著者
橋田浩一 和田典子 藤島寿智 上沼亜希子
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.29-34, 2015-01-15

PLR(個人生活録)は,個人データを本人(代理人)が管理し,本人のメリットを高めるように自由かつ安全に他者と共有して活用するためのスマートフォン等のアプリ(ミドルウェア)である.個人データを本人がPLRで管理し本人同意に基づく個人データの流通と利活用を容易にすることにより,B2Cサービスに関連する産業や文化の活性化と個人情報の保護を両立できると期待される.こうしてヘルスケアサービス全体の価値を高めるための布石として,PLRに基づく介護支援システムKWeN(Keishin Wellness Network)を施設介護の現場のニーズを反映させながら開発した.現在,試験運用を通じた改良を進め,その実用化とともに,PLR の特徴を活かした新サービスの開発や医療との連携を目指している.
著者
西垣外 正行 小海途 銀次郎 和田 貞夫 奥野 一男
出版者
Yamashina Institute for Ornitology
雑誌
山階鳥類研究所研究報告 (ISSN:00440183)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.286-299, 1971-06-30 (Released:2008-11-10)
参考文献数
3
被引用文献数
1

1.1957年から1969年に,大阪,奈良,和歌山の県境を走る金剛山地および和泉山脈のうち,二上山から和泉葛城山までの尾根づたい約40km,幅1kmの範囲で,クマタカの繁殖生活に関する調査を行なった。2.この報告は,12年間に発見された19巣をもとにして,繁殖全期間中,巣場所選定から巣造りまでを扱う。3.本地方におけるクマタカは,1月下旬から2月初旬に巣造り開始の兆候を現わす。4.巣造り期に風雪害による巣に被害が生じた際,営巣が中断され,新に再営巣する。5.巣造りに要する日数はおよそ30日位である。6.本種は自らの古単を利用することがわる。7.営巣樹における巣の位置は,樹幹,樹頂,枝先の3つの型がある。枝先型は本種の特性とみなされる。8.巣の大きさは,直径150cmから80cm位のほぼ円型,巣の厚みは,最大85cmから最小25cm位である。9.産座の材料には,アカマツまたはスギを主とし,ヒノキ,五葉マツを混じえる。いずれも青葉のつらた小枝が使用される。10.巣台に使用される材料は,アカマツの枯枝が主で,最大直径3.5cm,長さ110cmの木片が使用されることがある。11.営巣地点の標高は,250mから600m位で,各主峰に対して1/2位(450m)に位置する事が多い。12.営巣地点と人家の距離150mという例がある。13.営巣林は赤松の純林84%,杉の純林5%,混合林(ヒノキ林にアカマツの混合)11%である。14.営巣樹の大きさは,胸高直径39cm,高さ約5m以上の樹木が必要とされる。15.営巣樹はアカマツ94%,スギ6%である。16.営巣林内の巣の位置は,垂直的には下層部が多く,平面的には何ら特微がない。17.各巣の位置の年変化は,平均590m位である。
著者
和田 弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.11-15, 1960-07-30
被引用文献数
1

工業技術院電気試験所電子部長
著者
和田 応樹 ワダ マサキ Wada Masaki
出版者
同志社大學經濟學會
雑誌
經濟學論叢 (ISSN:03873021)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.635-690, 2011-03-20

研究ノート(Note)20世紀初頭に、イギリス軍最大の植民地インドにおいて、インド軍総司令官キッチナーにより大規模な軍制改革が行われた。彼はエジプト、スーダンや南アフリカなどの海外植民地で豊富な経験を積み、広い視野を持った歴戦の軍人であった。改革により、参謀制度などの新しいシステムが導入され、インド軍は近代的な軍隊へと変化した。その過程では、インド総督ミントーも重要な役割を果たし、改革は本国政府とインド政庁間のインド支配と密接に関わるものであり、そこからは帝国主義期イギリスの実相を垣間見ることができる。Lord Kitchener was one of the most famous national heroes during British Empire's era of imperialism. Kitchener's long experience of being "colonial officer" abroad gave him a much wider frame of reference. As an administrator, soldier, or reformer, in Egypt, Sudan, and South Africa, he approached his tasks in a unique fashion. After the Bore war, in particular, as the Commander-in-Chief in India, he proposed to reorganize the Army in India in order to answer the larger needs of the Empire. Moreover, he improved the Indian staff system to increase the efficiency of the army. The then Viceroy of India, Lord Minto, supported Kitchener's reforms. As a result of Kitchener–Minto Reform, the Indian army became a more efficient unit in the British Army, serving the Empire to the extent that it did during the Great War.
著者
和田 勉
出版者
福岡国際大学・福岡女子短期大学
雑誌
福岡女子短大紀要 (ISSN:02860546)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.132_a-121_a, 1988-06-30
著者
和田 啓爾
出版者
日本生薬学会
雑誌
生薬學雜誌 (ISSN:13403443)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.195-203, 1996-06-20

From edible and medicinal plants, several active principles that affected the metabolizing enzyme systems were isolated. A toxic substance, 4-0-methylpyridoxine (MPN), responsible for "gin-nan food poisoning" was isolated from the seeds of Ginkgo biloba L. (Ginkgoaceae). MPN causes food poisoning through not only antagonizing vitamin B_6 (in the body) but also inhibiting the formation of 4-aminobutanoic acid (GABA) from glutamate in the brain. The MPN levels in the sera of the patients with gin-nan food poisoning may be determined by HPLC, which may be used for chemical diagnosis of gin-nan food poisoning. Two characteristic terpenoids, bilobalide and ginkgolide A in G. biloba, shortened the anesthetics (hexobarbital and urethane, i.p.) induced sleeping time in mice. Bilobalide has an anticonvulsant effect, especially on the MPN-induced convulsions. Those effects are considered to be due to induction of the hepatic drug metabolizing enzyme (cytochrome P450), by repeated oral administration of bilobalide. Several limonoids from the citrus plants shortened the sleeping time induced in mice by urethane, and induced the liver glutathione S-transferase (GST) in mice. The relationship between the structures and the effects of limonoids on both sleeping time and induction of liver GST was discussed. Columbin from columbo root and β-caryophyllene and α-humulene from Pinus densiflora also affected the sleeping time induced in mice by anesthetics. Their effects on hepatic drug metabolizing enzymes were also studied.
著者
高松 俊昭 和田 仁一 深田 栄一 松本 博志
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.37, no.12, pp.781-787, 1980-12-25 (Released:2010-02-26)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

放射線を用いて多孔質ポリテトラフルオロエチレン (EPTFE) の種々のグラフトポリマーを作り, それらの抗血栓性を調べた. EPTFEは内径10mm, 厚さ1mmの管状および厚さ0.79mmのシートを用い, ビニル系モノマーは酢酸ビニル (VAc), メタクリル酸メチル (MMA), スチレン (St) および2-ヒドロキシエチルメタクリラート (HEMA) であった. EPTFEはこれらのモノマー液中でγ線を照射し, グラフトポリマーを作製した. VAcグラフトポリマーの一部はビニルアルコール (VAl) に, Stグラフトポリマーの一部はスルホン化スチレンに変換した. これらのグラフトポリマーを室温で生理食塩水中で強制伸縮したときの吸水量を測った. その飽和吸水量はグラフト率や親水性の増加によって増加した. 生理食塩水に対する接触角は飽和吸水最の大きいものほど減少した. In vivoテストでの開存率はグラフト率が5%以下では良い結果を与え, VAl>MMA>VAc>St>スルホン化Stグラフトポリマーの順に低下した. スルホン化Stグラフトポリマーを犬の上大静脈に移植中, 溶血が起こり, 血栓による厚い内膜が早期に形成された.
著者
和田 芳佳 森勢 将雅 西村 竜一 入野 俊夫 河原 英紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.175, pp.81-86, 2011-08-02

歌唱音声や障害音声,強い感情音声など,基本周波数のみでは十分に表すことのできない複雑な構造をもつ音声を分析するために,XSX(eXcitation Structure extractor)と呼ばれる方法を提案してきた.本資料では,従来の基本周波数抽出法と比較することで,XSXの特長と有効な適用領域を明らかにする.まず,FM調波複合音を試験用の信号として,基本周波数の変調周波数に対する追従性能を調べ,XSXが比較対象であるYINとSWIPEを大きく凌ぐ性能を有することを明らかにした.次いで,障害音声データの分析を行い,比較対象の方法と大きく異なる結果が得られる音声に対して詳細な検討を行った.XSXによる詳細な分析結果は,それらの音声では,いわゆる基本周期に加えて,複数の周期が組み合わされた単位が繰返されるサブハーモニックが生じていることを明らかにした.これらの結果は,XSXが従来の方法では困難な複雑な音声の分析に有用な方法であることを示すものである.
著者
和田 知久 翁長 健治 宮城 隼夫 吉田 たけお 尾知 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.41, pp.27-33, 2000-05-04

琉球大学では、ハードウエア記述言語を(VHDLまたはVerilog HDL)を用いたデザイン・コンテストを開催しました。コンテストは今年度が3回目でり、今年度より琉球大学の学生だけでなく、他大学や高等専門学校の学生も参加できるようにオープンなコンテストで、2月18日の締切りまでに15チーム(30名)の学生達の参加がありました。課題はガロア体の行列演算器であり、事前選考の結果、京大・阪大・九工大・豊田工業高等専門学校より6チームの代表を沖縄に招待し、琉大の4チームと合わせて、計10チームによる発表会を3月3日に琉球大学工学部にて行いました。琉球大学学部3年生の「タートルネックス」チームが、他大学を抑えて最優秀賞に輝きました。
著者
和田 崇
出版者
経済地理学会
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.23-36, 2014-03-30

大阪・日本橋は,1980年代後半から家電小売店数が減少する一方で,漫画やアニメ,ゲームなどオタク向け専門店が多数立地し,東京・秋葉原に次ぐオタクの街となった.20〜30歳代男性を中心とする関西圏のオタクは,自宅で密かに楽しんでいた漫画やアニメ,ゲームなどの趣味について,インターネット上で情報を収集したり,同人と交流したりしながら,オタク向け専門店が集積し,イベントが開催される日本橋に出かけている.彼らは日本橋を現実空間におけるホーム/居場所と認識し,そこで自己を表出し,趣味を他者と共有している.こうした状況を踏まえ,日本橋ではオタクを集客対象としたまちづくりが,2000年代半ばから商業者を中心に行われるようになった.その取組みは,既存の権力サイドにあたる商店街振興組合のキーパーソンが,オタクの街・日本橋の磁力に惹きつけられて集まった若者を巻き込み,彼らの意欲とアイデア,行動を引き出し,後押しするかたちで展開された.自らもオタクであり,オタクの感性と興味に応じた企画を立案できる若者の存在が,オタクの街・日本橋のプロモーションに重要な役割を果たした.
著者
和田 崇
出版者
経済地理学会
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.23-36, 2014

大阪・日本橋は,1980年代後半から家電小売店数が減少する一方で,漫画やアニメ,ゲームなどオタク向け専門店が多数立地し,東京・秋葉原に次ぐオタクの街となった.20〜30歳代男性を中心とする関西圏のオタクは,自宅で密かに楽しんでいた漫画やアニメ,ゲームなどの趣味について,インターネット上で情報を収集したり,同人と交流したりしながら,オタク向け専門店が集積し,イベントが開催される日本橋に出かけている.彼らは日本橋を現実空間におけるホーム/居場所と認識し,そこで自己を表出し,趣味を他者と共有している.こうした状況を踏まえ,日本橋ではオタクを集客対象としたまちづくりが,2000年代半ばから商業者を中心に行われるようになった.その取組みは,既存の権力サイドにあたる商店街振興組合のキーパーソンが,オタクの街・日本橋の磁力に惹きつけられて集まった若者を巻き込み,彼らの意欲とアイデア,行動を引き出し,後押しするかたちで展開された.自らもオタクであり,オタクの感性と興味に応じた企画を立案できる若者の存在が,オタクの街・日本橋のプロモーションに重要な役割を果たした.
著者
吉田 修 北川 将之 上田 知亮 石坂 晋哉 油井 美春 長崎 暢子 志賀 美和子 木村 真希子 舟橋 健太 中溝 和弥 田辺 明生 三輪 博樹 伊藤 融 小川 道大 小西 公大 近藤 則夫 森 悠子 和田 一哉 佐藤 仁美
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

20人弱の日本のインド政治・社会研究者がインドにおける州への分権化・自治の進展について共同・分担して分析を行った。その研究結果は2014年度アジア政経学会西日本大会で発表するとともに同学会誌『アジア研究』第62巻第4号に特集として掲載され、インド政治が一国家の枠内にありながら州を単位とした比較政治の対象でもありうること、また政治的に進展した分権化が全国レベルでの緩やかな統合を可能にしていることが、インド研究の政治学全体への貢献として提示できることが示された。この成果はインドの「社会経済変化研究所」で国際セミナーを開催することでインド国内にもインパクトを与え、今後の国際共同研究に道を開いた。
著者
大和田 泰伯 井上 真杉 大西 真晶 森野 博之 実藤 亨
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.260, pp.143-146, 2011-10-19

Internet of Things (IoT), M2Mなど物同士が通信を行う社会におけえる通信基盤インフラとして,もしくは地域における情報流通基盤インフラとして,我々はNerveNetを提案している.NerveNetでは,基地局内データベースによるネットワーク内のデータ蓄積・同期,コンテキストに応じた情報配信,マルチパスの構築とリンク切断時の自動パス切換え,遅延を許容する通信からリアルタイムな通信まで,ユーザアプリケーションの要求に応じて様々なネットワーク機能を提供する情報流通基盤技術である.本稿では,NerveNetを用いたリアルタイム広告配信システムと,北海道岩見沢市にて行なった住民参加型の実証実験について紹介する.