著者
濱田 淑子 本田 秋子
出版者
東北福祉大学
雑誌
東北福祉大学芹沢[ケイ]介美術工芸館年報
巻号頁・発行日
vol.4, pp.[59]-[59], 2012

人間の形をしたジャイナ教の宇宙像をローカ・プルシャと呼ぶ。考えうる限りの全世界と全時間を含み、世界の霊魂は上方世界、中央世界、下方世界の三界に住み分け、輪廻していると考える。最上位にあるのが完成者で上方世界は天上界である。下方には地獄界がある。中央には人間が住む円盤状の地上界がある。取り上げた資料はインド・ラジャスタン州かグジャラート付近で、17 世紀に制作されたものと考えられ、木綿地に顔料で描かれた掛け絵である。しかも、他に比べて大きく絵画的であり、サンスクリット語の詳細な説明書きが付されていて、きわめて貴重で、興味深い資料といえる。
著者
古庄 真喜 梅崎 祐二 石田 宏一 本田 彰
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.1209-1212, 1988-07-25 (Released:2008-02-29)
参考文献数
16
被引用文献数
10 13

Changes in the levels of ATP-related compounds and lactic acid in the muscle of live prawn Penaeus japonicus kept in the sawdust at 15C° were investigated to find an index suitable for evalua-tion of parwn activity during the transportation in the sawdust. The concentration of ATP in the muscle markedly decreased after storage of 48h, resulting in a rapid increase in the AMP level. The level of lactic acid in the muscle also gradually increased during storage in the sawdust. The ratio of ATP to the ATP-related compounds (the total nu-cleotides) in the muscle which colsely related with the survival rate of prawn was found to be sui-table as a criterion to evaluate the activity of prawn during transportation in the sawdust. The levels of the ATP-related compounds in the muscle of prawn kept in the sawdust recovered to their original levels within 1h after they were returned to the sea.
著者
並木 道義 松坂 幸彦 鳥海 道彦 内田 右武 平山 昇司 小松 俊郎 本田 秀之 井筒 直樹 齋藤 芳隆 太田 茂雄 山上 隆正 廣澤 春任 松本 敏雄 兒玉 康資 本間 容博
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.25-34, 2001-02

宇宙科学研究所三陸大気球観測所では,スタティック放球方式の一種である立て上げ放球方式を用いて,数多くの大気球の放球を成功させてきた。近年,大型気球の需要が高まり,放球方法の改善と放球場の拡張が必要となっていた。1998年に我々は,新しい大型気球放球装置を用いた放球方法であるセミ・ダイナミック放球方式を開発した。この放球方式は,ガス注入後,ローラー車から気球を解放することによって一気に気球を立て上げ,気球が,観測器直上を固定している大型放球装置の直上にきたとき,大型放球装置から観測器を解放する,という手順で放球を行う。徐々に立てあげていた従来の方式と比べて,ローラーで立て上げて行くときに皮膜を傷つける心配がなくなること,放球作業の時間短縮ができることが利点である。1998年(平成10年)に,飛揚場の先端部分を20m延長し,その延長したほぼ中心部に直径 6 mの回転テーブルを備えた大型気球放球装置を製作した。本ランチャーは,回転テーブルに固定されており,放球時の風向きに合わせて旋回する事が出来る。また,ランチャーに備えた昇降装置により,地面から高さ5mまで観測装置を持ち上げることが可能である。これにより,B1000クラスの大型気球の放球が可能となった。1999年9月6日にこの大型気球放球装置を用いて,最初のテスト気球を放球することに成功し,放球方法および装置の有効性が確認された。
著者
小林 芳規 佐藤 利行 佐々木 勇 沼本 克明 月本 雅幸 鈴木 恵 原 卓志 山本 真吾 山本 秀人 青木 毅 本田 義央
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

醍醐寺蔵宋版一切経6,102帖に書き入れられた角筆情報を加えた目録出版を期し,その精査を基に,日本に伝来した宋版一切経の角筆点の発掘と東アジア言語文化の交流と影響関係を考察することを目的とする本研究は,2010~2012年に7回の現地調査を行い,書誌事項と共に角筆点の有無を再調査し,新たに521帖を加え約8割に角筆書き入れ帖を認めた。又,神奈川県称名寺蔵宋版一切経からも角筆点を認め,新羅写経の角筆仮名の解読を進めた。
著者
内堀 真弓 浅野 美知恵 山崎 智子 本田 彰子
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、糖尿病足病変ハイリスク患者が自分らしく健康的な生活を維持することを目指した合併症重症化予防のためのセルフモニタリング機能を促進する看護支援プログラム考案を目的としたものである。まず、セルフモニタリングを促進する要素を抽出するため、糖尿病足病変ハイリスク患者を対象に、セルフモニタリングの実際を調査した。さらにフットケア外来に専従する看護師を対象に、フットケア外来での実施状況や支援内容についての全国調査を実施した。これらの結果からセルフモニタリング機能促進の主要要素を抽出し、看護支援プログラムを考案し、フットケア外来に通院中の糖尿病患者に本プログラムに基づく支援を実施した。
著者
西保 岳 林 恵嗣 本田 靖 近藤 徳彦 小川 剛司 前田 清司
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

体温上昇性の換気亢進による動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)低下が脳血流などの循環反応に及ぼす影響、さらに、意識的な呼吸調節によってPaCO2を増加させることで、脳血流量や血圧反応が改善されるかどうかについて検討した。暑熱下一定負荷運動時及び安静時体温上昇時において、深部体温上昇性の換気亢進反応を意識的な呼吸調節によって抑制できること、さらに,このように意識的に換気亢進を抑えることで、深部体温上昇に伴う脳血流量の低下が抑制されることが初めて示唆された。
著者
小林 一郎 田中 尚人 星野 裕司 ギエルム アンドレ マルラン シリル 本田 泰寛 岩田 圭佑 永村 景子
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究は,高齢化・過疎化の著しい中山間地の農村を対象に,歴史的構造物や文化的景観を含む土木遺産を基盤とした,地域コミュニティと基礎自治体の協働による持続可能な観光支援システムを構築することを目的とする.そのために,地方分権により既存の道路ネットワークと農村の持つ利点を活かした観光支援政策,事業の先進地であるフランスに範を求め,同地と地理的・歴史的に共通点を多く有する熊本県,鹿児島県の中山間地域の農村を事例として,日仏の事例分析を行う.さらに,フランスにおける現地事例調査,国内における実践的地域づくり活動を通して,農村観光支援のための政策,人材育成,道路ネットワークの活用手法を提案する.本研究の研究対象地は,全て農業を主産業として発展してきており,道路や橋梁,運河,水利施設などを社会的資産としてストックしてきている.フランスにおける先進事例分析として文化的景観保全調査を行い,観光支援に繋がる社会的資産を分析,評価する.さらに,自立した農村観光を成功させている基礎自治体の政策立案・実施システムについて調査する.国内では,文化的景観保全調査及び,先進事例分析を受けて,日本でも実施可能な政策としていくための,地域コミュニティと基礎自治体の協働による地域づくりとして実践する.さらに,このシステム開発に有用と考えられる,研究者,行政担当者,実務者の交流を行う.研究の成果として,フランスの文化的景観制度ともいえるシット制度について,策定手法,住民参加の意味合い,歴史・景観の価値共有手法を整理した.この文化的景観保全地域の現地踏査を行うとともに,海外事例との比較調査を実施し,さらにフランスにおける景域保全計画策定への地域住民参画について整理した.日本においては,各地において,着地型観光の担い手となる観光ボランティアガイド導入の支援を行い,農業や各地の生活・生業の持続可能性に着目した地域内外の交流促進に資する視点・手法の提供を行った.
著者
長野 泰彦 菊澤 律子 西尾 哲夫 武内 紹人 高橋 慶治 立川 武蔵 白井 聡子 池田 巧 武内 紹人 池田 巧 高橋 慶治 立川 武蔵 白井 聡子 本田 伊早夫 桐生 和幸 R. LaPolla M. Prins 戴 慶厦 G. Jacques 才譲 太 S. Karmay M. Turin 鈴木 博之 津曲 真一
出版者
国立民族学博物館
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2004

チベット・ビルマ語族は、中国・青海省からパキスタン東北部にわたる広い地域に分布する。この語族の歴史はその大枠がようやく明らかになってきたものの、未解読文献言語や記述のない言語が多数残っている。本計画は(1)未記述言語の調査、(2)未解読古文献(シャンシュン語)の解読、(3)チベット語圏の言語基層動態解明、を目標として研究を行い、幾つかの知られていなかった言語を発見して記述、新シャンシュン語(14 世紀)語彙集集成、古シャンシュン語の文法的特徴の抽出、に成功しただけでなく、歴史言語学方法論に接触・基層という視点を導入することの意義に関して提言を行うことができた。
著者
本田 弘之 泉 文明
出版者
杏林大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

3年間にわたり、5回、のべ3ケ月にわたるフィールドワークをおこなった。フィールドとして選定したのは、中国黒龍江省および遼寧省である。他に対照地域として、吉林省、上海市などでも調査をおこなった。調査の内容は、日本語教育機関における参与観察と日本語教員に対するインタビューである。「満州国」時代、日本語教育は日本人によって、侵略政策の一環としておこなわれた。したがって、1945年以降、日本語教育は一度消滅する。しかし、文化大革命が終了した1980年代はじめ、中国で外国語教育が再開された。朝鮮族の民族中学では、1945年以前に日本語を学んだ人々が教師となり、ふたたび日本語を学びはじめた。日本語と朝鮮語は統語構造が類似しているため、朝鮮族にとって学びやすい言語である。そこで、朝鮮族の人々は、自分たちの民族教育を発展させるために、日本語教育を選択したのである。そして、その日本語教育は、時代とともに、大きく変容してきた。本研究により、いままで日本語教育史研究の空白となっていた、「満州国」における朝鮮人に対する日本語教育と、現在の中国朝鮮族の民族中学における日本語教育の関連性が、はじめて具体的に明らかになった。また、その日本語教育が、どのように変容し、自律していったかを、詳細に明らかにした。また、その調査にフィールドワークとライフヒストリー調査という質的研究法を用い、「学習者の立場から日本語教育史を考える」という新しい発想を具体化することができた。
著者
高橋 夕子 岡部 忠志 沖村 幸枝 本田 孝行 加藤 祐美子 川上 由行
出版者
Japanese Society of Environmental Infections
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.270-274, 1999-11-30 (Released:2010-07-21)
参考文献数
23
被引用文献数
1

日常業務における看護婦の手の細菌汚染状況を調べ, ゲル状および液状アルコール性消毒剤の消毒効果について検討した. まず, 女性2名, 男性1名で消毒剤の消毒効果について検討した. 両消毒剤とも女性ではメーカ推奨量で十分な効果が得られた. 手の大きい男性では不十分であったが, 増量することにより十分な消毒効果が得られた. つぎに看護婦8名を対象とし, 引継ぎ, 検温, 清潔業務別に細菌汚染について検討した. どの業務においても看護婦の手は10種類以上の細菌に汚染されており, 水を使用する清潔業務において最も強い細菌汚染が認められた. 院内感染で問題となるMRSAや.Pseudomonas aeruginosa汚染も単発的に認められた.Bacillus属を除く細菌に対して液状消毒剤, ゲル状消毒剤共に良好な消毒効果が得られた. 医療従事者は常に自らの手が細菌に汚染されていると考えるべきであり, 患者に接する場合, 安価な液状消毒剤, ベッドサイドで使用できるゲル状消毒剤を使い分けることにより, ある程度院内感染を防ぐことが可能であると考えられた.
著者
本田 靖
巻号頁・発行日
2012

科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書:基盤研究(B)2009-2011
著者
吉田 卓弘 梅本 淳 山井 礼道 清家 純一 本田 純子 丹黒 章 島田 光生 米田 亜樹子
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.40, no.9, pp.1576-1581, 2007-09-01
参考文献数
37
被引用文献数
5

非常にまれな胃異所性膵から発生した腺癌の1例を報告する.症例は64歳の男性で,胸膜炎の経過観察中に,胸部CTにて胃幽門部大彎側に径3.0cmの腫瘤を偶然に指摘された.上部消化管内視鏡検査,超音波内視鏡検査を施行したところ,幽門前底部になだらかな隆起性病変を認め,筋層を主座とする粘膜下腫瘍を認めた.Retrospectiveには2年前のCTでも存在しており,腫瘍径にほとんど変化を認めなかった.しかし,幽門狭窄症状を来したため,胃sastrointestinal stromal tumorの術前診断のもと腹腔鏡下幽門部分切除術を施行した.腫瘍の一部を術中迅速診断に提出したところ,胃異所性膵と考えられた.永久標本では粘膜下層から漿膜下にかけて腫瘍が存在し,一部に腺癌への移行像を認め,異所性膵から発生した高分化型腺癌と診断された.粘膜下腫瘍の治療においては,悪性腫瘍が併存する可能性も念頭におく必要がある.