著者
松香 敏彦 本田 秀仁
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

本研究では、個人が独自に行う学習と他者との交流から学習する2つ学習プロセスを統合したシミュレーションを行った。Small World的構造をもつ社会においては、個人差が有機的に作用し、社会が全体として獲得する知識はPareto-Optimal的であることが示された。
著者
松岡 聡 吉松 定昭 小野 哲 一見 和彦 藤原 宗弘 本田 恵二 多田 邦尚
出版者
日本海洋学会
雑誌
沿岸海洋研究 (ISSN:13422758)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.77-84, 2005-08-26
被引用文献数
13

2002年度冬季,香川県沿岸では例年にないノリの不作が起き,ノリの生産金額は,平年の6割にまで減少した.ノリの色落ちが認められた水域の分布を詳細に検討したところ,特に不作であった海域は小豆島の北部および南西部海域であり,この地区の生産金額は平年の3割程度であった.過去12年間における年間ノリ生産量と漁期中の積算降水量との間には,正の相関関係が認められ,陸上からの栄養塩の供給がノリ生産量に大きく影響していることが考えられた.ノリ色落ち被害が顕著であった海域を対象に海洋観測を行った結果,色落ち被害の発生直後の2003年1月では,対象海域の塩分は33psu以上と例年よりも高く,栄養塩濃度もNO_3濃度が例年と比較して,3μM未満と低かった.このことから,例年に比べて,対象海域への陸域からの栄養塩の供給が少なかったことが考えられた.一方,2003年の梅雨期の6月には,対象海域の塩分は低く,栄養塩濃度も高かった.さらに,ノリの生育がほぼ正常であった翌年の1月では,2003年1月に比べて塩分は低く,栄養塩濃度も高くなっていた.以上の結果から,2002年度にノリの色落ちは,秋期の降水量が少なかった事が主な原因と考えられ,ノリの色落ち被害が顕著であった海域のノリ生産には,岡山県側の旭川・吉井川河口域(岡山水道)からの栄養塩供給が重要な影響を及ぼしていることが考えられた.
著者
千葉 芳明 本田 亮
出版者
宮城教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

スライドプロジェクター、太陽電池と偏光板を用いて光が横波として伝わる実験教材を開発した。 また、多目的教育用分光器を用いて豆電球の発光スペクトルから、プランクの法則やウィーンの変位則を追究する学生実験を開発した。さらに、小型電磁石を用いたファラデー回転の観測から磁気と光の相互作用を理解するための教材を開発した。
著者
田村 泰盛 服部 誠 今野 浩太郎 本田 洋 河野 義明
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.191-199, 2004-08-25
被引用文献数
8

ブタクサハムシの寄主植物を含むキク科6連11属17種の植物のメタノール抽出物に対する、ブタクサハムシの摂食反応を調べた。メタノール抽出物を添加したろ紙上に残されたブタクサハムシの摂食痕数により摂食刺激活性を評価した。ブタクサの抽出物の摂食刺激活性が最も高く、野外で食害が報告されているオオブタクサ、オオオナモミ、イガオナモミはブタクサの約55-80%の高い活性を示した他、ヒマワリもブタクサの約20%の活性を示した。また、野外で摂食が確認されていない種でもイヌキクイモとゴボウの抽出物が高い摂食刺激活性を示し、レタスのカイザー品種でもブタクサの約10%の活性が認められた。その他の9種のキク科植物のメタノール抽出物は活性を示さなかった。ブタクサハムシの摂食刺激物質である2種のトリテルペノイド(α-amyrin aceaeとβ-amyrin aceae)と2種のカフェー酸誘導体(chlorogenic acidと3、5-dicaffeoylquinic acid)を上記植物について分析したところ、これらの物質は濃度や組成比が異なるものの、多くのキク科植物にも含まれていた。ブタクサのメタノール抽出物に、各種キク科植物のメタノール抽出物を添加したところ、幾つかの種でブタクサハムシの摂食が抑制された。ブタクサハムシの食草の選択は、摂食刺激物質の存在だけでなく、摂食行動を抑制する因子の影響も受けると考えられる。
著者
本田 裕子 林 宇一
出版者
公益財団法人 山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.74-100, 2009-09-20 (Released:2011-09-20)
参考文献数
9
被引用文献数
5 2

To evaluate people's opinions concerning the release of the Japanese Crested Ibis Nipponia nippon, a questionnaire was mailed throughout Sado City, Niigata Prefecture, Japan. The 1,000 target individuals were selected randomly from within the 20 to 79 year age group. Results from the 591 respondents indicated almost 74% to have appreciated the release, and only 26% have neither agreed nor disagreed. The most common reason people gave for their appreciation was “they have lived here”, though only 16% of the people had actually seen the Japanese Crested Ibis in the wild. Their concerns related to the release were related mainly toward the success of the release rather than to any harm the birds might cause to crops. Especially, they worried about the released Japanese Crested Ibis survival. These results may be affected by the media like TV. Many people treated Japanese Crested Ibis as a local symbol, or a symbol of nature, and only a few viewed the bird as a potentially commercial venurte. Similar results were obtained from a questionnaire on the Oriental Storks Ciconia boyciana in Toyooka City. The releases in the past have been done far from the villages. This Japanese Crested Ibis release is the second case done near the villages, just after the release of the Oriental Storks. The sequential research will be done to compare the two questionnaires relating to the Oriental Stork and the Japanese Crested Ibis.
著者
一場 利幸 森 孝夫 高瀬 英希 鴫原 一人 本田 晋也 高田 広章
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J95-D, no.3, pp.387-399, 2012-03-01

複数のプログラムが並列若しくは並行動作する環境では,プログラムの実行順序に依存してパスが定まる分岐が存在することがある.ソフトウェアテストでは分岐を網羅することが求められ,プログラムを繰り返し実行する手法が考えられるが,特定のパスを決定的に実行することができない.また,プログラムの実際の実行順序を知ることが困難であるため,実行順序に依存する分岐に関するテストを効率的に行うことができない.本論文では,テストプログラムからプロセッサの実行を制御することで,プログラム中の特定のパスを決定的に実行する機構を用いたテスト効率化手法を提案する.提案手法により,マルチプロセッサ向けリアルタイムOSであるTOPPERS/FMPカーネルにおけるプロセッサの実行順序に依存したパスを全て決定的に実行することができ,テストの効率化が可能であることを確認した.
著者
本田 陽子
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要. 第2部 (ISSN:05776856)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.29-32, 1977-12-20

千葉県長生郡東浪見町産のBlasia pussila L.ウスバゼニゴケを用いて,集積培養ののち,Silica平板培養により,内在藍藻を純粋培養にみちびいた。得られた藍藻は,種々の観察の結果,葉耳腔内に生育するNostoc sphaericum Vauchi.と同定した。しかし,どのような経過を経て,葉状体中に浸入したか,更に本種とBlasia pusilla L.との関係にっいては更に研究を続行している。
著者
奥津 文子 星野 明子 江川 隆子 荒川 千登世 横井 和美 本田 可奈子 山田 豊子 赤澤 千春 山本 多香子
出版者
滋賀県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

リンパ浮腫セルフケア支援における携帯電話使用群・通常支援群共、6か月間に蜂窩織炎等の合併症を発症した者はいなかった。周囲径については、有意差は見られなかったが、インピーダンスによる水分量については、携帯電話使用群が有意に減少しており、浮腫が改善していることが分かった。セルフケア実施状況については、携帯電話使用群が有意に実施状況が高かった。抑うつ状態については、携帯電話使用群が有意に低かった。以上より、リンパ浮腫患者に対する携帯電話による支援は、セルフケア実施や継続、水分量の減少、および抑うつ症状の改善に有効であることが分かった。
著者
本田 光子
出版者
東京芸術大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

昨年度にひきつづき、十七世紀初頭に活躍した絵師、俵屋宗達の主要作品を分析対象とした。本年度の成果の一部は「宗達筆「源氏物語関屋・澪標図屏風」の造形手法」として『東京藝術大学美術学部論叢』7号(2011年刊行予定)に掲載される。「源氏物語関屋・澪図屏風」(静嘉堂文庫美術館蔵)は古典物語を主題とする金地大画面作品として重要な作例であり、もと伝来した醍醐寺に関わる資料が発見されたことで制作年や注文主がほぼ特定され、近年注目を集めている。本研究では、源氏絵および物語の舞台となった住吉を描く関連作例が相次いで紹介されていることをうけ、主に造形面から作品に考察を加えた。論点はモチーフの配置方法、背景の設定、両隻で相似形となる構図であり、相似形の構図が左右隻の入れ替えを可能としていることを指摘した。すなわち物語の順では「関屋図」が右に位置するが、これまで図版掲載や展覧会では左に置かれることが多かったのである。その理由と、どちらの配置をも想定させる造形要素について論じ、宗達の機知的な表現手法を浮き彫りにした。本年度はさらに、昨年調査を行った宗達筆「雲龍図屏風」(フリーア美術館蔵)を中心に、宗達と他の琳派の絵師による水墨画について、「たらしこみ」技法を軸とする分析をすすめた。主に用語が近代以降に定着する様相、技法成立に関する諸説の分析、宗達活躍期とそれ以後の用法の違いについて、現在論考をまとめている。
著者
石川 拓也 安積 卓也 一場 利幸 柴田 誠也 本田 晋也 高田 広章
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.4_158-4_174, 2011-10-25 (Released:2011-11-30)

本論文では,組込み向けコンポーネントシステムであるTECSの仕様に基づいて開発した,LEGO社製MindstormsNXT用ソフトウェアプラットフォームATON(ASP+TECS On NXT)について述べる.ATONは,TECSを用いることにより,未使用デバイスのデバイスドライバの取り外しによるメモリ使用量の削減を可能とし,また,モデルを用いたソフトウェア開発との親和性を高めている.これらを実現するために,タスクやセマフォなどのリアルタイムOSの扱うオブジェクトやNXTに搭載されているデバイスのデバイスドライバをTECS仕様に従ってコンポーネント化している.倒立二輪ライントレースロボットの制御ソフトウェアをATON上に実装する事例によりATONの有用性を示した.
著者
本田 真也
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.126-129, 2009 (Released:2009-05-25)
参考文献数
16

On the ideology of minimalism, we have designed a micro-protein consisting of only 10 amino acids. The molecule, CLN025, exhibits a β-hairpin structure in both crystalline state and aqueous solution. Thermal unfolding is shown to be reversible and can be fitted as a two-state transition. Molecular dynamics simulation starting from an extended conformation leads to a funnel-shaped surface and scale-free network, being the structures located at the bottom and the hub similar to the experimental ones. Considering these consequences, we proposed the concept of “ideal protein” as a way to clarify the differences between “protein” and “peptide”.
著者
本田 喜久 川島 英之 今井 倫太 安西 祐一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.207, pp.49-54, 2002-07-10

近年,キャッシュを意識して探索を高速化するメモリ索引構造が提案されている.中でも,1999年に提案されたFull Cache Sensitive Search Tree(CSS-tree)は,探索時間がデータサイズによってはハッシュよりも短く,また索引構造のために必要なメモリ空間使用量がB-treeよりも少ない点で優れている.他方,更新処理が遅いため,CSS-treeが有用であるのはオンライン解析処理のように更新処理が極めて少ない状況に限られると言われている.しかし,更新処理を追加処理のみに限定すれば,索引構造の再構築時間を減らすことができる.そこで本研究では,追加処理のみが発生する状況において,CSS-treeへの挿入処理を高速化する手法を提案する.提案手法は,(1)配列とCSS-treeのノードの拡張に要するコストを減らすために,あらかじめ余分な索引構造領域を獲得しておき,(2)配列とCSS-treeの葉ノードの再マップに要するコストを減らすために,CSS-treeの葉ノードの領域をなくし,CSS-treeの内部ノードのスロットに,配列のキー値を格納する.提案手法の有効性を評価するために,C言語とアセンブラを用いて,SunOS 5.6上に実験用データベースシステムを実装し,挿入処理時間を測定した.実験の結果,提案手法は,更新処理を追加処理に限定しない再構築手法と比べて,最大で7.18倍速くなることがわかった.
著者
渡邉 秀美代 斎藤 琢 池田 敏之 小笠原 徹 内田 俊也 池田 敏之 小笠原 徹 内田 俊也 鈴木 信周 本田 善一郎
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

腎臓の近位尿細管、ヘンレ上行脚、遠位尿細管に組織特異的に目的遺伝子を発現する方法と、発現させるためのコンストラクトを開発した。まずGFPを組織特異的に発現させてその発現特異性を確認したが、次にカルシウム感知受容体の活性型変異をもつコンストラクトを作成し、この表現型をみることで腎臓におけるカルシウム感知受容体の各部位における機能を比較検討する(この課程は現在途上である)。
著者
伊藤 善也 奥野 晃正 村上 優利香 内山 聖 岡田 知雄 坂本 元子 梁 茂雄 衣笠 昭彦 貴田 嘉一 大関 武彦 本田 悳 村田 光範
出版者
日本小児保健協会
雑誌
小児保健研究 (ISSN:00374113)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.752-756, 1996-11-30
参考文献数
11
被引用文献数
26

平成2年度厚生省身体発育調査結果から得られた身長別体重表を基礎資料として身長に対応する平均体重を求めた。さらに各身長と平均体重の二次回帰分析により体重の身長への回帰を二次相関式として表した。その二次回帰式は男児ではy=1.83×10^<-3>x^2-0.071x+4.43,女児ではy=2.34×10^<-3>x^2-0.157x+7.71(y:標準体重(kg),x:実測身長(cm))である。この二次回帰式を標準体重を表わす標準身長体重曲線とし,これに肥満度?30%,+20%,+15%,-15%と-20%の曲線を加えたチャートを肥満度判定用に作成した。この肥満度判定チャートを用いれば視覚的に容易に肥満度を判定できる。また経過観察や教育指導用の材料として用いることができる。
著者
本田 亜紀子
出版者
独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

骨と運動特性(力学的負荷)の関連を検討するため、トップアスリートを対象にMRIを用いた大腿中央部の骨形態および力学的指標の解析と骨代謝マーカーを測定した。力学的負荷の相違から、アスリートを5群に分けた。その結果、男女とも骨に加わる衝撃が高い群ほど低い群と比較して、皮質骨面積や皮質骨外周囲が増加し、力学的指標が大きいことが明らかとなった。一方、骨代謝マーカーには群間の差はほとんどみられなかった。
著者
本田 康秀
出版者
日本下水道協会
雑誌
下水道協会誌 (ISSN:00214639)
巻号頁・発行日
vol.48, no.584, pp.7-9, 2011-06-15