著者
加藤 清雄 遠藤 広行 国則 文子 峯尾 仁 牛島 純一
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.11, pp.978-984, 1987

めん羊の膵外分泌に及ぼす静脈内ペンタガストリン投与の影響を, CCK-8に対する反応と比較しながら検索した. 無麻酔めん羊において, CCK-8は膵液流量, 蛋白質濃度およびアミラーゼ活性何れも増加させたが, ペンタガストリンは膵液流量を増加させずに蛋白質濃度およびアミラーゼ活性を有意に増加させた. ペンタガストリンは, 麻酔下で幽門部を結紮されためん羊においても膵外分泌増加効果を示した. ペンタガストリンによる蛋白質とアミラーゼの最大放出量は, 無麻酔下においても麻酔下においてもCCK-8の場合より少なかった. これらの結果は, ペンタガストリンは腸相を介することなく膵腺房細胞刺激効果を有するが, この効果はCCK-8よりも小さいことを示している.
著者
中村 敏英 安藤 聡 島 純
出版者
日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.8, pp.321-325, 2010-08-15
参考文献数
13

20世紀後半からの生命科学の発展は著しく、次世代シークエンサーの登場によりゲノム配列の解読が加速し、公表されるゲノム配列の数は年々増加の一途を辿っている。発酵食品製造に欠かせない微生物に関しても、ゲノム科学を背景とする研究が急速に進展してきている。本稿では、筆者らの研究グループで取り組んでいるポストゲノム解析の一つ、環境ストレス下におけるパン酵母の遺伝子発現変化を網羅的に解析した結果について概説する。さらに、得られた遺伝子情報の分子育種への活用についても言及する。
著者
大島 純 新原 勇介 太田 健介 大島 律子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.333-342, 2010
参考文献数
23
被引用文献数
2

本研究の目的は,協調学習活動の分析にネットワーク分析の手法を応用し,分散認知の観点からグループの知識進展や学習者個人の貢献の様相を俯瞰的に明らかにすることであった.対象とした協調学習グループは,大学の教職必修講義において,学習理論と実践の関連性を学習した5名であった.各学習者の発言のネットワーク分析から,学習内容に関わる重要発言は他の発言を媒介する傾向が強いが,時間の推移とともにその媒介性が低下することがわかった.こうした全体傾向と学習者個人の重要発言の推移を比較することで,各学習者の学習プロフィールを作成しその特徴を明らかにした.その結果,小集団で長期的に行われる協調学習を評価する際に,俯瞰的にその対話全体の特徴を明らかにし,より詳細な分析を必要とする学習者や対話の箇所を選定してく分析として有益であることが示唆された.
著者
大島 純
出版者
日本教育メディア学会
雑誌
教育メディア研究 (ISSN:13409352)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.3-9, 2014

本稿では,学習科学という研究領域を教育メディア学会の読者の皆様にご理解いただくために,方法論という切り口から解説を試みた.代表的研究手法であるデザイン研究を,最新の論文を交えて論じることにより,これまで不明瞭であった方法論の特徴を著者なりの視点で明らかにする.この切り口を先行オーガナイザーとして,読者の皆様が本学会誌の論文を学習科学的視点から吟味することができるようになれば幸いである.
著者
坂本 美紀 稲垣 成哲 竹中 真希子 山口 悦司 藤本 雅司 山本 智一 大島 純 大島 律子 村山 功 中山 迅 近江戸 伸子 竹下 裕子
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集
巻号頁・発行日
vol.28, pp.425-426, 2004

筆者らは,遺伝子組み換え食品(GMF)を題材にした科学教育のためのCSCL環境を開発し,小学生を対象にデザイン実験を行っている.本研究では,このデザイン実験の評価の一環として, GMFに対する理解とイメージが,単元の学習を通して変容したかどうかを検討した.分析の結果,概念的理解については. GMFの基礎知識や論争性についての理解が進んだことが明らかになった。また,イメージの変容も確認された.
著者
原島 純
雑誌
人工知能
巻号頁・発行日
vol.33, 2018-01-01

1 0 0 0 OA ナイシンA

著者
島 純
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.37-37, 2008-01-15 (Released:2008-02-29)
参考文献数
3
被引用文献数
1

ナイシンAは,バクテリオシンと総称される抗菌性ペプチドの1種であり,乳酸球菌Lactococcus lactisにより生産される.2005年にCotterらが提唱した分類に従うと,バクテリオシンは抗菌特性や化学構造からクラスIおよびクラスIIに分類される.ナイシンAが含まれるクラスIバクテリオシンは,ランチビオティクと呼ばれる細胞膜攻撃性の耐熱性低分子ペプチド(<5kDa)である.ランチビオティクの特徴は,デヒドロアラニン,デヒドロブチリン等の修飾アミノ酸を含むことである.また,デヒドロアラニン,デヒドロブチリンの一部は,システインとの分子内縮合によりモノスルフィド結合を有するランチオニンや3-メチルランチオニンを形成する.ナイシンAの抗菌スペクトルは,他のクラスのバクテリオシンと比較して広く,他種乳酸菌やグラム陽性の食中毒細菌の多くに抗菌活性を示す.また,ナイシンAと部分的に構造が異なる天然類縁体であるナイシンZ及びナイシンQの存在が報告されている.ナイシンAの化学構造を模式的に図1に示した.一方,クラスIIバクテリオシンは,ランチオニン等の修飾アミノ酸を含まない低分子ペプチド構造を有するバクテリオシンの全てを包括するとされている.乳酸菌の生産するバクテリオシンが注目される大きな理由は,バイオプリザベーションへの応用の可能性が大きいことにある.有害食品微生物の制御の代表的手法は加熱であるが,全ての食品素材に加熱処理を適用することは出来ない.その場合には,食品保存料の使用が必要となるが,消費者の安全性指向の高まりにともない,化学合成された食品保存料の使用を敬遠する傾向にある.このようなことから,生物由来の安全な抗菌作用を有する天然抗菌物質を活用して,有害食品微生物を制御しようとするバイオプリザーベーション技術の開発が期待されている.バイオプリザーベーションに用いる保存料はバイオプリザバティブと呼ばれ,食経験が十分にあることや有害作用がないことが確認されている必要がある.ナイシンA等を生産する乳酸菌は,ヨーグルトやチーズ等の発酵乳製品や味噌,醤油等の発酵食品の製造に用いられてきており,長年に及ぶ食経験を有していることから,安全が確保されているGRAS(Generally recognized as safe)微生物と認識されている.そのような観点から考えて,ナイシンAをはじめとする乳酸菌バクテリオシンは,バイオプリザバティブとして最適な条件が揃っていると言える.バクテリオシンの食品への利用には,様々な手法が考えられる.1つは,精製したバクテリオシンを食品添加物として利用する手法である.また,バクテリオシン生産菌を発酵食品のスターターとして用いることで,発酵を行いながらバクテリオシンを生産させて有害細菌の増殖を防ぐ手法も考えられる.これらの方法ばかりでなく,食品の種類や形態等に合わせて,多様なバイオプリザベーション手法の構築が可能である.ナイシンAを代表とするクラスIバクテリオシンは,バイオプリザバティブとしての活用が最も期待されている天然抗菌物質であると思われる.実際に,ナイシンAは世界50カ国以上で既に食品保存料として使用されている.我が国においては,現段階ではナイシンAの食品添加物としての使用は認可されていないが,食品安全委員会においてナイシンAに係る食品健康影響評価が進められており,今後の動向が注目される.バクテリオシン生産能を含めた乳酸菌の潜在機能を有効活用することにより,食品の安全性向上が強く期待できる.
著者
石原 融 武田 康久 水谷 隆史 岡本 まさ子 古閑 美奈子 田村 右内 山田 七重 成 順月 中村 和彦 飯島 純夫 山縣 然太朗
出版者
Japanese Society of Public Health
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.106-117, 2003

<b>目的</b> 思春期の肥満は成人肥満に移行することが多く,学童期あるいは,それ以前の肥満の対策が重要とされている。本研究は,縦断研究により思春期の肥満と幼児期の生活習慣,家族関係および体格等との関連を明らかにすることを目的とした。<br/><b>対象と方法</b> 1987年 4 月から1991年 3 月に山梨県塩山市で出生した児を対象として,1 歳 6 か月,3 歳児健康診査時の質問票とその時の身長,体重の実測値,また,思春期は2000年 4 月の健康診断時の身長,体重の実測値を解析に用いた。平成12年度の学校保健統計調査結果の年齢,性,身長別の平均体重を標準体重として,肥満度を算出し,20%以上を肥満と判定した。1 歳 6 か月,3 歳時の体格についてはカウプ指数を用い,生活習慣については健康診査時の調査票の生活習慣項目を用いて,思春期の肥満との関連について解析した。<br/><b>結果</b> 1 歳 6 か月児健康診査時の質問票の回収数は883人で,思春期まで追跡可能であった児が737人であった(追跡率83.5%)。平均追跡期間は10年11か月であった。<br/> 1 歳 6 か月時と 3 歳時のカウプ指数高値群において有意に思春期の肥満者が多くオッズ比はそれぞれ2.61 (95%信頼区間:1.11-6.12)と5.34 (2.54-11.23)であった。また,母親の肥満群において有意に思春期の肥満者が多く,オッズ比は5.32 (2.67-10.60)であった。<br/> 生活習慣項目では,1 歳 6 か月時の「室内で一人で遊ぶことの多い」のオッズ比が3.01 (1.01-8.99),また,3 歳時の「おやつの時間を決めずにもらっていた」のオッズ比が2.12 (1.25-3.61)で思春期の肥満のリスクであった。食品項目では,「牛乳」摂取頻度のみが思春期の肥満と有意な関連を示し,オッズ比0.63 (0.41-0.95)であった。<br/> 共分散構造解析を行い逐次因果最適モデルを求めた。3 歳時の体格,母親の体格,遊び方,おやつの取り方,牛乳摂取は思春期の体格に影響を与えていた。また,母親の体格は子どもの要求の応じ方に影響しており,子どもの要求の応じ方はおやつの取り方に影響を与えていた。<br/><b>結論</b> 思春期の肥満は,1 歳 6 か月と 3 歳時の体格,母親の体格,幼児期の遊び方,おやつの取り方,牛乳摂取と関連があった。遺伝要因が強いことが確認されたが,幼児期の生活習慣も思春期の肥満と関連していることが示唆された。
著者
飯島 純一
巻号頁・発行日
1992

筑波大学博士 (工学) 学位論文・平成4年3月25日授与 (乙第778号)
著者
西山 要一 酒井 龍一 栗田 美由紀 魚島 純一 泉 拓良
出版者
奈良大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

平成25・26年度も中東情勢は安定せず現地調査を中止した。それに換え25年度はレバノンとイタリアおよび国内の研究者で研究会を開催し研究の経過・成果・課題について報告と討論を行い、26年度は報告書の原稿を執筆した。ブルジュ・アル・シャマリT.01-Ⅰ地下墓は碑文から紀元196/197年にリューシスのために築造され、孔雀・魚・パン・ワイン壺などの壁画から死者の平安を祈る葬送観念、炭素14年代測定、出土遺物の材質分析などの人文科学と自然科学の学際研究によりレバノン古代史を明らかにした。また温度・湿度・微生物など地下墓環境・壁画の修復は文化財保存の論理と技術の移転も行い大きな国際貢献ができた。
著者
岡島 純子 谷 晋二 鈴木 伸一
出版者
一般社団法人日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.201-211, 2014-09-30

本研究では、通常学級に在籍し、仲間との関係がうまくもてない自閉症スペクトラム障害(ASD)児に対して社会的スキル訓練(SST)を実施し、般化効果、維持効果について検討した。その際、(1)機能的アセスメントの実施、(2)標的とされた社会的スキルに関する概念的理解を深めるために、ASDの特性に合わせた教示の実施、(3)標的とした社会的スキルを行動リハーサルする機会を十分に設定するために保護者とリハーサルをするためのホームワークを行った。機能的アセスメントから特定された標的スキルは、働きかけに反応するスキル、エントリースキル、主張性スキル、感情のコントロールスキル、問題解決スキルであり、10セッションからなる個別SSTが行われた。その結果、社会的スキル得点が向上し、放課後に友達と遊びに行く割合が増え、1ヵ月後も維持していた。
著者
三宅 なほみ 大島 純 白水 始 中原 淳
出版者
東京大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2009-04-01

人とロボットが,それぞれの立場で相手の存在を認識し,互いに学び合い,育っていくような人ロボット共生による新たな協創社会の実現に向けて,「A03班:知恵の協創班」では人の持つ潜在的な学習能力を洗い出し,それを活かした新しい学びを実践的に創造する実践学的学習科学を発展させた.斬新な方法論として,遠隔操作によるロボットを「よい聞き手」「共に学び合う仲間」として協調学習場面に参画させ,人と人との相互作用を制御・支援することによって,学習科学の経験則を再現性のある理論研究へと発展させる基盤を形成した.
著者
飯島 純夫 山崎 洋子 古屋 洋子 芳我 ちより
出版者
山梨大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

患者と看護師に対する病院環境についてのアンケート調査と、病院における騒音、照度、温度、湿度、気流(風速)の環境測定を実施した。衛生状態、騒音、明るさ、総合評価で、看護師に比べ患者のほうが有意に良い回答をしていた。看護師では温度(「暑い」)と湿度(「蒸し暑い」)で、患者では湿度(「蒸し暑い」)と気流(「弱い」)で冬期と比較して、夏期で有意に高い割合が認められた。
著者
竹中 真希子 稲垣 成哲 山口 悦司 大島 純 大島 律子 村山 功 中山 迅
出版者
日本教育工学
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.193-204, 2005
被引用文献数
8

本研究は,CSCLシステムを小学校の理科授業へ導入し,その利用が子どもたちの理科学習をいかに支援できるのかについて実践的に検討したものである.CSCLシステムを利用した授業は,5年生の単元「物の溶け方」で実施された.オンライン上の相互作用に関する分析を通して,CSCLシステムで提供される情報共有環境を利用した情報探索ならびにその探索に基づいた理解深化を概ね実現できるようになったことがわかった.オフライン上の相互作用に関する分析を通して,CSCLシステムを利用した他者のノート閲覧が契機となり学習活動が活性化されていた,つまり,オンライン上の相互作用はオフライン上の相互作用を促進するリソースになり得ていたことがわかった.