著者
山本 千尋 安田 宜仁 別所 克人 内山 俊郎 内山 匡
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.23, 2009

従来情報検索では、クエリを文字列として受け付けることが一般的である。しかし、検索要求があいまいである場合には、文字列として表現することが困難である。そこで、本稿では、近年文字の拡張として注目されている絵文字をクエリとして受け付けるような検索システムを提案する。
著者
舟川 勲 牛島 栄 宮川 豊章 山本 泰彦
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.43, no.11, pp.3-11, 2005-11-01 (Released:2013-04-26)
参考文献数
4
被引用文献数
1 1

本稿は, 2005年4月に発刊された土木学会コンクリートライブラリー119「表面保護工法設計施工指針 (案)」について, その概要を取りまとめ, 紹介するものである。すなわち, 指針 (案) では, 有機系被覆工法, 無機系被覆工法, 表面含浸工法, 断面修復工法の4種類の工法を包括した表面保護工法の適用の基本的な考え方を規定し, 「表面保護工法工種別マニュアル編」では, それぞれの工種別の設計・施工方法および維持管理方法を記述している。ここでは, 指針 (案) の概要について紹介するとともに, 各工法の適用事例について併せて紹介する。
著者
山本 仁志 岡田 勇
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.11, pp.1836-1846, 2011-11-01

集団における規範維持のモデルとしてよく知られたメタ規範ゲームは,N人囚人のジレンマの拡張モデルとして,国際問題における協調問題など中央集権的でない集団においていかに規範を維持するかを検討する上で優れたモデルである.進化論的な分析によって,規範ゲームでは協調は維持されないが,メタ規範ゲームでは協調が維持されることが知られている.しかし近年,メタ規範ゲームがシミュレーションの世代数に対して脆弱であるとの指摘がなされている.我々は,様々なシミュレーション条件における協調の成立条件を精査し,脆弱性のメカニズムを探る.更に我々は,ジレンマ状態にある集団における協調の頑健にするための「社会的ワクチン」を提案し,その効果を検討した.社会的ワクチンとは,集団の中にごく少数の常に裏切り行為をとるエージェントが存在することで,集団全体の規範を高く維持することができる効果をいう.社会的ワクチンを導入することで,協調は広範なパラメータ空間で頑健に維持されることが分かった.
著者
山本 康仁 濱 裕人
出版者
公益社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会論文集 (ISSN:18822789)
巻号頁・発行日
vol.91, no.2, pp.II_77-II_83, 2023 (Released:2023-12-20)
参考文献数
29

国営環境保全型かんがい排水事業にて整備された北海道東部の根釧地域における排水路及び排水路附帯施設である遊水池を対象に,2005年から2019年にかけて,地元小学校との協働で水生生物の生息状況調査を行った.調査の結果,環境省あるいは北海道レッドリスト掲載種を複数含む,魚類7科14種類,甲殻類3科3種類,両生類1科1種の合計11科18種類の水生生物が確認された.湿地環境の開発に伴い生息地が減少し,個体群の分断化や局所絶滅が進んでいるとされるエゾトミヨ,ヤチウグイ,エゾホトケドジョウといった希少種が高い頻度で確認された.このことから,地域に生息している希少生物の生息地の一つとして,当該施設が機能していると推察された.
著者
武冨 奈菜美 山本 和嬉
出版者
一般社団法人 日本統計学会
雑誌
日本統計学会誌 (ISSN:03895602)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.69-112, 2023-03-01 (Released:2023-03-01)
参考文献数
74

生存時間解析・信頼性解析は,患者の生存時間や機器の故障時間など,ある個体に対して特定の事象が生起するまでの時間に関するデータを扱う,統計学の一分野である.本稿は,生存時間解析・信頼性解析に用いられる統計モデルの歴史的背景や統計的性質について,初学者向けに書かれた総説である.生存時間や生存関数,ハザード関数などの基本的な生存時間解析の道具や概念を定義し,それらの統計的性質・解釈を解説する.また,指数分布・ワイブル分布・対数正規分布などの,一般的なパラメトリックモデルや,Cox比例ハザードモデル・加速故障時間モデルなどの回帰モデルについて解説する.競合リスクモデルについても簡単に触れる.本稿で使用したデータ,式の導出,解析に使用したRコードを付録に与える.
著者
山本 桜
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 The 56th Annual Meeting of the Japanese Society of Cultural Anthropology 日本文化人類学会第56回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.A13, 2022 (Released:2022-09-13)

本発表では、身体的性別を変更するために身体加工を追求してきた人々がそれらを中止するという、脱トランスの営為を対象にする。当事者たちは、身体的性別に対して自らが感じてきた違和感を度々内省し、自己や自己の身体についての語りを再構成してきた。発表者は、彼らの当時的/遡及的語りを分析することで、彼らの身体違和がどのように形成されてきたのか、および身体と自己との関係がどのように変遷してきたのかを論じる。
著者
岡 武史 山本 智
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.417-424, 1993-06-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
40

科学は発展につれて細分化し,別の分野に居る研究者がお互いに理解しあえなくなる面もあるが,又一方では,今迄関連がないと思われていた二つの分野が,実は深く結びついていることが解り,新しい理解が産まれることもある.ここではその一例として,天体物理と分子物理の結びつきを示す最近の実験室での測定と,天文台での観測について大雑把に述べてみたい.
著者
山本 智美
出版者
中央大学
巻号頁・発行日
2023

【学位授与の要件】中央大学学位規則第4条第1項 【論文審査委員主査】宇佐美 毅(中央大学文学部教授) 【論文審査委員副査】山下 真史(中央大学文学部教授),高橋 慎也(中央大学文学部教授),千田 洋幸(東京学芸大学教育学部教授)
著者
山本 充義 川口 芳弘
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.129, no.11, pp.754-757, 2009-11-01 (Released:2009-11-01)
参考文献数
4

本記事に「抄録」はありません。
著者
岡井 恒 岡﨑 良平 吉田 広幸 難波 宏好 田口 一貴 山本 任 三浦 智士 河村 稔
出版者
日本疼痛学会
雑誌
PAIN RESEARCH (ISSN:09158588)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.179-188, 2010-08-10 (Released:2013-06-22)
参考文献数
22
被引用文献数
1

Neurotropin® (NTP), a non protein extract from inflamed rabbit skin inoculated with vaccinia virus, is well known as an analgesic for chronic pain such as low back pain and postherpetic pain. In previous study, we revealed that NTP activated monoaminergic descending pain inhibitory system in SART (specific alternation of rhythm in temperature) stressed animals. To clarify the details of antinociceptive mechanisms of NTP, we investigated the influence of chemical denervation of monoaminergic neurons on the antinociceptive effect of NTP in SART-stressed rats. First, serotonergic neurons of nucleus raphe magnus (NRM) were chemically denervated by injection of 5,7-dihydroxytryptamine (50 nmol / 1 µL / site). Chemical denervation of NRM serotonergic neurons decreased the contents of spinal serotonin but not noradrenaline and dopamine, and decreased nociceptive threshold in rats. SART stress decreased nociceptive threshold in non-denervated rats but not in denervated rats whose threshold was already decreased. NTP (200 NU/kg, p.o.) showed an antinociceptive effect in non-denervated rats exposed to SART stress but had no effect in NRM-denervated rats exposed to SART stress. Next, we denervated spinal noradrenergic terminals by intrathecal injection of 6-hydroxydopamine (1 µmol / 10 µL / site) because some noradrenergic neurons are descending from some supraspinal noradrenergic nucleus to spinal cord. Chemical denervation of spinal noradrenergic neurons decreased the contents of spinal nor adrenaline but not serotonin and dopamine in rats. Similar to denervation of NRM serotonergic neurons, nociceptive threshold was decreased by chemical denervation of spinal noradrenergic neurons. SART stress decreased the nociceptive threshold in non-denervated rats, and that was improved by NTP (200 NU/kg, p.o.). SART stress did not affect the decreased threshold in denervated rats and NTP (200 NU/kg, p.o.) had no effect in denervated rats exposed to SART stress. These results suggest that antinociceptive effects of NTP in SART-stressed rats involve the activation of monoaminergic descending inhibitory neurons.
著者
今野 理恵子 淺野 敬子 正木 智子 山本 このみ 小西 聖子
出版者
一般社団法人 日本女性心身医学会
雑誌
女性心身医学 (ISSN:13452894)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.295-305, 2016 (Released:2017-04-13)
参考文献数
26

【目的】性暴力被害後3カ月以内に精神科初診となった患者(急性期)とそれ以降に初診となった患者(慢性期)の転帰や症状評価の比較検討を行い,臨床の実態を明らかにする.【方法】2012年6月~2015年11月末の3年半に性暴力被害後に初診となった患者のカルテから,転帰や症状評価,認知行動療法の実施実態等の情報を収集し分析する.【結果/考察】①調査対象者数は初診時に被害から3カ月以内の急性期群21名,それ以降の慢性期群12名の計33名であり,急性期群と慢性期群で有意差が見られたのは精神科既往歴(p=.024)であった.②急性期群21名の転帰は,寛解者が6名,治療中断者が9名,治療中の者が6名であった.慢性期群においては,寛解者はなく,治療中断者が3名でいずれも,1回か2回の診察で中断となっていた.寛解者の被害から診察に至るまでの平均日数は1カ月程度であり,治療中の者や治療中断者の50日余りと比べて少なく,被害後早い段階で診察に至ることがより良い予後につながる可能性が考えられる.中断者は,平均診察期間が短く治療の方針を立てる前に中断となってしまったことがうかがえる.③急性期群,慢性期群の初診後直近と2015年11月30日以前の直近の前後比較を行った結果,急性期群ではIES-R(p=.0108),DES(p=.0208),BDI-II(p=.0277),JPTCI(p=.0469)の心理検査において有意差が認められた.④認知行動療法を行うまで,初診から急性期群で6カ月,慢性期群で10カ月ほどかかっていた.急性期群で認知行動療法を実施した7名すべてのIES-R(p=.0180),CAPS(p=.0464)得点が下がっており,転帰も寛解か軽快になっていた.慢性期群の場合も,実施した5名は,有意差は認められなかったがIES-R,CAPS得点は下がっていた.【結論】性暴力被害者に対して認知行動療法を行うことが,PTSD症状を減らすためには,有効であると考える.ただし,認知行動療法実施には一定の準備期間が必要であり,その期間の中断をいかに防ぐかが今後の課題である.
著者
山本 まゆみ
出版者
早稲田大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2008

当研究は、1990年からつづく、あまりにも政治化した慰安婦言説に警鐘を鳴らし、慰安婦研究が脱政治化へと軌道修正をすることを目指し、1990年代前半の出版・研究言説から浮かび上がった「強制〔連行〕」をキータームとし、言説の政治化過程を検証した。当研究調査では、その言説を補助する史実として繰り返し登場するジャワ島中北部で1944年3月に起こった「スマラン慰安婦事件」に関する資料をオランダ公文書館で精査した。本事件は、慰安婦の女性たちが、敵性国人収容所から強制連行されたこと、日本軍上層部が状況を知りこれら慰安所を開設後2ヶ月あまりで閉鎖したこと、和蘭BC級戦犯裁判で2年余という異例の長さを費やし調査・審理したことから、日本軍のみならず当時の和蘭政府も「異常」な事件と認識していたことが明白となった。慰安婦言説の政治化を支える強制連行というキータームが、曖昧になりつつある近年、強制連行の代わりに単なる強制という言葉や権力という言葉に置き換え、言説に政治性を付帯させるという技法のほか、特殊例であったはずの「スマラン」が、慰安婦「強制連行」を支える一般例として登場し言説の政治性を精鋭していることが明確になった。本研究の意義及び重要性は、調査結果を踏まえ2009年3月にシカゴで開催された米国アジア学会年次学会で慰安婦言説の脱政治化を目指し発表した「慰安婦言説政治化への過程:スマラン慰安婦事件について」に対する歴史研究者の反応からも窺えた。当研究が警鐘を鳴らした歴史の過剰な政治化への懸念は、多くの歴史研究者から賛同を得ただけではなく、発表後、「近年慰安婦問題だけに拘わらず、単に語り出版することで「真実であった」かのように認識される現象を、研究者は真剣に考えなければならない時期に来ている」とし、世界史学会の一部の研究者たちが、「次期学会で慰安婦問題を取り上げよう」という意見を述べていただけでも大きな意義があったと考える。
著者
永野 隆夫 渡辺 与八郎 本間 達二 祐田 泰延 山本 丈夫
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
衛生化学 (ISSN:0013273X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.182-186, 1978-08-31 (Released:2008-05-30)
参考文献数
8
被引用文献数
1 2

Effect of chlorella, which contained cadmium in its cells, designated as cadmium-containing chlorella, on rats was studied and the following facts were found : 1) When the cadmium-containing chlorella was administered to rats orally for 10 days, no significant difference in body weight from control rats was observed. However, in the case of repeated oral administration of cadmium chloride, the growth of rats was impeded significantly. 2) Cadmium concentration in organs of rats after administration of cadmium-containing chlorella for 10 days was significantly lower than that of rats administered cadmium chloride. 3) Cadmium concentration in blood after single oral administration of cadmium chloride (10 mg/kg) or cadmium-containing chlorella (10 mg/kg) was examined, and 119 ng/ml blood was found 3 hr after cadmium chloride was given but only little cadmium was detected in blood after cadmium-containing chlorella was given. 4) Urinary excretion of cadmium from cadmium-containing chlorella was significantly faster than that of rats administered cadmium chloride.
著者
山本 まゆみ Horton William.B
出版者
宮城大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2023-04-01

過去30年の間行われてきた慰安婦研究は、新たな進展がないまま、政治言説をも根拠資料のように扱っている研究も多く、現在の価値観で77年前の社会を理解する状況に陥っている。本研究は、当時の社会の文脈で史料を分析し、慰安婦を総合的に理解することを目指す。研究対象地域のインドネシアは、日本軍政の史料が国内外で保存され、慰安婦研究史料も数多く保管されている。特に、オランダBC級戦犯臨時法廷の尋問調書等には当事者の「生の声」も散見できる。文化人類学の方法論に用い、時間軸に「声」を描き入れ、当時の医療体制と性病予防史料も分析し、日本占領期の法律も検証し、日本占領期インドネシアの慰安婦を理解する研究である。
著者
山本 健太 申 知燕
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.82-92, 2022 (Released:2022-04-28)
参考文献数
10
被引用文献数
5

本研究では,ヘアサロンの検索・予約サイトからウェブスクレイピングによって収集したデータをもとに,東京都内ヘアサロンの集積地を析出した.その上で,テキストマイニング分析手法の一つである共起ネットワーク分析を用いて,各集積地のヘアサロンが想定している顧客層を明らかにし,集積地区の類型化を試みた.店舗情報を分析したところ,集積地ごとに施術料金やスタッフ数などに特徴がみられた.また店舗紹介文を共起ネットワーク分析したところ,集積地ごとに想定されている顧客層は異なり,ヘアサロンはそれら想定される顧客層に向けた施術メニューや店舗内空間を提供していることが確認された.その結果,都内のヘアサロン集積地区を「都心ターミナル」,「都心近隣繁華街」,「郊外繁華街」に類型化できた.
著者
大前 宗之 山本 航平 折原 貴道
出版者
日本菌学会
雑誌
日本菌学会会報 (ISSN:00290289)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.27-32, 2020-05-01 (Released:2020-06-10)
参考文献数
25
被引用文献数
1

茨城県の照葉樹林より,日本新産種Microstoma apiculosporum(新称:テンガイキツネノサカズキ)を報告した.本種は胞子の両端に半球状の突起を有するという,本属菌の中で特異な形態により特徴づけられ,これまで基準産地である台湾中部にのみ分布が確認されていた.本報では,生体分類法や化学反応に基づき,従来報告されていない特徴を含んだ本種の形態について記載した.