著者
平野 昌繁 諏訪 浩 藤田 崇 奥西 一夫 石井 孝行
出版者
京都大学防災研究所
雑誌
京都大学防災研究所年報. B = Disaster Prevention Research Institute Annuals. B (ISSN:0386412X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.B-1, pp.219-236, 1990-04-01

Toppled rock blocks from the steep cliff along the Echizen Coast, Fukui Prefecture, hit apart of the shelter (rock-shed) below, and 15 persons in a micro-bus just passing there were killedby the breakage of the shelter on July 16th, 1989. The rock falls foregoing the toppling at leastfor one hour were reported by two eye-witnesses who had watched the full-process of the rock wallcollapse. Their statements give cleary the mode of the collapse starting with the tilting (toppl-ing) of a part of the joint block composing the partly over-hanged sea cliff. The joint block tiltedabout 30 degrees was then disintegrated, falling vertically on the earth surface. Distribution ofthe scattered blocks after the fall suggests the rotation of the blocks around an inclined axis atthe base of the cliff. The rotation is also confirmed by the fabric analysis of the distributed blocks.A part of the disintegrated blocks hit the rock-shed roof at its edge. Intensity of the impactforce given to the soil-covered roof is estimated to be 1100 ton-force, assuming the volume andsize of the individual block deduced from the survey after the fall.
著者
内田 愛 郷右近 歩 菊池 紀彦 平野 幹雄 野口 和人 熊井 正之
出版者
東北大学大学院教育情報学研究部
雑誌
教育情報学研究 (ISSN:13481983)
巻号頁・発行日
no.6, pp.35-43, 2007-07

記憶の外的補助具を利用することは、記憶障害を抱える人々にとって有効であることが指摘されてきた。本研究では、補助具の一つであるメモリーノートに着目し、記憶障害を有する一事例を対象として、メモリーノートが利用される場面や記入される内容など実生活場面での利用実態について分析を行った。その結果、自宅や作業所では自発的にメモリーノートを利用するものの、それ以外の場面では自発的な利用はほとんど見られないことが明らかになった。しかしながら、本人にとって印象的な出来事が生じた場面や必然性のある場面、メモリーノートの利用を想起させる手がかりがある場面では主体的にメモリーノートが利用されることも明らかになった。このことから、記憶障害者が主体的に補助具を利用するためには、継続的な利用の促進と同時に、本人にとって意味のある動機や必然性をもつことが必要であり、補助具は記憶障害者にとって単に不足する情報を補うために用いられるものではないことが示唆された。
著者
眞田 友明 田中 信三 佐藤 公則 平野 実
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 補冊 (ISSN:09121870)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.Supplement62, pp.27-32, 1993-06-15 (Released:2012-11-27)
参考文献数
10

One hundred ninety eight patients with Reinke's edema who visited our clinic between 1981 and 1990 were retrospectively studied. One hundred twenty four were males and 74were females. Ninety percent of the patients were between 30 and 69 years old. Brinkman's index was 400 or more in 78% of patients. This suggests that smoking was the most important etiological factor. Surgery was performed for 73 cases and the hoarseness improved in 63 cases. Thirty one patients stopped smoking for more than a month without surgery, and 16 cases showed vocal improvement. Surgery was effective regardless of the size of the lesion, while prohibition of smoking was effective only for slight edema. Voice therapy without surgery or prohibition of smoking had no effect on hoarseness.
著者
田中 敏郎 平野 亨
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

フラボノイドの適切な摂取によるアレルギー疾患に対する食事療法の開発を目指し、以下の事を明らかした。・スギ花粉症患者を対象として、2重盲検プラセボ比較対照試験において、プラセボと比較して酵素処理イソケルシトリン(ケルセチン配糖体)100mg/日摂取群においては、結膜炎症状が軽減することが明らかとなった。・喘息及びアトピー性皮膚炎モデルマウスにおいて、酵素処理イソケルシトリンの経口投与で、それぞれ気道過敏性と皮膚炎症が低下する傾向が観察された。
著者
木内 聖 平野 智也 角田 直也 船渡 和男
出版者
公益財団法人 石本記念デサントスポーツ科学振興財団
雑誌
デサントスポーツ科学 (ISSN:02855739)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.184-191, 2023-02-22 (Released:2023-03-09)
参考文献数
9

ランニングにおける足部内側縦アーチの変化および足底荷重を定量化することを目的とした.足底圧分析機 (Novel GmbH®,100Hz),モーションキャプチャシステム (Oxford,100Hz),フォースプレート (Kistler,1KHz) を同期し,足底を解剖学的計測点に基づいて5つに分割した.参加者8名が2.78m/sの速度でランニングを行った.内側縦アーチ角度は第一中足骨遠位端,舟状骨,踵骨側面のなす角度,中足趾節関節角度は,母趾末節骨近位端,第一中足骨遠位端および近位端のなす角度として算出した.足底荷重は,接地とともに後足部および前足部外側の荷重がみられ,蹴り出し時には前足部に荷重がシフトし,内側縦アーチ角度が最大の変化量を示した.その後,中足趾節関節背屈に伴い前方向の地面反力が増加する傾向がみられた.内側縦アーチは,足部接地中,足底荷重を吸収するための柔軟な構造から,蹴り出し時に中足趾節関節を背屈させることで剛性を高め,前足部で蹴り出すことで前方への推進力を生み出していると推察される.
著者
千葉 聡 平野 尚浩 森井 悠太 Prozorova Larisa 鈴木 崇規
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

小笠原諸島の陸貝化石の年代測定から、最終氷期以降、カタマイマイなどが形態的、生態的に区別のできるタイプに分化したことが示された。琉球列島の喜界島などでも同時代の化石を解析した結果、同じような変化のパターンは見られず、小笠原での急速な分化は、その放散と関係していると考えられる。一方、本土と琉球列島の近縁現生種について、系統推定とニッチ利用を調べた結果、いずれにも形態とニッチ利用の関係が示すパターンに共通性が認められたが、急速な放散はカタマイマイに限られた。島では競争によるニッチ分化が放散の要因と考えられるのに対し、本土の種分化では地理的隔離の他は、捕食-被食の効果が認められた。
著者
野本 保夫 川口 良人 酒井 信治 平野 宏 久保 仁 大平 整爾 本間 寿美子 山縣 邦弘 三浦 靖彦 木村 靖夫 栗山 哲 原 茂子 浜田 千江子 佐中 孜 中尾 俊之 本田 雅敬 横田 眞二 須賀 孝夫 森 典子 下村 旭 金 昌雄 今田 聰雄 田中 良治 川西 秀樹 枝国 節雄 福井 博義 中本 雅彦 黒川 清
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.303-311, 1998-04-28 (Released:2010-03-16)
参考文献数
24
被引用文献数
25 25

硬化性被嚢性腹膜炎 (sclerosing encapsulating peritonitis, SEP) はCAPD療法における最も重篤な合併症の1つである. 平成7-9年度にわたり, 厚生省長期慢性疾患総合研究事業慢性腎不全研究班に参加した『CAPD療法の評価と適応に関する研究班』にてこの病態に焦点をあてSEPの診断基準, 治療のガイドラインを作成し検討を重ねてきた. 今回平成7-8年度の成果を土台に1年間経験を各施設より持ち寄りその実際的な問題点を明らかにし, 改訂するべき事項があればさらに検討を続けることを目的として叡知をあつめ, 平成9年度硬化性被嚢性腹膜炎コンセンサス会議を開催した.今回は主に診断指針の見直しおよび治療および中止基準の妥当性に焦点をあて検討し改訂案を作成した. 診断基準に関しては昨年度に提示した定義に根本的な変更点はなかった. しかし, 治療法に関し若干の手直しを行った. 栄養補給は経静脈的高カロリー輸液 (TPN) を主体に行うが, 具体的投与量を提示した. 一部症例にステロイド薬 (含パルス療法) がSEP発症直後の症例に著効を示した症例に加えて, 一方不幸な転帰をとった症例も報告された. また, 外科的腸管剥離についても再検討を行った. 中止基準に関しては一部の手直しと小児症例に関するガイドラインも新たに加えた.以上当研究班で3年余にわたる作業を行ってきたが, 現時点での諸家のコンセンサスを得たSEP診断治療指針 (案) を上梓することができた. しかしながら本病態の多様性, 治療に対する反応性の相違から基本的な治療方針の提示にとどめた. 今後さらに中止基準を含んだSEP予防法の確立や生体適合性の良い透析液の開発が重要であることはいうまでもない.
著者
平野 真理 綾城 初穂 能登 眸 今泉 加奈江
出版者
日本質的心理学会
雑誌
質的心理学研究 (ISSN:24357065)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.43-64, 2018 (Released:2021-04-12)

レジリエンスの個人差は,これまで主に自己評価式尺度による能力測定,あるいは,何らかの一義的な適応基準 (精神症状の有無等)によって判断されてきた。しかしながら,レジリエンス概念を通したより丁寧な支援と理解 を考えるならば,本人が意識せずに有しているレジリエンス能力や,個々人で異なる回復・適応状態の特徴を描き出せるような視点が必要であると考えられる。そこで本研究では,レジリエンスの個人差をより豊かに理解する新しい視座を得るために,投影法を用いて個人の非意識的な側面も含めた行動特徴を捉えることを試みた。18 ~30歳の男女1,000名に,12種類の落ち込み状況を示した刺激画を提示し,登場人物が立ち直れるためのアドバイスを回答してもらった。こうして得られた12,000の記述データについてカテゴリー分析を行った結果,最終的に14のレジリエンス概念が見出された。続いて,得られた概念を相互の関連から理論的に整理した結果,14のレジリエンス概念は“どのような種類のレジリエンス”(「復元」「受容」「転換」)を“どのような手だて”(「一人」「他者」「超越」)を通して目指すのかという「レジリエンス・オリエンテーション」の視座からまとめられることが明らかとなった。本研究は,これまでのレジリエンス研究における一元的な個人差理解を超える,多様なレジリエンス理解の枠組みを提供するものである。
著者
松本 佳那子 松田 昌子 宮田 富美 唐樋 さや香 市原 清志 平野 均
出版者
山口大学医学会
雑誌
山口医学 (ISSN:05131731)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.167-172, 2006 (Released:2007-01-24)
参考文献数
14
被引用文献数
1

【目的】高照度光照射療法は脳内におけるセロトニンやメラトニン分泌に影響を与えることにより種々の疾患の治療法として期待されている.今回我々は,月経前症候群など,月経周期に伴って出現する症状に対する治療への応用を探索するために,高照度光照射が正常月経周期の自律神経機能にどのように影響するかを検討した.【方法】正常な月経周期を示す21±1歳の女子大学生6名を対象に,基礎体温に基づいて卵胞期と黄体期の各時期に,ホルター心電計により24時間の心電図を記録し,その間に白色発光ダイオード(白色LED)照射実験を行った.記録した心電図上のR-R間隔をMEMCALC法によりスペクトル解析し,自律神経機能の変動を観察した.【結果】正常月経周期では副交感神経活動をあらわすHFは黄体期に低く卵胞期に高く,交感神経活動をあらわすLF/HFは黄体期に高く卵胞期に低かった.高照度光照射により黄体期にはLF/HFは,HFに比べ変動が大きかった.【結論】正常月経周期では卵胞期には副交感神経活動がより高まり,黄体期は交感神経活動がより高まった.高照度光照射は黄体期の交感神経活動の反応の変動をより大きくするも,卵胞期にはそのような変化はみられなかった.
著者
平野 貴章
出版者
一般社団法人 日本フットケア・足病医学会
雑誌
日本フットケア・足病医学会誌 (ISSN:24354775)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.11-16, 2023-01-31 (Released:2023-01-31)
参考文献数
14

【目的】Lisfranc関節損傷では, 解剖学的特徴や機能を理解し治療に当たることが重要である. Lisfranc関節の解剖と病態について文献的報告を加えて報告する. 【対象および方法】解剖の対象は, 解剖用屍体39体78足 (男17体,女22体) , 平均年齢は84.5歳 (60歳~99歳) であった. 第1中足骨から第3中足骨および第1楔状骨から第3楔状骨を一塊として取り出し, 第2中足骨-第1楔状骨間に存在するLisfranc靭帯複合体の解剖学的特徴および第1楔状骨-第2楔状骨間の楔状骨間靭帯の走行形態を観察した. 【結果】Lisfranc関節は足根骨と中足骨の間に存在する関節で, 骨形態と靭帯結合により安定性を得ていた. 骨の安定性として, 楔状骨がほぞ構造を形成し第2中足骨が安定した位置に存在する. その上に靭帯性の安定性として背側靭帯・Lisfranc靭帯・底側靭帯の複合体が構成される. 同部位の解剖により, Lisfranc靭帯を囲むように関節軟骨が存在している. Lisfranc靭帯は足底部と平行に走行している骨を結ぶ太い靭帯であり, その付着部平均面積は第1楔状骨81mm², 第2中足骨88mm²であった. 【考察】Lisfranc関節損傷は, 治療が難しいことが報告されている. この理由として, Lisfranc関節の解剖学的報告でさまざまなバリエーションがあることやさまざまな損傷形態があることが考えられる.
著者
平野 照之
出版者
日本神経治療学会
雑誌
神経治療学 (ISSN:09168443)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.749-755, 2022 (Released:2023-01-20)
参考文献数
14

Advance in acute recanalization therapy: The most significant topic in 2021 was the validation of the significance of pre–intravenous administration of alteplase in patients of large vessel occlusion (LVO) planned to mechanical thrombectomy. An integrated analysis of 1,633 patients from DIRECT–MT, DEVT, SKIP, and MR CLEAN–NO IV studies, was performed. The risk difference for functional independence was 1% (95% CI −4–5%) and for symptomatic intracranial bleeding 1% (95% CI −1–3%), suggesting non–inferiority of MT alone to MT plus alteplase in several respects. Another meta–analysis of 433 patients in 4 trials of tenecteplase (TNK) found that effective recanalization with TNK was increased 3.05 (95% CI 1.73–5.40) times compared to those with alteplase. TNK also reduces the time required to recanalize the occluded vessel.Advance in antithrombotic therapy: Dabigatran did not prove efficacy over aspirin among east Asian patients with ESUS (Embolic Stroke of Undetermined Source). Sub–group analysis of CSPS.com study revealed that add–on effect of cilostazol is greater with patients treated with clopidogrel than those with aspirin. Dual antiplatelet therapy (DAPT) using cilostazol might be a potential solution to the genetic polymorphisms in CYP2C19 poor metabolizer.cover poor metabolizer. Cilostazol based DAPT is effective for non–cardioembolic ischemic stroke patients with intracranial arterial stenosis.Blood pressure control: Hypertension is the most powerful risk factor of stroke, even for the patients with ischemic stroke. A meta–analysis of Boncorago et al. revealed that anti–hypertensive therapy reduces the risk of ischemic stroke/TIA (HR 0.79, 95%CI 0.66–0.94). A post–hoc analysis of ATACH–2 reaffirmed that the blood pressure drop should not exceed 90mmHg to avoid acute kidney injury.New desease associated with COVID–19: It is the Thrombosis with Thrombocytopenia Syndrome (TTS). Similar to Heparin–induced Thrombocytopenia, heparin aggravates TTS. Intravenous immunoglobulin and non–heparin anticoagulants should be started as soon as possible.
著者
石橋 みゆき 吉田 千文 樋口 キエ子 丸谷 美紀 伊藤 隆子 雨宮 有子 諏訪部 高江 神谷 明美 平野 和恵 林 弥生 木暮 みどり
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究の目的は、療養の場の移行支援の構築を目指し、退院支援に係る看護技術を体系化することである。計26病院に勤務する協働して退院支援を実施している関係にある看護師ら計48名へ半構成インタビューを実施し、先行研究の枠組みを基盤に内容を分類・統合し計21の退院支援技術が明らかとなった。退院支援に係る21の看護技術は、#0本人の意向を見極めセルフケア能力を高める、#1家族への支援と家族との協働、#2医療福祉専門職との連携と協働、#3退院支援体制発展に向けたシステム構築という4段階で体系化でき、個への支援(ミクロ)から地域への貢献を意図した支援(マクロ)に向かって拡大する方向であると考えられた。
著者
山本 航平 佐伯 和子 平野 美千代
出版者
一般社団法人 日本公衆衛生看護学会
雑誌
日本公衆衛生看護学会誌 (ISSN:21877122)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.29-36, 2016 (Released:2016-05-20)
参考文献数
24

目的:未成年大学生の飲酒の実態及び飲酒と友人関係ならびに性格特性との関連を明らかにすることを目的とする.方法:A県の3大学の大学1年生から4年生1,122名を対象に,無記名自記式質問紙による集合調査を行った.飲酒の実態は記述統計,関連はχ2検定を用いた.結果:有効回答998名(有効回答率89.0%)のうち未成年大学生395名のみを分析対象とした.飲酒する人は234名(59.2%)であり,中高生で純アルコール20g換算以上飲酒したことがある人は87名(22.0%)であった.飲酒は人間関係を深めると回答した人は312名(79.3%),飲酒は20歳になってからと回答した人は209名(54.2%)であった.飲酒の有無は,個人属性では学部,部活・サークル,飲酒に関する体質の自覚,性格特性では外向性と有意な関連があり,友人関係とは有意な関連はなかった.結論:未成年大学生の飲酒と友人関係に有意な関連はなく,性格特性では外向性のみ有意な関連があった.未成年大学生の外向性に重点を置き,飲酒対策を行う必要がある.
著者
平野 実
出版者
THE JAPAN LARYNGOLOGICAL ASSOCIATION
雑誌
喉頭 (ISSN:09156127)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.58-65, 2013-12-01 (Released:2014-07-25)
著者
平野 悠一郎 野間 大介 武 正憲
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.85, no.5, pp.493-498, 2022-03-30 (Released:2022-05-13)
参考文献数
12

Previous research indicated that many mountain bikers in Japan, as new recreational users, recently engaged in contribution projects to local communities to overcome conflicts with forest landowners, trail managers, and other users to secure their outdoor fields. To verify this movement, this paper conducted a related questionnaire survey among 1,765 mountain bikers. The result showed that Japanese mountain bikers found the best value in riding freely in unpaved forests and trails with a certain distance and scale, and participation in competitive mountain bike (MTB) races was not recognized as primary interest. Additionally, the majority of mountain bikers strongly recognized the need for contribution projects to local communities to secure and maintain these attractive outdoor fields. However, mountain bikers who engage in the projects tend to belong to local mountain bikers’ organizations that collaborate with local communities. Therefore, these local organizations can be the key to developing MTB as a popular outdoor recreation, and promoting local revitalization through the participation of mountain bikers.
著者
鎌下 莉緒 平野 好幸
出版者
大阪大学大学院 大阪大学・金沢大学・浜松医科大学・千葉大学・福井大学連合小児発達学研究科
雑誌
子どものこころと脳の発達 (ISSN:21851417)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.38-44, 2022 (Released:2022-10-15)
参考文献数
19

摂食障害では痩せ願望や体重体型への過度なこだわり,ボディイメージの障害といった症状が見られ,「神経性やせ症(Anorexia nervosa: AN)」と「神経性過食症(Bulimia nervosa: BN)」,「過食性障害(Binge-eating disorder: BED)という三つの病型に大別される.有意な低体重が見られるANでは大脳全体の皮質厚および海馬・視床をはじめとした様々な領域の皮質体積が減少することが判明している.また,過食が見られるBNでは報酬系異常により腹側線条体や海馬で健常者とは異なる活性パターンを示すことが脳イメージング研究で明らかにされている.これまで思春期での発症が主とされていた摂食障害だが,近年,思春期以前の低年齢児童における発症が報告されており,摂食障害は「こどもの問題」と捉えられる.死亡率が約5%と高いことやコロナ禍において患者数が急増したと報告されていることから,摂食障害研究は喫緊の課題であると言える.本稿では,摂食障害の病態解明のための脳形態や脳機能画像研究を紹介する.
著者
内田 由紀子 平野 羊嗣 神庭 重信
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

研究の目的は、ネガティブ感情の制御についての文化差を、脳波計で測定される脳誘発電位を用いて測定し、検討することであった。参加者は脳波計を装着し、実験室で脳波を用いた感情制御の課題を遂行した。「注意条件」では、不快あるいはニュートラルな画像刺激をみて、自然に生じる感情反応に注意を払うように教示した。「抑制条件」では同様の画像を見て自然に生じる感情反応を「抑え、隠すよう」に教示した(これらの条件は被験者内要因で実施された)。解析の結果、抑制条件では不快刺激においてもニュートラル刺激と同様の脳波(LPP)の反応が得られ、日本人参加者におけるネガティブな感情制御が示された。
著者
平野 正隆 宮路 幸二
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.52, no.611, pp.535-540, 2004 (Released:2005-02-25)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

A wing rock is known to be a self-excited rolling oscillation of a delta wing that is induced by unsteady aerodynamic forces. In this study, free-to-roll simulations are carried out by incorporating time-accurate computational fluid dynamics with an equation of motion of a wing. A limit cycle oscillation and the histogram of a hysteresis in the rolling moment, which has four peaks within one cycle, are successfully simulated. The strength of the leading-edge vortices at a fixed roll angle is rather different from that during the wing rock especially at large angular velocities and that causes the characteristics behavior of the unsteady moments.