著者
小川 晃子
出版者
岩手県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

過疎化・高齢化の進展する地域におけるICT(情報通信技術)を活用した高齢者見守りシステムの効果を、地域連携によるアクションリサーチを行いながら実証的に検証した。電話機で高齢者が能動的に発信するいわゆる「おげんき発信は、センサーなどの受動型安否確認システムや緊急通報システムに比較し、高齢者の遠慮感に配慮し、安否確認の確実性が高いことが明らかになった
著者
小川 千代子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.340-350, 2005 (Released:2005-09-01)

文書館,記録管理分野は,資料の確実な保管・保存を前提とした利用提供がその使命であり,業務の中核である。歴史資料を扱う文書館は外部利用者による所蔵資料利用のために資料の収集・保管・保存を行うのが業務であることから,阪神淡路大震災以後防災対策の必要性が強く意識された。そのため,文書館とその職員で構成する全国歴史資料保存利用機関連絡協議会が中心となり,防災対策のマニュアル開発が行われた。これに対し記録管理分野は少し様相が異なる。記録管理はあらゆる組織の日常業務そのものである。防災が記録管理の一部であることは知られているものの,防災対策そのものを個別に取り上げて記録管理分野のなかで議論されている様子は見られない。「阪神」以後に危機管理(リスクマネジメント)が叫ばれるようになった。意識としては,記録管理の防災は日常的なバックアップシステムなどを含め,リスクマネジメントに包含されたと見られている可能性がある。これとは別に,文書館に収蔵されていない非現用歴史資料については,災害発生後の災害対応として被災資料の救出は,主として利用者の立場にある大学の研究者らが「史料ネット」を組織するなどして行われている。この中から,災害復旧には生活インフラのみならず文化財救助も含めるべきであるとする考え方が生まれた。
著者
小川 知也 斉藤 孝広 松井 くにお
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.291-292, 1996-03-06

既存印刷文書を電子ファイリングして活用するために,OCRは有力な手段である.しかし日本語文書を対象とする場合,日本語は文字種が多いことなどから認識誤りを完全に無くすことは困難である.文字認識結果中の候補文字列から最適な単語のパスを探索することによる誤り訂正・指摘方式を開発したので,その概要について述べる.また,文字認識における切り出し誤りへの対応も考慮した拡張形態素解析について論じる.
著者
後藤 達彦 江川 鍛 小川 博久 土用下 尚外 福田 浩幸 犬塚 博章 舘 忠裕 藤村 直也 安形 保則 ニラウラ マダン 安田 和人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.29, pp.65-68, 2010-05-06

有機金属気相成長法によりSi基板上に成長した厚膜CdTe単結晶層を用いた、大面積X線・γ線画像検出器の開発を目的として研究を行っている。これまで検出器の製作では、Si基板上のCdTe成長層に部分的な剥離や、多結晶化、電気特性の不均一等が発生する場合があり、これらの防止とその改善が課題であった。これらの問題はCdTe成長に先立って実施する、Si基板の成長前処理(GaAs処理)に原因があると考えられるのでその改善を図った。GaAs処理の改善後、CdTe成長層の剥離は防止でき、Si基板上全面で高品質の単結晶CdTe層が成長可能となった。p-CdTe/n-CdTe/n+-Si構造の成長層をダイシングし、ダイオードアレイを試作した。その結果、ダイシング時にもCdTe層の剥離は発生せず、CdTeとSiの結合状態も改善されていることが分かった。またアレイ内のダイオードについて電流-電圧特性を測定したところ、場所によらず均一なダイオード特性を確認できた。
著者
平川 均 多和田 眞 奥村 隆平 家森 信善 根本 二郎 小川 光 山田 基成 中屋 信彦 奥田 隆明 佐藤 泰裕 森杉 雅史 瀧井 貞行 蔡 大鵬 崔 龍浩 徐 正解 厳 昌玉 陳 龍炳 蘇 顕揚 劉 慶瑞 宋 磊 李 勝蘭
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2006

急速な東アジアにおける発展と国際競争力の源泉を産業集積と結びつけて論じた。その結果は一般的通念とされる低賃金に基づく単なる産業の発展を超えた側面の発見であり、東アジア地域のイノベーションの持つ役割である。独自のアンケート調査を実施した。日中韓台、ベトナムなどの海外の主要な研究機関の研究者との研究ネットワークの構築に成功し、国際会議も北京、南京、名古屋、ハノイで開催した。学術刊行物として、日本語、中国語、韓国語の図書の公刊、英語での学術雑誌への発表も行った。
著者
大村 悦二 小川 健輔 熊谷 正芳 中野 誠 福満 憲志 森田 英毅
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.76, no.764, pp.446-448, 2010-04-25

In stealth dicing (SD), a permeable nanosecond laser is focused inside a silicon wafer and scanned horizontally. A thermal shock wave is propagated every pulse toward the side to which the laser is irradiated, then a high dislocation density layer is formed inside a wafer after the thermal shock wave propagation. In our previous study, it was supposed that an internal crack whose initiation is a dislocation is propagated when the thermal shock wave by the next pulse over-laps with this layer partially. In this study, a two-dimensional thermal elasticity analysis based on the fracture mechanics was conducted. The internal crack propagation was analyzed by calculating the stress intensity factor at the crack tips and comparing with a threshold of that. As a result, validity of the previous hypothesis was suggested.
著者
大村 悦二 小川 健輔 熊谷 正芳 中野 誠 福満 憲志 森田 英毅
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
M&M材料力学カンファレンス
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.73-74, 2009-07-24

In stealth dicing (SD), a permeable nanosecond laser is focused inside a silicon wafer and scanned horizontally. A thermal shock wave is propagated every pulse toward the side to which the laser is irradiated, then a high dislocation density layer is formed inside a wafer after the thermal shock wave propagation. In our previous study, it was supposed that an internal crack whose initiation is a dislocation is propagated when the thermal shock wave by the next pulse overlaps with this layer partially. In this study, a two-dimensional thermal elasticity analysis based on the fracture mechanics was conducted. The internal crack propagation was analyzed by calculating the stress intensity factor at the crack tips and comparing with a threshold of that. As a result, validity of the previous hypothesis was suggested.
著者
中尾 正博 佐藤 哲夫 冨井 直弥 高山 慎一郎 堀内 貴史 朴澤 佐智子 鈴木 智美 小川 恵美子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.427, pp.49-53, 2010-02-19

超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS: Wideband InterNetworking engineering test and Demonstration Satellite)は,Ka帯のMBAやMPAによる高い送信・受信能力を持ち,小型の地球局で広帯域通信が可能であり,遅延時間が少ないという特徴を持つ衛星である.「きずな」は2008年2月23日に打上げられ,軌道上での初期機能確認試験を行った後,様々な実験を実施してきた.本稿では,宇宙航空研究開発機構(JAXA: Japan Aerospace Exploration Agency)が実施した基本実験結果の概略について紹介する.
著者
小松 孝彰 前田 克彦 池本 誠也 細矢 剛 小松 孝彰 小川 義和 細矢 剛 久永 美津子
出版者
独立行政法人国立科学博物館
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

国内外の博物館を調査した結果、人々の科学リテラシーの涵養に資する展示を実現するために、多くの場合、展示評価が活用されており、それを展示開発に組織的・継続的に取り入れ、効率的・効果的に実施していくことが重要であることがわかった。また、これまで諸文献において扱われていなかった展示評価の各調査手法の効果的・効率的な実施方法に関して、調査の試行・実践を通して多くの具体的な知見を得ることができた。
著者
小川 侃
出版者
京都大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1993

今年度においては,前年度の成果を踏まえて,さらに諸科学のなかで機能している構造や機能の概念を探究した。1)諸科学に分化している構造理論を全体として可能にしている構造概念がどのような哲学的・存在論的意味をもつかを検討した。とくに構造主義的な方向の今世紀最大の言語学者,ロマン・ヤコブソンや,構造人類学者レヴィ・ストロースなどの言語学・民族学の領域での構造概念を取り上げ,さらにル-マンなどの新しい構造論的社会科学理論のうちの構造概念を批判的に洗いなおし,存在論的に構築しなおすことを試みた。とりわけ記号や構造の概念のもつ存在論的な基本的な意味を吟味した。これは,アリストテレス的な「質量と形式からの構成」という存在の見方が構造理論のなかでどこまで維持されえ,また解体されるべきかという問いにかかわったのである。2)次いで,構造の存在論にかかわる本研究は,さらに,政治体制一般についての研究に具体化の道を見出し,その手始めとして幕末における「後期水戸学」の大義名分論が構造論的な思想に近いことを発見した。3)最後に,初年度および2年度の研究の成果にもとづいて,構造論的存在論としての現象学の体系化を企てている。さしあたり部分と全体や,接近と遠隔,対峙性と背馳性などの構造論的な諸概念をそれらを可能にする「基底づけ」の概念とともに再構成している。
著者
礒田 正美 小川 義和 小原 豊 田中 二郎 佐々木 建昭 長崎 栄三 清水 静海 宮川 健
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究の高次目標は、世界で有効に活用しえる算数・数学教材・教具を開発することである。具的には、数学を学ぶ意欲を喚起し、さらに深く知る契機を提供する機関として科学系博物館の展示・教育システムを活用し、科学系博物館向け数学展示、実験教材を開発し、数学における具体的で体験的な教育プログラムを提供することを目的とする。国立科学博物館、牛久市教育委員会、つくば市教育委員会、埼玉県立春日部高等学校、埼玉県立大宮高等学校の協力を得て、3年間を通して、科学博物館等で活用しえる数学展示、実験教材の事例開発を行った。蓄積した事例を領域でまとめれば、次の6領域になる:(1)透視の数理、(2)変換の数理、(3)機構の数理、(4)音階の数理、(5)測量の数理、(6)それ以外。開発教材の特徴は、学年、学校段階によらず、様々な学習が可能である点である。報告書は事例を示した。開発教材は、内外で注目を浴びた。国内では、小中接続・連携、中高接続・連携、高大接続・連携の立場から注目され、飛び込み授業のための事例集の出版を依頼された。変換の数理ではソフトウエア開発も行い、WEB上で閲覧可能である。国外では、国際会議で招待講演を2回(韓国、香港)、全体講演を1回(台湾)、研究発表を1回(ローマ)、海外での講習を2回(フィリピン、ホンジュラス)行った。特に数学教育国際委員会100周年記念国際会議では、ヨーロッパにおける教具の歴史的発展からの系譜をたどった。また、効果的な発表の方法についての調査もあわせて行った。既にフィリピン、ホンジュラスで開発したソフトウエアが利用される見込みとなった。成果をWEB公開することで、当初の予定通り様々な場で役立つ数学展示教材の開発が実現した。SHH, SPPなどでも成果を利用したい旨、依頼を得ている。博物館に展示することは将来的な課題であるが、成果は教育の場で活用しえる状況にある。
著者
小川 哲男
出版者
昭和女子大学
雑誌
學苑 (ISSN:13480103)
巻号頁・発行日
vol.765, pp.40-50, 2004-06-01

The purpose of this study is to clarify the Children's Cognitive Structure of Natural Phenomena as logical operation in Life Environmental Learning. I investigated from the point of view of C. Kamii /R. DeVries' "logical operation". As the result of the investigation, I drew up a model that showed the knowledge was composed of logico-mathematical knowledge and physical knowledge. On the basis of this model, I interpreted the children's cognitive structure of learning natural phenomena and their process of generating children's cognitive structures of natural phenomena by analyzing the learning record of Life Environmental Learning on 2nd graders.
著者
佐藤 正恵 植田 映美 小川 香織 SATO Masae UETA Emi OGAWA Kaori
出版者
岩手大学人文社会科学部
雑誌
アルテスリベラレス (ISSN:03854183)
巻号頁・発行日
no.86, pp.27-40, 2010-06

2005年の発達障害者支援法制定や2006年の学校教育法一部改正に伴う通常学級での特別支援教育開始等に伴い,医療や教育,福祉,司法など多くの領域で注意欠陥・多動性障害(以下ADHD)や広汎性発達障害など発達障害への関心が広がっている。近年,こうした障害への気づきが早くなる一方,わが子に発達障害があると知らされた保護者のほとんどは戸惑い,対応に悩んでいるのが現状である。中でもADHDをもつ子どもは発達段階に不相応な多動性や衝動性,不注意ゆえに幼少期より社会適応や学業が妨げられやすい。そのため,保護者の中には子どもの生活上の困難に強い不安を抱いたり,ささいなつまずきを甚大に捉え自責感を強める,あるいは逆に子どもの行動を厳しくコントロールしようとする者もいる(田中,2007)。こうした場合,より良い親子関係が築かれにくく,親子ともども抑うつ症状をきたしたり,虐待などに至ったりする危惧がある。
著者
小川 芳彦
出版者
関西学院大学
雑誌
法と政治 (ISSN:02880709)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.643-658, 1971-01-30