著者
伊東 元 岩崎 富子 山田 道廣 矢崎 潔 田中 繁 飯田 勝
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
臨床理学療法 (ISSN:02870827)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.23-36, 1976-10-31 (Released:2018-07-25)
被引用文献数
1

The electormyographic study of right latissimus dorsi muscle was performed in 19 men (10 healthy and 9 paraplegic) with the surface electrodes to clarify the functional difference of the 6 parts of the muscle.   The 26 kinds of movements were employed for the experiments as followed; extension, adduction and internal rotation of the shoulder joint, lateral tilting of the pelvis, push up exercise and transfer (wheelchair-bed), etc….   The location of the electrodes on each part of the muscle was determined with the anatomical remarks.   The electromyographic signals were processed through the rectifying and smoothing net work for the quantitative study and compared after standerization.   It was found that two parts, namely upper and lower part of latissimus dorsi muscle have apparent functional difference each other; the former showed marked activities in hyper extension, the latter in lateral tilting of the pelvis; and it was also found that the characteristics of activities were similar on the healthy and the paraplegic subjects.
著者
宮戸 健二 河野 菜摘子 山田 満稔 浜谷 敏生 中村 浩幸
出版者
国立研究開発法人国立成育医療研究センター
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

からだの内側は、粘膜上皮に覆われ、ウイルスや細菌、微小粒子状物質(PM2.5)の侵入から守られている。我々が発見したマイクロエクソソームは、卵や、生殖器と泌尿器を含む管腔構造の粘膜上皮から分泌される。マイクロエクソソームは、エクソソームと共通の成分を含むものの、構造が全く異なる逆ミセル状の構造体である。我々の研究から、マイクロエクソソームは、2つの役割(細胞膜の修復とウイルスの捕捉)を担っていることが推測される。本研究ではマイクロエクソソームを手がかりに、一見別々に見え、我々にとって身近な『子供の産まれやすさ』と『感染症への罹りにくさ』をつなぐ分子メカニズムの解明をめざす。
著者
金子 充 臼井 浩子 宇田 詩織 大池 寿人 落合 彩映 神﨑 啓慎 検見﨑 誠矢 山田 南帆 守口 剛
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.20-37, 2015-09-30 (Released:2020-05-12)
参考文献数
25

近年,「○○女子」,「××男子」というラベリングを用いて,特定の趣味や嗜好を有する消費者を呼称することが多く見られるようになった。本稿では,これらのラベリングにより,消費者の消費障壁が低くなるのか,また,消費意向が高くなるのかを検証した。調査の結果,「◯◯女子」,「××男子」というラベリングにより,おおむね消費障壁が下がることが明らかになった。ただし,消費対象となる製品や消費行為の性別イメージが弱い時には,その効果は小さく,また,反対に消費障壁を高めてしまう可能性がある。また,他の消費者と一緒に消費する時や消費頻度が高い時に,ラベリングの効果が大きい傾向が見られた。本稿の結果から,「◯◯女子」,「××男子」というラベリングの効果は一様ではなく,マーケティング・コミュニケーションのターゲティングをより精緻に考える必要があることが示唆される。
著者
山田 義智 上原 義己 崎原 康平 浦野 真次
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.85, no.771, pp.663-672, 2020
被引用文献数
5

<p> Concrete flow analysis is important, because it is possible to visualize how high fluidity concrete flows in the concrete placing form and in the gap between reinforcing bars.</p><p> In this study, MPS (Moving Particle Semi-implicit) method was used as a concrete flow analysis method. First, the flow of Bingham fluid between parallel plates was analyzed, and the validity of the analysis method was verified. Furthermore, the effectiveness of the proposed method was confirmed by comparing the results of slump flow analysis and test results. The research results of Kokado et al.<sup>3)</sup> were used for the rheological constants (yield value, plastic viscosity) of concrete used for slump flow analysis.</p><p> The results obtained in this study can be summarized as follows.</p><p> The flow of Bingham fluid between parallel plates was reproduced using the proposed MPS analysis. As the result, when the particle size was 20 mm, it was different from the theoretical value, and when the particle size was 10 mm, 5 mm, 2.5 mm, it agreed with the theoretical value.</p><p> The flow of Bingham fluid between parallel plates was reproduced by changing the value of the stress growth index m of the regularized Bingham model with m = 1 and 10,100. As a result, the theoretical value agreed well with the MPS analysis result in the fast range of flow velocity. In the range of slow flow, the MPS analysis results at the stress growth index m = 1 were faster than the theoretical solutions at the center of the parallel plate. Therefore, in order to represent the Bingham fluid, it is necessary to increase the value of the stress growth index m. In this study, the stress growth index m was set to 100 and used for MPS analysis.</p><p> The slump flow test was reproduced by MPS analysis using a regularized Bingham model with a particle size of 5 mm and a stress growth index of m = 100, assuming that the high fluidity concrete was a Bingham fluid. As the result, it was well reproduced in the range of slump flow value of about 500 mm, however, it tended to flow in the experimental result as the slump flow value increased from 600 mm to 700 mm.</p><p> When the slump flow value is less than 600 mm, the spread curve of the flow can be reproduced within the range of the rheological constant within the 95% upper and lower limit prediction interval. However, at the slump flow value of 700 mm, the experimental value flows more than the analytical result using the yield value of 95% lower limit. According to the results of the finite difference analysis in the literature (4), at a slump flow value of over 600 mm, the measured value tends to flow more than the analytical result. Therefore, if the slump flow value exceeds 600 mm, the yield value by the lifting sphere viscometer test may have been evaluated higher. Furthermore, high fluidity concrete with a slump flow value exceeding 600 mm may exhibit non-Bingham properties in the low shear rate region.</p>
著者
山田 紀史 前川 直也
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.70, pp.124_2, 2019

<p> 野球の内野手の送球ミスの発生および目標からのバラツキがなぜ生じるかを、捕球・送球動作中に認知課題を課すデュアルタスクを用いて解明することを試みた。実験は10名の大学野球部員を対象にし、前方12mにある3つの目標点へ送球し、ボールの当たった位置と送球動作を2台の高速度カメラを用いて撮影した。その際、目標を事前に告げるコントロール試技、捕球時と捕球から送球への切替時に目標を告げそこへ送球する整合試技とその逆へ送球する不整合試技を行なった。</p><p> 目標からのバラツキは、ボールが当たった座標を主成分分析における第一主成分軸に変換し、そこでのバラツキで評価した。なお、目標点から0.5m以上離れた試技を失敗試技とした。その結果、コントロール試技、整合試技、不整合試技の順にバラツキと失敗の発生割合の増加、および送球時間の増加がみられた。よって、捕球・送球動作中に認知課題が課されると捕球動作の時間が延び、送球動作が変化する。その変化により、コントロールの精度が低下し送球ミスが発生する可能性があり、認知課題が課されるタイミングが遅いほどその影響が大きいと考えられる。</p>
著者
小野 芳朗 山田 正人
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会誌 (ISSN:09170855)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.156-169, 1999-03-31 (Released:2010-05-31)
参考文献数
38
被引用文献数
1

内分泌攪乱化学物質をはじめとする有害な化学物質が廃棄物処理・処分システムで検出される。これらのリスクを評価し, 管理するための方法論を提示した。まず, 化学物質がヒトにおよぼす影響を確定するためには, 古典的なリスクアセスメントを実施し, 規制値をつくっていかねばならないことをU.S.EPAの例示をしながら解説した。そして, 廃棄物システムにおけるリスク管理の優先性を決めるために, 残留性, 生物濃縮性そして毒性を有する化学物質のスコアリングによる選択法をEPAの提案から紹介し, さらにわが国における文献上知られた処分場浸出水中の有害化学物質のリストアップを図り, モニタリングの重要な物質を示した。さらに, 環境試料のような混合物中に含まれる未知の毒性物質の評価法に関して早期警戒システム, ガイドラインとしてのバイオアッセイの適用性を論考した。
著者
山田 実
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.70-71, 2009-04-20 (Released:2018-08-25)
参考文献数
4
被引用文献数
1

本研究の目的は,複数課題条件下の移動能力トレーニングであるTrail Walking Exercise(TWE)の臨床効果を,無作為化比較対照試験によって検証することである。対象は特定高齢者60名(80.5 ± 5.6歳)であり,無作為に標準的な運動介入に加えTWEを行うTWE群30名と,標準的運動介入のみを行うコントロール群30名に分けられた。介入は,両群ともに週に1回,16週間実施した。Timed up and go test(TUG)や片脚立位などの運動機能評価,および注意機能検査であるTrail Making test part A(TMT-A)を介入前後に測定し,アウトカムとした。二元配置分散分析の結果,TUG,TMT-Aに交互作用を認め,介入群でのみ有意な改善を示した。これらのことより,TWEは,動的なバランス能力や注意機能の改善に有用であり,転倒予防にも有用である可能性が示唆された。
著者
山田 淳平
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2018

文博第764号
著者
山田 利治 長田 幸郎 中岡 正吉 伊藤 和敏
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.340-343, 1983-06-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
4
被引用文献数
1

市販のめん類, 皮類及び菓子類など11種, 280検体を試料とし, それらに使用されているPGの含有量をGC, 確認をGC-MSを用いて測定した. その結果はPGがそば, ぎょうざの皮などから高率で検出され, 含有量にはかなりの差異が見られることなど, その使用実態を把握することができた.
著者
山田 健三
出版者
信州大学人文学部
雑誌
信州大学人文科学論集
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.229-245, 2020-03-15
著者
中村 太士 中村 隆俊 渡辺 修 山田 浩之 仲川 泰則 金子 正美 吉村 暢彦 渡辺 綱男
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.129-143, 2003
参考文献数
33
被引用文献数
6

釧路湿原の多様な生態系は, 様々な人為的影響を受けて, 劣化ならびに消失しつつある. 大きな変化である湿原の樹林化は, 流域上地利用に伴う汚濁負荷の累積的影響によって起こっていると推測される. 汚濁負荷のうち特に懸濁態の微細粒子成分(ウォッシュロード)は, 浮遊砂量全体の約95%にのぼる. 既存研究より, 直線化された河道である明渠排水路末端(湿原流入部)で河床が上昇し濁水が自然堤防を乗り越えて氾濫していることが明らかになっている. Cs-137による解析から, 細粒砂堆積スピードは自然蛇行河川の約3〜8倍にのぼり, 湿原内地下水位の相対的低下と土壌の富栄養化を招いている. その結果, 湿原の周辺部から樹林化が進行しており,木本群落の急激な拡大が問題になっている. また, 東部3湖沼の中でも達吉武沼流域では, 土壌侵食ならびに栄養足負荷の流入による達吉武沼の土砂堆積, 水質悪化が確認されており, 水生生物の種数低下が既存研究によって指摘されている.ここではNPO法人トラストサルン釧路と協働で, 自然環境漬報の集約にもとづく保全地域,再生地域の抽出を実施している. また, 伐採予定だったカラマツ人工林を買い取り, 皆伐による汚濁負荷の流出を防止し自然林再生に向けて検討をすすめている. 湿原南部には1960年代に農地開発されたあと, 放棄された地区も点在しており,広里地域もその一つである. この地域は国立公園の最も規制の緩い普通地域に位置しており, 湿原再生のために用地取得された. ここではタンチョウの1つがいが営巣・繁殖しており, 監視による最大限の注意を払いながら, 事前調査結果にもとづく地盤据り下げならびに播種実験が開始されている. 釧路湿原の保全対策として筆者らが考えていることは,受動的自然復元の原則であり, 生態系の回復を妨げている人為的要因を取り除き, 自然がみずから蘇るのを得つ方法を優先することである. さらに, 現在残っている貴重な自然の抽出とその保護を優先し可能な限り隣接地において劣化した生態系を復元し広い面積の健全で自律した生態系が残るようにしたい. そのために必要な自然環境情報図も環境省によって現在構築されつつあり, 地域を指定すれば空間的串刺し検索が可能なGISデータベースがインターネットによって公開される予定である.
著者
山田 修
出版者
日本マイコトキシン学会
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.187-190, 2013-07-31 (Released:2013-12-10)
参考文献数
7
被引用文献数
1

黒麴菌は,沖縄の泡盛や九州地方での焼酎造りに使われている有用糸状菌であり,製麴中に大量のクエン酸を生産することでもろみを酸性にし,暖地での醸造に適しているとされている.黒麴菌は,1901 年乾により Aspergillus luchuensis として初めて報告されたが,その後も A. awamori など複数の株が報告されており,その分類には混乱が見られる.そこで,黒麴菌について分子生物学的な解析を行い,黒麴菌は,A. niger などとは違う種であること,また,カビ毒 OTA 非生産性であることを明らかとした.黒麴菌の有用性,安全性から A. luchuensis とすることを提案している.