著者
古居 敬大 浦 晃 三輪 誠 鶴岡 慶雅 近山 隆
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2012論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.6, pp.211-218, 2012-11-09

3人以上で行われるポーカーのような多人数ゲームにおいて,相手プレイヤの人数が多少変わったとしても有効な戦略の性質は変わらないことが予想される.そこで本稿では相手プレイヤの行動を削減・抽象化を行うことで,多くのプレイヤが存在するゲームで実際のゲームより少ない人数のゲームを想定し,少人数ゲームで学習した戦略を適用する手法を提案する.簡易的な多人数のポーカーでの実験の結果,特に多人数でのゲームで十分に学習ができていない場合は提案手法が有効になり大きな報酬が得られることがわかった.
著者
古浦 敏生
出版者
広島大学フランス文学研究会
雑誌
広島大学フランス文学研究 (ISSN:02873567)
巻号頁・発行日
no.24, pp.384-395, 2005-12-25

L'objet de cet article est une étude contrastive des verbes de parole en japonais et en italien. D'une manière générale, les verbes japonais « iu », « hanasu » et « kataru » sont respectivement mis en correspondance avec les verbes italiens « dire », « parlare » et « raccontare ». En fait, la réalité n'est pas aussi simple. Une analyse statistique d'emplois de ces verbes dans l'Œuvre de Mishima Yukio, « Le Pavillon d'Or » et dans sa traduction italienne, nous a amené aux conclusions suivantes : (1) « iu » correspond bien à « dire », mais aussi à « parlare », (2) « hanasu » correspond à la fois à « parlare » et à « raccontare », (3) « kataru », enfin, recouvre les trois verbes italiens « raccontare », « dire » et « parlare ».
著者
松尾 剛 菅 満春 古川 健一 住山 琢哉 榎本 弘 坂口 圭祐
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.549-554, 2017 (Released:2018-05-15)
参考文献数
19

軽量性と生産性に優れるランダム配向型熱可塑性CFRPの面外損傷挙動を有限要素モデルに適切に設定し,クラッシュボックスの軸圧潰挙動を数値解析したところ,落錘試験によるエネルギー吸収(EA)性能と,逐次的な層間破壊モードを精度良く再現できた.この結果を用いて,EA性能と材料特性の関係性について考察した.
著者
古崎 晃司
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.70, no.8, pp.406-412, 2020-08-01 (Released:2020-08-01)

Webで公開したデータを相互につなげる(リンクする)ことにより,データのWebを形成しようとするLinked Dataの取り組みは,2010年ごろから盛んに進められている。中でもオープンなLinked DataであるLinked Open Data(LOD)は,さまざまな分野で構築されており,その有効活用が期待される。本稿では外部のLODとつながったデータを作成することで,複数のデータを統合して活用する方法について解説する。特にLinked Data用のクエリ言語SPARQLを用いて,複数のデータセットを横断して検索する統合クエリ(Federated Query)の基本的な使い方を紹介する。
著者
小川 和郎 平井 明日香 山本 浩平 古門 直樹
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.81-85, 2011 (Released:2011-02-25)
参考文献数
11
被引用文献数
3 3

シクロデキストリン(CD)の包接能を利用した吸着材を開発するため,CD をセルロースに導入することによって CD の不溶化を試みた.架橋剤にはエピクロロヒドリン(EP)を用い,CD-セルロース系不溶性共重合体は NaOH 水溶液中で合成した.合成物の評価はメチルオレンジに対する吸着率から行った.吸着効率は EP 添加量の増加とともに向上し,EP 添加量の増加に伴って CD 導入量が増すことがわかった.一方,収率は EP 添加量に関係なく一定であった.また,収率および吸着効果は 40%の NaOH 水溶液中で合成するときに最大となった.NaOH 水溶液量を多量に使用することは効果的でなかったが,少量の水溶液中で合成したときは収率および吸着効果がほぼ一定であった.合成した共重合体は水や有機溶媒に不溶で,CD による吸着特性を示すことから,吸着材として広く利用されることが期待できる.
著者
佐々木 誠人 鈴木 勝己 古川 英樹
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.1199-1201, 1990-03-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
6
被引用文献数
2

In a selected group of 1 year to 70-year-old Japanese, 720 healthy subjects (380 males and 340 females) were investigated by examinating the joint hypermobility with the scoring system devised by Carter and Wilkinson.The following results were obtained. Joint hypermobility was greater in females than males. Joint hypermobility of upper limb was greater than that of the lower limb joint laxity decreased with age.
著者
古橋 拓也 竹内 史朗 柳 宇 鍵 直樹 打田 昌樹
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成19年 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.1335-1338, 2007-08-24 (Released:2017-08-31)

This study aimed at investigating the behavior of airborne bacteria and aerosol when using a hand-dryer. The airborne bacteria and aerosol were measured at upper and side of the hand-dryer, and the settled bacteria were measured on the floor near the hand-dryer. The results showed that using the hand-dryer generated water droplets from the hands. Airborne bacteria upper the hand-dryer and settled bacteria on the floor mainly derived from indoor airborne bacteria, not from hands.
著者
木下 利喜生 上西 啓裕 小池 有美 三宅 隆広 山本 義男 田島 文博 佐々木 緑 幸田 剣 古澤 一成 安岡 良訓
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.33 Suppl. No.2 (第41回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.A0594, 2006 (Released:2006-04-29)

【はじめに】近年の研究により運動がプロスタグランジンE2(以下PGE2)やサイトカインに影響を及ぼす事がわかっている。しかし、それらの多くが下肢運動でのデータである。我々の知り得た範囲では、下肢運動と同じ強度の上肢運動を行い、それらの変化を比較検討した研究はない。今回はpreliminary studyとして健常者1名を対象とし、上肢および下肢を用いた高強度の運動を行い、PGE2とサイトカインの中でもインターロイキン6(以下IL-6)に及ぼす影響を比較した。【対象と方法】被験者は医学的に問題のない健常女性1名。実験開始24時間は積極的な運動は中止とし、下肢運動は自転車エルゴメーター、上肢運動はハンドエルゴメーターにて行った。血液は運動前(30分の安静後)、運動終了直後、60分後、120分後に採取し、PGE2、IL-6の測定を行なった。運動負荷は上下肢ともにエルゴメーターを用いて呼気ガス分析にて最大酸素摂取量とその際のHRpeak、Load(Watt)の測定を行った。その値をもとにウォーミングアップをその25%のWatt数で4分間行い、その後80%のWatt数にて50RPMで30分間の運動を行った。またこの際にHRpeak80%を上限に運動の負荷調整を行った。呼気ガス分析にはMINATO社 AEROMONITOR 300Sを使用した。【結果】PGE2は下肢では運動直後は上昇しており、60分後、120分後と徐々に低下し運動開始前程度まで低下した。上肢では運動直後に軽度の上昇がみられ、60分後は運動開始前の値よりも低下し、120分後は上昇するものの運動開始前よりも低値であった。IL-6は下肢では運動直後は上昇しており、60分後は運動直後の値を維持、120分後では軽度の低下を示した。上肢では運動直後に軽度上昇し、60分後は運動開始前まで低下し、120分後では更に低下した。【考察・まとめ】PGE2は下肢運動により上昇し、過去の報告と同様であった。上肢運動によるPGE2上昇は下肢運動時よりも低い印象であった。IL-6も両者の運動において上昇したものの、上肢運動による変化は下肢運動より減弱している印象をうけた。これらの違いについて、特にIL-6は、運動初期から運動による筋傷害とは無関係に収縮筋細胞自体から大量に分泌されることがいわれており、上肢と下肢では、同じ運動強度、同じ時間で運動を行っても、動員筋の量の差でその変化に差が生じたものと推測された。
著者
二ノ宮 史絵 古林 賢恒
出版者
「野生生物と社会」学会
雑誌
野生生物保護 (ISSN:13418777)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.63-77, 2004-02-25 (Released:2017-10-18)
参考文献数
43
被引用文献数
1

This paper describes a study of the spatial structure and gap dynamics of a beech forest affected by the overbrowsing by sika deer (Cervus nippon) in the eastern part of the Tanzawa mountain zone of Kanagawa Prefecture. Beech (Fagus crenata), walnut (Pterocarya rhoifolia), linden (Tilia japonica) and fir (Abies homolepis) dominate the canopy layer of the forest, but the shrub layer is dominated by epaullete trees (Pterostyrax hispidata), which are pioneer plants and unpalatable for sika deer. All seedlings except these are subject to great stress caused by sika deer overbrowsing. It assumed that epaullete trees invade and grow rapidly in many gaps in the beech forest, without competition from other species. On the other hand, seedlings of other species grow normally in areas protected by fence. In conclusion, control of the sika deer population is required for normal regeneration of the beech forest.
著者
笠谷 和比古
出版者
学術雑誌目次速報データベース由来
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.35-47,iv, 2001

本論文では豊臣秀吉没後の慶長四(一五九九)年閏三月に発生した加藤清正ら豊臣七武将による石田三成襲撃事件の顛末を取り上げ、ことに同事件を事実関係の究明の観点から検討する。関ヶ原合戦の端緒をなすこの著名な事件の経緯をめぐっては、豊臣武将たちの襲撃計画を事前に察知した石田三成は大阪から伏見に逃れ、そして伏見にある徳川家康の屋敷に入ってその保護を求め、家康もまたこれを受け入れて豊臣武将たちによる三成の身柄引き渡し要求を拒絶し、三成を近江佐和山の領址に逼塞させることで問題を解決に導いたという認識が示されてきた。これはただにドラマ・時代劇の筋立てだけであるのみならず、権威ある多くの歴史研究の論著においてもそのようなものとして論述されてきた。しかしながらこれは事実誤認であり、伏見に逃れ来った三成が身を守るために入ったのは家康の屋敷ではなく、伏見城の中にある彼自身の屋敷であった。関ヶ原合戦に関する多くの研究論著において繰り返し論述され、われわれにとって常識ともなっているこの事件が、事実関係という最も根本的なところで何故にこのような誤認が生じていたのか。また数多くの歴史研究者がこの問題に言及しながら何故にこのような基礎的な誤認に気がつかなかったのであろうか。本論文はこの事件の事実関係を解明するとともに、われわれの認識を束縛し、誤認に導いていく危険を常に孕んでいるところの歴史認識のメカニズムについて分析を施していく。
著者
山下 寿 古賀 仁士 矢野 和美 瀧 健治 島 弘志
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.1-6, 2016-02-29 (Released:2016-02-29)
参考文献数
22

現在,わが国は世界最高の超高齢社会を迎えており,厚生労働省も高齢化により増加する医療費を補うために高齢者・現役世代に広く負担増を分かち合う方針を示した。2004〜2013年の高齢者救急搬送の現状を調査し,救急車の適正利用と有料化問題について検討した。65歳以上の高齢者搬送件数は,2004年には2,885件(全体の33.1%)で,2013年は3,754件(全体の41.7%)と増加しており,そのうち外来帰宅は2004年828件(28.7%)で2013年は1,523件(40.6%)と増加していた。不適正利用者は,2011年6.7%,2012年6.3%,2013年5.4%であった。外来帰宅=(イコール)軽症例=(イコール)不適正利用との見方もある。実際に外来帰宅件数(軽症例)は10年間で約1,200人増加していた。しかし過去3年間の結果では,不適正利用は高齢者搬送例の5〜6%に過ぎなかった。搬送手段では,救急車以外の代替手段を確保し,福祉制度を充実していくことが救急搬送における軽症例の減少に繋がるものと考えた。また増大する救急需要の抑制と医療費を補填する意味で,有料化は必要である。
著者
神尾 博代 山口 三国 信太 奈美 古川 順光 来間 弘展 金子 誠喜
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.Eb1258, 2012 (Released:2012-08-10)

【はじめに、目的】 生活習慣病発症予防に効果があるとされる身体活動量は、1日当たりおよそ8,000~10,000歩に相当すると考えられている。しかし、ライフスタイルの変化や交通手段の進歩により、日本人の1日の歩数は男性、女性とも目標値に達するどころか、1日平均歩数は減少している。身体活動量の点から見るとパラメータとして歩数を増大させるだけではなく、歩容を変化させる方法もある。そこで、本研究では歩容調整によって、体重、体脂肪率、BMIを減少させることができるかについて検討することを目的とした。【方法】 健常若年女性24名を対象とし、ランダムに運動・ウォーキング実施群(Ex群)と対照群(C群)の2群に12名ずつ割り付けた。Ex群には日常生活の中で気軽に行える簡単な体操と歩容調整の指導をし、日常生活内で実施させた。体操の内容は1.立位での股関節の伸展、2.立位での重心の前方移動、3.背伸び、4.立位での前方リーチの4種類とした(山口式エクササイズに準拠)。また、歩行指導時の注意点は1.けり出し時、骨盤を後方回旋させず、股関節・膝関節をしっかりと伸展させる。2.けり出し時、踵が外側を向いたり内側を向いたりしないように真っ直ぐに蹴る。3.背すじを丸めたり、反りすぎたりしないようにするとした(山口式スタイルアップウォークに準拠)。C群には指導をせず、通常通りの日常生活を指示した。また、両群に生活習慣記録機(スズケン社製KenzライフコーダPLUS)を腰部に装着させ、起床時から入浴時を除く就寝まで、2週間継続して計測した。指導実施前と2週間経過後の身長・体重・BMI・体脂肪率を測定し、各項目の介入前後の差を求めた。また、2週間の歩数・総消費量・強度別の活動時間を計測した。ライフコーダの強度1~3を低強度(3METs以下)、強度4~6を中等強度(3~6METs)、強度7~9を高強度(6METs以上)とし、それぞれの1日の平均活動時間をもとめた。各項目は有意水準5%にて両群の平均値の差の検定を行った。【倫理的配慮、説明と同意】 被験者に対し実験の目的・方法・予想される結果・期待される利益・不利益・危険性・中途離脱の権利等について十分な説明を行い、実験参加の承諾書にて同意を得た。本研究は首都大学東京荒川キャンパス研究安全倫理委員会の承認を得て実施した。【結果】 1日の平均歩数(S.D.)は、Ex群が8598.2(1303.5)歩、C群は9146.9(2750.8)歩であり、歩数に有意差は無かった。しかし、Ex群の介入前後の体重およびBMIの差の平均(S.D.)は体重差-0.7(0.7)kg、BMI差-0.3(0.3)であり、C群の-0.1(0.6)kg、0.0(0.2)に比べて有意に減少していた(p<0.05)。また、体脂肪率の差の平均(S.D.)はEx群-1.7(1.0)%、C群は-0.8(1.3)%と減少傾向が見られた。また、2群間の3つの強度の1日当たりの平均活動時間(S.D.)はEx群が低強度54.8(11.1)分/日、中等強度29.0(7.6)分/日、高強度2.4(1.8)分/日、C群が低強度57.8(15.7)分/日、中等強度30.9(12.5分/日)、高強度3.6(2.1)分/日となり、有意差はみられなかった。総消費量の平均値もEx群1774.3(129.9)kcal、C群1847.6(209.9)Kcalと有意差がなかった。【考察】 Ex群とC群では、歩数や活動レベルを示す運動強度などの量的側面に関して、有意な差がみられなかった。しかし、Ex群でエクササイズ後の体重、BMIが有意に減少していることから、歩容調整により歩行に質的変化が生じ、歩行に使用していた筋活動に違いが生じたのではないかと考えられた。通常、生活動作としての歩行は、移動目的だけを満たす動作となることが多い。しかし、意図的に歩容としての身体の振る舞いを意識することで、歩行に参加する筋活動の増加が得られたものと考えられた。歩行は移動の手段であって、通常速度では運動としての負荷は低くなるが、歩容を意識変容させることで、筋活動の参加が増し、負荷運動として用いることができたのではないかと考えられた。今まで、生活習慣病の予防について歩数やスピードに着目されがちであったが、歩行そのものの質も重要であることが明らかになった。【理学療法学研究としての意義】 歩行を指導する際に、無理なくより効果的に生活習慣病の予防として歩行を活用していくために、量や運動強度だけではなく、歩行の質についての重要性が明らかになった。
著者
幕内 晴朗 田中 公啓 松永 仁 岡部 英男 川内 基裕 関口 昭彦 進藤 剛毅 古瀬 彰
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.873-876, 1989-04-15 (Released:2011-10-07)
参考文献数
15

最近13年間に17例の「エホバの証人派」信者に対する無輸血開心術を行った。年令は6才から51才, 男女比は3:14で, 成人例は全て女性であった。体重は21.5~51.0kg, 術前Ht値は35.1~53.7%であった。使用した人工肺は気泡型13例, 膜型4例で, 体外循環時間は死亡例(340分)を除くと最長222分であり, 体外循環中の最低Ht値は18~31%であった。術前後における体重増加率は-0.8~+9.6%と開きが大きく, 体外循環時間とは正の相関が認められたが, 最低Ht値や希釈率とは相関しなかった。二弁置換術の一例は不十分な心筋保護により心蘇生が得られず台上死したが, 他は全例生存した。Ht値は術後除々に低下し, 2~14日で最低(16.0~32.6%)となり, 以後上昇に転じた。術後24時間の胸部ドレーンの排液量は5.5~25.6ml/kgであり, 内2例に再開創・止血を行った。膜型肺の使用, 術中Cell-Saverの使用, 術後自己血返血システムの併用および術後出血に対する再手術の迅速な決断が無輸血手術の成功に委要と考えられた。
著者
松元 美里 古賀 夕貴 樋口 汰樹 松本 英顕 西牟田 昂 龍田 典子 上野 大介
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.319-322, 2020
被引用文献数
3

<p>近年,残香性を高めることを目的としたマイクロカプセル化香料の使用が一般化している.本研究ではハウスダストから甘いにおいを感じることに着目し,におい嗅ぎガスクロマトグラフィー(GC-O)を利用した"におい物質"の検索を試みた.分析の結果,ハウスダストと柔軟剤から共通したにおい物質が検出され,香料がマイクロカプセル化されたことでハウスダストに比較的長期間残留する可能性が示された.</p>
著者
古関 潤一 ファウジ ウサマジュニアンシャー 佐藤 剛司 宮下 千花
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.565-568, 2014-11-01 (Released:2015-01-15)
参考文献数
2

浚渫土を用いて埋立てた砂質地盤が分級堆積構造を有している点に着目し,実際に液状化した埋立て砂質土を用いた2 種類の再構成供試体の非排水繰返し中空ねじり試験を実施した.浚渫埋め立て地盤を模擬する水中落下法で作成した不均質な供試体は,湿潤突き固め法でほぼ同一の平均相対密度となるように作成した比較的均質な供試体よりも液状化強度が高かった.不均質な供試体の試験では,堆積中の分級作用で生じた上部シルト薄層における局所的な変形量が,その下の砂層部分の変形量よりも大きかった.
著者
松村 将司 宇佐 英幸 小川 大輔 市川 和奈 畠 昌史 清水 洋治 古谷 英孝 竹井 仁 篠田 瑞生
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.239-246, 2015 (Released:2015-06-24)
参考文献数
31
被引用文献数
1 3

〔目的〕関節可動域(ROM)と筋力に関して,年代間の相違とその性差を検討すること.〔対象〕若年群,中年群,高齢群に分けられた脊柱,下肢に整形外科的既往のない男女141名.〔方法〕ROMと筋力測定は,股,膝,足関節に対して行った.〔結果〕ROMは,多くの項目が男性は中年群,女性は高齢群で著明に低下し,股関節内転,膝関節屈曲,足関節背屈では性差を認めず,股関節外旋のみ男性が有意に大きく,その他の項目は女性で有意に大きい値を示した.筋力は,多くの項目が男女とも中年群で著明に低下し,若年群の股関節伸展・外転・内転,膝関節伸展・屈曲,中年群の膝関節伸展において男性で有意に大きい値を示した.〔結語〕男女それぞれのROM,筋力の加齢による変化の傾向および性差を考慮した理学療法を実施することが重要である.