著者
近藤 哲 蜂須賀 喜多男 山口 晃弘 堀 明洋 広瀬 省吾 深田 伸二 宮地 正彦 碓氷 章彦 渡辺 英世 石橋 宏之 加藤 純爾 神田 裕 松下 昌裕 中野 哲 武田 功 小沢 洋
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.17, no.11, pp.1987-1995, 1984-11-01
被引用文献数
23

原発性十二指腸癌7切除例を対象として臨床的検討を行った. 5例は UGI, 内視鏡, 生検の3者で診断可能であったが, 2例は膵癌の十二指腸浸潤との鑑別が困難であった. しかし US と CT で膵癌を否定しえた. 血管造影では4例中2例が十二指腸原発と確認しえた. さらに切除可能性, 根治性を推定するのに有用であった. リンパ節転移は全例に認められ, 非治癒切除4例中3例の非治癒因子, 治癒切除後再発2例中1例の再発因子となっていたした. したがって, 乳頭上部癌では膵頭部癌第1群リンパ節郭清をともなう膵頭十二指腸切除を原則とし, 乳頭下部癌では腸間膜根部リンパ節をより徹底郭清し状況によっては血管合併切除再建が必要と思われた.
著者
牛込 三和子 笠井 秀子 松下 祥子 輪湖 史子 加藤 修一 川村 佐和子 長谷川 美津子 徳山 祥子 江澤 和江
出版者
(財)東京都医学研究機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

〔目的・方法〕近年、医療保険制度の改訂など在宅療養支援体制の拡充により、在宅看護対象者に人工呼吸器装着や酸素療法などを必要とする高度の呼吸障害を有する人々が増加している。慢性・進行性の呼吸障害を有する神経・筋疾患在宅療養者における呼吸障害の進行を非侵襲的測定方法によって把握し、換気療法など適切な医療処置の導入やその安全な実胞における看護活動での使用の有用性について検討した。対象は進行性筋ジストロフィ13例(デュシャンヌ型10例、福山型3例)、筋萎縮性側索硬化症10例で、病状進行にそって、長期的に経過を追って資料を収集、神経難病専門看護婦、神経専門医と討論し考察した。〔結果・考察〕1.呼吸障害の早期把握には、進行性筋ジストロフィにおいては、呼吸障害出現前からバイタルサイン、自覚症状観察に加えて換気量計(レスピロメトリ)を用いた1回換気量(TV)および努力換気量(MAX VC)測定、呼吸障害兆候出現が予測される時期からはPCF(peak cough flow)による咳嗽力評価、経皮血中酸素飽和度(パルスオキシメトリ)の夜間睡眠中終夜測定、経皮血中二酸化炭素分圧測定を定期的に行うことが有用である。筋萎縮性側索硬化症においては、病初期から自覚症状の観察と換気量計によるTV、MAX VC、呼吸障害初期徴候出現時期から夜間睡眠中終夜の経皮血中酸素飽和度(パルスオキシメトリ)および経皮血中二酸化炭素分圧の測定を定則的に行うことが有用である。在宅人工呼吸療法導入期看護プロトコールの基礎資料として提示した。2.人工換気補助療法実施者においては、さらなる呼吸障害の進行に伴う換気補助方法変更の判断指標として、経皮動脈血酸素飽和度および経皮血中二酸化炭素分圧測定を定期的に行うことが有用である。3.在宅看護では、測定結果を解釈し、診療計画や看護計画に反映するうえで、ケアチーム各員の相互共働と時間的余裕を見込んだ活動が不可欠である。また、療養者のセルフマネジメント能力を高めることへの支援が重要であり、今後の課題として取り組んでいる。
著者
市村 哲 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.33, no.7, pp.955-963, 1992-07-15
被引用文献数
9

今や電子メイルはコミュニケーション媒体としてオフィスなどで広く用いられるようになってきたところが既存の電子メイルは 一方向にメッセージを転送するための手段を提供しているにすぎず 人間の対話や協調活動そのものを支援する機能を備えていないこの問題に対し 人間の意図を正確に伝えることができるような電子メイルシステムを構築するという方向からアプローチを行ったわれわれは メッセージを受け取った受信者がどのように振る舞えばよいのかを送信者がナビゲートできる仕組みを電子メイル上に実現し PilotMailシステムと名付けたPilotMailを使用することにより 送信者は誤りなく意志を受信者に伝えることができ また 電子メイル上での人と人の情報交換作業が迅速かつ柔軟に虹るシステムは オブジェクトを転送する機能と クラス階層化管理機能をサポートしており Objectworks/Smalltalk上で実装されたさらに 会話の遷移モデルに基づく会話管理機能とプロシジャを転送できる機能を融合し より人間の協調構造に密着した対話支援を可能にしたPilotMailはグループの協同作業を支授することが目的であり これまでにわれわれが行った利用実験から 協同作業促進のために有効であると評価された本論文では 設計思想 特徴的機能 システムの適用・評価について論じる
著者
宇田 隆哉 砂田 智 井上 亮文 重野 寛 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.8, pp.2237-2245, 2000-08-15

デジタル記憶媒体の小型化,大容量化,低価格化にともない,近年,デジタル音楽をネットワークを通じて安全に配信する仕組みが研究されている.デジタル音楽は劣化することなくネットワーク上を流通できる利点を持つ反面,複製が非常に容易であり,つねに著作権侵害の危機にさらされている.また,ハードウェアを用いてセキュリティを実現しているシステムは,規格の不統一や規格のバージョンアップなどの際に機器全体を買い換えなければならず,ユーザへの浸透に歯止めをかけている.そこで,本論文では安全で安価なソフトウェアベースのデジタル音楽コンテンツ配信を提案する.公開ネットワーク上を自由に流通可能な自己展開型の音楽コンテンツカプセルと,定期的にアップデート可能なセキュリティモジュールを保持する音楽プレイヤの使用により,不正利用からコンテンツを保護するとともに,確実な利用履歴の回収により,聴いた回数に応じた課金(PayPerListen)や課金の一部を肩代わりするなどのような,ユーザへの幅広い課金方式を実現する.さらに,ユーザが気に入った曲を加工して,新しい音楽コンテンツとして容易に二次利用可能な環境も実現している.コンテンツの利用や課金の方式に自由度を持たせ,ソフトウェアベースによる安価で安全な音楽の流通方式は,次世代の音楽流通プラットフォームを形成する主要な条件を満足していると考えられる.Downsizing, down-pricing and volume-increasing of digital mediahave promoted the study of some secure delivery systems of digitalmusic contents through networks.Digital music has an advantage of being delivered through networkswith no debasement of music quality, but the fact that it could becopied easily brings the copyright violation.The existent systems using hardware security protection are notconvenient for users, because security standard for digital musichas not been established and revising the standard is difficult.So, this paper describes a secure and inexpensivesoftware-based digital music contents delivery systems.Self-extracting capsules freely delivered through opennetworks and security modules updated regularly are used in ourmusic player system. They protect the music contents from illegal use.A user can choose PayPerListen for payment or can take over otheruser's payment.Furthermore, a user can easily arrange the music for secondhand use.Consequently, our software-based music delivery system,being flexible, inexpensive and secure, will certainly bring thesatisfactory conditions to be a new music platform for the nextgeneration.

1 0 0 0 OA 尿膜管癌の2例

著者
松尾 康滋 清水 嘉門 松下 磐 辻 裕明 今井 強一 山中 英寿
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, pp.1227-1229, 1988-07

Two cases urachal carcinoma are presented. Both of them had complaints of macrohematuria. One patient received partial cystectomy, and the other patient had radical cystectomy, peritoneo-umbiliectomy, and ureterosigmoidstomy after CDDP and ADM intraarterial injection. The former patient was found to have distant metastasis 7 months after operation. The latter patient has been disease-free for 4 months. The most important point to cure urachal carcinoma is accurate staging and sufficient first treatment, especially pre-operative intraarterial chemotherapy.
著者
高木 光博 向井 周平 伏見 康生 松下 幸平 三好 宣彰 安田 宣紘 北島 秀生 高牟礼 千郎 松下 俊彦 北村 延夫 出口 栄三郎
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.69, no.12, pp.1281-1286, 2007-12-25

慢性鼓脹症状を呈する11か月齢黒毛和種牛の臨床,病理学的な検索を行った.同一飼料給与下の同月齢正常牛と比較して,飼料摂取量,排泄量は同等であったが,本牛の糞中には未消化な長い繊維が多く含まれていた.第1胃,2胃および4胃に肉眼的著変は無く,第3胃葉の重度形成不全と未発達な第2胃溝を認めた.第3胃乳頭部の組織構築に異常はみられなかった.牛の第3胃葉形成不全は鼓脹症の原因となる可能性が示された.
著者
松下 千吉
出版者
聖トマス大学
雑誌
サピエンチア : 英知大学論叢 (ISSN:02862204)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.1-25, 2003-02-28

イギリス19世紀の詩人ジョン・クレアが,幼少時の初恋と失恋,その初恋の楽園であり生活の場であった田園自然の「囲い込み」による喪失,という二重の喪失の苦しみを越えて,その彼岸にある霊的な「原初の愛」の楽園を希求する過程を考察したもの。
著者
白 晶 松下 正彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.578, pp.333-338, 2007-03-01

現在、P2Pネットワークにおけるファイル交換は、サイズの大きいファイルの送受信が中心になってきている。各ピアは相手にファイルを転送する速度を制限するので、単一のピア間のファイル転送は遅いという現状がある。また、従来のピア間でファイルを転送する方法は、一対一の関係で行っているので、転送速度が遅いという欠点もある。本論文では、これらの問題を解決するため、協力ピアの利用手法を提案している。具体的には、P2Pネットワーク上で、ダウンロードしたいファイルのサイズと転送平均速度に基づき、ファイルを分割する。そして、協力ピアを決めて、各協力ピアにダウンロードしたいファイルの一部分を転送してもらうことにする。本稿では、転送系の構成法を示し、シミュレーションによって、高速化が達成できることを示す。
著者
松下 幸司
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿児島大学農学部演習林報告 (ISSN:03899454)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.191-211, 1992-03-30
被引用文献数
2

減反率法によって木材の供給予測を行う際には伐採齢の平均と標準偏差が必要である。減反率法の直接的な適用が有効なのは,この統計値が安定している場合である。北海道のカラマツを事例に,伐採齢級の平均と標準偏差の時系列的変化を推計した。用いた資料は,1970年度以降の年度末現在の齢級構成表である。分析の結果,北海道のカラマツ人工林の伐採動向に関し,以下の点が明らかになった。1.伐採面積,造林面積ともに減少傾向にある。伐採面積が造林面積をかなり上回っており,カラマツ人工林面積の減少が続いている。2.カラマツの伐採齢級の平均はIV齢級からV齢級へと近年上昇傾向にある。若齢級での伐採が減少してることが影響している。なお,伐採齢級の標準偏差については余り変化が見られない。3.齢級別伐採率からみるとピークがVII齢級から,VIII,IX齢級と上昇している。ピーク齢級での伐採率は低下している。齢級を問わず,全齢級で一定の最低伐採率を観察することができる。4.民有林については,価格の低下に従って,伐採齢級の上昇と伐採面積の減少を観察することができる。ただし,国有林,道有林では一概に言えない。伐採齢の平均と標準偏差から将来の供給予測を行う際には,伐採齢の継続的調査によって,モデルの仮定が大きく変化していないことを常に確認する必要がある。変化が見られる場合には,その変化要因の分析が必要である。
著者
大井 諭 松下 晃三 閨谷 洋 船井 和仁 高持 一矢 鈴木 一也 数井 暉久
出版者
特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.694-697, 2006-05-15
被引用文献数
4

今回我々は,右自然気胸術後の切除標本で偶然発見されたmalignant solitary fibrous tumorの1例を経験した.症例は48歳男性.右自然気胸の手術は胸腔鏡下で上葉にある肺嚢胞を広範囲にわたり切除した.術前および術中は腫瘍の存在には気づかず,術後の病理診断で腫瘍の存在が明らかとなった.この患者はその後,約6ヵ月経過して胸腔内に局所再発し,放射線化学療法と手術療法を行ったが再々発し,気胸手術後約1年経過して亡くなった.solitary fibrous tumorは,再発を繰り返し時として悪性化する場合もありえるので長期間の経過観察が重要である.
著者
山口 晃典 内田 誠一 植竹 朋文 松下 知紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.432, pp.1-6, 2009-02-12

中世代に作成された初期活字印刷本について,文字の形状解析および文字認識手法について検討する.初期活字印刷本中の文字形状には,様々な要因による字形変動が存在し,認識の妨げとなっている.また,既に2値化された画像しか存在しない,対象とする資料以外からは文字情報を得ることができない,などという状況も考えられる.そこで本研究では,2値化された文字画像の最外郭輪郭線の形状に着目し,形状解析および文字認識を行う.具体的には,資料の冒頭数ページから切り出してラベル付けした文字画像を辞書サンプルとして,同カテゴリ内文字の位相変化別変位の抽出,そしてそれらの情報を用いて資料の残りのページから切り出した文字画像に対して認識を行う.この方法により,掠れや途切れを起こしているパターンの情報も利用して文字形状解析・認識を行うことができる.本報告では,実際に実験を行った結果についても述べる.
著者
重野 寛 吉田 徳文 大平 千里 横山 光男 松下 温
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.40, pp.1407-1408, 1990-03-14

ネットワークレイアウトの自由度を考慮した場合、無線通信はケーブルで物理的に接続する必要がないため、端末の持ち運びが可能になり、通信媒体として有望である。しかし、無線のみによるネットワークシステムは、回線品質の問題や、通信開始、終了時におけるオーバーヘッドの存在により実用的なシステムを実現するのが困難と思われている。そこで、レイアウトの自由度を損なうことなく満足のいくスループットを確保するために、上位ネットワークの通信には既存のLANを用い、下位ネットワークには、通信媒体として無線を用いるような2層構造を構造を持つネットワークシステムを提案する。
著者
平岩 真一 阿倍 博信 小高 俊之 野村 恭彦 横山 光男 松下 温
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.40, pp.777-778, 1990-03-14

現在のデータベースでは、情報が要求に対してマッチしているか否かの2値的な判断のみを行っているため、あいまいな概念(大きいとか、かっこいいなど)を含んだ要求を処理することが、非常に困難である。そのため、近年、あいまいさを含んだ検索要求が可能な、ファジィ理論を用いたデータベースがいくつか提案されている。しかし、何かを選んだり、買ったりするような場合には、より抽象的な概念による検索項目が必要となる。こうしたあいまいな検索要求に応えるため、本稿では、従来のファジィデータベースにおけるand、orの見直しと、検索項目の生成について提案する。
著者
Oros Jorge 松下 悟 Rodriguez Jose L. Rodriguez Francisco Fernandez Antonio
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.58, no.12, pp.1219-1221, 1996-12-25
被引用文献数
1

ラットカーバチルス抗原を, 標識ストレプトアビジンビオチン(LSAB)法と3-アミノ-9-エチルカルバゾル(AEC)を基質とした免疫ペルオキシダーゼ法を用いて, 免疫組織化学的に検出した. 免疫染色陽性部位は気管支の線毛上皮に限局しており, ラットカーバチルスに対する特異性が確認された. 本法はラットカーバチルスの検出に有用で, 間接免疫蛍光法より有利であると思われた.