著者
小川 正広
出版者
京都大学
雑誌
西洋古典論集 (ISSN:02897113)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.89-117, 1989-09-30

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
著者
田村 匡嗣 小川 幸春 井川 憲明
出版者
千葉大学園芸学部
雑誌
食と緑の科学 (ISSN:18808824)
巻号頁・発行日
no.64, pp.19-23, 2010-03

ブラックチョコレート作製におけるより好ましいカカオバター量の割合や適切なヤシ油の添加割合を検討した。カカオバター量を調製した6条件(30.3から49.2%)、およびヤシ油を添加した2条件(0.5%、 1.0%)に対し粘度、破断エネルギ、色差の物理的測定と官能検査を行った。物理的測定の結果はカカオバター量の割合により大きく変化し、色彩に対する官能検査ではカカオバター量割合37.0%の試料が他と比較して有意に好まれた。口どけ、歯応えに対する官能試験の結果に顕著な差はみられなかったが、37.0%の試料が比較的好まれる傾向を示した。以上の結果を踏まえてカカオバター量割合37.0%の試料を基準にヤシ油の添加割合を変えて試料を試作した。ヤシ油添加試料の口どけ、歯応えに対する官能検査の結果に有意差はみられなかったが、口どけは添加量が多いほど好まれる傾向がみられた。色彩はヤシ油を添加した試料の方が有意に好まれた。以上より、ヤシ油はカカオバターの代用油脂となるだけではなく、0.5から1.0%程度添加することでチョコレートの食感を向上させ得ることが示唆された。
著者
小川 祐樹 山本 仁志 宮田 加久子 池田 謙一
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

Twitter上の社会的ネットワークがもたらす情報接触やコミュニケーション環境は、意見の異なる他者への接触機会を促進させるのか、あるいは、選択的接触を促進させるのか。本研究では、これらを探るための基礎的分析として、社会調査のデータと、Twitter上で得られる個人の行動ログのデータを結びつけた分析により、個人の社会的態度とTwitter上で形成するフレンドや情報接触環境の関連性について探る。
著者
小林 克 堀内 秀樹 岩下 哲典 金田 明美 小川 保
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住宅総合研究財団研究論文集 (ISSN:18802702)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.337-348, 2008 (Released:2018-01-31)

オランダ各都市・アユタヤ・ゼーランディア・平戸・長崎(出島)から出土した資料をサンプリングし,胎土分析を行った。この結果,黄色レンガは,オランダ地域からアジア各地にもたらされた可能性が高いこと。平戸・長崎(出島)出土の赤色レンガの多くは台南地域からもたらされた可能性が高いことが明らかになった。更に日本の瓦と同質のレンガが平戸と出島から確認され,日本人によりレンガが生産されていたと考えられる。オランダ式桟瓦も,タイ・アユタヤのオランダ人居住地と,インドネシア・バンテン遺跡からも発掘されていた。アユタヤで確認されたオランダ式桟瓦については,アムステルダム出土桟瓦との比較を行ったが,明確な差異は確認出来なかった。
著者
峯 徹哉 川口 義明 小川 真実 川嶌 洋平
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.59, no.9, pp.2393-2402, 2017 (Released:2017-09-20)
参考文献数
54

従来の診断基準は日本消化器内視鏡学会で作成されたが,国内でも十分に活用されているとはいいがたい.外国でも診断基準は作られているが長い間改正されないので,現実的ではなくなっていると思われる.われわれの作成したガイドラインはEBMに基づいたものであり,世界を見回してもEBMに基づくERCP後膵炎ガイドラインは見あたらないと思われる.われわれは将来的にERCP後膵炎の診断基準を見直し,より早く治療を行い救命すると同時に如何に重症のERCP後膵炎を生じさせないかその予防法を検討する必要がある.
著者
小川 さやか
出版者
日本文化人類学会
雑誌
文化人類学 (ISSN:13490648)
巻号頁・発行日
vol.82, no.2, pp.182-201, 2017 (Released:2018-04-13)
参考文献数
30

グローバリゼーションや都市の近代化と深く関連したジェントリフィケーションやゲーテッドコミュニティの出現、非-場所的な空間の拡大により、都市公共空間をめぐるアクター間の緊張関係が問われるようになった。これを受けて、路上商人問題を、国家や路上商人、市民社会のあいだで路上という資源をめぐり「働く権利」、「公平な労働のための権利」、「通行/運送の権利」、「移送/賃貸権」、「管理・運営権」など様々な権利の拮抗として位置づけ、路上商人による組合化とそれを通じた集合的行為に注目する研究が台頭している。本稿では、これらの研究が期待するインフォーマルセクターによる組織化とは、既存の都市公共空間の管理運営に迎合的なかたちにインフォーマルセクターの経済実践を埋め込むことを目指すものであることを指摘し、タンザニアの路上商人マチンガによる組合形成の過程および組合運営の特徴を、現実の路上空間とパラレルに存在する「イ フォーマルな政治空間」の拡大としてみる視点を提示することで、路上商人が都市公共空間を管理・統制する国家と取り結び始めた新たな関係をめぐる先行研究の議論を再考する。
著者
熊谷(木俣) 有美子 田口 奈津子 小川 恵子 岡本 英輝 並木 隆雄
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.781-787, 2017 (Released:2017-12-28)
参考文献数
33
被引用文献数
1 2

【目的】倦怠感はがん終末期に多くの患者が経験するが,それに対する鍼治療(接触鍼)の有用性につき検討を行った.【方法】2010年8月~2012年3月に当院緩和ケア病棟に入院,あるいは緩和ケアチームに紹介された患者のうち,16例を対象に介入を行った.通常治療に加えて3回/2週の鍼治療が行われ,主要評価項目として研究開始前後のCancer Fatigue Scale(CFS),副次的評価項目として研究開始前後と治療期間中における倦怠感と疼痛のNumerical Rating Scale(NRS),唾液中のアミラーゼ測定を調査した.【結果】13例が鍼治療を完遂し,倦怠感のNRSでは鍼治療後に改善が得られ,唾液中のアミラーゼ測定でも改善が得られたが,CFSでは有意差が得られなかった.副作用は認めなかった.【考察】終末期の倦怠感に対し,鍼治療は安全で有用な可能性のある介入であることが示唆された.
著者
今井 藍子 柳瀬 和也 馬場 慎介 中井 泉 中村 和之 小川 康和 越田 賢一郎
出版者
公益社団法人 日本分析化学会 X線分析研究懇談会
雑誌
X線分析の進歩 (ISSN:09117806)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.235-248, 2017-03-31 (Released:2023-08-18)
参考文献数
18

日本国内で紀元前3世紀から紀元後7世紀後半ごろに流通した古代ガラスは,全て海外からの搬入品であり,その化学組成は多様である.本研究では北海道道央地方から出土した続縄文時代のガラスビーズ計98点について,化学組成よりガラスの原料採取地や製作地の推定を試みた.分析資料は文化財であり,所蔵施設外部への持ち出しや破壊分析が困難であるため,ポータブル蛍光X線分析装置を用いて非破壊オンサイト分析を行った.その結果,資料は分析組成に基づきアルミナソーダ石灰ガラス(Na2O-Al2O3-CaO-SiO2系),ソーダ石灰ガラス(Na2O-CaO-SiO2系),カリガラス(K2O-SiO2系)の3タイプに分類された.また,東京理科大学中井研究室がこれまで分析した本州以南の古代ガラスとの微量重元素組成の比較より,同時期の北海道道央地方と本州以南では同様の起源を持つガラスが流通していたことが明らかになった.
著者
小川 敦
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.68-71, 2023-03-31 (Released:2023-04-08)
参考文献数
7
著者
吉岡 徹朗 向山 政志 内藤 雅喜 中西 道郎 原 祐介 森 潔 笠原 正登 横井 秀基 澤井 一智 越川 真男 齋藤 陽子 小川 喜久 〓原 孝成 川上 利香 深津 敦司 田中 芳徳 原田 昌樹 菅原 照 中尾 一和
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.40, no.7, pp.609-615, 2007-07-28 (Released:2008-11-07)
参考文献数
9
被引用文献数
1 2

症例は, 39歳男性. 36歳時に硝子体出血を機に初めて糖尿病を指摘され, 以後当科で加療されていたが, 糖尿病性腎症によるネフローゼ症候群加療のため入退院を繰り返し, 次第に腎機能が低下した. 2005年5月に腸炎症状を契機に乏尿, 労作時息切れ, 下腿浮腫, 体重増加をきたし, 血清クレアチニン5.8→13.0mg/dLと急激に上昇したため, 血液透析導入目的で当科入院となった. 透析開始後, 積極的な除水にもかかわらず, 心胸比は縮小せず, 透析導入後第6病日以降血圧が低値となり, 第10病日には収縮期血圧で70mmHg前後にまで低下した. 心エコー検査にて心タンポナーデを認め, 心膜穿刺にて多量の血性心嚢液を吸引除去した. 臨床経過, 穿刺液の検査所見, 血清学的検査所見, 画像検査所見から, 尿毒症性心外膜炎と診断し, 心嚢腔の持続ドレナージと連日の血液濾過透析を行い軽快した.尿毒症性心外膜炎は, 透析治療が発達した今日ではまれであるが, 急性腎不全, 慢性腎不全の透析導入期, あるいは透析不足の維持透析患者において, 心嚢液貯留を認める場合, 溢水のほか, 悪性疾患や感染症, 膠原病とともに考慮する必要がある.
著者
小川 伸彦
出版者
社会学研究会
雑誌
ソシオロジ (ISSN:05841380)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.109-129,182, 1991-02-28 (Released:2017-02-15)
被引用文献数
1

Every object acquires its social significance by being multiply defined from various domains of values, such as the political, the economic, the historical, the aesthetic, the religious and so on. The definition of Cultural Property in Japan (Bunkazai) is one of such domains. If something is registered as an Important Cultural Property, this signifies not only its historical and artistic importance, but means also that the thing has been introduced into a new value domain. However, when an object with religious value is registered to be a cultural property, its two definitions ('religious' and 'cultural') from the different value domains are not always compatible. This is so, because its definition as a cultural property, being institutionalized and authorized by the state and supported widely by the people, easily overwhelms its religious definition. The purpose of this paper is to doubt sociologically, with the help of historical facts and documents, the taken-for-grantedness of the value domain called "Cultural Property". It was in 1897 that the definition "National Treasure", the highest category of Cultural Property, was newly introduced by the Old Shrines and Temples Preservation Act. And it was this act that served as the basis for the present Cultural Properties Protection Act enacted in 1950. After analyzing 1) how the conception of "fine art" was interpreted in Japan over a thirty year period, from the Meiji Restoration in 1868 until 1897, 2) why things with religious value became the objects of preservation, and 3) what kind of discussion was held in the Imperial Diet in approving the act, one conclusion seems clear. That is, that the value "National Treasure" was brought forth in order to meet two demands: the spiritual demand which was enhanced by the nationalistic trend of the time and the demand for the promotion of overseas trade to increase the national wealth. The birth of the National Treasure can be interpreted, from one side, as a symbolic example of the secularization of religion during the modernization process of Meiji Japan. But from the other side, it was a conversion of a religious symbol into a national symbol which was none the less sacred.