著者
近藤 拓也 山際 貴志 山中 光司 山本 正信
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.247-255, 1997-01-25
被引用文献数
27

これまでの動画像の解析では, 連続する画像間の対応付けに始まり, もっぱら対象の運動パラメータや3次元情報といった物理的・幾何学的情報の抽出が中心課題であった. これに対して, 我々は人間の動作について「上手である」とか「美しい」とかの印象を定量的に把握することを目指している. 本論文ではスキーにおける滑りを取り上げ, 滑りの動画像を解析することにより, 滑りの上手さを判定することを試みた. 実際, 動画像から得られた動作の運動パラメータから, 動作の対称性や滑らかさなど動作の特徴を抽出した. これらの特徴を用いて滑りの上手さを判定することができた. この判定結果は, 同じ動作を観察したときの人間の受ける印象と一致している.
著者
藤井 寛 山中 康史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.10, pp.1945-1955, 1997-10-15
被引用文献数
29

ディジタル画像流通においては品質を保持したコピーおよびネットワークによる転送の容易さに起因する,違法コピー氾濫の防止が重要な課題である.違法コピーの危険性から提供者には見本画像の公開に抵抗があり,そのため利用者は事前の内容確認が困難である.我々は画像情報流通を阻害する本問題を解決する,JPEGおよびMPEG1画像データのスクランブル方式を開発した.本方式は暗号を用いて画像データを変換し,品質を劣化させたスクランブル画像を生成する.スクランブル解除は暗号鍵によって制御され,高速な変換に基づくリアルタイム・スクランブル解除によって違法コピーを防止できる.効果的宣伝と違法コピー防止のためにはスクランブルの程度が制御可能であることが望ましい.本方式はブロック内パラメータ,密度,領域の3つのパラメータでこれを制御する.さらに,画像データは複数の鍵によって多重にスクランブルすることも可能である.多重スクランブルは鍵の個数による画像品質制御および複数の著作権の存在する画像の保護に利用できる.During the distribution of digital images,protection against peracy is important because it is easy to duplicate digital data without deterioration and to spread pirated versions through networks.Providers of image data cannot disclose the original data for fear of piracy,yet still need to advertise their products and to allow customers to evaluate a product prior to paying for it.This paper presents a method for scrambling image data encoded in JPEG or MPEG1 in order to solve this problem.Our method uses a cipher algorithm for data transformation to generate a deteriorated version of the image data.Its high-speed transformation enables real time descrambling,thereby preventing illegal copying.For effective advertisements and copyright protection,the degree to which image data is scrambled should be controllable.Using our method,scrambling can be controlled by the intra-block parameters,density and area.The method also allows a single image to be scrambled a number of times using different scrambling keys.Multiple scrambling can be used to determine the image quality based on the level of payment.It can also be used to protect image data composed of several parts,the copyright for each part being owned by different authors.
著者
野矢 正 山中 忍
出版者
公益社団法人 日本視能訓練士協会
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.87-90, 2004-07-31 (Released:2009-10-29)
参考文献数
3

オートレフラクトメータには、両眼開放タイプと内部視標タイプがある。両種のオートレフラクトメータと自覚的屈折検査を比較して調べたので報告する。対象は、当院へ来院した患者43名の85眼で、年齢は6歳から78歳であった。両眼開放タイプとしてGRANDSEIKO-WR5100Kまたは、SHIN-NIPPON Nvision-K5001を、内部視標タイプとしてNIDEK AR-600Aまたは、NIDEK AR-1100を使用した。検査結果の球面値(S)および乱視度(C)を集計した平均値と標準偏差は、内部視標タイプS-3.515D±2.842D C-0.923±0.692D,両眼開放タイプS-3.132D±2.570D C-1047±0.753D,自覚的屈折検査S-2.869D±2.631D C-0.601±0.635D,であった。自覚的屈折検査に比較して、内部視標オートレフが球面値及び等価球面値で有意(t検定危険率5%)に近視傾向を示した。このことは、両眼開放オートレフの方が自覚的屈折検査により近い値であることを示唆している。眼鏡処方の時に両眼開放の自覚的屈折検査を行っている。一方、他覚的屈折検査にあっても両眼開放オートレフが自覚的検査に近い等価球面値であり、内部視標オートレフの値から自覚的屈折検査を始めるよりも有効であろうと思われた。球面値、乱視度、軸の全てが自覚的屈折検査と合致する例は皆無であり、自覚的屈折検査の重要性を再認識した。
著者
丸山 貴之 森田 学 友藤 孝明 江國 大輔 山中 玲子 竹内 倫子
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

近年、生活習慣病の対策として、成人に対する食育の重要性が注目されている。本研究では、食育活動の実践頻度と生活習慣病に関する検査値との関連性、早食いの主観的評価と客観的評価の関連性について調査し、食育活動が低い(早食いを自覚している)と判断された者を対象に、早食い防止啓発パンフレットの配布や食行動記録を行うことで、食育活動の改善がみられるかについて検討した。さらに、食育の知識とう蝕との関係について、歯科保健の立場から調査した。
著者
山中 健太
出版者
佛教大学
雑誌
佛教大学大学院紀要. 文学研究科篇 (ISSN:18833985)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.109-124, 2012-03-01

本論は、兵庫県宍粟郡千種町で昭和三〇年代から五〇年代にかけて地域の保健衛生上の問題を解決すべく実施された、地域保健活動の実態と受容を、ある保健婦の活動の足跡から明らかにするものである。昭和三〇年代、当地域では行政と住民双方から地域の保健衛生環境の改善に向けて様々なアプローチがなされた。そうした中、この活動の端々にある保健婦の存在が語られ、彼女が橋渡しとなって地域保健活動が行われていたことが分かった。また、彼女の活動を支えたのは地域住民であり、千種町いずみ会という地域組織の存在なしには語れない。従来、こうした地域変化における活動の意義について明確な分析がなされてきたかというと、いずれも行政側の見解でしかなく、住民との関係性のもとで語られることはなかった。本論は住民行政双方間の接触における実態の解明と受容の様子を論じ、地域生活の質的向上における双方間の協力関係のありようを明らかにした。
著者
瀬尾 和大 栗田 勝実 山中 浩明 チャベス マリオ マルチン ラリアナ ヴィダル フランシスコ
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

本研究は,これまで各々の地震国で独自に考えられていたサイスミック・マイクロゾネーションとその背景に存在する地震・地盤環境についての国際比較を試みることによって,それぞれの地域にとってより効果的な地震防災計画を共同で立案することを目的としている.以上の目的を達成するため,平成10年度から3年間に亘って実施した主要な研究内容は以下の通りである.(1)それぞれの地域において,地震・地盤環境を確認するために個別のフィールドワークを行い,地震活動度・想定地震の評価,地盤特性の評価,標準的な建物の振動特性評価などの項目について,サイスミック・マイクロゾネーションを実行した.それらの結果に基づく情報交換と議論は主として電子メールによって実施した.この間,エチオピア・スペイン・モロッコ・メキシコ・キューバにわが国から研究者を派遣し,各々の地域のフィールドワークを支援した.(2)毎年1回海外の研究分担者をわが国へ招聘し,研究内容の報告と意見交換のためのワークショップを開催した.招聘者は,F.ヴィダル(スペイン),L.マルチン(アメリカ),M.チャベス(メキシコ),B.ゴンザレス(キューバ),M.ハイレ(エチオピア),T.ムーラビ(モロッコ)等の研究分担者であり,平成12年度にはK.ベヤン(トルコ)も加わった.これらの会合には,同一研究分野の国内の研究者も多数参加して活発な討議を行い,異なる地域の異なる地震・地盤・建物の環境について理解が深められた.(3)研究期間内には各地で地震災害が発生したため,平成11年12月には台湾に,平成12年3月にはトルコに,また平成13年1月にはエルサルバドルに調査団を派遣し,本研究課題であるサイスミック・マイクロゾネーションについて現地調査を実施した.それらの研究成果は,地震被災国のサイスミック・マイクロゾネーション研究の基礎資料として還元された.
著者
山中 将 林 亮 伊藤 寿美夫 飯島 大典 井上 克己
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.1243-1244, 2005

開発したA6(はがき)サイズのマイクロ旋盤では,ベッドに厚さ40 mmのむくの鋳物プレートを使用している.ベッド剛性が加工品質に及ぼす影響を調べるために,ベッド厚さを変えた場合の振動特性の評価と直径5 mmの真ちゅうを用いた切削試験を行った.粗さと真円度の測定結果と合わせて,結果について考察する.
著者
楢崎 正也 山中 俊夫 大野 治代 佐藤 隆二
出版者
大阪大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1986

気密な市街地住宅において, もっとも汚染発生の著しい調理の際に, 室空気環境を良好に維持し, しかも熱負荷が過大にならない合理的な換気方式の確立を目的に研究を進めた. 本研究は三部から成っている.1.種々の調理条件時に発生する熱・水蒸気・汚染ガス・臭気の発生状況を調べた.まず, コンロ上方の熱気流と汚染ガスの拡散性状を詳細に検討し, 高性能な排気フードの開発に有益な資料を提供した.また, 調理時に生成するような汚染物質, とくにNO_Xと調理臭の発生量を定量化し, 室空気質評価に必要な資料を提供した.2.気密な住宅では台所の局所排気だけでなく, 局所給気の必要性を提言し, 給・排気方式を採用した住宅の換気調査を行い, 給気口の換気効果を実証した.また, 住宅においては自然換気とくに風力換気の依存度が高いため, 外部風と換気量の関係を調べ, 換気量推定のための風データーのサンプリング法を提言した.3.Tracer-Gas法による換気量推定法を種々考察した. ここでは, 空間の相互換気を考慮した二室換気を算定する手法を提案している.以上, 各検討事項は今後に多くの問題点を残しているが, ある程度の成果は達成できたと考えている. 今後はこの研究成果をもとに, さらに研究を進展させ, 所期の目標に近づくことを念願する次第である.
著者
和田 匡史 渡邊 敦之 井原 弘貴 池田 昌絵 戸田 洋伸 山中 俊明 橋本 克史 寺坂 律子 中濱 一 山田 信行
出版者
Japan Heart Foundation
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.S2_173-S2_179, 2010

症例は51歳, 女性. うつ病に対して抗精神薬を5剤内服し治療中であった. 2009年6月21日, 2階のベランダから転落後の状況を発見されて前医に救急搬送となった. 画像検索で骨盤・眼窩底・上顎骨骨折が判明し骨盤骨折に対して緊急手術の予定となったものの, 術前心電図で著明なST変化を認め当院紹介搬送された. 当院来院時はショック状態で, 心電図・心エコー所見から急性心筋梗塞の疑いで緊急冠動脈造影を施行した. 造影の結果, 左冠動脈主幹部で完全閉塞しており, 外傷後ではあったが救命目的に引き続きIABP挿入下にPCIを行った. 左冠動脈主幹部入口部から大量血栓を認め, 冠血流改善に難渋した. 主幹部入口部に残存する解離様陰影に対してBMSを留置し, PCI終了とした.<BR>文献上では胸部外傷後に急性心筋梗塞を発症することが報告されているが, 本症例のように多発外傷後に左冠動脈主幹部閉塞をきたした症例は非常に稀である. 外傷による冠損傷・血栓形成の機序についての考察を交えて報告する.
著者
山中 由里子
出版者
国立民族学博物館
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

イスラーム世界の拡大とともに、統治や旅行のために必要な情報が9世紀後半頃からアラビア語の地理書・旅行記にまとめられ、さらに中央アジア、インド、中国、東南アジア、あるいはアフリカといった周縁の地に対する好奇心や知識欲も増大し、「驚異譚」の類も現れた。これらの書の中でアレクサンドロスが、既知の世界と未知の世界を結び、異境の地に関する情報をもたらした偉人という重要なトポスとして繰り返し登場することを明らかにした。
著者
山中 康裕
雑誌
天気
巻号頁・発行日
vol.48, no.8, pp.577-578, 2001
著者
鈴木 庄亮 ROBERTS R.E. LEE Eun Sul. ORLANDAR Phi 町山 幸輝 BLACK Thomas 小林 功 山中 英寿 BUJA Maximil SHERWOOD Gue 倉茂 達徳 土屋 純 BURKS T.F. 伊藤 漸 BUTLER Patri 中島 孝 石川 春律 SHERWOOD Gwendolyn BURKS F.thomas THOMAS Burks 森下 靖雄 ROBERTS R. E 鈴木 守 LEE Eun Sul 古屋 健 JUDITH Crave RONALD C. Me GUENDOLYN Sh 大野 絢子 GEORGE Stanc 城所 良明 近藤 洋一 PAUL Darling 三浦 光彦 村田 和彦
出版者
群馬大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1993

平成5年度に、医学教育全般、基礎医学、看護教育、大学院教育及び病院管理を中心に相互の調査研究を実施した。これをうけて平成6年度は臨床医学教育、臨床病理・検査医学、教育技法を中心に相互訪問し、資料作成提供、説明とヒアリング、見学と討論及びセミナー開催を行なった。(1)日本側大学: 群馬大学及びその医学部、生体調節研究所(前内分泌研究所)、及び医療短期大学部。研究分担者は各部局の長および医学部教務担当教授、内科、外科、臨床病理の教授。(2)相手校: 州立サキサス大学健康科学センターヒューストン校(H校と略す)およびその医学部、公衆衛生学部、看護学部、医療技術学部、及び生物医学大学院。研究分担者は教務担当副医学部長を代表として各部局の教務関係教官。(3)渡米した教官: 中島孝(医学部教務担当、病理学)、小林功(内科学、臨床検査医学、団長)、山中英寿(外科学)、及び倉茂達徳(医短、臨床病理学)の4教授。(4)訪日した教官: 教務担当副医学部長PMバトラ-女史(医、小児精神医学、団長)、Mブヤ(医、病理学主任教授兼医療技術学部教授教授)、PMオルランダー(内科学)、及びCTブラック(外科学)の4教官。(5)研究分担者会議を日米7回開催し、研究の概要説明、研究計画実施手順、資料収集、研究討論、などを行った。(6)前年度のサキサス大学訪日団の報告書の修正、入力、整理、翻訳を行い学内関係者に回覧し、意見を求めた。(7)渡米・訪日期日: それぞれ、6月6-13日と10月22-29日。(8)渡米団の活動: 前年度訪日したH校副学長、医学部長から歓迎の意を表された。目的とする卒前卒後の臨床医学教育訓練を中心テーマとして、予定されたプログラムにそって、資料提供、説明、見学、討論が行われた。すなわち、ヒューストン校の概要、医学部カリキュラム、医学部卒後教育、臨床病理学教育及び施設、学習資源センター、医学総合図書館、教育関連病院、学生相談システム、学生評価、教官採用評価昇進等について見学と討論が行われた。(9)訪日団の活動: 日本の医学教育及び群馬大学医学部における卒前卒後の医学教育訓練について、内科外科臨床教育を中心に各研究分担者が用意した資料にもとづいて説明し、討論した。附属病院内科外科外来病室及び臨床病理中央検査部で詳細な現地見学聴取討論をし、卒後臨床教育の観点から学外の大学関連病院および開業医2ヵ所を見学した。医学教育セミナーを開催し、H校の4教官がそれぞれの立場から具体的な医学教育の方法、内科診断学教育、一般外科の実習、臨床病理学の教育、問題解決型学習および標準患者による臨床実習の方法について説明と話題提供をした。(10)報告会と報告書: 渡米した4教授による調査研究の公開報告会を7月12日に開催し、報告書の提出を得た。今年度訪日した4教官の報告書入手中。(11)本事業の意義について: 双方の教官は、相互訪問し各自の医学教育システムを最大限わかってもらえるよう努めた。相互訪問で視察と討論を行うことにより相互の文化的背景にまで及ぶほど理解が深まった。とくに西欧社会はこれまでわざわざアジアを理解しようとすることは少なかったので、テキサス大学教官にとっては国際理解のいい機会になった。米教官の一人はこのような試みに研究費を出す日本政府は米政府より将来優位に立つかもしれないと述べた。(12)日本にない米医学教育システムの特色: 入学者選抜は約15倍の学士である志願者に対して1.5時間におよぶ面接口頭試問を含む、PhD教官による基礎科学と医師による臨床医学の接続がうまくいかない、カリでは行動科学・プライマリケアが重視されている、問題解決型学習が定着している、カリにゆとりがあり積極的な自己学習を期待している、標準患者による具体的で実際的な診断学教育が行われている、学生当たりの教官の数が5割程度多い、卒後医学教育が「医局」でなく一定のプログラムの下に行われ専門医等の資格に至るようになっている、臨床検査技師教育はより専門分化している、等である。
著者
平尾 明子 竹下 秀俊 岡本 聡 大木 英司 山中 直明
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J97-B, no.2, pp.99-109, 2014-02-01

ネットワークのトラヒック量の増大に伴い,ネットワークの消費電力量が急増し,消費電力の削減が急務となっている.また,ネットワークのリソースを有効に活用するために多対多接続サービス実現への要求が増加している.本論文では,ネットワーク中のトラヒックを特定リンクに集約することで,空となった未使用リンクをスリープ状態にし,ネットワーク全体の消費電力を削減するMiDORiネットワーク技術における多対多対応ルーチング手法としてSuperPosed Minimum Spanning Tree (SPMST)アルゴリズムを提案する.提案アルゴリズムは,多対多接続MiDORiネットワークにおける要求条件である,高い省電力性実現,20秒以内での100ノード以上かつ,1000マルチキャストグループ以上対応の計算実行を満たす.計算機シミュレーションにより,提案するアルゴリズムの省電力性・計算時間・マルチキャストグループ収容数の有効性を示すとともに,MiDORiネットワークのプロトタイプシステムにおける提案アルゴリズムの有効性を検証した.
著者
佐藤 丈博 樋口 雄紀 竹下 秀俊 岡本 聡 山中 直明 大木 英司
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J97-B, no.7, pp.474-485, 2014-07-01

インターネットやモバイルネットワークにおけるトラヒック量は近年急激な増加を見せており,伝送容量拡大によるネットワーク機器の消費電力増大が問題となっている.そこで,複数のネットワークサービスを単一物理網上で提供し,トラヒック収容効率の向上及び省電力化を実現する次世代光メトロ・アクセス融合型ネットワーク「エラスティック光アグリゲーションネットワーク(EλAN)」が提案されている.EλANでは局側装置であるOLTがプログラマビリティをもち,論理OLTを異なる物理OLT間や局舎間で自由にマイグレーションすることが可能になる.本論文では,EλANの省電力化を目的とした論理OLTのマイグレーション手法を提案する.具体的には,稼働する物理OLT数が最小となる論理OLTの配置,及びその配置に至るマイグレーション手順を得ることを目的とした最適化問題を線形計画問題としてモデル化し,物理OLTのスリープ率及びマイグレーションの実行回数について性能評価を行った結果を述べる.また,EλANのプロトタイプシステム上で行った論理OLTのマイグレーションの基本動作の確認について報告する.