著者
吉澤 信 横田 秀夫
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.1517-1527, 2015-06-15

2つの画像を境界が自然になるように合成する画像合成問題は,シームレスクローニングやコラージュと呼ばれ,CG分野にて様々な応用があり,その計算方法は重要な研究テーマである.もしも合成する画像間でテクスチャ細部のパターンが異なる場合に,既存のアプローチでは自然な合成結果を生成しないことが知られている.これは,色合は自然に合成できても,テクスチャ細部の不連続性が合成結果の境界を判別可能にするためである.本稿では,画像のテクスチャ細部とベースとなる低周波カラー情報を別々に処理することにより,テクスチャを考慮した画像合成を生成する新しい計算フレームワーク(ポアソン画像類推法)を提案する.提案フレームワークでは,まず画像の細部とベースを新たに開発したエッジ保存フィルタにより分離する.次に,ベースの色合はポアソン方程式を解くことにより補間し,細部は画像類推法と呼ばれる例題に基づくテクスチャ合成法を用いて復元する.提案フレームワークにより,細部のパターンが異なる画像間でも写実的な画像合成に成功した.
著者
吉澤 隆志 藤沢 しげ子
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.275-278, 2008 (Released:2008-06-11)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

本研究の目的は,内田クレペリン検査結果と留年・退学者との関係について調べることである。対象は,当学院理学療法学科学生87名(年齢24.6±6.2歳)である。結果としては,在学者と留年・退学者において,「性格・行動面の特徴」の1~3段階と4段階以上との学生間において有意に近い傾向(p<0.1)が認められた。よって,内田クレペリン検査の「性格・行動面の特徴」の結果が4段階以上と判定された学生に対しては,学業に専念できているかを常に注意して見守っていくことが必要であると考える。
著者
島田 佳広 佐藤陽一 中西 亮 品川 高廣 吉澤 康文
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.9, pp.125-132, 2006-01-27

大量の動画像情報をディスクから読込み,クライアントに送信するVODサーバでは人気タイトルの情報をメモリ内にキャッシュする工夫によりディスクI/Oの負荷を低減することができる.しかしこの工夫が成功しても,通信回線を通して送信するオーバヘッドの低減はできない.そこで,P2Pプロトコルを用いて,クライアントの通信回線,CPU,メモリ等を利用し,VODサーバの負荷を低減する方式を提案する.本方式は,人気タイトルに要求が集中して発生する際に有効と考える.本稿では,本方式を採用したVODサーバとクライアントの処理方式を報告する.VOD servers that read a large amount of dynamic image data and send it to clients can reduce load of disk I/O with caching data of popular title. However, even if this attempt succeeds, overhead caused by transmitting data via communication lines cannot be reduced. Then, we propose the method to reduce the load of VOD servers by using the P2P protocol, and using client's network bandwidth, CPU power, and memory etc. Our method is effective, when the demand concentrates on a popular title. In this paper, We report how VOD server and the client will work with our method.
著者
春日 重光 今井 康平 大谷津 明子 樋口 奈保子 吉澤 遥平 岡部 繭子 清沢 敦志 後藤 和美
出版者
北陸作物・育種学会
雑誌
北陸作物学会報 (ISSN:03888061)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.82-84, 2010

ソルガムの高糖性品種を開発するための素材として育成した2組合せのリコンビナントインブレッドライン(RIL系統)のF_4世代における特性評価を行った.その結果,2組合せのRIL系統は,出穂日や稈長および生茎重は2組合せの間で大きく異なるものの,ブリックス糖度の程度や変異については顕著な差は認められず,また,出穂日や稈長とブリックス糖度との関係についても2組合せの間で異なったことから,ブリックス糖度に関わる要因が供試した2組合せのRIL系統の間で異なっていることが推察された.
著者
吉澤 昌恭
出版者
広島経済大学経済学会
雑誌
広島経済大学経済研究論集 (ISSN:03871436)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.61-86, 2004-12

はじめに 1. 構造改革か需要創出か 1.1. 林文夫 1. 2. 吉川の林批判 1. 3. 野口VS.林 2. ウイクセル,フイッシャー,ケインズ 2.1. 間接的メカニズムとウィクセル 2.2. フィッシャーの2つの著作における3つの要因 2.3. ケインズ「有効需要の原理」と間接的メカニズム 3. マネタリスト 3.1. 岩田規久男 3.2. 野口旭 3.3. 森永卓郎 3.4. 原田泰 4. ケインジアン 4.1. 吉川洋 4.2. 小野善康 4.3. リチヤード・クー 5. 需要不足と需要喚起 5.1. 「需要不足」を組み込んでいない体系VS. 「需要不足」を組み込んだ体系 5.2. 閉じた体系としてのマネタリズム 5.3. どうすれば需要を喚起できるか?
著者
吉澤 康文 名内 泰蔵 長谷川 豊 稲田 伸一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.179-186, 1979-03-15
被引用文献数
1

東海道・山陽新幹線の列車運行管理システムである COMTRAC(COMputer aided TRAffic Control)-Hは1975年5月より稼動を開始している.このシステム構成は 進路制御の機能を担う制御用計算機と運転整理の機能を分担する汎用計算機が階層的に結合されたものである.本報告では 列車ダイヤに乱れが生じたときに 人間と機械の会話により迅速にダイヤを収拾する運転整理システムの性能評価をシステム開発の前段階で行い 設計に反映させた例について述べる.運転整理システムの特徴は 列車に乱れが生じた際に成される指令行為が計算機に急激な負荷をもたらす点にある.したがって システム設計にあたっては 指令員の投入したコマンドに対する応答時間とスループットを共に確保する処理方式を確立する必要がある.この理由から 運転整理システムのシミュレーション・モデルを開発し 想定した入力負荷に対する特性を分析した.この分析結果から 応答時間に占める主要因は (1)計算機間の交信 (2)異なる優先順位を持つタスク間の交信 そして(3)ファイルの競合にあることが判明した.以上から 制御用計算機と汎用計算機間の交信周期の最適化を計ること および 優先度の高いタスクの処理を分割することを提案し システム設計に反映させた.この結果 運転整理システムは充分な応答時間とスループットを満足するシステムとして現在稼動している.
著者
平林 公男 荒河 尚 吉田 雅彦 風間 ふたば 吉澤 一家 有泉 和紀 長澤 和也
出版者
日本陸水学会
雑誌
日本陸水学会 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.69, pp.176-176, 2005

山梨県四尾連湖において、1994年4月から2004年3月までの10年間、動物プランクトンネットによって、水深ごとにチョウ(Argulus japonicus)の浮遊個体数、齢別構成などを調査した。調査期間中、チョウ類が観察されたのは、2000年から2002年の3年間のみで、他の年には、全く発生していなかった。発生ピーク年は2001年で、196.3個体/tであった。夏期の水温の上昇とともに浮遊個体は多くなり、8月にピークが認められた。また、水深2m層で、個体数が多かった。
著者
荒河 尚 吉田 雅彦 平林 公男 吉澤 一家
出版者
The Japanese Society of Limnology
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.69-78, 1998

河口湖における動物プランクトン群集の経年的および季節的変動を,1993年4月より1995年12月にかけて調査した。期間中輪虫類が16分類群,枝角類が4分類群,カイアシ類が5分類群確認され,なかでもKellicottia longispina,Synchaeta stylata,Bosmina longirostris,Daphnia galeataなどが多くみられた。また,カイアシ類はそのほとんどがCyclopoidaに分類された。さらに過去の報文との比較において,枝角類Bosmina fatalis,Bosminopsis deitersiが近年見られなくなっていることが明らかになり,近年本湖の動物プランクトン群集構造が大きく変わってきていることが示された。
著者
北原 拓也 久保 恭仁 吉澤 海 安部 宏 会澤 亮一 松岡 美佳 相澤 良夫 砂川 恵伸 高山 忠利 幕内 雅敏
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.229-237, 2009 (Released:2009-06-03)
参考文献数
14
被引用文献数
3 3

Peliosis hepatis(肝紫斑病)は,類洞の拡張と肝内に多発する血液の貯留腔を認めるまれな疾患で,WHOの肝腫瘍の組織学的分類では腫瘍類似病変に分類されている.本邦では腫瘍との鑑別に苦慮した症例の報告が散見されるが,肝全域にわたってPeliosis hepatisが発生,進展し,致命的な転帰となった症例は,過去にわずか1例が報告されているのみである.今回我々は,特徴ある組織学的所見を呈し,経過観察中に突然病態が悪化し急速に致命的な経過をたどった,肝全域にわたる特発性Peliosis hepatisの極めてまれな1例を経験したので報告する.
著者
吉澤 和子 吉澤 和子
出版者
長崎県立大学
雑誌
長崎県立大学看護栄養学部紀要 (ISSN:18841759)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.31-38, 2015

背景 2015年 6 月、米国食品医薬品局(FDA) はトランス脂肪酸が「安全と認められる(generally regarded as safe: GRAS)食品」ではない、と定義づけ、食品への添加を 3 年で禁止すると発表した。米国で1993年、8 年に亘る前向きコホート研究によりトランス脂肪酸が冠状動脈心疾患のリスクを高めることが発表されていた。しかしこの知見が政策決定に十分に活かされることはなく、2016年使用禁止に至るまで長い時間が経過した。目的 1993年トランス脂肪酸の健康への悪影響があることを示した研究発表から、2016年の使用禁止に至った背景を概観し要因を考察した。方法 文献データベースPubMedを用いてキーワードにより検索を行い、その中で栄養情報について妥当性が確認されている文献を用いて行う。結果 PubMedを用いた文献検索で得られた文献の中で栄養情報に妥当性があるものを選定した。2009年に発表したMozaffarian, Aro and Willettが行ったメタ・アナリシスによりトランス脂肪酸が冠状動脈心疾患のリスクを高めることを明らかにしている。考察 2015年 6 月の米国FDAのトランス脂肪酸の使用禁止の発表に至った主な要因は2つ考えられる。一つはトランス脂肪酸の栄養成分表示の義務化や含量規制だけでは医療費増大の抑制が困難なこと、もう一つはメタ・アナリシスなどエビデンス・レベルの高い知見の蓄積あり説得力を高めたことが考えられる。
著者
吉澤 英里
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.104-112, 2013-11-30 (Released:2017-02-27)

The effects of the motivational states of public speakers, such as rejection avoidance needs, as well as the presence or absence of an audience on psychophysiological responses when expecting to make a speech were investigated. Participants delivered a three-minute speech in a room with or without an audience. Participants completed the General Affects Scales before and after the speech, and the negative affect (NA) subscale scores of the scale were used to assess their psychological state. Salivary cortisol level was measured before and after the speech as an index of their physiological response. The results indicated that speakers with high rejection avoidance needs had greater NA prior to the speech regardless of the presence or absence of an audience. Moreover, they had increased cortisol levels only when speaking in front of an audience. Speakers with low rejection avoidance needs had greater NA when speaking in front of an audience, whereas they did not show increased cortisol levels, regardless of the presence or absence of an audience. These results suggest that when a speaker expects to deliver a speech, the speaker's motivational state and the presence or absence of an audience interactively cause changes in psychophysiological responses.
著者
原田 知佳 吉澤 寛之 朴 賢晶 中島 誠 尾関 美喜 吉田 俊和
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.273-276, 2014-03-25 (Released:2014-04-08)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

This study examined adolescents' social self-regulation in four cultures and differences in the relationships between social self-regulation and antisocial behavior. A total of 1,270 adolescents from Japan, Korea, China, and the United States completed a questionnaire. The results of an ANOVA showed that adolescents in Japan showed lower self-assertion than those in Korea, China, and the United States. Adolescents in China showed more self-inhibition than those in Japan, Korea, and the United States. The results of an ANOVA showed the following. Only the main effect of self-inhibition on antisocial behavior was observed in Korea, China, and United States, whereas an interaction effect of self-assertion and self-inhibition on antisocial behavior was observed in Japan. Since the “assertive type,” showing high self-assertion and low self-inhibition, does not fit in Japanese culture, assertive-type people would be observed as having maladjusted behavior in Japan.
著者
吉澤 茉帆
出版者
広島大学大学院教育学研究科
雑誌
広島大学大学院教育学研究科紀要. 第三部, 教育人間科学関連領域 (ISSN:13465562)
巻号頁・発行日
no.61, pp.121-128, 2012

This article aims to discuss a method of research concerning the social interaction of children with developmental disorders. Children with developmental disorders are often provided early childhood education as part of integrated childcare. Because of such situation, many positive analyses which focus on social interacion of children with developmental disorders are cumulative. Many studies reveal the characteristics of these children's social interactions and provide practical advice that, if applied, results in effective practices and better-developed children. Many qualitative analyses concerning the sociology of education have been conducted. Some of this research attempts to reveal the socialization processes of children who do not have any disorders. In this article, I consider the possibility of using a qualitative method in studying the social interaction between children with developmental disorders and teachers or classmates in dynamic situations. Such research will demonstrate the social aspects of "developmental disorders.".