著者
清水 直樹 家根 旦有 岡本 英之 細井 裕司
出版者
日本小児耳鼻咽喉科学会
雑誌
小児耳鼻咽喉科 (ISSN:09195858)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.29-32, 2008 (Released:2012-09-24)
参考文献数
11
被引用文献数
1 2

奈良県立医科大学耳鼻咽喉科では1990年から2006年の過去17年間に7例の小児甲状腺癌を経験した.これは当科で手術を施行した甲状腺悪性腫瘍全体の1.6%に相当する.性別は男性3例,女性4例で,年齢は8~16歳,平均年齢は11.6歳であった.病理組織型は,乳頭癌6例,濾胞癌1例と,成人同様乳頭癌が多く認められた.乳頭癌のうち,びまん性硬化型乳頭癌と診断した症例が1例,充実濾胞型の増殖を示した症例が1例あった.また全例に頸部リンパ節転移を認めた.甲状腺全摘術を施行した2症例は,術後一時的に気管切開を要した進行例であった.肺転移が認められた症例が3例あり,そのうち2例に衛後アイソトープ治療を施行した.小児甲状腺癌の予後は成人と比較し良好であると報告されているが,初診時から周囲組織への高度浸潤を認める症例や,遠隔転移をきたすなど進行癌である場合も多く,治療方針の選択には十分注意する必要であると考えられた.
著者
荒木 望嗣 中津井 雅彦 広川 貴次 金井 千里 佐藤 美和 岡本 敦之 服部 一成 志水 隆一 奥野 恭史
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第38回ケモインフォマティクス討論会 東京
巻号頁・発行日
pp.12-13, 2015 (Released:2015-10-01)
参考文献数
2

創薬プロセスの初期段階において、医薬品候補化合物を効率的に探索して構造最適化するためのインシリコ創薬技術が求められている。本研究では、スパコン「京」を用いることで、世界最大規模の化合物-タンパク質相互作用空間における超高速かつ高精度な医薬品候補探索を実現するための「インシリコ創薬基盤」を構築し、創薬現場での実践的利用を目指している。現在までに我々は、CGBVS法(Chemical Genomics-based Virtual Screening method)を「京」に実装・チューニング することで、膨大な化合物空間と多数の創薬標的タンパク質候補との大規模相互作用の高速予測を可能にした。更にMP-CAFEE法(Massively Parallel Computation of Absolute binding Free Energy method)を「京」に実装することで、タ ンパク質と化合物との結合自由エネルギー(結合親和性)の高精度予測を可能にした。本発表では当該プロジェクトの取り組み状況と現在までの成果について紹介する。
著者
岡本 隆 朝見 幸司
出版者
日本古生物学会
雑誌
化石 (ISSN:00229202)
巻号頁・発行日
vol.71, pp.1-18, 2002
参考文献数
17

Polyptychoceras spp.の示す特異な産状を解釈するために"ゾンビ・モデル"を提唱し, 静水力学的計算と水槽を用いた埋積実験の両面からその可能性を検討した.その結果, ノジュール上部に斜めの姿勢を示して保存されているPolyptychoceras spp.の化石に関して, 以下のような化石化過程が推定された(図11).1.埋没前のPolyptychoceras spp.の遺骸は, 他のアンモナイトと同じように海底に横たわっていて, その気房部の大部分には海水が浸入していた.2.ソフトグラウンドが形成されると, その中に埋積した化石にかかる浮力は一様に増加する.きわめて不均質な密度分布をするPolyptychoceras spp.の殻だけが堆積物の摩擦に打ち勝って姿勢を起こす.3.姿勢を変化させたPolyptychoceras spp.のある個体は, その気房側のターン部を海水中に露出した状態である期間保持された結果, その部分が物理的にあるいは化学的に損傷を受けた.4.その後, 新たな堆積物がこれらを覆う.堆積物の大きな圧密が生じる以前にノジュールが形成され, 殻は塑性変形を受けることなくこの状態で固定された.海水で満たされていた気房部には方解石の結晶が生じた.
著者
岡本 健
出版者
北海道大学
巻号頁・発行日
2012

Hokkaido University(北海道大学)
著者
幡生 あすか 原田 雅史 高橋 由武 渡辺 俊輔 山下 典之 伊藤 世士洋 岡本 晃典 高木 達也
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
情報化学討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.P22-P22, 2011

画像診断の分野で,診断の迅速化および医師の診断支援を目的に,健常者と患者の画像データを統計的に比較する手法が考案されてきた。しかし複数の疾患の可能性を比較,検討し,予測するためには,健常者と患者の判別だけでなく,疾患同士の比較,判別が必要である。そこで,脳血流画像の座標点を脳の機能区分に分け,分類に必要な区分を選択し,サポートベクターマシンによるアルツハイマー病とパーキンソン病の分類に取り組んだ。
著者
岡本 幸江
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.11-18, 1999-11-01
被引用文献数
4 1

この研究の目的は, 小手術を受ける幼児後期の子どもが何をどのように表現しているかを明らかにし, それはどのような意味を持つのか分析することである. 研究方法はレイニンガ一の民族看護学の研究方法を用いた. 9名の子どもを中心となる情報提供者とした. 14名の看護者と小手術を受ける子どもの母親4名の計18名を一般情報提供者とした. 分析結果, 5つのテーマが抽出された.<BR>テーマ1: 子どもは,あらかじめ説明された手術の経過について, 子どもなりに理解していることには,前向きに関わろうと頑張っている.<BR>テーマ2: 子どもは, 手術の前後で聞いていなかったことに直面すると, 途中で説明も加えられないため, 受け入れるのが難しく, 納得できずに苛立ちを感じている.<BR>テーマ3: 看護者や母親は, 麻酔から覚醒し部屋に戻った時点で手術は「終わった」と思うが, 子どもには点滴や痛みがあるため, なお頑張りつづけなくてはならず,手術は「終わっていない」.<BR>テーマ4:手術前後において, 看護者や母親は子どもの言動を理解できず戸惑っているため, 子どもは一貫した支えを得られない.<BR>テーマ5: 入院時, 子どもは自分のベッドであることを説明されると, 子どもにとってベッドは拠り所になる.
著者
岡本 栄司 千石 靖
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.76, no.6, pp.642-645, 1993-06-25
被引用文献数
2

猛威をふるうウイルス : あなたのソフトは大丈夫ですか?
著者
岡本 卓也 長谷川 剛 村田 正幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.384, pp.13-18, 2002-10-11
被引用文献数
2

現在のインターネットにおいては、Webプロキシサーバを経由したWebサーバへのアクセスが数多く存在する。Webプロキシサーバはその性質上、WebクライアントホストからのTCPコネクションおよびWebサーバへのTCPコネクションを収容しなければならないため、Webプロキシサーバにおいて効率的な資源管理が必要になる。そこで本稿では、Webプロキシサーバの高速・高機能化を実現するための資源管理方式を提案する。提案方式は、Webプロキシサーバの特性を考慮し、WebプロキシサーバがWebサーバからドキュメントをダウンロードする際に、各TCPコネクションのネットワーク状況に応じた大きさのTCP受信バッファを動的に割り当てる。したがって、ネットワーク帯域が大きいTCPコネクションにはより多くの受信ソケットバッファを割り当て、またネットワーク帯域が小さいTCPコネクションにはより少ない受信ソケットバッファを割り当てることが可能となるため、Webプロキシサーバの資源を効率的に利用することができる。本稿では、提案方式の有効性をシミュレーションを用いて検証した。その結果提案方式を用いることによって、Webプロキシサーバの特性を考慮した効率的な資源管理を行うことができ、資源管理をしない従来方式と比較して最大2倍のスループットが得られ、応答時間も約1/4に短縮できることを示す。

2 0 0 0 OA 天体旅行

著者
岡本てうわ 著
出版者
日本出版社
巻号頁・発行日
1943

2 0 0 0 OA 一平全集

著者
岡本一平 著
出版者
先進社
巻号頁・発行日
vol.第14巻, 1930
著者
岡本 正明
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2011-03-23

新制・論文博士
著者
早川 武彦 岡本 純也 早川 宏子 涌田 龍治
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

スポーツファン(ここでは「高頻度観戦者」をスポーツファンとした)の消費行動の時系列的側面、とりわけテレビ・スポーツ放送視聴との関係性を明らかにすることを目的とした本研究は、二つの方向性から研究を進めた。第一に、スポーツファンの概念的理解を進めるべく、東京都調布市の味の素スタジアム、大分県大分市の大分スタジアム、宮城県仙台市のユアテックスタジアムにおいて観戦者調査を実施し、実態分析を行った。そこでは、スポーツファンの様々な消費行動(試合を見に行く・応援グッズを買う)が、主としてテレビなど外部からの情報に依存している、という傾向が見られたものの、スタジアムへ観戦に向かわせるという行動に対してテレビ視聴が影響を与えているとは明確に言えないということが明らかとなった。スポーツファンに対して行ったインタビュー調査によれば、ファンとしてのキャリアの「入口」においてテレビ・スポーツ視聴は、応援に関する情報源として影響を与えるが、スタジアムへ足を運ばせるという行動に対して影響を与えているとは言えないということが示唆された。第二に、スポーツファンの形成プロセスに特に重要な役割を果たすと考えられるテレビ放送事業者による放送環境整備に対して理解を進めるべく、地方都市においてケーブルテレビならびに地上波放送の放送事業者に対してヒアリング調査を行った。そこでは、スポーツの中継が多くの者を引きつける「キラーコンテンツ」であるということを放送事業者が認識しているにもかかわらず、主として二つの理由から、充分な戦略を採用できないことが明らかとなった。具体的には、(1)魅力的なコンテンツ確保が地域レベルの放送事業者の財政力では困難であること、(2)たとえ財政力があったとしても複雑な放映権を巡る権利処理に膨大な時間がかかってしまうことである。第一、第二の結果より、スポーツファンは「スタジアムでの観戦」ができない場合の代替行為としてテレビによる観戦を行う傾向があるにも関わらず、放送事業者はそのようなファンの視聴特性を把握し切れていないということが明らかとなった。
著者
上村 郷志 稗圃 泰彦 小頭 秀行 岡本 泉 竹原 啓五 中村 元
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.218, pp.81-86, 2008-09-18
被引用文献数
2

テレビ・ラジオ番組など特定のイベントを契機として発生するアクセス要求は,短時間に特定のサーバに集中する傾向があり,そのアクセス数は平常時のそれをはるかに上回るため,当該サーバの不安定動作あるいはシステムダウンを引き起こすことがある.本稿では,整理券を用いることにより,特定のサーバに集中するユーザからの大量のアクセスを所望のレート以下に制御するアクセス制御システムを提案する.提案システムでは,新たに導入するアクセスパスサーバにおいて,ユーザ端末がエンドサーバにアクセスするまでに待機すべき時間を整理券に記載して発行することにより,エンドサーバにおける同時接続セッション数を所望の数以下に制御する.また,提案方式を実装したプロトタイプシステムは,モバイル端末向けスクリプトであるFlash Liteを用いてユーザ端末の動作を制御し,ユーザ端末およびエンドサーバへ特別な改修を施すことなく,実稼働中のシステムへ導入することが可能である.
著者
上硲 俊法 岡本 悦司 土嶋 繁 吉田 浩二 佐藤 隆夫 松尾 理
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.239-246, 2002-08-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
11
被引用文献数
1

近畿大学では平成10年度からテュートリアルシステムによる医学教育を導入した. このシステム導入の効果と問題点を, 学生およびテュータに対してアンケートを行い検討した. 学生へのアンケート結果からは, 学生の約8割に自己学習時間の増加がみられ, また, テュートリアルが楽しいと考えている学生が多かった. 学生の約8割が科学的思考の訓練になるが, 平行しての講義はテュートリアルの興味や動機付けに役立つと考えていた. しかし, テュートリアルのハード面およびテュータへの不満が学年進行に伴い増加傾向にあった. テュータへのアンケート結果からは, 学生の学習への動機付け, 問題解決能力, 学生の討論の質はおのおの52%, 58%, 77%が向上したと回答があった. 問題点としては学力の二極分化への懸念, テュータの質, 意欲に不満などの意見が見られた. 総括;テュートリアル方式での教育効果を上げるためには学生の自主性のみならず, ハード面での改善, テュータの質的向上を図る必要がある.
著者
岡本 敏雄 松田 昇 降矢 俊彦
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.85-99, 1995-09-20
被引用文献数
2

情報に係わる教育内容が新指導要領の中でうたわれ,様々なカリキュラムや教材教具が開発されている.そういった動向の中で,本研究の目的は,中学校の生徒における情報処理の能力と既存の数学の成績との関連を分析することである.情報処理の能力を捉えるための因子構成項目として,(1)手続き的なプログラミング,(2)ファイル操作,(3)情報処理通性,(4)問題空間の認識と目標接近への問題解決過程,といった内容に関する課題を選定し,既存の数学の成績との関連の分析を試みた.その結果,数学の特定の分野(数と式における手続き的な問題解決)における成績と情報処理適性の一部(短期記憶,弁別能力)に相関が見られるなど,数学の成績と情報処理適性に若干の相関関係が見出されたが,本調査の対象となった分野における数学の成績と情報処理の能力との間の強い相関は抽出できなかった.
著者
遠山緑生 田尻慎太郎 岩月基洋 岡本潤 木幡敬史 白鳥成彦
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.129-138, 2015-04-15

本稿では,社会科学系の小規模大学である嘉悦大学において著者らが取り組んできた「デジタルネイティブ世代の学生が,正課の内外共に大学において積極的にICTを使いこなすようになること」を目標とした教育改善の取り組みについて,ICTリテラシー教育のカリキュラム設計とICT利用環境整備の双方の観点から紹介する.ICTリテラシー教育の内容を全面的にアクティブラーニングによる問題解決型のものに刷新するとともに,これを支えるインフラとしてのICT利用環境は,BYODとクラウドサービスの徹底活用を基本方針とし,従来型のPC教室やオンプレミス型サーバを廃止・縮小した環境を整備した.