著者
林 和弘 吉本 陽子 佐藤 遼 鈴木 羽留香
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.270-283, 2019-10-25 (Released:2019-10-29)
参考文献数
32

Digitalization means fundamentally changing the framework of science, technology and social industry, and the services and customs that have been developed in that framework, beyond the mere digitization of existing systems and services. In other words, it is accelerating the transformation of science, industry, and society toward the digital native era, and there are signs of discontinuous change in the way universities, corporations, economies, and legal systems work. In such a situation of change, the framework of innovation policy also needs to change drastically. Although it is still fluid as of 2019, digitalization is also necessary in the creation of innovation policies, and it is foreseen that a mechanism with inclusiveness, immediacy, flexibility, etc. and small and quick trials according to the development of ICT will be necessary in the future.
著者
稲永 由紀 吉本 圭一 猪股 歳之
出版者
筑波大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2019-06-28

本研究では、高等教育機関の地域配置および高等教育の地域社会的効用について、高等教育あるいは高等教育機関の地理的影響範囲(高等教育「後背地」)の理論モデル確立を目指すべく、既存指標の収集、いくつかの地域での関係者へヒアリング等によって、影響評価の候補となる主観的/客観的指標を収集し、検討する。これは、研究者の研究・勤務経歴の偏り(特に都市/国立/研究大学)に起因するであろう高等教育領域の研究知の偏在を問い直す、オルタナティブな高等教育研究領域を切り開く企てでもある。
著者
吉本 尚斗 仲村 淳 新城 治 砂川 長彦
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.365-370, 2019-06-15 (Released:2019-06-15)
参考文献数
9

外来心臓リハビリテーション(以下,外来心リハ)を実施するにあたり,目標設定のために作業選択意思決定支援ソフト(以下,ADOC)を使用した.症例は50歳代の女性で,本態性高血圧による心不全を呈したと診断された.その再発予防を目的に外来心リハと薬の内服を開始した.外来心リハに際しADOCを用いた面接で目標設定を行った.目標は「心不全再発予防のための食事療法および運動療法の継続」と「スィーツビュッフェでの友人との交流」であった.目標設定後,症例は週1回の外来心リハと自宅での食事療法および運動療法を行った.結果,友人との交流は可能になった.また血圧および体重は退院時に比較し大幅な改善を認め,薬は1剤が中止となった.
著者
吉本 治一郎
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2008

農博第1721号
著者
峯岸 正勝 熊倉 郁夫 岩崎 和夫 少路 宏和 吉本 周生 寺田 博之 指熊 裕史 磯江 暁 山岡 俊洋 片山 範明 林 徹 赤楚 哲也
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.51, no.594, pp.354-363, 2003 (Released:2003-09-26)
参考文献数
19
被引用文献数
1 2

The Structures and Materials Research Center of the National Aerospace Laboratory of Japan (NAL) and Kawasaki Heavy Industories, Ltd. (KHI) conducted a vertical drop test of a fuselage section cut from a NAMIC YS-11 transport airplane at NAL vertical drop test facility in December 2001. The main objectives of this program were to obtain background data for aircraft cabin safety by drop test of a full-scale fuselage section and to develop computational method for crash simulation. The test article including seats and anthropomorphic test dummies was dropped to a rigid impact surface at a velocity of 6.1 m/s (20 ft/s). The test condition and result were considered to be severe but potentially survivable. A finite element model of this test article was also developed using the explicit nonlinear transient-dynamic analysis code, LS-DYNA3D. An outline of analytical method and comparison of analysis result with drop test data are presented in this paper.
著者
武尾 実 大湊 隆雄 前野 深 篠原 雅尚 馬場 聖至 渡邉 篤志 市原 美恵 西田 究 金子 隆之 安田 敦 杉岡 裕子 浜野 洋三 多田 訓子 中野 俊 吉本 充宏 高木 朗充 長岡 優
出版者
海洋理工学会
雑誌
海洋理工学会誌 (ISSN:13412752)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.45-56, 2018 (Released:2018-08-30)
参考文献数
12

Nishinoshima is an andesitic stratovolcano located in Ogasawara Islands, Japan. In November 2013, island-forming eruption started. Before the eruption, Nishinoshima was a small island of the area of 0.29 km2 and elevation of 25 m but it had a huge edifice rising 3,000 m from the sea floor. By March 2016, area and elevation reached 2.7 km2 and 140 m, respectively. We conducted various types of geophysical observations at this “difficult-to-access island” (950 km from Tokyo taking 90 min by Jet plane, or 24 h by ship). In June 2016, we conducted airborne observations using unmanned helicopter, collecting 250 grams of scoria and detailed 4K images of lava flows. OBSs (Ocean Bottom Seismometers) were deployed around Nishinoshima in four periods. From February 2015 to May 2017, characteristic waveforms dominated at 4–8 Hz band were frequently observed. Comparisons with infrasonic records and video images revealed that the 4–8 Hz seismic signals were associated with eruptions at pyroclastic cone. The number of seismic signals of this type declined from July 2015, and disappeared in November 2015, suggesting that the eruptive activity started declining in July 2015 and ceased in the middle of November 2015. In October 2016, we landed and deployed a broadband seismometer and an infrasonic sensor in the old Nishinoshima, collecting a lot of new lava, deposits, and ash samples. We demonstrated a capacity of remote-island volcano monitoring system for one day test navigation circling around Nishinoshima. After one and a half year quiescence, a new eruptive phase started in April, 2017. Our on-land seismic sensor detected precursory signals as early as April 17. The seismometer also recorded characteristic waveforms during the very early stage of the new eruption phase before data transmission was terminated on April 21.
著者
吉本 和生 武村 俊介
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2018年大会
巻号頁・発行日
2018-03-14

はじめに関東平野では,その周辺における浅発の中・大地震の発生に伴って周期数秒以上のやや長周期地震動(以下,長周期地震動)が観測され,その振幅や継続時間は大規模で複雑な堆積盆地構造の影響で場所によって大きく異なる.この特徴は,関東平野での長周期地震動の正確な予測を,国内の他の平野と比べて著しく困難にしている.その一方で,首都圏における地震防災上,石油タンクや超高層建築物などの安全対策に資するための長周期地震動予測の高度化は喫緊の課題とされている.そこで本研究では,関東平野における長周期地震動即時予測の可能性について検討した.即時予測の方法は,表面波の励起・伝播に関わる堆積盆地の応答関数を事前に評価しておき,堆積盆地外部の地震動記録にもとづいて堆積盆地内部の長周期地震動を予測する方法(例えば,Nagashima et al. 2008)とした.試行的に地震動シミュレーションの計算波形(速度波形,周期3-20 s)を解析データとし,調査研究の対象地域は関東平野の中北部とした.長周期地震動シミュレーション浅発の中規模地震による長周期地震動の発生を模擬した3次元差分法による地震動シミュレーション(Takemura et al. 2015)を実施した.2013年2月25日の栃木県北部の地震(Mw 5.8)を対象に,発震機構にはF-netカタログの値を利用し,震源の深さを0.5~16 kmの範囲で変化させて,K-NET/KiK-netおよびSK-netの観測点における速度波形を合成した.堆積層と地震基盤以深の地震波速度構造モデルには,増田・他 (2014)モデルとJIVSM(Koketsu et al. 2012)をそれぞれ使用した.応答関数本研究では,長周期地震動に関わる堆積盆地の応答関数を,関東堆積盆地北縁部で震源からほぼ南に位置するSK-net のTCH2観測点(栃木県足利市,基準観測点とする)における計算波形を入力,その他の盆地内部の観測点(盆地北端から50 km程度まで)の計算波形を出力とみなして評価した.簡単のため,長周期地震動を引き起こす地震波は震央から南方向に伝播するものと仮定し,応答関数は地震動の共通成分(上下成分-上下成分など)毎に評価した.応答関数の計算にはウォーターレベル法を使用した.評価した応答関数の特徴には,成分毎に大きな差異がみられた.東西成分の応答関数の形状(振幅・位相の時間変化)は単純であり,孤立的な波束には明瞭な正分散がみられた.一方,上下成分と南北成分の応答関数の形状は複雑であった.これらの特徴は,解析対象とした観測点配置では,東西成分にはLove波の基本モードの伝播特性,上下成分と南北成分にはRayleigh波の基本モードと高次モードの伝播特性が反映されているためと考えられる.応答関数への震源の深さの影響は,東西成分では比較的小さく単純であるものの,上下成分と南北成分では振幅と位相に大きな変化がみられ評価が簡単でないことが明らかになった.長周期地震動即時予測の数値実験上記の応答関数を使用して,K-NETのSIT003観測点(埼玉県久喜市)を対象とした長周期地震動即時予測の数値実験を行った.同観測点は,関東堆積盆地の北端から20 km程度,地震基盤深度3 km以上の場所に位置している.数値実験では,震源の深さを8 kmとして求めた応答関数を使用して,震源の深さが異なる場合(0.5~16 km)に長周期地震動をどの程度正確に予測できるか評価した.その結果,東西成分の応答関数を用いた数値実験については,震源の深さによらず長周期地震動をほぼ正確に再現できた.このことは,Love波に起因する長周期地震動については,応答関数を用いた即時予測が可能であることを強く示唆している.今後の研究課題としては,他の地震を解析対象に含めた同様の検討,リアルタイムでの長周期地震動予測の検討などがある.謝辞本研究では防災科学技術研究所のK-NET/KiK-netのデータおよびF-netのMT解を使用しました.また,首都圏強震動総合ネットワークSK-netのデータを使用しました.地震動シミュレーションには東京大学地震研究所地震火山情報センターのEIC計算機システムを利用しました.
著者
杉村 智子 原野 明子 吉本 史 北川 宇子
出版者
一般社団法人日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.145-153, 1994-12-15

4, 5歳児が, サンタクロース, おばけ, アンパンマン (TVアニメのキヤラクター) といった日常的な想像物に対してどのような理解をしているかについて, 次のような方法で調べた。"サンタクロースと会ったことがありますか", "サンタクロースと会うことができると思いますか"などの行動感覚的基準による判断を求め, さらにその判断の基準をインタピュー形式で尋ねた。主な結果は次の通りである。 (1) 大部分の子どもはサンタクロースのような目常的な想像物が実在すると考えている, (2) 4歳児の判断の基準が実際の経験に基づくものであるのに対して, 5歳児の判断の基準は想像や推測に基づいている。
著者
宮澤 紀子 栗原 昭一 浜屋 忠生 瀬山 智子 吉本 博明 江口 文陽
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本きのこ学会誌 : mushroom science and biotechnology (ISSN:13487388)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.30-35, 2013-04-30

キトサンは,きのこの細胞壁や甲殻類の外殻成分に含まれるキチンを脱アセチル化して得られる多糖類である.本研究では,エノキタケ由来のキトサン(キノコキトサン)の脂質異常症の改善効果および肥満抑制効果について肥満モデル動物であるZucker-fatty Ratを用いて検討した.キノコキトサンを与えた群では,体重の顕著な減少,肝臓への脂肪沈着の減少,糞便中の脂質含有率の増加を確認した.さらに血液生化学検査では,中性脂肪,総コレステロール,LDL-コレステロールの明らかな低下が認められた.キノコキトサンは,腸管からの脂肪吸収の抑制,脂肪細胞での脂肪分解を介した血中脂質の改善および肝臓組織への脂肪蓄積を顕著に抑制する作用を示し,肥満ならびにメタボリックシンドロームの改善に寄与することが示唆された.
著者
桑原 昌則 古野 貴志 西村 拓哉 吉本 光広 北岡 裕章
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.53, no.12, pp.1342-1348, 2021-12-15 (Released:2022-12-18)
参考文献数
18

症例は54歳男性.役場の職員で,右視床ラクナ梗塞,脂質異常症,高尿酸血症などで近医通院中であった.昼休み中に突然,胸痛を訴えて,その場に倒れこみ心肺停止状態となった.すぐに同僚の職員がAEDを使用し心肺蘇生に成功した. 当院へ救急搬送時は意識レベル清明,血圧144/100 mmHg,脈拍数103/分であり,心電図,心エコー検査等より,急性心筋梗塞と診断した.緊急冠動脈造影検査を行ったところ,左冠動脈前下行枝#6に99%狭窄を認め,引き続き同部位に対して経皮的冠動脈形成術を施行した.当院搬送後は,術中術後とも心室細動を起こすことなく経過し,10日間の入院期間中も,致死的不整脈は起こさず,後遺症なく独歩退院した.バイスタンダーの一般市民による迅速なAED使用により,後遺症なく救命できた症例を経験したので報告する.
著者
浜岡 克伺 前田 理奈 岡林 碧 杉元 歩実 山川 卓伸 山中 伸 橋本 豊年 吉本 好延
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.29, no.6, pp.933-937, 2014 (Released:2015-01-21)
参考文献数
18
被引用文献数
13 9

〔目的〕本研究は,FIMを運動項目および認知項目別に分類しcut-off値を明らかにすることであった.〔対象〕対象は脳卒中患者215人とした.〔方法〕方法は,過去5年間の診療録を後向きに調査した.退院後の転帰先を在宅復帰と施設入所・転院の2群に分類し,cut-off値はROC曲線から算出した.〔結果〕FIM運動項目のcut-off値57.5点では,感度78.7%,特異度89.7%であり,FIM認知項目のcut-off値23.5点では,感度73.7%,特異度80.6%であった.〔結語〕脳卒中患者の在宅復帰には,FIM運動項目57.5点,FIM認知項目23.5点以上の能力が必要であることが示唆された.
著者
田中 智夫 関野 通江 谷田 創 吉本 正
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.9, pp.880-884, 1989-09-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
8

緬羊における色の識別能力のうち,特に類似色をどの程度まで識別できるかを明らかにすることを目的とした.供試羊は双子のコリデール種去勢羊を用い,正刺激側のスイッチを押すと飼料が与えられるスキナー箱を自作して2色の同時弁別実験を行なった.草の色を想定して緑を正刺激とし,黄および青から徐々に緑に近付けた計7色を負刺激としてそれぞれ識別させた.各課題とも1セッション30試行とし,20セッションまで行なった.各試行ごとにおける左右のカードの交換は乱数表に基づいて行なった.x2検定により1セッション21試行以上の正解(P<0.05)を基準とし,その基準に3回連続到達した時点でその色を識別したとみなした.結果は,黄から近付けた緑に最も近い色との対比において1頭が,また,青から近付けた緑に最も近い色との対比において2頭ともが,それぞれ識別不能と判断された他は,全ての組合せにおいて識別できるものと判断できた.以上から緬羊の色覚はかなり発達しているものと思われ,色による条件付け学習を利用した管理技術の開発の可能性が示唆された.
著者
吉本 幸司
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.8, pp.491-498, 2019 (Released:2019-08-25)
参考文献数
52
被引用文献数
1 1

側脳室に発生する腫瘍としては, 中枢性神経細胞腫, 上衣腫, 上衣下腫, 脈絡叢乳頭腫, 上衣下巨細胞性星細胞腫, 髄膜腫, コロイド囊胞などの囊胞性疾患などがある. 第三脳室腫瘍としては, 胚細胞腫, 毛様性星細胞腫, 頭蓋咽頭腫, 脊索腫様膠腫, 松果体腫瘍などが代表的疾患である. これらの腫瘍に対する治療は, 腫瘍の組織型に応じた治療戦略が必要であり, 代表的な疾患に対して, 手術適応, 治療戦略, 問題点について, 最近の文献を踏まえて解説した.
著者
吉本 貴博 長谷川 晃
出版者
日本感情心理学会
雑誌
感情心理学研究 (ISSN:18828817)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.92-100, 2017-02-28 (Released:2017-04-06)
参考文献数
19
被引用文献数
2

Two studies examined relationships between general trust and improved mental health. Japanese university students participated in Studies 1 (n=325) and 2 (n=402) and they completed self-report measures assessing general trust, committed relationships, tendencies to make acquaintances, which is considered an aspect of extraversion, and negative affect. Consistent with the emancipation theory of trust, both studies indicated that general trust was negatively associated with committed relationships and positively associated with tendencies to make acquaintances. General trust was negatively associated with negative affect and neuroticism, and positively associated with proneness for experiencing positive emotions, which suggested an association between general trust and improved mental health. Study 2 indicated that tendencies to make acquaintances mediated the association between increased general trust and decreased negative affect. These findings suggest that general trust enables people to broaden their interpersonal relationships in daily life, and that the increase in available social support improve mental health. It is suggested that the emancipation theory of trust could be the basis for developing a model that explains mental health.