留め壁変位量と比較し,その妥当性を検討した.その結果,従来モデルや提案モデルによる水平変位量は,実測値より概ね大きい傾向にあるが,提案モデルの方が実挙動をより精度よく表現できることが分かった.またこの傾向は,砂卓越地盤よりも粘土卓越地盤の方で顕著であった.以上のことから,提案モデルの優位性を示すことができた.
著者
北見 智恵 河内 保之 五十嵐 俊彦 牧野 成人 西村 淳 川原 聖佳子 新国 恵也 原田 憲一
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.49, no.10, pp.1006-1015, 2016-10-01 (Released:2016-10-20)
参考文献数
51
被引用文献数
5 4

症例は65歳の女性で,腹部超音波検査で肝腫瘍を指摘された.ダイナミックCTで肝S5に18 mm大の辺縁は早期に中央は遅延造影される腫瘤を認め内部に門脈枝が貫通していた.良性疾患として経過観察されたが9か月後腫瘤が24 mmと増大し手術の方針となった.血液生化学検査所見ではCA19-9 83.7 U/mlと上昇,HBV-Ag(−),HCV-Ab(−)であった.肝S5部分切除を行った.病理学的所見は胆管上皮類似の腫瘍細胞が豊富な間質を伴いつつ管状,樹枝状に増殖,内部に既存の門脈域が埋没し,免疫組織染色検査ではCK7,CK19,NCAM陽性,Hep-Par1,AFP陰性,EMAが腺管構造の腺腔で膜状に染色され細胆管細胞癌と診断された.背景肝に慢性肝疾患の像は認めなかった.細胆管細胞癌は比較的まれな腫瘍で慢性肝障害を背景として発症することが多いとされている.正常肝に発症した1例を経験したので報告した.
著者
原 聖樹 落合 弘典
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.97-101, 1980
被引用文献数
1

北アルプス姫川谷下流域および山形県最上川中流域のLuehdorfia属2種の混生地において,Luehdorfia japonica LEECHギフチョウとL.puziloi inexpecta SHELJUZHKOヒメギフチョウとの間の雑交個体が少なからず採集されている.これらはいずれも,ヒメギフチョウ♂によって形成された受胎嚢を腹端に付着させたギフチョウ♀であって,その逆の組合せ例は知られていない.一方,ハンド・ペアリングによる両種の種間雑種の第一世代の育成は,交配飼育技術が昨今長足の進歩・普及を遂げたこともあって,愛好家の間ではかなり普遍的なものになってきた.ただし,これは前記の組合せの雑交(♀はギフチョウ)に関してであって,逆の組合せ(♀はヒメギフチョウ)にはあてはまらない.もちろん,従来まったく逆の組合せのハンド・ペアリングがこころみられなかったというわけではなく,この場合,正常な産卵を見るところまでは成功している(高倉,1965,1973).けれども,その卵が孵化した例はなく,この組合せによる種間雑種は幼虫・蛹・成虫等については未知である.筆者らは,野外でギフチョウ♂によって形成された受胎嚢を付けたヒメギフチョウ♀を採集し,この母蝶に強制採卵をこころみ,種間雑種F_1の幼虫・蛹を見ることができたので,その概要を報告する.発表に当り,種々ご協力いただいた伊藤正宏・森井謙介・斉藤洋一の諸氏に謝意を表する.
著者
松尾 由美 田島 祥 野原 聖子 坂元 章
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.23-33, 2008 (Released:2021-07-01)

本研究では、コンシューマゲームの中に社会性を高める特徴や工夫が含まれているのか、また、どのような社会性の特性を高めうるのかを明らかにすることを目的に、ゲームプレイヤーに対してWEB調査を行った。その結果、プレイヤーの認識では 1) コンシューマゲームによってどの社会性も育成される可能性はある、 2) 社会性を高める手法は「リハーサル」に基づく学習原理が多く用いられている、 3) 実際にゲームの中で社会性を身につけた行動を「練習・経験」することで社会性を身につけたいと思う動機が高まる可能性があることが示唆された。今後の研究では、実証的な調査によって、コンシューマゲームの社会性育成効果を確認する必要があるだろう。