著者
宮川 重義
出版者
京都学園大学経済経営学部学会
雑誌
京都学園大学経済経営学部論集 = The Faculty of Economics and Business Administration journal, Kyoto Gakuen University (ISSN:21899738)
巻号頁・発行日
no.5, pp.31-52, 2017-11

本稿では知的巨人と称されるミルトン・フリードマンについて論じるが、彼のこれまでの著作を紹介したり、それを系統的に分析することではない。そのような仕事はジョン・バートンがいみじくも述べたように「(フリードマンの業績を評価することは)ナイアガラの滝の水量を小さな計量カップではかるに似たり」ということになり、到底本稿の及ぶ範囲ではない。フリードマン理論がどのようにアメリカの金融政策、経済の発展に関わってきたかを今日的観点より論じた。
著者
菊池 真一 小口 正信 宮川 俊夫 田部 洋 安田 正博 原 重夫
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.163-168, 1980-06-20 (Released:2011-08-11)
参考文献数
2

The authors investigated on determining sensitivity of phototypesetting films and papers, based on the exposure condition which the line-width of character could be correctly reproduced under.The line-width is faithfully reproduced under the following conditions;Film: The exposure to cause 2.0+ΔD density units.Paper: Three times exposure to cause 0.7+ΔD density units.(ΔD is fog-plus-base density)Finally, the authors propose to determine the sensitivity as follows;Film: Sf=100/E (E: lux·Esec at D=2.0+ΔD)Paper: Sp=100/3E (E: lux·Esec at D=0.7+ΔD)
著者
福田 崇 宮川 俊平 小池 関也 藤谷 博人 山元 勇樹
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

加速度計による頭部作用力の測定から、頭部衝突数において、1名の大学アメリカンフットボール選手で1回あたりの練習時と試合時の衝突数はそれぞれ14.3回と18.1回であった。また頭部衝突時の平均最大直線加速度は、練習時19.04±10.1G、試合時20.82±12.1Gであり、試合時は練習時よりも有意に高い頭部作用であることを本邦で初めて報告した。しかし、実際に脳振盪に至ったデータは収集できておらず、より多くのデータから衝突時の頭部作用を検討する必要がある。ひずみゲージを用いて衝突時の複数部位における頭部作用力を推定する手法を確立するにはヘルメットと模擬頭部の間の密着性を高めることが必要である。
著者
加藤 みゆき 田村 朝子 斎藤 ひろみ 大森 正司 難波 敦子 宮川 金二郎
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.525-530, 1995-06-15 (Released:2010-03-12)
参考文献数
12
被引用文献数
2

後発酵茶の一つである石鎚黒茶について, その製造工程中の成分変化について検討した.ポリフェノール含量は, 他の後発酵茶と同様に製造過程で減少していた.カテキン含量については, 製造工程中で減少し, 特にエステル型カテキンの減少が大きかった.有機酸含量としては, 桶づけ後の茶葉に乳酸が顕著に生成した.
著者
田邉 真帆 荒瀬 康司 辻 裕之 謝 勲東 大本 由樹 天川 和久 加藤 久人 有元 佐多雄 奥田 近夫 小川 恭子 岩男 暁子 尾形 知英 橋本 光代 四倉 淑枝 山本 敬 宮川 めぐみ 原 茂子
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.603-610, 2012 (Released:2012-12-27)
参考文献数
26

目的:高尿酸血症はインスリン抵抗性を基盤とするメタボリック症候群(MS)の一症候である.今回尿酸と耐糖能異常の関係を検討するため,高尿酸血症と高インスリン血症の関連について検討した.対象と方法:75g経口糖負荷試験(OGTT)を施行した人間ドック受診者全1,175例とOGTT糖尿病型を除外した1,007例の尿酸(UA)とインスリン(IRI)動態を検討した.UA>7.0mg/dLとUA≦7.0mg/dLに区分し,UA>7.0mg/dLを高尿酸値例(高UA群),UA≦7.0 mg/dLを正常尿酸値例(正常UA群)とした.さらにUA値を四分位に区分し第1四分位-第4四分位とした(Q1-4).IRI分泌ピーク値が負荷後30分である場合をIRI分泌正常型,IRI分泌ピーク値が負荷後60分以降である場合をIRI分泌遅延型とした.結果:血清UA値を四分位により分けた4グループの血糖曲線,IRI反応を比較したところ,UAが高いほど,血中血糖(PG)は軽度の上昇を示し,血中IRIは有意に高反応を示した.脂肪肝合併は全1,175例でも高UA群が56.5%(157/278),正常UA群が44.1%(396/897),糖尿病型を除外した1,007例においても高UA群が55.3%(141/255),正常UA群が40.8%(307/752)であり,高UA群に多くみられた.IRI分泌ではIRI分泌遅延型の頻度は全1,175例でも,糖尿病型を除外した1,007例においても高UA群の方が高率であった.結語:高尿酸血症は高インスリン血症と関連を認めた.
著者
大矢 靖子 宮川 久邇子 高田 茂樹
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.563-572, 1996-06-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
15
被引用文献数
2

本研究では現代の食生活の実態および食生活を規制すると思われる要因との関連を明らかにすることを目的に, 本学の女子大学生430名, 近畿圏の女子高校生958名を対象にアンケート調査を行った.本報では, 食行動を把握するうえで重要であると思われるイメージに焦点をあて, 外食, 調理済み・半調理済み食品, 手作り料理のイメージの実態について報告した.結果の概要は次のとおりである.(1) 外食のイメージは「便利」「楽しい」「雰囲気が良い」「塩分が多い」「カロリーが高い」などであった. (2) 調理済み・半調理済み食品のイメージは「便利」「はやい」「手抜きである」「カロリーが高い」「野菜が少ない」「栄養バランスが悪い」「体に悪い」「愛情がない」などであった.(3) 手作り料理のイメージは「こっている」「食べ物の温度が温かい」「おいしい」「体に良い」「安全である」「楽しい」「雰囲気が良い」「愛情がある」「手問がかかる」などの項目に得点が高かった.(4) イメージを学年別, 居住形態別, 食生活満足度別にみたところ, 学年別, 居住形態別には大きな差はみられなかった.食生活満足度別にみたイメージでは, 食生活に満足でも不満でもない者は, 調理済み・半調理済み食品のイメージが明確でない傾向がみられた.(5) 手作り料理のイメージについては, 食に満足している者は, 「おいしい」「野菜が多い」「栄養バランスが良い」「体に良い」「衛生的である」「安全である」「楽しい」「雰囲気が良い」「愛情がある」「好き」などの手作りにより良いイメージをもっていた.(6) イメージを本学学生・近畿圏の高校生別にみたところ本学学生の方が, 高校生よりもイメージがはっきりしており, 特に経済面や栄養面, 安全面などにその傾向がみられた.(7) 本学学生のイメージ得点から因子分析を行ったところすべて第7因子まで得られ, 累積寄与率からそれぞれ5因子で約80%が説明できた.外食, 調理済み・半調理済み食品, 手作り料理とも第1因子はムードに関する因子で, 5因子までに共通して含まれていた他の因子は, 健康因子, 味・経済因子, 安全性因子であった.
著者
大須賀 愛幸 植松 洋子 山嶋 裕季子 田原 正一 宮川 弘之 高梨 麻由 門間 公夫
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.73-79, 2018-04-25 (Released:2018-04-25)
参考文献数
12

高タンパク食品中の酸性タール色素分析法について,回収率に優れ,かつ簡便で迅速な試験法を作成した.試薬量等のスケールダウンを行い,さらにポリアミド (PA) カラムに負荷する液の調製法として,溶媒留去の替わりに抽出液を水で希釈し有機溶媒濃度を下げ,色素をPAカラムに保持させることにより,操作の簡便化および迅速化を達成した.またPAカラムで色素を精製する際,負荷する液のpHを汎用されるpH 3~4からpH 8.5にすることで,高タンパク食品における,キサンテン系色素の回収率が大きく向上した.高タンパク食品の中でも特に酸性タール色素の分析が困難とされてきた辛子明太子での11種類の色素の回収率はpH 8.5で精製することで63~101%となり,pH 3.5での精製(回収率18~95%)に比べ大幅な改善が認められた(5 μg/g添加).
著者
宮川 大輔 石川 裕
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.79, pp.65-72, 2005-08-03
被引用文献数
2

DVS(Dynamic Voltage Scaling)はCPUの動作電圧および動作周波数を変えることで計算機の消費電力を下げる技術である。このDVSを用いてプロセス単位でCPUの動作周波数を変えることが出来れば、応答性能を下げることなく消費電力量を下げることが可能となる。しかし、その実用可能性を示すためにはCPU毎のDVSの性質とプロセス毎に動作周波数を変えるために必要なオーバーヘッドについての評価が不可欠となる。本論文では二つの実験を行ない、プロセス単位電力制御の実用可能性について予備的に評価する。DVSを用いたときのプログラムの電力量(電力の時間積分値)を測定し、Pentium 4とPentium Mの電力的性質を示す。次に、周波数の異なる二つのプロセスを同時に実行した時と別々に実行した時の電力量の違いを測定する。結果として、Pentium Mプロセッサを用いればプロセス単位電力制御機構をほぼオーバーヘッドなしに実現可能であることを示す。The DVS(Dynamic Voltage Scaling) is the technique that decrease power consumption of a computer by changing operating voltage and frequency. If we controlled the operating frequency on process base by using DVS, we would be able to decrease the power consumption without slowing response. However, in order to show its availability, we have to evaluate the DVS's properties of CPU and overheads necessary to change the operating frequencies on process base. In this research, we perform two experiments and preliminarily evaluate the availability of the Per-Process Power Consumption Control Mechanism. First, we look through the electricity characteristics of Penium 4 and Pentium M by measuring the total power consumption (temporal integration of power consumption per unit of time) when using the DVS. Second, we measure the difference of total power consumption of two processes with different frequencies, between simultaneous execution and sequential execution. As a result, we conclude that the Per-Process Power Consumption Controlling System is realized with almost no overhead if we use a Pentium M processor.
著者
宮川 大輔 石川 裕
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.48, pp.167-168, 2005-05-27
参考文献数
2
被引用文献数
1

最新の計算機では,消費電力やその結果発生する熱の問題が無視できなくなっている.プロセス毎にCPUの動作電圧を制御することで,計算機全体の消費電力を減らせる可能性がある.本研究では,プロセス毎の電圧制御が動作し,実用上有用であること,すなわち i) 電力消費を抑えられることii) オーバーヘッドが無視できるほど小さいこと をLinux Kernel 2.6を用いて示す.In modern computers, we cannot ignore the problem of power consumption and the emitted heat. By controlling process-based voltage, the power consumption of whole systems can be reduced. In this work, we present using Linux Kernel 2.6.8 that the per-process voltage control works well and is effective: i.e. i) we can control the consumption and ii) the overhead for controlling is moderate enough to ignore.
著者
宮川 大輔 石川 裕
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.86, pp.109-115, 2006-07-31
被引用文献数
4

計算機の消費電力低減が重要な課題となっている現在,OSレベルの電力制御手法が必要である.本論文ではOSレベルの電力制御手法として,電力制御スケジューラPCCSのプロトタイプを実装する.PCCSでは,OSは各プロセスの実行状況を監視し,そのプロセスに最適な動作速度を動的に決定する.CPUの動作周波数は実行プロセスの動作速度に基づいて変更される.単純なWebサーバにおける実験の結果,本プロトタイプが応答性能を下げずに消費電力の増大を既存実装の36%に抑え,手動設定による理想的なケースとも遜色がないことが示された.Reducing power consumption of computers is one of the most important issues. OS level power consumption control is necessary. As one of those methods, we develop the prototype of the PCCS (Power Consumption Controlling Scheduler). In PCCS, OS monitors the execution state of each process and automatically decides it's operating speed, The frequency of CPU is changed in accordance with that information. Experiments using a simple Web server showed that the prototype reduces the power consumption to 36% without lowering interactiveness. Those experiments also showed that the prototype is equivalent to the ideal case in which the frequency of each process isset by hand.
著者
宮川 俊夫 白井 靖男 森田 一朗 森田 峰子 北村 二朗 遠藤 正治
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.219-225, 1990-06-28 (Released:2011-08-11)
参考文献数
38

In the former paper, Miyagawa et al. reported on Kohsai Udagawa's writing on albumen-on-glass photography, entitled “Potokarahii”. Yokusai Ihnuma who lived in Mino was Kohsai Udagawa's real father, and was one of famous scientists in 19th Century. He and his followers tried photography. Among them, his nephew, Ryuh-a Kojima was a tallent photographic technician. He opened a photographic studio in Gifu-ken, which was the first one in this prefecture. In 1873, he made an interesting collage picture composed of his familie's and his own portraits. It could be the oldest one of such kind of pictures in Japan. Yoshihiro Kuze studied photography with Yokusai Ihnuma in the Chemical Institute of the Ohgaki Clan. Reiji Esaki opened his photographic studio in Tokyo. He studied, at first, wet-collodion process, subsequently, he tried to use imported dry plate to take picture of rapid moving objects. In addition to them, he developed collage picture making. He made a surprising one composed of 1700 babies' photographic portraits which were taken with dry plate, in 1893.
著者
石川 有希子 宮川 淳美 高橋 佳子 吉村 雅子 安川 由江 吉野 有夏 櫻井 愛子 納富 あずさ 古畑 公
出版者
公益社団法人 日本栄養士会
雑誌
日本栄養士会雑誌 (ISSN:00136492)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.205-213, 2018 (Released:2018-03-28)
参考文献数
31

本研究は、ママパパ学級に初参加した初産婦を対象として、主食・主菜・副菜のそろった食事の頻度と身体状況、生活状況、栄養素および食品摂取量の関係を明らかにし、松戸市健康増進計画(第3次)推進のための基礎資料を得ることを目的とした。主食・主菜・副菜がそろった食事の摂取頻度 “1日2回以上” 群と “1日2回未満” 群を比較した結果、BMI、非妊娠時の体重、非妊娠時の体重と現在の体重の差、妊娠週数、健康維持のための活動については、両群間に有意な差は認められなかった。栄養素および食品群別摂取量については、“1日2回以上” 群は “1日2回未満” 群に比べると、総エネルギー、たんぱく質エネルギー比、ビタミンB1、葉酸、カルシウム、鉄、カリウム、総食物繊維および米類、豆類、野菜類、魚介類の摂取量が有意に多かった。しかしながら、日本人の食事摂取基準(2015年版)をもとに、不適切摂取者の割合を算出した結果、“1日2回以上” 群においても、ビタミンB1不足者63%、食物繊維不足者69%、脂質および食塩の過剰摂取者は100%である等、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事が “1日2回以上” だけでは、適切な栄養素摂取量につながらない可能性が示唆された。
著者
鈴木 伸 佐藤 孝一 谷口 正仁 宮川 浩一 小嶋 正義 土肥 靖明 上田 龍三
出版者
The Japan Geriatrics Society
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.444-450, 1998
被引用文献数
1

リウマチ性弁膜症が減少してきているなか, 動脈硬化との関連が示唆される老人性変性大動脈弁に遭遇する機会が増加してきている. 近年, 心血管系の独立した危険因子とされ, 動脈硬化性病変との関連について注目されているリポプロテイン(a)[Lp(a)]と大動脈弁硬化との関係について, 特に65歳以上の老年者を対象とし検討した. 1995年10月から1996年12月に当院で心臓超音波検査を施行した65歳以上の症例は265例であった. リウマチ性弁膜症や大動脈二尖弁などの9例を除いた256例のうち, Lp(a)を含む血清脂質, 血糖, 血圧などを測定した97例 (65~106歳, 平均77±7歳, 男性48例, 女性49例) を本研究の対象とした. 断層心エコー法において, 大動脈弁に硬化が認められた群 (硬化群) は63例 (平均78歳, 男性24例, 女性39例), 硬化を認めなかった群 (非硬化群) は34例 (平均74歳, 男性24例, 女性10例) に分けられた.単変量解析で硬化群と非硬化群に差が認められたのは, 年齢 (p=0.0090), 性差 (女性) (p=0.0023), Lp(a)(p=0.0124)であった. Lp(a)が60mg/dl以上であった9例全例に大動脈弁硬化が認められた. 血圧, 総コレステロール, HDL-コレステロール, LDL-コレステロール, 中性脂肪, 空腹時血糖には両群間で差は認められなかった. 大動脈弁硬化の有無について多変量解析である判別分析を行ったところ, 女性 (λ=0.9038, =0.0020), Lp(a)(λ=0.8316, p=0.0053) と関連が認められた. 以上の結果から, 老人性変性大動脈弁では血清Lp(a)が高い傾向を認めた.