著者
樋口 雅文 屋代 智之 黒田 浩一 矢込 宏敬 横山 光男 松下 温
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.44, pp.361-362, 1992-02-24

近年、大都市における交通渋帯はますます激しくなるとともに、慢性化している。そのために生じる時間的、経済的損失も無視できないレベルに達し、深刻な社会問題となっており、早期解決が強く望まれている。そこでここ数年来、交通流を解析するために高速道路や一般道における交通流のシミュレーションに関する研究が盛んに行われている。交通渋帯を解消する一つの方法として、道路に流入する交通量を制限することが首都高速道路などで行われている。本研究は、首都高速道路における流入制限が交通流に与える影響を調査することを目的とする。この調査のために首都高速道路環状線内回りのシミュレーションモデルを作成し、計算機上においてシミュレーションを行った。
著者
宇田 隆哉 伊藤 雅仁 淡谷 浩平 重野 寛 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.12, pp.133-138, 2002-02-14
被引用文献数
1

本論文は携帯型端末向け電子チケットシステムの提案である。本提案のシステムは商用に耐えうる強固なセキュリティを持ち、既存の携帯電話端末に特別なハードウェアを加えることなく、携帯型端末の機種を問わず電子チケットの発行から使用までを安全に管理できる。利用者は、携帯型端末からチケット発行サーバにアクセスし希望するチケットを購入した後、その携帯型端末画面上に電子チケットを表示し入場ゲートを通過する。本論文では、三次元パターン通信を用いることにより、電子チケットに付加した公開鍵暗号署名を任意の画面解像度を持つ端末上で扱うことを可能にした。本提案のシステムは、イベント会場の入場券や鉄道の切符などに幅広く利用可能である。A digital ticket system for cellular phones is described in this paper. The system has strong security for commercial use and has flexibility to support any cellular phone and PDA. A user can deal with everything related with a ticket such as issue, payment and showing with his cellular phone. He accesses to the ticket issuing server to get a ticket and shows that ticket holding his cellular phone to the ticket reader at an entrance gate. 3-D pattern is used in order to show a ticket, and no adding hardware module is needed. This system can be used for concert ticket, train ticket, etc.
著者
神田 裕 蜂須賀 喜多男 山口 晃弘 磯谷 正敏 石橋 宏之 加藤 純爾 松下 昌裕 小田 高司 原川 伊寿
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.19, no.10, pp.2121-2124, 1986-10-01
被引用文献数
13

1970年から1984年までに経験した大腸癌834例のうち手術直接死亡率に差がみられた75歳以上の高齢者大腸癌144例(17.3%)の臨床的特徴,手術に対するrisk factorを検討した.高齢者群は対照群に較べて全身性疾患やイレウス,穿孔などの腫瘍による合併症を有するものや緊急手術例が多いために切除率は低く,遠隔成績も不良であった.イレウス,穿孔などの腫瘍による合併症を伴ったものの手術死亡率は19.3%(11/57)と高率でもっとも大きなrisk factorと考えられた.しかし,手術侵襲の大きさと手術死亡に相関がなく,イレウス,穿孔例の二期切除例に手術死亡がないことを考慮すると高齢者といえども全身状態を把握して積極的に手術すべきと思われた.
著者
高木 敬彦 峡谷 香澄 遠藤 治 後藤 純雄 光崎 研一 村田 元秀 松下 秀鶴
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.193-199, 1992-04-15

相模原市の大気の汚染度を変異原性の面から把握するため浮遊粉じんを1年間定期的に採取し調べた. 浮遊粉じん量は季節別に有意差はみられなかったが, その溶媒抽出物(タール状物質)の冬期の濃度は他の季節に対して有意に高いことが判った. 変異原性はTA100, TA98株の両菌株に対してS-9mix添加の有無にかかわらずみられることや, その高さは採取日により数倍〜数十倍大きく変動し, 日曜日, 盆, 正月など産業活動の低い時期には変異原性も低くなる傾向を示した. 季節別では冬期が夏期や春期に比べて有意に高いことが判った. また, S-9mix無添加系が添加系よりも高い日が比較的多く認められたことからTA98NR株を用いてニトロアレーン類の存在を調べた結果, その存在は冬期よりも夏期に多いことが判った.
著者
成橋 和正 野村 政明 亀井 浩行 小野 俊介 松下 良 清水 栄 横川 弘一 山田 清文 鈴木 永雄 宮本 謙一 木村 和子
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.123, no.11, pp.973-980, 2003-11-01
被引用文献数
13 16

従来の薬学教育における臨床教育の不足から,多くの薬学系大学院博士前期課程(修士課程)に薬剤師免許取得後の大学院生を対象とした臨床系の専攻やコースが設立されてきている.金沢大学でも,薬学研究科(現:自然科学研究科)に臨床薬学教育を主眼に置いた医療薬学専攻が平成8年に設立され,国立大学としては早期であった.本学医療薬学専攻では,薬剤師免許取得者を対象とし,臨床現場で指導的役割を果たす高度な薬剤師の養成および次世代の医療薬学教育研究に携わる人材の育成を教育理念としている.このため,医療薬学専攻の学生に対して医療現場の実習を通じて医療を担うものとしての自覚を深めさせるとともに,自然科学の素養を身に付けることを求めている.具体的な教育目標は,医療人としての倫理観の醸成,医療の専門家として健康と疾病に関する知識獲得,薬物治療に起因する問題の同定・評価・解決,ならびに,コミュニケーションに関する知識・技術の習得,さらには,関連分野における高い研究・開発能力を発展させることである.このため,発足当初は,入学初期の集中講義,1か月の市内保険薬局での薬局実習,6か月の本学医学部附属病院薬剤部での実務実習を行い,1年間を課題研究期間としていた.講義は学部教育に引き続き,基礎自然科学系科目が大半であり,臨床現場での実習との非関連性が学生からも指摘されていた.また,半年間の実習後に修士の学位論文の一部として病院実務実習篇の作成や口頭発表が要求されていたために,実質的な実務実習は,時間的に極めて限られていた.実務実習を終えたあとの課題研究は,医療薬学専攻ならびに生命薬学専攻に属する各研究室で行っていたことから,必ずしも臨床に近いものではなかった.さらに,学生が就職するのは実習終了後1年を経過した後であり,就職直前の学生から実務に対する不安がでたり,就職直後に修了生や雇用者から実習経験が薬剤師として十分に活かせていないとの声が聞かれた.このような問題点を踏まえて,平成13年度に医療薬学専攻のカリキュラムの改善を図った.医療薬学に対する幅広い知識を深めさせるため,臨床系講義科目を充実させた.この変更では,薬物治療の科学的基礎とともに,看護,倫理,心理,国際など,医療に関連する人文・社会系分野も開講し,受講する学生の講義科目数が増加した.また,実習に関しては,継続性や充実性を考慮し,実務実習期間を1年に延長した.最初の2か月間は薬剤師業務全般の集中的な導入実習として,6人ずつ4グループに分かれ,調剤部門(一般調剤・注射薬調剤,2週間),製剤部門(一般製剤・無菌調剤,1週間),薬剤管理指導部門(医薬品情報・医薬品管理・TDM,1週間:病棟業務,4週間)を行う.その後は学生1人に対し指導薬剤師1人というマンツーマン形式の個別指導とし,薬剤師職能の病棟の薬剤管理指導を中心の実習としている.これに対し,医療薬学専攻の各教官も3名程度の学生を担当し,面接などにより実習の進捗状況を把握するとともに,専門分野に応じた指導も担当している.しかしながら,実習(実務)の大部分は指導薬剤師により行われており,個別指導であるため学生全体としての質の評価や,問題点の抽出は行いにくい.そこで,この新カリキュラムによる講義の理解度や実習の達成度について,visual analog scale(VAS)を用いて,学生と指導薬剤師による評価を試みた.また,この評価結果から,新カリキュラムの問題点などについて考察することとした.
著者
増田 育司 酒匂 貴文 松下 剛 白石 哲朗 切通 淳一郎 神村 祐司 小澤 貴和
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.709-716, 852, 2003-09-15
被引用文献数
5

鹿児島湾産アカカマス1631尾の耳石横断薄層切片をもとに,本種の年齢と成長を検討した結果,縁辺成長率の経月変化および優勢ないし劣勢年級群の経年出現状況から,用いた耳石輪紋(不透明帯内縁)は年輪であることが立証された。6月1日を誕生日と仮定して,輪紋数に応じて個体毎に年齢を割り振り,Bertalanffyの成長式を当てはめた結果,雄はL_t=304.6{1-exp[-0.433(t+3.385)]},雌はL_t=337.5{1-exp[-0.421(t+2.972)]}で表された。両式は有意に異なり,いずれの年齢においても雌は雄より大きい体サイズを示した。最高年齢は雄で11歳,雌で8歳であった。
著者
山羽 悦郎 水野 寿朗 松下 健 長谷部 優
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.709-717, 1999-07-15
被引用文献数
5 17

キンギョの胚操作の指標となる嚢胚期以前の発生段階を, 組織学的, 細胞学的, 発生遺伝学的な視点から検討を加えた。20℃の培養下で同調卵割から非同調卵割への移行(中期胞胚期遷移)は, 9回の同調卵割の後の受精約6時間に起こり, この時期以降を中期胞胚期と定めた。中胚葉分化の指標となるgoosecoidとno tailの発現は受精後8時間に観察され, この時期以降を後期細胚期と定めた。胚盤周囲の卵黄多核層の形成と深層細胞の運動は中期胞胚期に, 胚盤中央部の卵黄多核層の形成と深層細胞の自律的な混合は, 被いかぶせ運動以前の後期胞胚期に観察された。
著者
尾崎 敦夫 松下 和隆 白石 將 渡部 修介 古市 昌一 佐藤 裕幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CST, コンカレント工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.118, pp.13-18, 2007-06-21

本論文では,移動体が道路網上を移動する道路交通シミュレーションを取り上げ,模擬結果を変えずに移動体間の同期及び模擬コストを低減し実行性能向上を図る,道路交通向け動的タイムステップ制御方式を提案する.本方式を災害シミュレータの代表例であるロボカップレスキューの道路交通サブシミュレータへ適用した結果,酷い渋滞状態がなければ従来方式の約2〜3倍の性能向上が実現できることが確認できた.
著者
尾崎 敦夫 松下 和隆 白石 將 渡部 修介 古市 昌一 佐藤 裕幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.48, no.13, pp.1-12, 2007-08-15

我々は計算機クラスタ環境上において、航空機、艦船、車両等を主対象とする移動体シミュレーションの高速化手法である、動的タイムステップ制御方式(DTSS: event aware Dynamic Time Step Synchronization method)をすでに考案している。しかし、問題が大規模になった場合には、1 つの計算機上でも多数の移動体を高速に模擬することが求められる。本論文では、移動体が道路網上を移動する道路交通シミュレーションを取り上げ、模擬結果を変えずに移動体間の同期および模擬コストを低減させて実行性能向上を図る、道路交通向け動的タイムステップ制御方式(DTSS-RT: DTSS for Road Traffic simulation)を提案する。本方式を災害シミュレータの代表例であるロボカップレスキューの道路交通サブシミュレータへ適用した結果、ひどい渋滞状態がなければ従来方式の約 2~3 倍の性能向上が実現できることが確認できた。We have already proposed DTSS (event aware Dynamic Time Step Synchronization method) for speeding up moving objects (MOs) simulation, e.g. aircraft, ships, vehicles and so on, in a computer cluster environment. However, speeding up the simulation for a number of MOs on a single processor is required as well, when the problem size is enlarged. In this paper, we propose DTSS-RT (DTSS for Road Traffic simulation), which can speed up the simulation by reducing the simulation cost of each MO and synchronization cost between MOs without changing the simulation result. For evaluating DTSS-RT, we employed a road traffic sub-simulator of RoboCupRescue simulation. The results show that the performance of the simulation based on DTSS-RT is improved approximately 2~3 times over that of the conventional method except when the situation includes a heavy traffic jam.
著者
松下 伸行 日原 大輔 後 輝行 吉村 真一 暦本純一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.3664-3674, 2002-12-15
被引用文献数
20 27

実世界の状況を積極的に利用する拡張現実システムのための,新しいID認識カメラシステムを提案する.人の見ている事物に応じて情報を提示する拡張現実システムは,実世界状況を積極的に利用しているが,ID認識技術が近距離でのみ利用であったために理想環境でしか実現していない.そこで,目の前から遠くまでのユーザの見ている事物を,区別するのに十分な空間解像度を持つ新しいID認識システムが必要である.本研究では光ビーコンと高速イメージセンサを利用することで,普通のカメラとしてシーンを撮像するだけでなく,ビーコンのIDを近距離から長距離まで認識できるID認識システムを提案する.このシステムをIDカメラシステムと呼ぶ.IDカメラシステムを実装し,特性評価を行った結果,実環境で使用するのに十分ロバストであることが確認された.IDカメラシステムをネットワーク型携帯端末に搭載することで,実環境において拡張現実システムの構築が可能である.This paper describes our design and implementation of a new IDrecognition system called the ID Camera system. Although AR systemspresent information according to things that people are looking at inthe real world, the present ID recognition systems can be used only inan ideal environment. Therefore, a new long range ID recognitionsystem is required. In this paper, we propose an ID recognition systemusing Optical IDs and a high-speed image sensor. The ID sensorcaptures a scene as an ordinary camera as well as recognizing the IDof the beacon from a long distance. We implemented the ID Camerasystem and performed characteristic evaluations. A mobile AR systemcan be realized by combining this ID Camera system and a PDA with awireless network.
著者
久保田 大介 西本 知弘 松下 浩明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告高度交通システム(ITS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.22, pp.23-30, 2006-03-06
被引用文献数
2

歩行者,自転車,乗用車などが歩道や車道を走行しているときに起こす交通事故の危険度を予測するための交通シミュレーションプログラムを開発中である。交通事故が起きる原因には道路形状などの物理的側面と運転手の「だろう」行動に代表される行動的側面がある。本システムでは道路の2次元形状を交通シミュレータに直接反映させるために 道路を2次元の凸多角形の集合で表現する。また,歩行者や車両の行動モデルとして,行動計画モデルを提案する。さらに,歩行者や車両の危険幅を定義し,安全指標として,危険錯綜指標を用いる。We have been developing a traffic simulation program for estimating the risk of the traffic accidents caused by the pedestrians and/or the vehicles. The traffic accidents occur due to the trouble of the road and carelessness of the pedestrians and/or the drivers. In this system, the roads are expressed in sets of convex polygons to find a potential dangerous part on the road. Moreover, we propose the action plan model as a behavior model of the pedestrians and the vehicles. In addition, a dangerous width in the pedestrians and the vehicles is defined and the dangerous conflict indicator is used as a safety indicator.
著者
市井 誠 松下 誠 井上 克郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SS, ソフトウェアサイエンス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.491, pp.37-42, 2005-12-13
被引用文献数
1

スケールフリー性とはグラフ中のノードの接続辺数がべき分布に従う性質であり, インターネット上のノードなど様々な対象において確認されている.ソフトウェア部品間の利用関係をあらわす部品グラフにおいても, 大部分の部品はほとんど利用関係を持たないのに対してごく少数の部品が非常に多くの利用関係を持つスケールフリー性をもつことが知られている.利用関係はソフトウェアの設計が反映されたものであることから, 部品グラフにおける接続辺数の分布から設計に関する情報が得られると考えられるが, 設計による接続辺数の分布の違いは知られていない.本研究では, ソフトウェアによる接続辺数の分布の違いを入力辺数と出力辺数に分けて調査をおこない, ソフトウェアおよび含まれる部品の性質との関連について調査する.その結果, 入力辺数および出力辺数の分布はソフトウェアの設計や含まれる部品により異なることが判明した.また, 得られた結果より, 理解支援やソフトウェア評価を目的として, 部品グラフの接続辺数の分布からソフトウェアの設計に関する特徴の分析をおこなう手法について考察する.