著者
松下 光範 馬野 元秀 鳩野逸生 田村 坦之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.988-997, 1996-06-15

Reteアルゴリズムをはじめとする従来のプロダクション・システムの高速化手法では ルールの条件部をデータフローネットワークに展開し 作業記憶要素をトークンとして流している.これらの高速化手法は有効であるが 作業記憶の更新が頻繁に起こるような場合には そのネットワーク中の定数をテストするノードにおいてまだ無駄な処理を行っている.そこでこの無駄な処理を解消するために マッチング候補の概念を用いたデータフローネットワークによる高速推論アルゴリズムを提案する.このネットワークでは Reteネットワークでは定数をテストするノードとして同一に扱われているノードをパターン間テストノードとパターン内テストノードに分類して それらの間にマッチング候補メモリノードを持つことで 無駄な処理を行うことを従来手法に比べて少なくすることができる. また マッチする作業記憶要素と条件パターンの組を少ない比較回数で特定するために ID3決定木作成アルゴリズムの考え方を用いたパターン間テストノード作成アルゴリズムを提案する.Some fast pattern matching algorithms have been proposed to improve the reasoning speed of production systems. In almost all of these methods, rule conditions are represented in a data-flow network and elements in a working memory flow through this network as tokens. These algorithms are effective, however, excessive constant testing still cannot be avoided for instances when the working memory must be frequently updated. This paper proposes a fast pattern matching algorithm for a production system. It uses an improved reasoning network employing matched candidates to circumvent such constant testing which is inherent in conventional networks. Using an example conventional network, the Rete network, we classify constant-test nodes into inter-pattern test nodes and intra-pattern test nodes. Then we introduce memory nodes for matching candidates between these test node classes. This is done in order to find unnecessary matching patterns more quickly. The ID3 algorithm is used to make an efficient inter-pattern test network which is capable of finding patterns in the rule conditions for the working memory element. This algorithm is implemented in Austin Kyoto Common Lisp (AKCL) and is applied to several rule bases with good results.
著者
松下 詩穂
出版者
早稲田大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究では,残存能力に適した移乗支援装置とロボット選定アルゴリズムの構築と起立動作誘導ロボットを開発した.身体負担評価実験より,起立動作を(1)自立起立(2)昇降座椅子を使用した起立(3)手すりを使用した起立(4)起立動作誘導ロボットを使用した起立に分類し,残存能力(足部耐荷重と重心動揺幅,臀部耐荷重と重心動揺幅,手部耐荷重,足と膝関節可動域)計測システムを開発し,足と膝関節残存能力の違いによる起立支援装置とロボット選定フローチャートを構築した.
著者
寺島 亜耶香 上間 大生 松下 光範
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

本研究の目的はディジタルコミックに対して動的な表現を付与できる制作支援システムの実現である。ディジタルコミックの普及は著しいが、その大半は紙媒体のコミックを電子化したのみに留まっている。ディジタル特有の表現方法が確立していない事や、その制作ツールが実現していない事がこの問題の大きな要因だと考えられる。この問題を解消するため、ユーザが描画する効果線を基に動的な音喩を付与できるシステムを提案する。
著者
松下 太
出版者
四條畷学園大学
雑誌
四條畷学園大学リハビリテーション学部紀要 (ISSN:18806856)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.33-42, 2007

近年,認知症を対象とした非薬物療法が盛んに実施されているが,運動機能が低下し,言語機能が崩壊し,意思疎通が困難となる最重度期の認知症に対しては,各種の非薬物療法の適応は難しくなる.今回,最重度認知症に対しての有効性が示唆される感覚刺激の効果を検討するため,介護老人福祉施設入所中の最重度認知症高齢者10名に複数の感覚刺激を与える介入実験を実施し,認知症用に開発されたQOL尺度を用いて感覚刺激の有効性を検討した.その結果,感覚刺激による有効性は認められなかったが,認知症の重症度とQOLについて有意な相関を認め,認知症の重症度が高いほど,陽性感情の表出あるいは表情の変化がQOLの要素として重要であることが示唆された.また,最重度認知症では,失われていく機能そのものがQOLの要素に反映されることが示され,最重度認知症においては,行動面に変化がなくても,発話や反応,表情の変化を示すことが重要な意味を持つと思われた.
著者
小野 薫 泉屋 周一 秦泉寺 雅夫 松下 大介 石川 剛郎 山口 佳三 高倉 樹
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009-04-01

symplectic 構造は、古典力学における Hamilton の運動方程式の定式化などで重要な幾何構造である。近年は、symplectic 構造そのものの幾何学的研究が進展し、ミラー対称性の数学的研究と相俟って多くの研究者が関心を持つ対象となっている。研究代表者は、symplectic 幾何学で特に重要な Floer 理論とその応用の研究を続けている。今研究計画においては、Floer 理論をトーリック多様体とその Lagrange トーラスファイバーに対して、具体的な研究をし、いくつもの興味ある結果を得た。
著者
松下 吉樹 本多 直人 藤田 薫
出版者
水産総合研究センター
雑誌
水産総合研究センター研究報告 (ISSN:13469894)
巻号頁・発行日
no.10, pp.15-17, 2004-03
被引用文献数
3

3種類の刺網を千葉県館山湾奥部の水域に20~37日間設置した。その後潜水観察を行い、羅網した生物と網成りの変化を記録した。刺網には27個体の魚類と甲殻類が設置後14日以内に羅網し、その後は観察されなかった。網目が展開している網の面積は、いずれの刺網も時間経過とともに減少して0となった。これは刺網が持つ漁獲機能のうち、特定の層を遊泳する生物の通路を遮断する機能と、生物を網目に刺させる機能が無くなったことを意味する。
著者
松山 美和 古谷野 潔 松下 恭之 山口 貞子
出版者
徳島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

補綴治療効果を栄養学的見地から評価することを目的として、自記式3日間食事記録にスケール付きの摂取食品の写真撮影を加え、摂取食品と摂取量を推定する方法を次世代型栄養評価法とした。 本法を用いて栄養摂取に対する補綴治療効果および治療後の専門的栄養指導効果を検討したところ、補綴治療は短期間では栄養摂取に影響を及ぼさないものの、補綴治療後の専門的栄養指導は患者の質的栄養改善に有効であることが示唆された。
著者
介弘 達哉 下畑 さより 松下 久明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.1, 1995-03-27
被引用文献数
2

現在、機械翻訳の実行化に関する様々な研究が行われている。その1つとして、我々は差分翻訳システムの開発に着手している。差分翻訳とは、文書の旧版の翻訳結果(対訳)を利用して、文書の新版の翻訳を効率良く行う方法である。旧版と新版の原文を比較し、同じところは旧版の訳文を利用し、違いがある文だけ翻訳を行うことによって、翻訳作業の軽減が可能となることから、改版が頻繁に行われるマニュアルなどの文書の翻訳業務などに適用される。このシステムを実現するためには、対訳文書の文の対応付けが不可欠である。原文と訳文の文の対応付けに関する研究は各所で行われているが、完全な対応付けを実現することは難しい。我々は、文書のフォーマットを利用して、対訳文の対応付けを行うシステムを試作した。本稿ではこのシステムと従来システムとの比較を行うことによって、対訳文の対応付けに文書フォーマットを利用することの有用性を示す。[figure]
著者
前田 幹夫 松下 吉宏 野田 勉 原田 守夫 瀬藤 幸児 尾花 毅 改正 高章 清水 信作 井口 政昭
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.20, no.35, pp.31-36, 1996-06-20
被引用文献数
6

Through utilization tests or the 64QAM signal under tentative specifications, intensive works have been made to standardize digital broadcasting signal format over cable television systems. At first, we describe an indoor experiment on the adjacent interference between the 64QAM signal and 3 types of analog modulation signals so far being supposed to transmit through cable television facilities. Next, we describe field tests conducted at 2 operative facilities under allowable ranges of DU ratio.
著者
前田 卓志 松下 雅仁 笹川 耕一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.118, pp.21-26, 1999-06-17
被引用文献数
5

インターネット閲覧や電子商取引に代表されるような,遠隔地から各種のサービスを提供する情報システムは,利便性などからその需要は急激に拡大している.サービスを権利のある人に正しく提供するには,個人を特定する個人識別技術が必要となる.本報告では,入退室管理等のセキュリティシステムや本人確認を必要とする情報システムを構築するための,汎用性に優れた個人識別用ミドルウエアについて述べる.
著者
南石 晃明 木南 章 伊東 正一 吉田 泰治 福田 晋 矢部 光保 堀田 和彦 前田 幸嗣 豊 智行 新開 章司 甲斐 諭 樋口 昭則 石井 博昭 松下 秀介 伊藤 健 亀屋 隆志 八木 洋憲 森高 正博 多田 稔 土田 志郎 後藤 一寿 佐藤 正衛
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

食料・農業・環境に関わる諸問題は,相互に密接に関連しており,その根底には「リスク」が深く関与している.このため,食料・農業・環境に関わる諸問題の解決には,「リスク」に対する理解が不可欠である.食料・農業・環境に潜むリスクには,どのようなものがあり,それらはどのように関連しており,さらにどのような対応が可能なのか?本研究では,学際的かつ国際的な視点からこれらの点について明らかにした.
著者
松下 茂
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.10, pp.421-424, 2011-10-01

国内における企業向けのドキュメントデリバリーの件数は,近年大きく減少している。その理由は,米国サブプライムローン破綻に端を発したグローバルな金融危機とリセッションの影響による研究施設の予算削減が大きい。また企業における電子ジャーナルの利用もドキュメントデリバリーサービスに影響を与えている。一方,グローバルなドキュメントデリバリーサービスはインターネットを通じて文献を提供するe-DDS(electronic Document Delivery Service)へと変化してきているが,ドキュメントデリバリーサービスの市場を拡大していない。むしろプレイヤーの寡占化が進み,市場に参入する新たなプレイヤーは見られない。e-DDSは,出版者が提供するPay Per Viewサービスと競合しており苦戦を強いられている。長期的に見れば,論文単位での流通はe-Articleの流通として拡大していくと予想されるが,その流通の担い手は,利用者の要望をよく理解して柔軟に対応することが可能で,Pay Per Viewやe-DDSをも統合した単一のプラットフォームによるサービスを実現できるプレイヤーに主権が移っていくであろう。
著者
松下 浩
出版者
新人物往来社
雑誌
歴史読本
巻号頁・発行日
vol.45, no.8, pp.170-175, 2000-05
著者
岩村 淳 横田 英史 内山 邦男 鎌田 富久 尾上 孝雄 松下 秀人 中山 貴司 門田 浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. FTS, フォールトトレラントシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.7, pp.31-35, 1999-04-15

今日、組込みプロセッサは電子的に制御される製品、例えばテレビ、携帯電話、ビデオカメラ、炊飯器、ゲーム機、タマゴッチ、コピー機、プリンタ、PDA、HDD、自動車、等々パソコンのCPU部分は別としてあらゆる"システム"の頭脳として組み込まれ活用されています。では、0.1um前後の微細加工技術が利用可能になり、チップ当りのdRAM容量はギガビットで語られ、CPU性能はMIPS値に代わってGIPSあるいはBOPSで評価され、デジタルTV放送が本格化し、光ファイバー網が日本の過半を覆う、と言われている2005年頃にはどのような性能、特徴、スペックを持ったプロセッサが、どのような用途、製品に適用されているのでしょうか? ディスカッションに先立ち、各パネリストの皆さんには各々がイメージするその時点における組込みプロセッサ像を語っていただき、各自の専門分野から予見される問題点等につきコメントしていただきます。
著者
大山 牧子 村上 正行 田口 真奈 松下 佳代
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.105-114, 2010

本論文では,構造の異なる大学生対象の中国語e-Learning教材を用いて,学習者特性と学習行為の関連性を明らかにすることを目的とする.学習者特性としては,FELDERによってモデル化された学習スタイルのうち<活動-内省>の軸に着目し,協力者を選定した.その上でケーススタディを行い,学習行為のプロセスを詳細に分析し1面で見られるように可視化した.その結果,学習スタイルの違いが学習行為を決定付ける1つの要因としてあげられることが示唆された.