著者
本山 亜友里 川上 智規 S. K. Weragoda 奥川 光治 芹川 裕加 袋布 昌幹 高松 さおり
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.68, no.7, pp.III_517-III_523, 2012 (Released:2013-03-15)
参考文献数
11
被引用文献数
1

スリランカAnuradhapura地区では,飲用,調理用としている井戸水にフッ素が含まれ,住民にフッ素の過剰摂取により生じる斑状歯がみられる.また腎臓病などの健康被害も報告されており,フッ素との関係が疑われている.そこでフッ素汚染実態把握のため2010年~2012年にAnuradhapura地区を含む8地区,計263サンプルを分析した結果,最大で約7mg/lの井戸が存在し3地区で平均値がスリランカの飲料水基準値を超過した.高濃度の井戸付近には,低濃度の井戸が存在する例もあった.この場合濃度に応じ用途を分けることで健康被害を軽減できる.一方近隣に低濃度の井戸が存在しない場合,フッ素濃度低減策を講ずる必要があり,その1つとして鳥骨炭の利用を検討した.鳥骨炭製造に際し最適炭化温度は600℃であった.
著者
寺田 裕 長澤 敏行 小西 ゆみ子 尾立 達治 森 真理 森谷 満 舞田 健夫 井出 肇 辻 昌宏 川上 智史 古市 保志
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.432-443, 2016 (Released:2016-10-31)
参考文献数
40

目的 : 歯周病を含む口腔の健康状態と脳梗塞や虚血性心疾患といった心血管疾患との関連については以前から研究されているが, 残存歯の咬合状態を含めて検討したものはほとんどない. 本研究では心臓血管疾患の既往と, 残存歯の健康状態ならびに咬合接触との関係を明らかにすることを目的として, 大学病院の内科と歯科の両方を受診している患者の歯科および内科の診療記録を分析した. 対象と方法 : 北海道医療大学病院の内科と歯科を受診しており, 血液検査・歯周組織検査ずみの93名を対象とした. 対象者は脳梗塞および虚血性心疾患既往の有無で分類後, 診査または検査項目の種類に応じてPearsonのカイ二乗検定, Fisherの正確確率検定, あるいはMann-Whitney検定を行った後, 二項ロジスティック回帰分析で関与している予測因子を解析した. 結果 : 93名中脳梗塞の既往者は8名, 虚血性心疾患の既往者は16名であった. 脳梗塞の既往者はEichner Cで有意に多く, Eichner Aで少なかった (p=0.015). 脳梗塞の既往者の総コレステロール (p=0.023) とHDLコレステロール (p=0.005) は低かった. 虚血性心疾患の既往者では, どの変数にも有意差はみられなかった. 脳梗塞の既往を従属変数とした二項ロジスティック回帰分析では, Eichner C該当者 {p=0.013, オッズ比 (OR)=17.381, 95%信頼区間 (95%CI)=1.848~163.489} およびHDLコレステロール (p=0.020, OR=0.894, 95%CI=0.813~0.982) が有意な独立変数であることが明らかになった. 虚血性心疾患の既往者に対しては, 統計学的に有意に成立する回帰モデルは構築できなかった. 結論 : 脳梗塞の既往と, 上下顎の咬合接触の喪失を伴う歯の欠損との間で関連が示唆された.
著者
井藤 賀操 加藤 由佳梨 川上 智 榊原 均
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.80, no.8, pp.710-713, 2011-08-10 (Released:2019-09-27)
参考文献数
28

ヒョウタンゴケの原糸体細胞の成長パターンを調査し,潤沢な培養条件では指数増殖期が認められたことから,本種が裸地環境へいち早く適応し繁茂できる生存戦略をもつ種類である可能性について意見を述べた.本種の乾燥粉末を利用した金属回収方法は,一般にカーボンニュートラルなプロセスとして分類される.私たちはさまざまな環境制御要因条件で原糸体細胞を生産し,鉛吸着材としての品質評価を実施した.400L規模に大型化した装置で生産した原糸体細胞においても,鉛吸着材としての十分な性能があることが確かめられた.したがって,私たちは,原糸体細胞を鉛回収するための新素材として位置づけ,産業利用できることを提案した.
著者
河野 豊 吉田 純一 原田 文也 植原 治 安彦 善裕 永易 裕樹 舞田 建夫 川上 智史 江口 有一郎
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.63, no.8, pp.388-391, 2022-08-01 (Released:2022-08-10)
参考文献数
4

We investigated whether the humanoid robot, Pepper, could help patients in taking hepatitis virus tests at an oral dental clinic. Ninety-five patients interacted with Pepper, followed by visiting the physician and answering a questionnaire. One asymptomatic patient was diagnosed as HBs-Ag positive. Most patients who operated Pepper were female and older than 50 years of age. Only a few patients (16%) knew a hepatitis subsidy system. Results of the questionnaire revealed that Pepper's promotion was beneficial and useful for understanding the severity of hepatitis. These findings suggest that the application of a humanoid robot may encourage hepatitis examinations in an oral dental clinic.
著者
河野 豊 吉田 純一 浅香 正博 原田 文也 舞田 建夫 川上 智史 江口 有一郎
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.61, no.10, pp.527-530, 2020-10-01 (Released:2020-10-08)
参考文献数
4
被引用文献数
1

We investigated the positive detection rates for hepatitis B surface antigens (HBsAg) and hepatitis C (HCV) antibodies as well as the elevation of AST and ALT in patients who were to undergo oral surgery. Our results revealed positive rates of 1.1% and 1.5% for HBsAgs and HCV antibodies, respectively. Patients older than 40 years had a higher proportion of positive HBsAg or HCV antibody results than did patients younger than 40 years. The rate of AST and ALT elevation was 7.3%. There were some missing data on viral infection in patient referral documents or interview sheets, suggesting a perception gap existed with respect to the seriousness of viral hepatitis among dental doctors and patients. These findings suggest that designating a hepatitis medical care coordinator might help not only in understanding patients' infection status but also in collaborating with hepatologists in the field of oral surgery.
著者
スィーワッタナクン キッティポン 浅井 さとみ 平山 晃大 重松 秀明 新井田 牧子 川上 智子 反町 隆俊 松前 光紀
出版者
特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会
雑誌
脳血管内治療 (ISSN:24239119)
巻号頁・発行日
pp.sr.2020-1000, (Released:2020-05-15)
参考文献数
11

新型コロナウイルス感染症が社会および医療システムに大きな問題を起こしているが,機械的血栓回収術のような緊急度が非常に高い治療は提供し続ける必要がある.しかし一方で,コロナウイルス感染症は院内感染を来しやすいため,その予防にも努めなければならない.本稿ではCOVID-19 疑い例に対する緊急血管内治療における患者スクリーニングや評価,感染予防・環境汚染対策のための当院のプロトコールを紹介する.
著者
疋田 一洋 舞田 健夫 川上 智史 池田 和博 齊藤 正人 田村 誠 小西 ゆみ子 神成 克映 内山 洋一 平井 敏博
出版者
公益社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会誌 = Annals of Japan Prosthodontic Society (ISSN:18834426)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.64-70, 2009-01-10
参考文献数
26
被引用文献数
2 3

<B>目的:</B>試作したCAD/CAM用ハイブリッドレジンブロックの臨床的な有効性を評価することを目的とした.<br><B>方法:</B>ハイブリッド型硬質レジンを加圧,加熱重合し,歯科用CAD/CAMシステムの加工用ブロックサイズに成型加工した.患者36名(女性29名,男性7名)の小臼歯43本,大臼歯8本,合計51本に対しハイブリッドレジンブロックから製作したジャケットクラウンを製作し,6ヶ月から12ヶ月後,平均9.6ヶ月における臨床的評価を行った.評価項目は,辺縁適合性,表面性状,咬耗,破折,クラック,着色,プラークの付着,周囲歯肉の炎症,対合歯の咬耗の9項目とした.<br><B>結果:</B>15.7%(8症例)において,咬合面の一部に光沢の消失が認められ,5.9%(3症例)において,クラウン表面の一部に着色が認められた.また,装着後1~3ヶ月で4症例について脱離が認められたが,クラウンのクラックや破折は認められず,再装着を行い,その後は問題なく経過している.他の評価項目については装着時と変化は認められなかった.<br><B>結論:</B>ハイブリッドレジンブロックを材料に歯科用CAD/CAMシステムを用いて製作したジャケットクラウン51本を装着し,平均9.6カ月の予後観察を行ったところ,一部に光沢の消失と着色が認められたが,他には問題はなく,クラウンの材料として有効であることが示唆された.
著者
川上 智史 荊木 裕司 原口 克博 尾立 光 川村 周徳 久保田 端尚 宮田 武彦 渡辺 敏彦 飯岡 淳子 入戸野 誠 尾立 達治 大沼 修一 関口 昇 横内 厚雄 松田 浩一
出版者
北海道医療大学
雑誌
東日本歯学雑誌 (ISSN:09109722)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.57-62, 1989-06-30

Recently, sedative and antiphlogistic treatment is conducted with low energy laser irradiation. The purpose of the this study was to evaluate the effectiveness to decrease of pain just after irradiation by a GaAlAs semiconductor laser. The irradiation apparatus was SEMI LASER NANOX (LX-800 : G-C. Co.) with the following features : a wave lengh of (around) 780nm : the laser energy, 30mW ; exposure time, SOsec to ISOsec/ per treatment. Diagnosis of pre-and post-operative sensitivity were classified into the following four grades : Grade 0 no pain. Grade I mild pain. Grade II strong but tolerable pain. Grade III intolerable pain (simultaneous with stimulation). The results were as follows: 1. In the hypersensitivity of dentin, the treatment was not effective with 2 cases of grade III, but with all of grade I , II (35 cases) the pain decreased just after irradiation. 2 . It was effective in all cases with pain like periodontitis after root canal filling and pain after extraction of teeth. 3 . It was effective in all cases with gingivitis, stomatitis, and gingival ulcers after infilttation anesthesia etc..
著者
野田 晃宏/荊木 裕司/原口 克博/川上 智史/宮田 武彦/横内 厚雄/大沼 修一/尾立 達治/長岡 央/小出 賢治/舛潟 尚樹/飯岡 淳子/笹渕 博子/川嶋 利明/松田 浩一 ノダ アキヒロ/イバラキ ユウジ/ハラグチ カツヒロ/カワカミ トモフミ/ミヤタ タケヒコ/ヨコウチ アツオ/オオヌマ シュイチ/オダチ タツジ/ナガオカ ヒロシ/コイデ ケンジ/マスガタ ナオキ/イイオカ アツコ/ササブチ ヒロコ/カワシマ トシアキ/マツダ コウイチ NODA Akihiro/IBARAKI Yuji/HARAGUCHI Katsuhiro/KAWAKAMI Tomofumi/MIYATA Takehiko/YOKOUCHI Atsuo/OHNUMA Syuichi/ODACHI Tatsuji/NAGAOKA Hiroshi/KOIDE Kenji/MASUGATA Naoki/IIOKA Atsuko/SASABUCHI Hiroko/KAWASIMA Tosiaki/MATSUDA Koichi
雑誌
東日本歯学雑誌
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.217-223, 1992-12-31

Clinical practice has been assigned as a final and very important aspect of study and practice in dental education. In our university, the students are exposed to clinical practice from the latter term of the fifth year. This report investigated the protocols of clinical cases by a mutual practice system of dental treatment from the seventh to the tenth class of graduates. The mutual practice of dental treatment is a system where students act as docter and patient mutually. The results obtained were as follows: 1) The seventh class graduates averaged 1.45 clinical cases of mutual practice system. The eighth, ninth and tenth classes averaged 2.3, 2.9, and 1.7. 2) 65 percents of all cases on restorations were cast restorations. Composite resin restorations increased and comprised 35 percents of all cases. However amalgam fillings did not take place.
著者
加護野 忠男 石井 淳蔵 猶本 良夫 川上 智子 松嶋 登 坂田 隆文 水越 康介 横山 斉理 日高 優一郎
出版者
甲南大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、医療経営のマネジメントに関する研究を行うことを目的とする。具体的には、医療分野の固有性をふまえつつ、研究上の方法論整備を行い、トヨタ生産方式を中心としたマネジメントノウハウの意義についての研究がすすめられた。研究の結果、方法論として、制度論や実践論に基づく研究の可能性が示された。また、具体的な対象については、トヨタ生産方式はもとより、より包括的に次章を捉える為にも、ITの意義や、ガバナンスの必要性などが確認された。
著者
加賀谷 重浩 川上 智規
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

大気中のガス状原子水銀,粒子状水銀および降水中全水銀,溶存態水銀を,富山県内の複数地点で採取した試料に対して定量した。降水中の溶存態水銀の割合と,大気中浮遊粉塵から純水あるいは塩酸を用いて抽出された水銀の割合とがほぼ一致することを見いだした。また大気中粒子状水銀は,採取期間ごとに異なる粒径別分布を有することを見いだした。これらより,大気中粒子状水銀について詳細に検討することにより,水銀の環境動態に関する情報が得られると考えられた。
著者
川上 智子 岸谷 和広 竹村 正明
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では,技術受容モデルとネットワーク外部性に関する研究展開を融合し、対人クチコミやネットクチコミといった消費者行動との関連等を概念モデルとして定式化した。そして、携帯型家庭用ゲーム機、スマートフォン、ブルーレイDVDレコーダー、電子書籍リーダーといった製品カテゴリーについて、購買者・非購買者対象の質問票調査を毎年実施し、大規模サンプルのデータによる仮説の検証を行い、理論的・実践的示唆を得た。
著者
青井 透 宮里 直樹 川上 智則 川上 智規
出版者
群馬工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

広域的な窒素飽和現象を証明することが、本研究の主たる目的であるが、そのためには複数年にわたる窒素収支を把握する必要があり、谷川連峰湯桧曽川と裏妙義山中木川を調査対象として、降雨測定、流量測定および水質調査を継続的かつ正確に実施する必要がある。そこで湯桧曽川と裏妙義中木川において2年間にわたり、降雨と渓流水を定期的に採水・分析し、それぞれの調査場所で窒素の収支を計算した。その結果、湯桧曽川では窒素降下量と窒素流出量はほぼ同量であり、中木川では窒素流出量が1.55倍高く、窒素飽和現象が発生していることが明らかとなった。単位面積当りの窒素降下量は、湯桧曽川では12.5kgN/ha/Yであり、中木川では19~26kgN/ha/Yであった。一般に窒素飽和現象が発生する年間窒素降下量は10kgN/ha/Yが目安とされているので、どちらもこれより高い値であり、この点からも窒素飽和現象が発生していることが裏付けられた。
著者
川上 智司 三浦 元喜 國藤 進
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.34, pp.43-48, 2006-03-23

近年,学校やオフィスなどでは,知的な作業環境にあることが多くなっている.その為,相手の状況がわからずコミュニケーションが不足することがある.しかしインフォーマルコミュニケーションは重要な役割をもっている.そこで本研究では組織内のコミュニケーションの活性化を支援することを目的とする.本研究では,作業の合間のリラクゼーションとして買い物に行く行為に着目した.リラックスしている状況は,気軽に話しかけることができるため,コミュニケーションが発生させやすいと考える.そこでインフォーマルスペースに商店を構築し買いに来た状況を伝達することによってコミュニケーションが発生させるシステムを構築する.In recent years, in a school or office, it is in intellectual work environment more often. Since a partner's situation is not known, communication may be insufficient. However, informal communication has an important role. So, it aims at supporting activation of communication in an organization in this research. It is attention to the act of going shopping as a change of air of work at intervals. I think that communication is easy to generate it since a relaxed situation can address freely. Then, the system which communication generates is built by transmitting the situation where it came to buy an informal space.