著者
橋本 健一 飯島 和子 小川 賢一
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.201-206, 2008-11-25 (Released:2009-03-18)
参考文献数
23
被引用文献数
1

The photoperiodic response curve for pupal diapause induction of the white cabbage butterfly, Pieris rapae crucivora Boisduval was determined in several populations of the Japan Archipelago. Larvae were reared under different photoperiods ranging from 8L16D to 16L8D at 20±0.5°C. The critical photoperiods for pupal diapause induction were 14 h 40 min for the Iwamizawa population (43°10′N), 13 h 15 min for the Sendai population (38°15′N), 13 h 10 min for the Nagaoka population (37°23′N), 12 h 08 min for the Okayama population (34°39′N), 11 h 50 min for the Matsuyama (33°50′N) and Kagoshima (31°35′N) populations and 11 h 15 min for the Naze population (28°23′N). The critical photoperiod increases as latitude increases. This result suggests that adaptation to a cool climate in a higher latitude region shifts the critical photoperiod for pupal diapause induction towards a longer range. The developmental zero for the larval stage in the Sapporo (43°03′N) and Matsuyama populations was calculated as 9.8°C and 9.6°C for the larval stage, respectively. These results are discussed in relation to seasonal adaptation for each population.
著者
小川 康恭 圓藤 陽子 及川 伸二
出版者
東京慈恵会医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

平成7年より「化学物質の神経細胞毒性機構として、活性酸素が生成されアポトーシスもしくはプログラム細胞死を引き起こす」という仮説の基で研究を続けてきた。材料は、人間への影響をよりよく予測できるデータが得られることを期待して、株細胞ではなく初代培養細胞を用いることとした。平成7年度までに得られた成果は、(1)2,5-HexanedioneによりDNAの断片化が起こることを培養後恨神経節神経細胞により示したこと、(2)シスプラチンの場合、それだけではDNAに対する活性酵素の関与する毒性は発現しないこと等である。平成8年度においては(1)培養後恨神経節神経細胞に起こったDNAの断片化がアポトーシスそのものであること、(2)そのとき何らかの活性酸素種が発生していること、さらには(3)化学物質がアポトーシス進行過程のどの段階に作用しているのかを研究課題とした。平成8年度において以下の結果が得られた。(1)DNAラダー検出法を改善するために、神経細胞の収量を増大させ、鋭敏なDNA染色法の導入等を行ったとこと、ラダーの描出は可能となったが、依然として明確な像を得るには不十分な状態であるので更なる改善が必要である。(2)各種活性酸素消去剤により細胞死が抑制される結果が得られた。(3)DNAラダー検出系の感度及び安定性がまだ十分ではないためプロテアーゼが用いたアポトーシス進行過程での作用点解析はまだ進んでいない。このような結果に基づき、引き続きDNAラダー検出系の確立、発生している活性酸素種そのものの同定め、化学物質が働いているアポトーシスの進行段階の検討を進めている。
著者
高木 信二 小川 英治 永易 淳 岩壷 健太郎 江阪 太郎 廣瀬 健一
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

グローバル危機を契機に、(特にアジア地域における)経済間の相互連関が注目されるようになった。また、危機の発生確率を軽減するために各国が採るべき政策や制度への関心が高まると同時に、危機への耐性を維持する観点から、資本管理政策が主権国家の政策手段として広く受け入れられるようになった。本研究の成果は多岐に及ぶが、その核心的部分は、(1)経済連関をはかる手法を開発したこと、(2)実証的に経済統合の性格を特定化したこと、(3)資本管理政策の有効性を検証したこと、(4)危機発生確率を低下させるための政策、制度を明らかにしたことにある。
著者
小川郁
雑誌
Otol Jpn
巻号頁・発行日
vol.4, pp.189-195, 1994
被引用文献数
8
著者
平野 裕子 小川 玲子 川口 貞親 大野 俊 大野 俊
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

2008年より日本インドネシア経済連携協定(以下「JIEPA」)に基づき、インドネシア人看護師らが来日したのを皮切りに、2009年からは、日本フィリピン経済連携協定(以下「JPEPA」)に基づくフィリピン人看護師らが来日した。本制度における外国人看護師の導入は、国が公的な形で導入した最初の医療福祉専門職の受入れにあたり、今後の日本の受入れ態勢を整備すると同時に、国際化社会における看護師の移住の観点から起こりうる様々な問題を抱えていた。本研究では、JIEPA,JPEPA制度に基づく外国人看護師の移住のパターンの比較を行う。本研究の研究成果の概要は以下のとおりである。1.JIEPA、JPEPAでは、看護師の受入れスキームは一部を除き、ほぼ共通していたが、実際に来日する看護師たちの社会的人口学的特徴及び来日動機は、インドネシア人、フィリピン人の間でかなり異なっていた。2.看護師の国籍によってかなり特徴は見られたにもかかわらず、日本の病院側は、「学習意欲がある者」「患者に対する接遇態度がよい者」を高く評価する傾向があり、その傾向には国籍別に差は見られなかった。3.病院側は、外国人看護師を受入れた後に職場が活性化したことを高く評価しており、その傾向には、受入れた看護師の国籍別に差は見られなかった。
著者
中嶋 康博 荘林 幹太郎 小川 茂男 合崎 英男 高橋 太郎 山田 七絵 佐藤 赳 鄭 暁雲 宋 敏 王 維真
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

メカニズムデザインの手法を用い、中国南西部の湿潤地域と中国北西部の乾燥地域のそれぞれにおいて、農業生産者の土地資源および水資源の利用に対する望ましい政策介入について分析した。分析においては地理情報システムおよびリモートセンシングの技術を活用し、地域の空間的な特徴を内生化した経済モデルの設計を行った。
著者
小川 泰嗣
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.37, no.10, pp.1839-1849, 1996-10-15
被引用文献数
3

文書における部分文字列の出現を記録する部分文字列索引は 単語切り出しのための言語処理が不要という点で日本語文書検索向きである. しかし 出現位置情報を捨象しているため誤検索が発生する 検索語の長さに応じて検索時間が増大する という問題があり こうした点を改善するためには索引サイズを大きくせざるをえない. すなわち 誤検索率・検索時間・索引サイズのすべてに優れた部分文字列索引を実現することは困難であった. 本論文では ユーザの使用する可能性の高い検索語の処理を優先的に高速化し 誤検索率・索引サイズを悪化させることなく平均検索時間を短縮する効率的な部分文字列索引を提案する. このために 文字および部分文字列の2レベルの頻度を用いる. 文字レベルの出現頻度は二文字組から索引エントリを決定するためのハッシングに利用され 検索の高速化および誤検索の低減に作用する. 一方 部分文字列レベルの出現頻度は長い部分文字列を独立した索引エントりとして選択するために利用され 出現頻度が高く長い検索語の処理の高速化に作用する. 特許要約文10万件(14MB)を用いて検索時間・検索精度・索引サイズの評価実験を行い 本手法の有効性を確認できた.Substring indexing method is suitable for Japanese document retrieval systems, because it requires no natural language processing to identify words. A substring index does sometimes create false drops and retrieval time is proportional to the query length, however, an index must be large to reduce false drops or shorten retrieval response. In other words, it's difficult to get good performance measures for false drops, retrieval time as well as index size. We propose a new substring indexing method that shortens the average response time by selectively fastening retrievals of frequently used words, and yet does not either increase false drops or enlarge indexes. We use two kinds of frequency data: (1) Character frequency is used to generate a hash table for character-pairs, both increasing retrieval speed and reducing false drops, (2) Substring frequency is used to select special substring index entries, resulting in quick retrieval for long but highly frequent words. We evaluated our method using 100,000 patent abstracts. Measurement results, including response time, index size and false drop rate, confirmed the effectiveness of our method.
著者
小川 知弘 塩崎 賢明
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 = Transactions of AIJ. Journal of architecture, planning and environmental engineering (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
no.623, pp.131-136, 2008-01-30
参考文献数
11
被引用文献数
2 1

The large-scale residential quarter development which exceeds 50ha is done 374 cases. As for these residential quarters it is many in Tokyo and Osaka periphery. Japanese Newtown Act have made 49 Newtown. Japanese New town Act's law has been given expropriation right. Expropriation right was used 24. areas. Japanese New town Act's law because planned characteristic is strong.
著者
鈴木 圭 小川 博 天野 卓 安藤 元一
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.13-18, 2008-06-15
被引用文献数
3

ニホンモモンガPteromys momongaの巣箱利用率から本種の環境嗜好性を評価した。丹沢山地に548個の巣箱を設置し樹上性哺乳類全般の利用状況を調べた。巣箱利用率の高まる8月から10月における巣箱内の痕跡から,林相,水場の遠近および標高が本種の巣箱利用度に及ぼす影響を検討した。本種の巣箱痕跡率は広葉樹・モミの天然林において0.4%,スギ・ヒノキ人工林で0%,および天然林と人工林がパッチ状に混在する林で3.9%であった。一般線形モデルによる解析を行ったところ,本種は天然林と人工林の混在する環境を好んで生息し,水場の遠近や標高による影響は見られなかった。他方,山地林に普遍的に生息する樹上性ノネズミであるヒメネズミApodemus argenteusはこれらの環境要素に対して嗜好性を示さなかったことから,上記の嗜好性がニホンモモンガの特徴であることが推察された。
著者
小川 和夫 良永 知義
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

単生類Neoheterobothrium hirameは、1990年代半ばに突然新種として日本近海のヒラメに出現した寄生虫である。天然ヒラメの貧血症の原因寄生虫であり、ヒラメ資源への影響が懸念されている。本研究では、本虫の起源を明らかにする目的で、アメリカ合衆国大西洋岸のサザンフラウンダー、サマーフラウンダー、チリ産ヒラメ1種からNeoheterobothrium属虫体を採集し、ヒラメのN.hirameと形態学的・分子生物学的に比較した。サザンフラウンダーから得られた虫体は、ヒラメに寄生するN.hirameと形態学的に差が認められず、また、18S rRNA領域、ITS1-5.8S RNA-ITS2領域、ミトコンドリアのCOI領域のいずれにおいても、塩基配列に大きな差は認められなかった。この結果から、サザンフラウンダーに寄生する虫体はN.hirameであり、本種が近年日本近海に侵入し、ヒラメを宿主として定着したものと結論付けられた。従来、サザンフラウンダーにはサマーフラウンダーを宿主とするN.affineが寄生するという報告があった。そのため、N.hirameがN.affineと同種である可能性も残っていた。そこで、本研究いおいて、サマーフラウンダーから得られたN.affine2虫体について、形態学的再記載とITS1領域の塩基配列の配列決定を行い、N.hirameと比較した。その結果、この2種は別種であることが強く示唆された。ただし、今回は得られたN.affineの数が少なく、今後に検討の余地が残された。チリ産のヒラメ類Hippoglossina macropsから得られたN.chilensisの形態ならびにITS1と28S rRNAの部分領域の塩基配列を決定した。その結果、本虫はN.hirame・N.affineと大きく異なり、これらとは別属である可能性が示唆された。
著者
小川 恵子 並木 隆雄 関矢 信康 笠原 裕司 地野 充時 中崎 允人 永嶺 宏一 寺澤 捷年 秋葉 哲生
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.641-645, 2008 (Released:2009-01-15)
参考文献数
12
被引用文献数
1

我々は,短腸症候群を漢方治療で安定した状態に管理できた1例を経験した。症例は,74歳,女性。主訴は,重症下痢,腹満感,腹痛である。23歳で結核性腹膜炎と診断され,26歳時,腸閉塞により小腸・大腸部分切除術を受け,短腸症候群となった。60歳,漢方治療目的に,当院受診。茯苓四逆湯を投与したところ,腹痛・腹満・下痢ともに改善した。さらに,蜀椒を加味することにより,大建中湯の方意も併せ持つ方剤とした。茯苓四逆湯加蜀椒にて,経過を見ていたところ,64歳には,体重45kgと,術後初めて術前体重に戻った。短腸症候群は,予後の悪い疾患ではあるが,本症例は14年間漢方治療で安定した経過を得ることができた。
著者
小川 充
出版者
串間市立市木小学校築島分校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2009

創立以来75年余りの分校の歴史は,築島の文化や伝統の歴史でそのものでもあり,島内の分校が無くなることは,限界集落へのスパイラルに入った地域にとっては,非常に悩ましい問題であった。そのため分校の担ってきていた文化や伝統,精神的なつながりをはじめとする多面的な役割を,いかに島民主体のシステムにスライドさせていくかがとても重要であった。今後,間違いなく訪れる離島における限界集落での生活に備え,精神的な結束及び集団所属の意識を高めていくための取組を計画的に実践できたことは,非常に意義深い研究となった。(1)全教育課程や日常生活の中で、故郷に対する誇りと自信を育て,生涯にわたって築島を愛する心を醸成するための取組(島民全員による分校環境整備,航空写真撮影・休校式・記念誌作成等)を行えたことで、児童の島への思いや自らの生き方を見つめ直すことができた。(2)島に住む児童及び地域の住民の方々の生きる力を高めるという観点から,分校のもつ地域の教育・文化の牽引役としての責務,多面的な役割(文化・伝統・精神的な結束力を図るための)を「築島を語る会(計9回開催)」など通じて再度見つめ直し,可能な限り島民の手で運営できるよう次年度以降のビジョンを作り上げた。(3)串間市立市木小学校築島分校の『創立75周年記念式典』及び『休校式(閉校式)』及び築島最大の行事『恵比須祭り』、『築島ここども祭り』等の大きな取組の核としながら,次年度を考慮し住民主体の運営をコンセプトに取り組み進めたことで,住民間の意識のつながりや協力体制の構築,新リーダーの育成にもつなげることができた。*「休校式」「恵比須祭り」「築島こども祭り」の取り組みでは、TV放送計5回、新聞の記事では計7回、地域と分校の連携の取り組みをメディアを通して県民に紹介された。
著者
小川 昭利 入來 篤史
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.16, pp.93-96, 2011-03-08

脳機能画像から知覚や認知の内容を解読すること目指すデコーディング研究では,初期には視覚刺激が対象となっていたが,聴覚刺激,体性感覚刺激,さらには注意のシフトなどのような高次認知にまで対象が広がってきている.本研究は,脳機能画像から被験者が推論を行っていることを識別することを目指した.被験者はベースとなる関係を学習し,MRI内で推論の課題を行った.解析の結果,ベースとなる関係の試行と推論の試行を識別することができた.このことは,推論を行ったかどうかを識別するための情報が符号化された脳部位の存在を示唆する.
著者
岩井 浩 小川 晃一 畠中 順子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.89, no.5, pp.784-793, 2006-05-01
被引用文献数
4

携帯電話端末を人体の正面で保持する姿勢(PDA:Personal Digital Assistance姿勢)を高精度に模擬したi携帯電話端末アンテナ電磁評価用のリアル形状上半身擬似人体を作製した.寸法は日本人34,000人の統計データの平均値に基づいており,44人の20〜30歳代男性に対してPDA姿勢で38個所に及ぶ計測部位の計測値の平均を用いて決定した.擬似人体の肩と肘にそれぞれ上下・前後に移動可能となる機構を設け,手首が仰角方向に回転可能となる機構を設けることにより,姿勢の個人差により生じる端末と人体との相対位置関係を調整可能とした.直方体状の金属筐体に装着された素子長が1/4波長のホイップアンテナを用いて擬似人体の放射特性を検証した結果,日本人の平均に近い身長及び体重を有する人体と放射指向性及びPAG(Pattern Average Gain)がよく一致していることを確認した.
著者
小川 啓太 深林 太計志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.497, pp.65-70, 2004-12-03
被引用文献数
1

音声のピッチ抽出は,雑音の影響を受けることにより困難になることが知られている.そこで,耐雑音性向上アルゴリズムについて提案する.シングルマイクロホンを用いたシステムを想定して,アルゴリズムを構築している.まず,周波数領域において,低域の減算量を考慮したスペクトル減算と,ブラインド分離による雑音低減を行った.ここで用いられる雑音スペクトルはフレーム毎に,観測信号スペクトルから推定している.この2つの雑音低減処理を行った信号スペクトルの振幅の2乗の逆フーリエ変換から自己相関係数列を得た.次に,このようにして得られた自己相関係数列にコサイン変調を施し,ピッチ周期情報を強調した.コサイン変調周波数成分にはスペクトルの調波から得られるピッチ候補周波数を用いた.実験で,提案法でのピッチ抽出率が良くなることを示す.
著者
小川 啓太 Hamid M. E. 深林 太計志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.572, pp.25-30, 2006-01-20

本稿において, 雑音を含む音声のピッチ抽出法を提案する. これは, シングルマイクロホンを用いる方法である. 初めにただ一つの観測信号, すなわち雑音を含む音声から1次雑音を推定し, その1次雑音と観測信号を用いて, スペクトル領域でのブラインド信号分離(BSS)により2次雑音を推定する. 次に, 雑音と音声は無相関であると仮定して, 2次雑音の自己相関関数(ACF)の振幅を調整して, 観測信号のACFから引くことにより, 雑音の低減された目的のACFを求める. 2次雑音のACFの減算時の振幅調整には推定した雑音の程度を用いる. この雑音の程度はあらかじめ用意し観測信号のACFから求まるパラメータの関数から得ている. そして, スペクトルの調波から求めたピッチ候補周波数を用いて雑音の低減されたACFにコサイン変調を施し, 低域を強調する. このようにして得られたACFを用いたピッチ抽出法とその評価実験結果について述べる.