著者
河上 純輝 菊川 憲志 小田 勇一郞 森田 誠 橋本 憲蔵 田村 諭史 福間 裕子 高田 興志
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.552-555, 2018-09-25 (Released:2018-11-12)
参考文献数
4
被引用文献数
2

肩石灰性腱炎と診断されシメチジンを投与した症例について,臨床症状および単純X線の改善率を検討した.当科において肩石灰性腱炎と診断され,シメチジンを投与された33例35肩(男性6肩,女性29肩)を対象とした.病期分類としてDePalma分類を用いた.シメチジン内服後の疼痛を消失・軽快・不変に分け評価した.石灰化については,単純X線正面像で評価した.DePalma分類における急性期が25肩,亜急性期が6肩,慢性期が4肩であった.30肩(85%)で症状の改善(消失+軽快)を認め,24肩(69%)の症例で単純X線写真での石灰化改善を認めた.肩石灰性腱炎に対し,シメチジンの投与は有効な治療法の一つであると思われた.
著者
南 雅代 小田 寛貴 小島 貞男 横田 喜一郎 中村 俊夫
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大学加速器質量分析計業績報告書
巻号頁・発行日
vol.13, pp.71-81, 2002-03

第14回名古屋大学タンデトロン加速器質量分析計シンポジウム(平成13 (2001)年度)報告
著者
堀米 綾子 江原 達弥 小田巻 俊孝 清水 隆司
出版者
公益財団法人 腸内細菌学会
雑誌
腸内細菌学雑誌 (ISSN:13430882)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.1-14, 2019 (Released:2019-02-01)
参考文献数
144

母乳は乳児にとっての最良の栄養源である.乳児の腸内細菌叢はビフィズス菌優勢であり,このことが児の健康に大きく貢献していると考えられている.母乳中にはさまざまな抗菌活性因子,免疫性因子,ビフィズス菌増殖因子が含まれており,これらが複合的に作用して乳児のビフィズス菌優勢な腸内細菌叢を形成するものと推測されるが,その詳細は未だ十分には解明されていない.一方,人工栄養児の腸内細菌叢は,母乳栄養児のそれと比較してビフィズス菌が少ないなどの差が認められることが古くから指摘されており,人工乳のさまざまな改良が腸内細菌叢改善の観点からも試みられてきた.本稿では,母乳中の因子による「乳児型」ビフィズス菌の増殖およびその他細菌の排除の仕組みに関する最近の知見について,主要なビフィズス菌増殖因子であるヒトミルクオリゴ糖(HMOs)の話題を中心に,われわれの研究成果も交えて紹介する.また,腸内細菌叢改善の観点からの人工乳の改良の歴史と現状,今後の可能性についても併せて概説したい.
著者
末武 康弘[訳] 木村 喜美代[訳] 酒井 茂樹[訳] 小田 友理恵[訳] 大迫 久美恵[訳] 宮尾 一憲[訳] 宮田 はる子[訳] 瀬戸 恵理[訳] 吉森 丹衣子[訳]
出版者
法政大学現代福祉学部現代福祉研究編集委員会
雑誌
現代福祉研究 = THE BULLETIN OF THE FACULTY OF SOCIAL POLICY AND ADMINISTRATION : Reviewing Research and Practice for Human and Social Well-being : GENDAIFUKUSHI KENKYU (ISSN:13463349)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.81-100, 2019-03-01

本稿は、Thinking Beyond Patterns: Body, Language, and Situation. (Gendlin, 1991) の日本語訳を試みるものである。原著については、The Presence of Feeling in Thought. (Ouden & Moen, 1991, New York: Peter Lang) の中に収録されていたジェンドリン執筆の同タイトルの章が抜粋され、The International Focusing Instituteより本の形で頒布されている。今回の訳出のテキストとして用いたのは、このThe International Focusing Instituteから頒布されている版である。心理臨床家としても哲学者としても名高いジェンドリン(1926~2017)は、2017年5月1日に90歳で亡くなったが、その哲学的な業績は多くの人に注目されながらも、まだ十分な解明が行われていない。私たちが訳出を試みる Thinking Beyond Patterns: Body, Language, and Situation. は、彼の哲学における初期の主著 Experiencing and the Creation of Meaning. (Gendllin, 1962/1997) と後期の代表作 A Process Model. (Gendlin, 1997/2018, この2冊はいずれもEvanston: Northwestern University Pressより新装版が出版されている) の中間に執筆された、これらに並ぶ重要な著作であり、特に彼が開発した理論構築法TAE (thinking at the edge) の哲学的な基礎を形成していると考えられるものである。A、Bのセクションと全11チャプター、計131頁(pp.21~151)からなる原著のうち、本稿ではセクションAのチャプターA-1の中の1~7節(pp.21~32)を訳出した。翻訳の作業は、法政大学大学院人間社会研究科末武研究室の博士後期課程ゼミの中で行った。初訳の担当を決め、その訳文をゼミにおいて全員で検討した。今回の初訳の担当者は、木村喜美代(1節、2節、3節)、酒井茂樹(4節)、小田友理恵(5節、6節)、大迫久美恵(7節)である。
著者
内田 博之 小林 瑞希 細渕 亜実 太田 彩乃 大竹 一男 八巻 努 内田 昌希 小田切 陽一 夏目 秀視 小林 順
出版者
日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.215-224, 2014 (Released:2014-09-24)
参考文献数
55
被引用文献数
1 9

Objectives: We aimed to determine the effects of age, period, and birth cohort on cervical cancer mortality rate trends in Japanese women, by age-period-cohort (APC) analysis. Additionally, we analyzed projected mortality rates. Methods: We obtained data on the number of cervical cancer deaths in Japanese women from 1975–2011 from the national vital statistics and census population data. A cohort table of mortality rate data was analyzed on the basis of a Bayesian APC model. We also projected the mortality rates for the 2012–2031 period. Results: The period effect was relatively limited, compared with the age and cohort effects. The age effect increased suddenly from 25–29 to 45–49 years of age and gently increased thereafter. An analysis of the cohort effect on mortality rate trends revealed a steep decreasing slope for birth cohorts born from 1908–1940 and a subsequent sudden increase after 1945. The mortality rate projections indicated increasing trends from 40 to 74 years of age until the year 2031. Conclusions: The age effect increased from 25–29 years of age. This could be attributable to the high human papilloma virus (HPV) infection risk and the low cervical cancer screening rate. The cohort effect changed from decreasing to increasing after the early 1940s. This might be attributable to the spread of cervical cancer screening and treatment before 1940 and the high HPV infection risk and reduced cervical cancer screening rate after 1945. The projected mortality rate indicated an increasing trend until the year 2031.
著者
山室 信一 小関 隆 岡田 暁生 伊藤 順二 王寺 賢太 久保 昭博 藤原 辰史 早瀬 晋三 河本 真理 小田川 大典 服部 伸 片山 杜秀
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究においては、女性や子ども更には植民地における異民族までが熱狂をもって戦争に参与していった心理的メカニズムと行動様式を、各国との比較において明らかにすることを目的とした。そこでは活字や画像、音楽、博覧会などのメディアが複合的に構成され、しかも複製技術の使用によって反復される戦争宣伝の実態を明らかにすることができた。そして、このメディア・ミックスを活用する重要性が認識されたことによって、外務省情報部や陸軍省新聞班などが創設されることとなった。戦争ロマンの比較研究から出発した本研究は、戦争宣伝の手法が「行政広報」や「営利本位の商業主義」に適用されていく歴史過程を明らかにすることによって、総力戦という体験が現代の日常生活といかに直結しているのかを析出した点で重要な成果を生んだ。
著者
小田 裕昭
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

栄養・運動・睡眠は健康の要である。この3つの要素は生物時計という観点で見ると,統合的に制御できると考え、臓器間時計ネットワークの同調を介して代謝を正常化させて健康に結びつけるための分子的基盤を明らかにすることを目指した。摂食リズムが不規則になるモデルとして,ダラダラ食いや,夜食症候群モデルを作成してきたが,ヒトでも起きうる不規則な摂食タイミングとして朝食欠食を取り上げた。朝食欠食は,休息期から最初の食事が数時間だけ遅れるだけであるが,代謝異常が起きることが多くの研究で明らかになっている。朝食欠食モデルを作成して,様々な実験食を与えて,実験を行ってきた。高脂肪食では,肝臓時計と肝脂質代謝のリズムが数時間遅れるが,高コレステロール食では,肝臓時計が変化せずに肝脂質代謝が遅れた。いずれの場合も活動期の体温上昇が遅れることは同じであり,摂食タイミングの数時間の遅れが,脳視床下部の体温中枢へは同じ影響を与えていることがわかった。何を食べるかということと,そのタイミングが相乗的な効果を生んでいることが初めてわかったためその因子を検討しはじめることにした。時計リセット食品の探索の一貫として,まず三大栄養素の中でほとんど検討されてきてこなかった糖質について検討した。スクロースでは,肝脂質代謝の異常が生じることが知られているが,肝臓時計に影響を与えることはなかった。ところが,肝脂質代謝酵素のリズムを大きく変動させていた。これまで脂質代謝酵素のリズムは,肝臓時計の支配下にいると考えてきたが,食事成分が代謝のリズムを独立に制御することが明らかとなった。
著者
小田中 悠 吉川 侑輝
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.315-330, 2018 (Released:2019-09-28)
参考文献数
30

本稿では,日常的な相互行為における期待の暗黙の調整メカニズムを,ゲーム理論を軸とした数理モデルによって説明することを試みる.その際,Goffmanが「ゲームの面白さ」論文で提示した,「変形ルール」というアイデアを精緻化することを通して,先行研究とは異なり,次の二点を考慮した上でモデル構築を行った.すなわち,人々によるゲーム状況への意味付与のダイナミクスを捉えうること,及び,経験的な検証可能性を考慮した上で,Goffmanのアイデアをフォーマルに記述することを目指した.そして,カラオケ・ボックスにおける次回歌い手の決定場面を分析することによって,本稿の視座が上述した二点の他にも,たとえば,チキンゲームのような,調整ゲームとは異なる均衡選択場面についても見通しをよくするものであることが示唆された.最後に,本稿のモデルが,公共空間における人々の相互行為を支えるルールの探求について,人々に参照されている「望ましさ」の基準(自らの利益よりも他者や集団の利益を優先するための基準)を捉えられるという点で有用なものであることが示唆された.
著者
島津 太一 小田原 幸 梶 有貴 深井 航太 今村 晴彦 齋藤 順子 湯脇 恵一 立道 昌幸
出版者
公益財団法人 産業医学振興財団
雑誌
産業医学レビュー (ISSN:13436805)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.117-153, 2022 (Released:2021-09-08)

実装科学とは、エビデンスに基づく介入を「どのように」すれば実装できるのか、という問いに対する知識体系を構築する学問領域といえる。本稿では、事業場における健康づくりの仮想的な事例をもとに、実装科学が実践にどのように役立つのかを解説する。つぎに、保健医療の分野で用いられる実装研究の要素について解説する。最後に、産業保健の領域で健康増進対策実施を促進するための、実装研究、あるいはその要素を持つ介入研究の紹介を行う。
著者
秋原 悠 小田 俊明 山本 忠志 曽我部 晋哉
出版者
Japan Society of Human Growth and Development
雑誌
発育発達研究 (ISSN:13408682)
巻号頁・発行日
vol.2020, no.89, pp.22-32, 2020 (Released:2020-12-25)
参考文献数
25

The purpose of this study was to clarify the characteristics of body composition of Japanese elementary and junior high school students. In this study, body composition was measured using a body composition analyzer (Inbody470).In this method, body composition take as a 4-components model (total body water/protein/mineral/body fat mass), and the subdivided data can be easily analyzed. Subjects that were included in this study total 791 students (Boys: 373, Girls: 418) from the 1st grade of elementary school to the 3rd grade of junior high school.As a result of the analysis, both the boys and girls height and weight gradually increased year by year. The amount of fat-free mass also increased, but body fat mass decreased in boys after the 6th grade of elementary school. For the girls, it increased year by year. The results showed the differences for each gender in all components since junior high school. In particular, there was a marked difference in the 3rd grade of junior high school (total body water: p < 0.001, protein: p < 0.001, mineral: p < 0.001, body fat mass: p < 0.001). In the 4-components, regardless of the age difference in junior high school students, only protein significantly increased in boys (p < 0.05). For the girls, total body water (p < 0.001), protein (p < 0.001), and minerals (p < 0.01) were significantly decreased, and body fat percentage (p < 0.001) was significantly increased.This study clarified the gender differences and age differences of the 4 components of the body. From these results, the deterioration of the body components especially for junior high school student girls were concerned, and the necessity of taking countermeasures in exercise habits and lifestyle habits were indicated.
著者
平 朝彦 飯島 耕一 五十嵐 智秋 坂井 三郎 阪口 秀 坂口 有人 木川 栄一 金松 敏也 山本 由弦 東 垣 田中 智行 西村 征洋 鈴木 孝弘 木戸 芳樹 渡邊 直人 奥野 稔 井上 武 黛 廣志 小田 友也 濱田 泰治 室山 拓生 伊能 隆男 高階 實雄 勝又 英信 原田 直 西田 文明 南川 浩幸 金高 良尚
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.118, no.7, pp.410-418, 2012-07-15 (Released:2012-12-04)
参考文献数
20
被引用文献数
7 5

東北地方太平洋沖地震において関東地方を中心に前例のない広域的な液状化被害が報告されている.都市地盤における液状化現象を理解し,その対策を立てるには,液状化が地下のどこで起ったのかを同定することが極めて重要である.本報告では,千葉県浦安市舞浜3丁目のボーリングコア試料に対して,X線CTスキャン解析を実施し,非常に鮮明な地層のイメージの取得に成功した.この結果,地面下13 mまでの地層を5つのユニットに区分することができ,その中で6.15 mから8.85 mまでの間で地層のオリジナルな構造が破壊されており,液状化した層であると判定した.この手法は,今後の液状化研究に関して,大きな貢献が期待できる.
著者
榛葉 賴子 矢田 大輔 小田 彩子 東堂 祐介 伊藤 敏谷 鈴木 康之
出版者
静岡産科婦人科学会
雑誌
静岡産科婦人科学会雑誌 (ISSN:21871914)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.59-63, 2020

腟内異物が放置される例は、産婦人科ではまれに経験される。症例は 50 歳。スプレー缶の蓋を腟内に自己挿入し、抜去できずに約2年間放置していた。抜去目的に当院を紹介され、腰椎麻酔下に子宮把持鉗子で抜去した。抜去された異物は、石灰化物質で覆われており、成分分析では、リン酸カルシウムとリン酸マグネシウムが検出された。報告では腟内のカルシウムイオン、マグネシウムイオンは尿の成分に由来 すると結論づけられるものが多い。腟内異物の症例では膀胱腟瘻を来していることも多い。本症例では画像検査で膀胱腟瘻などの解剖学的異常はなく、抜去可能であった。長期間放置された腟内異物の診療では、膀胱腟瘻などの解剖学的異常も含め、画像検査で評価することが有用である。
著者
小田 理代 斎藤 明日美 毎床 愛美 登本 洋子 堀田 龍也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2023, no.2, pp.267-273, 2023-07-21 (Released:2023-07-21)

本原稿では,女子及びジェンダーマイノリティの大学生・大学院生(以下,女子学生)によるプログラミングの学習が,プログラミングの動機づけにどのように影響するのかを検討することを目的に調査を行った.女子学生を対象に2週間のプログラミングのコース(Waffle Collegeエントリーコース)を実施し,コース実施前後に期待-価値モデルを適用した,プログラミングの動機づけに関する質問紙調査を行った.その結果,成功期待,実践的利用価値が有意に増加し,心理コストが有意に減少した.また機会コストは有意に増加したことが示された.