著者
池澤 優 近藤 光博 藤原 聖子 島薗 進 市川 裕 矢野 秀武 川瀬 貴也 高橋 原 塩尻 和子 大久保 教宏 鈴木 健郎 鶴岡 賀雄 久保田 浩 林 淳 伊達 聖伸 奥山 倫明 江川 純一 星野 靖二 住家 正芳 井上 まどか 冨澤 かな
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、欧米において成立した近代的宗教概念とそれに基づく宗教研究が、世界各地、特に非欧米社会においてそのまま受容されたのか、それとも各地域独自の宗教伝統に基づく宗教概念と宗教研究が存在しているのかをサーヴェイし、従来宗教学の名で呼ばれてきた普遍的視座とは異なる形態の知が可能であるかどうかを考察した。対象国・地域は日本、中国、韓国、インド、東南アジア、中東イスラーム圏、イスラエル、北米、中南米、ヨーロッパである。
著者
蓮井 淳 衣川 純一 菅 泰雄
出版者
一般社団法人 溶接学会
雑誌
溶接学会誌 (ISSN:00214787)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.18-28, 1973-01-25 (Released:2011-08-05)
参考文献数
1

A new underwater plasma welding process has been developed. In this process, viscous liquid is used in place of shielding gas to protect the part being welded from the surrounding water and to stabilize plasma arc.Welding experiments are done by using steel for welded structure of 6 mm in thickness and it is ascertained that this process can be put to practical use.Main results are summarized as follows:(1) Water glass is used as a typical viscous liquid.(2) Water glass shielding for the part being welded has a marked effect on stabilization of underwater plasma arc.(3) Water glass shielding has an effect on heat insulating of the part being welded and lowers the solidification rate of molten metal. Owing to this feature, the weld metal does not include a blowhole and the maximum hardness of the heat-affected zone adjacent to the bond is lowered considerably.(4) The weld resulting from this process has excellent mechanical properties, and especially its ductility and notch toughness can be improved remarkably, compared with those of the weld resulting from nonshielding.(5) Coefficient of viscosity and flow (feeding) rate of shielding water glass should be selected properly. However, the proper range of combinations of viscosity and flow rate may be relatively wide.
著者
井川 純一
出版者
大分大学経済学会
雑誌
大分大学経済論集 (ISSN:04740157)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.1-21, 2020-07

本研究では,InstagramにおけるSNSストレスの要因について,いいね!が気分に及ぼす影響に着目して検討した。大学生114名を対象とし,SNSの使用状況を確認したところ,多くの大学生がInstagramやTwitterなどのSNSを現実の人間関係を拡張するためのツールとして利用していること,InstagramとTwitterではSNS利用動機が異なっていることなどが示された。また,いいね!の数を操作した投稿画像を提示した場面想定法実験の結果,いいね!の数に応じてポジティブ・ネガティブ気分が惹起されること,承認欲求はいいね!の数とは独立にネガティブ気分に影響していることなどが明らかとなった。SNSを通じて幸福な自己を演出し,それに対するポジティブなフィードバックを受けることで,承認欲求は満たされるが,いいね!数が少ない時には,他者からの排斥を感じネガティブな気分になると考えられる。
著者
中西 大輔 井川 純一 志和 資朗
出版者
日本感情心理学会
雑誌
感情心理学研究 (ISSN:18828817)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.118-127, 2015
被引用文献数
1

This study investigates the relationship between confidence and regret. We predicted that high levels of confidence—where confidence is defined as reduced counterfactual thinking—would limit the experience of regret. A previous study by Gilovich & Medvec (1995) found an action/inaction effect, where regret is higher when one fails to act. However, this effect may no longer exist once we conceptually distinguish the decision to act from one's confidence about that decision. The decision to act is usually accompanied with a high level of confidence, and little counterfactual thinking. We hypothesized that regardless of action/inaction, regret will be significantly lower when a decision is made with high confidence. In Experiment 1, participants read a series of scenarios and made a decision. Before receiving feedback on their decision, participants rated their level of confidence about the decision. In Experiment 2, participants read a hypothetical mistake made by an individual and estimated that individual's level of regret. The results support our hypothesis that level of confidence about decisions affects feelings of regret.
著者
井川 純一 志和 資朗 中西 大輔 車地 未帆 菊本 修 井手下 久登
出版者
日本バイオフィードバック学会
雑誌
バイオフィードバック研究 (ISSN:03861856)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.97-103, 2010-10-25 (Released:2017-05-23)

不安状態における自律神経機能を客観的に評価する目的で,指尖脈波を用いた心拍変動の分析を行った.対象は,不安状態を主訴に治療中の患者25名(男性6名,女性19名,平均年齢47.7歳).対照群33名(男性6名,女性27名,平均年齢48.7歳)であった.脈波測定装置を用いて低周波(Low Frequency:LF)成分および高周波(High Frequency:HF)成分を抽出し,LF/HFを交感神経,HFを副交感神経指標とした.心理指標としてはSTAIの状態不安と特性不安を測定した.不安群が対照群に比べ,副交感神経指標(HF)が低下する傾向が見られた.また,STAIと生理指標では,特性不安と副交感神経指標(HF)との間に有意な負の相関が認められた.以上のことから,不安状態における自律神経機能は,副交感神経指標(HF)によって客観的に評価できる可能性が示唆された.
著者
北川 純一 高辻 華子 高橋 功次朗 真貝 富夫
出版者
日本味と匂学会
雑誌
日本味と匂学会誌 (ISSN:13404806)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.143-149, 2013

「おいしさ」にとって重要な要素である「のどごし」の形成には、咽頭・喉頭領域の感覚が深く関与していると考えられる。しかしながら、咽頭・喉頭領域の感覚についての研究報告はあまり多くない。本稿では、これまでの研究によって明らかにされた咽頭および喉頭領域を支配する神経(舌咽神経咽頭枝と上喉頭神経)の味覚応答特性ついて紹介するとともに、近年、盛んに研究されているTRPチャネルファミリーとのどごし感覚の関連性を検討する。さらに、健康的な生活を過ごすために大切な摂食(嚥下)機能に対する咽頭・喉頭領域からの求心性情報の役割について考察する。
著者
藤原 聖子 奥山 史亮 江川 純一 久保田 浩 木村 敏明 宮嶋 俊一
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究は、(a)1990年代までの宗教現象学の成果とその突然の消滅の原因、さらに(b)日本を含む各国で宗教現象学がどのように受容されたかを解明することを全体の目的とする。初年度である28年度は、国内の宗教現象学世代に対して聞き取り調査を行うとともに、関連文献を収集、整理した。また、海外の研究者と現地で行う調査計画を具体的に詰めることができた。聞き取りを行うことができたのは、華園聰麿氏(東北大学)、澤井義次氏(東北大学・天理大学)、土屋博氏(北海道大学)、小田淑子氏(京都大学・東京大学・シカゴ大学)、金井新二氏(東京大学)、永見勇氏(シカゴ大学・立教大学)、棚次正和氏(京都大学・筑波大学)、長谷正當氏(京都大学)、氣多雅子氏(京都大学)に対してである。宗教現象学の国内での受容の状況、自身の宗教現象学観が聞き取りの内容の中心となった。また、2017年に刊行100年を迎える『聖なるもの』の著者、ルドルフ・オットー(宗教現象学者の草分けとされる)の研究が国内でどう受容されたかについても聞くことができた。後者の情報は、日本でのオットー受容に関する英文論文を執筆する際に用いた。聞き取り調査と同時に、どのようなデータベースが役立つかについて検討を重ねた上で、博士課程の院生の協力を得て、国内の関連文献のデータベースを作成し、必要なものを収集した。海外に関しては、宗教現象学者の詳細な一覧を作成した。海外については、ヨーロッパ宗教学会のヘルシンキ大会に合わせて、フィンランド宗教学者による宗教現象学の受容について、Veikko Anttonen氏とTeuvo Laitila氏から聞き取りを行った。さらに、スウェーデン宗教学会会長のDavid Thurfjell氏と現地調査方法、論文集の刊行について計画を進めた。
著者
中川 純一 橋本 久 中島 大明
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.58, no.8, pp.455-461, 2013-08-01

十数年前頃より,テキストマイニング技術が出現し,コンタクトセンターに蓄積される顧客の声(Voice of Customer)を商品開発やサービス改善に活用する動きが活発化した.実際VOCを活用するためにはコンタクトセンター部署が顧客満足向上をミッションとする組織(例えばCS推進部署)と情報を共有しながら,試行錯誤を繰り返して活用するケースが多い.しかし,コンタクトセンターに蓄積されるVOCは,企業が提供する商品やサービスに対して,モノを言う顧客の声(ボーカルマイノリティ)であって,一般的にはモノを言わない顧客(サイレントマジョリティ)のボリュームが圧倒的に多いという事実がある.最近では,そのモノを言わない顧客(サイレントマジョリティ)がFacebookやTwitterなどSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)で繋がり,そのつぶやきが顧客同士で伝播するため,企業は無視できない状況に陥っている.本稿では,企業を取り巻く声(VOC,SNS,バーチャルエージェントの対話ログ)を活用している事例を紹介しつつ,今後の顧客戦略について展望を述べたい.
著者
遠藤 守 宮崎 慎也 山田 雅之 長谷川 純一 安田 孝美 横井 茂樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.352, pp.41-46, 2003-09-30
被引用文献数
1

物理シミュレーションによる自発的な動作生成はコントロールが難しく,CGゲームをはじめとするアミューズメントの分野では,コントロールが容易なルールベースの動作生成の方法が好んで用いられている.しかしながら,物理シミュレーションの予測困難な動作はうまく利用すれば新しいゲーム性を見出せる可能性を秘めている.そこで本研究では,物理シミュレーションのアミューズメント分野への応用として,柔らかい弾性と崩壊の性質を有する仮想物体(ふわふわ物体)をフォースフィードバック付ジョイスティックでうまく力を加えながら玉入れ操作ができる対話システムを作成した.「街の中メディア祭」と呼ばれるイベントに出展し一般の人に操作を体験してもらったので,その結果についても報告する.
著者
長谷川 純一 森 健策 鳥脇 純一郎 安野 泰史 片田 和廣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.76, no.8, pp.1587-1594, 1993-08-25
被引用文献数
57

本論文では,スライス間隔1mmで撮影された高精度連続胸部CT像から3次元画像処理を用いて肺がん候補領域を自動抽出する試みについて述べる.ここでは,限局性の異常陰影(SR)を対象とし,3次元形状特徴の違いに基づいてそれらを他の陰影(主に血管影)と識別する手順を開発した.実際の処理手順は大きく二つのステップ:(1)肺野領域の切出し,および,(2)SR抽出,からなる.本論文では,これらの処理をしきい値処理,3次元図形融合(または,3次元距離変換),3次元スケルトン化などの基本手法を組み合わせた比較的簡単な手順で実現し,実際の肺がん症例を用いてその有効性を示す.本研究は,3次元画像処理の有効性を実用上十分な精度の3次元CT像で検証した最初の試みとして,その意義は大きい.
著者
江川 純一
出版者
東京大学文学部宗教学研究室
雑誌
東京大学宗教学年報 (ISSN:2896400)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.63-76, 2002-03-31

本稿は,フランスの宗教学者ロベール・エルツ(1881-1915)の三本目(そして最後)の論文「聖ベス-アルプスの祭祀-(Saint Besse -etude d'un culte alpestre)」を扱っている。エルツについては,ボルネオ島ダヤク族の死をめぐる習俗(具体的には二次埋葬)・観念に時間的構造をみようとした1907年の「死の集合表象の研究」,ニュージーランドのマオリ族の事例を扱い,右手と左手の価値の差を右利きという生理学的要因ではなく,善と悪,生と死,男と女,南と北,聖と俗,浄と不浄といった社会的な価値の両極を象徴するものとして捉えようとした1909年の「右手の優越」が知られている。彼の師・先輩にあたるM・モースはエルツの研究について,「人間性の間の部分(cote sombre de l'humanite)」を対象としたものと言い表していた。「死」(「死の集合表象」),「タブー」(「右手の優越」),「罪」(博士論文)といった具合に,エルツは宗教に注目する事によって,人間性の裏側に光を当てようとしたのである。「聖ベス」論文でも伝承における「妬み」,祭祀における人々の「対立・葛藤」が取り上げられている。しかし,彼が生前残した最後の論文であるこの「聖ベス」は,フィールドワークによる資料採集を行い,事象から離れることなく理論のレヴェルにまで達している点で前二論文とは異なっている。昨年(2000年),雑誌『宗教研究』において,「「民間信仰」研究の百年」という特集が組まれたが,「聖ベス論文」は「民衆」レヴェルの宗教研究として,88年前の論考でありながら現在でも十分参考になり得る。むしろ「民衆」レヴェルの宗教への取り組み方,その概念そのものの再考が要請されている現在だからこそ,この論文を見直す意味があるのではないだろうか。以下では,祭祀とそれにまつわる伝承,歴史について彼がいかなるアプローチを施したかを,同時代のフランスのフォルクロリスト達,フランス社会学派のモースなどと比較しつつ考察し,その位置付けを行なう。
著者
増川 純一
出版者
成城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

株式市場、外国為替市場など、投機的性格を持つ資産市場において大規模な価格変動が起きるメカニズムを、群れ行動という視点から解明することを目的とした研究を行った。群れ行動は、異なる銘柄間の価格変動の相関や価格の連続的な上昇や下落などに反映されるものと考えた。ロンドン証券取引所や東証のティック・データを用いた分析を行ったところ、価格が大きく変動するとき、銘柄間の価格変動の相関が高まり市場全体に強調的な動きが見られること、同時に価格の連続的な上昇や下落がおきやすくなること、二つの傾向を表す指標間には正の相関があることなどがわかった。