著者
小川 清次
出版者
大阪府立工業高等専門学校
雑誌
大阪府立工業高等専門学校研究紀要 (ISSN:0387365X)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.1-10, 2008-07

本稿はウィトルーウィウス『建築の書』における「技術」と「学」との関係を考察したものである.この書は紀元前1世紀に,「建築」やさまざまな人工物の「教本」として著された.しかるに,そこには単に設計指南書的な性格だけでなく,建築や人工物の設計,製作という営みのなかに学の契機を取り出そうとする意図をも読み取ることができる.本論考では,それらを「自然学」(ギリシア自然哲学)および哲学,幾何学(シュムメトリア論)に限定する手続きを先ず展開した.そして,「自然学」および哲学が『建築の書』でどのような基盤をなしているか,概観し,次いで,『建築の書』の設計理論の骨格をなすシュムメトリア論を簡単ながらもやや詳しく,現代的に解釈した.最後に,『建築の書』において建築という営みのうちに見出されるとされる「学」のあり方を,考察した.
著者
小川未明 著
出版者
赤い鳥社
巻号頁・発行日
1922
著者
中村 美保 兼松 百合子 小川 京子
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学看護学部紀要 (ISSN:03877272)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.45-52, 1993-03
被引用文献数
5 3

本研究は,外来受診時に採血をうける3歳から7歳の小児を対象に,採血によって小児が感じる痛みの程度と行動に表れる反応について,発達段階や気質などによる特徴を明らかにすることを目的とした。本研究で見出された結果を以下に示す。1.小児によるFace Pain Scaleの評価と観察された行動スケールの総点とは高い相関が認められた。2.処置中に泣いていた小児は泣かなかった小児より年齢が低く,Face Pain Scaleの評価が高かった。3.年齢が高いほど行動スケールの総点が低かったが,Face Pain Scaleの評価は必ずしも低くなかった。4.行動スケールの総点は気質のカテゴリーである機嫌の点数と関連性があった。
著者
久米 美代子 村山 より子 小川 久貴子
出版者
東京女子医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

1.調査(1)中学生の健康問題への関心と対処方法の実態調査(中学生812名対象)この調査は思春期のヘルスプロモーションに関する詳細調査を行うことを目的とした。内容は思春期のセクシャリテイ、次世代の育成、家族、人間関係、学習という局面でとらえ、思春期の健康的なライフスタイルの変化と問題解決能力を獲得する要件を明らかにすることを目的にした。(2)大東町中学生の骨密度と身体発育・栄養・活動調査(中学生708名)この調査は成長期にあう中学生の骨形成の実態と、骨形成に関連する要因について明らかにする目的で中学生を対象に骨密度と身体測定、各種栄養摂取、活動、リスクファクターを明らかにした。(3)思春期の性教育に関する教員の意識調査(教員44名)この調査は学校における健康教育、特に性教育の現状と課題を明らかにするために中学校の教員が生徒の健康問題と対処をどのように認識しているかを質問紙で明らかにし、さらに今学校で起こっている性に関する問題とその解決方法、更には困っていることや今後研修などを望む内容を中心に面接調査を行い、その実態を明らかにした。2.調査報告書の作成:上記3題の調査に関して3冊の報告書作成:広報誌「だいとう」に調査結果を3回掲載・大東地域の記念館に調査データーのパネル「中学生の健康問題への関心と対処方法の実態調査」の展示3.教育講演:調査データを使い講演した。(1)テーマ「生命知時代を迎えた生と性の教育」対象者:掛川市教育委員会(1市5町の小中学校の校長・教頭・養護教諭;50名)(2)テーマ1「中学生の調査を通した健康問題」テーマ2「命・生と性」対象:中学生・保護者・教員・地域住民4.調査対象中学校の教員・教育委員会とミーティング調査3回を行う前後で計6回5.学会発表(6題)・論文発表(3)6.小冊子の作成7.健康啓発支援システムのフローチャート作成
著者
國澤 尚子 新村 洋未 小川 鑛一
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム (ISSN:13487116)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.195-205, 2004 (Released:2005-04-15)
参考文献数
6
被引用文献数
1

The objectives of the current research were to clarify differences in beginners' and nurses' techniques for manipulation of a syringe and to propose methods of education for mastering quick and accurate techniques. In this paper, differences in techniques for manipulation of a syringe by nursing students and nurses are discussed from two perspectives. One is the effects of combining the syringe and injection needle in terms of the pressure in the syringe. The other is differences in methods of grasping the syringe. Based on these results, problems relating to adjustment of the force used by a nurse to manipulate a syringe and contact of the fingertip with the plunger become apparent.For measurement of the pressure in the syringe, a processed syringe is connected to a strain gauge type of force conversion device and strain is converted to pressure. For pressing of the plunger, hypodermic injection and extrusion of a drug solution into a vial were performed. For drawing of the plunger, collection of blood and suctioning from a plastic ampule were performed.With regard to pressure in the syringe, the maximum gauge pressure was large for a finer injection needle when the syringe was the same size in all techniques for nursing students as well as nurses. In simulated hypodermic injection, nursing students had a larger maximum gauge pressure with a larger syringe with the same injection needle. However, nurses considered the effects on the body and adjusted force so that the maximum gauge pressure did not increase. Because extrusion from a syringe and suctioning from an ampule are techniques that do not insert a needle in the body, nurses added substantial force and manipulated the syringe in a short period of time. In addition, limits for the addition of force were also considered.Based on classification of patterns of waveforms with regard to drawing of the plunger in suctioning from an ampule, nursing students often had multiple valley-shaped waveforms. Patterns produce waveforms like this because the syringe is passed from hand to hand. Differences in the appearance of waveforms due to the size of the syringe were noted for nurses, indicating separate use of methods of manipulating a syringe plunger as needed.With regard to the grasping of a syringe, nursing students grasp it so as not place their fingertip in contact with the plunger. This is because they are taught in class not to make contact with the plunger based on the perspective of preventing infection. However, a majority of nurses make contact with the plunger when drawing the plunger. That is, making contact with the plunger for drawing of the plunger is a technique in which the plunger is easy to manipulate. Nurses may have adopted an efficient method in clinical settings. Even if the stance that contact with the plunger should be avoided to prevent infection is learned, making contact with the plunger as experience is acquired leads one to conclude that education in techniques for manipulation of injections is vague. Having nurses change the techniques they have acquired is difficult, so sterile gloves should be worn as a general rule when manipulating a syringe.In the future, force added to the suction head of a syringe plunger will be measured and the relationship with internal pressure will be verified.
著者
小川 猛志
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2007-02

制度:新 ; 文部省報告番号:甲2365号 ; 学位の種類:博士(工学) ; 授与年月日:2007/3/15 ; 早大学位記番号:新4440
著者
小川 真 矢崎 俊志 阿部 公輝
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2012-SLP-90, no.10, pp.1-7, 2012-01-27

VOCALOID 「初音ミク」 の発売以来,ユーザが自由に歌声ライブラリを制作できるフリーの歌声合成器 UTAU が開発されるなど,歌声合成への関心が高まっている.これら歌声合成器は主にアマチュアの音楽制作に使用されるが,ユーザが声色を任意時刻に混ぜて指定する機能がない.また,声色操作を行うことで処理時間やデータ量が大きくなる.本研究では音声合成分析系 WORLD を用い,メルケプストラムと Vorbis による励起信号からなるコーパスを声色別に収録し,各音素間を時間伸縮関数で接続することで,ユーザがモーフィング率を指定し声色を操作できる歌声合成器 v.Connect を開発した.提案手法を用いて歌声コーパス 「波音リツコネクト」 を制作した.このコーパスの容量は波形の 2 倍程度であった.合成速度は 1.7~2.2 倍と改善され,圧縮による劣化は主観的には感じられなかった.
著者
小川 巌
出版者
島根大学
雑誌
島根大学教育学部紀要. 教育科学・人文・社会科学・自然科学 (ISSN:18808581)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.17-27, 2013-12-25

子どもを取り巻く諸環境との関連性で発達や障害をとらえる近年の概念・モデルの検討から、学校での学習と学外での生活・社会参加を結びつけるカリキュラム横断的な授業の重要性が示唆された。次に、知的障害児教育におけるカリキュラム横断的な学習形態である「領域と教科を合わせた指導」に適合する学習理論の条件について考察した。結果、従来の認知・学習理論にはない、実践的・社会-文化的文脈をとりいれた状況的学習論の適合性が高いことが明らかになった。さらに、知的障害児の領域・教科を合わせた指導における授業設計や評価のための要件について、状況的学習理論や活動理論の観点から検討した。
著者
小川 時洋 鈴木 直人
出版者
日本感情心理学会
雑誌
感情心理学研究 (ISSN:18828817)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.70-77, 1998-03-31 (Released:2009-04-07)
参考文献数
22
被引用文献数
2 1 1

本研究は,Murphy&Zajonc(1993)の報告する閾下感情的プライミング現象と,その生起に関わる要因を検討することを目的として行った。実験1では先行研究に準じた,プライムの閾下提示群,閾上提示群を形成して実験を行った。その結果,閾上提示群では,ターゲットの評価がプライムの誘意性に左右される強いプライミング効果が見られたが,閾下提示条件では見られなかった。実験2は,実験1の結果を踏まえ,プライムの存在に対する被験者のアウェアネスの役割を検討し,プライムが見えていることが効果の生起に決定的な役割を果たすことを示唆する結果が得られた。実験3および実験4は,閾下刺激の効果に焦点をあて,ターゲット刺激の特性,試行間間隔,プライム刺激提示時の視角,同一ターゲソトの反復提示などの要因を統制した。しかしながら,実験3,および実験4のどちらにおいても閾下プライミング効果は見出されず,先行研究の一般性に疑義を呈する結果となった。
著者
梅原 英一 諏訪 博彦 小川 裕樹
出版者
東京都市大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究ではYahoo!株式掲示版と株式市場の関係を分析した。第1に株式リターンを説明する新たなファクターを発見した。自然言語処理を用いて単語出現頻度(TF/IDF)を計算し、上位700単語の主成分分析でファクターを抽出した。その結果、投資戦略・株式保有・金融経済の3ファクターを抽出した。第2に日経平均VI指数(恐怖指数)との関係を分析した。掲示板にトピック分析(LDA)を行った。トピック投稿率とVI指数に相関があることが分かった。本研究で開発した手法を用いてTwitterとTV深夜アニメ番組の次週視聴率を分析し、投稿数・実況ツイートのネガティブ単語数と有意な相関があることが分かった。
著者
小川 雅廣
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

老廃牛肉や廃鶏肉などの硬い肉を、肉特有のテクスチャーを損なうことなく軟化させる技術が求められている。本研究では、肉の硬さの原因であるコラーゲン線維を分解できる酵素(CDE)を海洋生物から探し出し、その酵素が肉を軟化できるか検討した。魚介類(ハマチと帆立貝)の内臓と魚類体表に付着した細菌89菌株にCDEを見出した。最も強い活性を示したのはPseudomonas属菌SF10株(ババガレイ体表に付着)とShewanella属菌JS51株(スズキ体表に付着)由来の酵素であった。SF10由来酵素を大量生産し、牛肉塊に添加し4℃で5日間保存したところ、肉は柔らかくなった。
著者
木股 文昭 伊藤 武男 田部井 隆雄 小川 康雄
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

2007年から頻繁に、インドネシアのスマトラ北部のアチェ州において、GPS観測とMT観測を実施し、2004年スマトラ超巨大地震の地震時の地殻変動と地震後の地殻変動、およびスマトラ断層周辺における地殻変動と比抵抗構造を検出・推定した。地震時の変動としてインド洋沿岸部で3mの南西方向への水平変動を、地震後の変動として同様に南西方向へ最大80cmに及ぶ水平変動と50cmに達する隆起を観測した。これらの変動から、2004年スマトラ地震の滑り分布を推定すると、主たる滑りが浅部ではプレート境界から上部に分岐した上部スラスト断層で発生していると推定された。これはニアス島において観測された1mに達する大きな隆起運動とよく一致する。また、地震後に観測された余効変動、とりわけアチェ州のインド洋沿岸で観測される隆起から、沿岸近くのプレート境界深部でafter slipが地震後に進行していると推定される。年間10cmを超える地殻変動のなかに、スマトラ断層の滑りに起因すると考える変動が見つかった。余効変動を簡単にモデル化で除去し断層での滑りを推定すると、アチェ州北部で深さ13kmあたりが固着し、浅部でクリープ運動が推定された。また断層周辺では低非抵抗域がMT観測から推定され、断層周辺で破壊が進行していることが明らかになった。
著者
小川 勇治
出版者
福井大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2009

1.研究目的:本研究は、深刻化している野生獣による農作物被害防止のため、一般農林業者や高齢者が比較的簡便で取扱が容易な獣害被害防止装置を開発すること。特に、市販の駆除撃退用ロケット花火による獣害被害防止・抑止装置の技術開発のため、「野生獣被害防止の遠隔制御追い払い装置の技術開発」を目的とした。2.研究方法:本研究を進めるため、とれまでの研究成果、獣害被害防止・抑止技術及び追い払い技術など開発準備と予備調査研究を行った。本研究の「遠隔制御追い払い装置」の基本仕様は:(1)市販のロケット花火破裂音を利用。(2)花火は複数装填及び連続的に発射が可能。(3)花火の装填、発射及び発射方角は遠隔操作が可能。(4)装置の構成はコンパクトな構造で保守管理が容易。(5)遠隔制御は無線テレコントロールを使用。(6)野生獣の監視及び安全上花火による事故・火災防止のため監視カメラを活用。(7)追い払い装置や監視カメラの電源は太陽光発電を使用。(8)装置場所や野生獣出没・被害地の地図作成にGPSナビゲータを活用。本研究の試作及び実証実験は、監視や安全確保が容易で花火破裂音が迷惑にならない日の出から日の入りまでの日中に行った。3.研究成果:技術開発した「遠隔制御追い払い装置」は、野生獣と安全を監視カメラで監視しながら、遠隔無線でスライド式・回転式ロケット花火を装填・発射が可能で、安全にPIC制御のサーボ及びステッピングモータが機能・動作することを確認できた。実用的な「追い払い効果」は、イノシシの出没が夜間でサルの出没が無かったため検証出来なかった。GPSナビゲータの活用は、野生獣被害防止・抑止に有効であった。今後、本追い払い装置効果の検証と装置の改良など有効な技術開発研究を進めることを目指したい。
著者
五島 政一 小林 辰至 熊野 善介 下野 洋 品川 明 平田 大二 岡本 弥彦 三宅 征夫 鳩貝 太郎 立田 慶裕 田代 直幸 笹尾 幸夫 清原 清一 日置 光久 加納 誠 藤岡 達也 田口 公則 小川 義和 市川 智史
出版者
国立教育政策研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

子どもが主体的に学び、科学を好きになる教育実践プログラムを多数開発した。そして、その教育システムを開発するために、指導者である教の資質・能力を育成する生涯学習プログラムのモデルを開発した。
著者
北村 毅史 本田 和博 小川 晃一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.349, pp.23-28, 2012-12-06

本論文では,2素子半波長だいぽーるあれーあんてなについて到来波SNR,素子間の電力の差異である不等電力ΔGそして素子間の相関係数ρを変化させ,もんてかるろしみゅれーしょんによりMIMO伝送容量特性の解析を行った.その結果から多変量回帰分析によってSNR,ΔG,ρを変数とするMIMO伝送容量の関数を求めた.この関数から得た伝送容量が妥当であるか,もんてかるろしみゅれーしょんの結果との比較を行った.さらに得られた関数について,人体影響が存在する端末実装あんてなを用いて解析を行い,提案方法の妥当性を検証した.